1年たって、分かったこと。ご近所の皆さんに囲まれる、という幸せ。

どうしたことでしょう。オープンから1年たって、日中のカフェには、ちょっとした変化が起きています。

近くにお住まいのおばあちゃんやおじさんが、けっこうな頻度で来てくださるようになったのです。もともと、車で20分とか30分とかかけてリピートしてくださる女性がお客さんとしてはウェートが大きくて、ご近所さんが少ないのが悩みで。

散歩中の方々が、ふらっと来てお茶をしておしゃべりして、という寄り合い所みたいな場を目指していたので、なんとか近くの方に存在を知ってもらいたいなーと思い続けてきて、夏前からはASAHIKAWA JOURNAL(旭川公園新聞)を月に一度発行したのもそういう狙いがあってのこと。

お友達を連れてのんびりおしゃべりするご婦人、マージャン(健康麻雀!)の休憩にご飯を食べにくる敬老会の皆さん、元料理人で包丁を研いでくれたりカボチャを差し入れてくれるおじさん、焼いたイモ餅を届けてくれるおばあちゃん・・・。いろんな方が、いろんな過ごし方をされ、いろんなものをくださる。これって最高なんではないでしょうか

もともと、根無し草だった松本家。どこか一カ所に根を下ろし、地域で包まれるように暮らしていきたい。そのつながりの中で、食べるものや道具なんかができる過程が見えて、おすそ分けをし合い、できればお金も思いも循環していくような生き方をしたい。だから、ご近所の人がふらっと来れる場があったら楽しい。ネタはある。そして、そこに外からの旅行者もまじれば、その地域の人や暮らしにも出合える最高の旅になる―。

そう思い描いていたので、ご近所の方に来ていただくというのは、言ってみれば一番最初の関門のようなもの。それがちょっとずつ、できつつあるのかなーと思うと、嬉しくて嬉しくて。

前カゴのついたママチャリで乗りつけ、広場ゾーンに止めて、カフェの扉を開けて、「こんにちは」。こちらからは、ドア越しにママチャリが見える。それだけで絵になるし、小さくても、長く、ずっと、見ていたい光景だなって思うのです。