家具の生い立ちが分かったなら

旭川は家具のまち。日本五大家具産地の一つ。特徴はいろいろあるけれど、デザイン性の高さがよく言われる。で、そのデザインがなぜ生まれるのかっていうところが面白いわけで。

ADW2019のプレスリリース

世界中のデザイナーと組む国際コンペ(IFDA)や、ADW(旭川デザインウィーク)という家具の祭典もある。家具とデザインを取り巻く、いろんな仕掛けやきっかけが転がってる。その中でも、自分がすごく興味が引かれてきたのが、「旭川木工コミュニティキャンプ(AMCC)」なるイベント。

AMCCホームページより

「木工と中心とする『ものづくり』にかかわる人が集まり、楽しく交流しながら、これからの時代の、新たな動きを生み出す土壌となる場」(HPより)。2009年にスタート。2019年は、今後のことをじっくり考えるために一呼吸おいて、短縮(濃縮)版を開くらしい。特に面白いなと思うのは、木工にかかわる多様な担い手が混じりあうこと。「『つくる人』『かんがえる人』『うる人』『つたえる人』『つかう人』など、ものづくりに関わる人が集まり、木工の現場を見学し、自然とふれあい、夜は、酒を飲みながら本音で、現実と夢を語り合う」(HPより)こと。本州からもたくさん思いのある人がやってきて、化学反応が起こらないわけがないわけで。最高。

これまでのAMCCはこの目で見れてないので引用情報ばっかりになってしまうけど、その化学反応をまざまざと見せつけられたのは、旭川家具のメーカー「メーベルトーコー」さんの商品を見てから。

最初に見たのは、2018年11月の「IFFT(インテリアライフ・リビング)」という国際展示会で、2回目は2019年3月29日にメーベルトーコーさんのショールームで。

104(天使)プロジェクト」というそうで、AMCCに参加した人の中で、端材や間伐材を使って家具をつくるというもの。メーベルトーコーさんの場合は、「人類進化ベッド」をつくるときに出た端材(道産カラマツ合板)を活用している。座面はRのついたものやフラットもあってさまざまだけど、脚はステンレスで人力で取り外し・付け替えもできる。それこそ飲みながらというか、雑談の中で生まれた商品らしい。

ビッグサイトではなくて地元の永山で妻・茜と一緒に見てみても、やっぱり「これいいなー」と完全一致。旭川公園ゲストハウスの公園(広場)部分にピッタリなのは間違いない。映画観賞会とかの時に、ベンチ状のこれを並べてみたい。

すべてがそう、というわけではないけど、商品が生まれた背景やきっかけをちょっとかじっただけで、思わず「ほしい」となるものっていっぱいある。ずっと言われているストーリーの大切さってことなんだろうけど、このベンチチェアーは真剣に欲しい! 思いやストーリーのある家具を、旭川公園にたくさん置きたい。そうすれば、ひょっとしたら、家具に興味なかった人でも作り手や森に興味が沸くかもしれないし。

ちなみに、メーベルトーコーさんの商品で旭川公園に置かせてもらうものが決まっているのは、「ハーフチェア」なるかっこいいやつ。

なんと、北海道の小学校英語情報誌「自分の町紹介資料集」という教科書の副読本みたいな本に取り上げられてる。しかも四季彩の丘(美瑛)の下、旭山動物園の右下。旭川家具の代表として。これは誇らしい。2脚のハーフチェアを導入するので、これについてはあらためて!