“前坂の味”を受け継ぐ「ジンギスカンの博」

宿泊のゲストさんから、「前坂さんなくなったみたいですけど、食べられますか?」というお問い合わせをちょくちょくいただきます。このホームページなどをご覧になって、道外の方も「前坂さん」に興味を持ってくださる方がいて、うれしい限りです。そして、あの味を受け継いだ、お店の情報をしっかりお届けできておらず、すみません💦

 「ジンギスカンの博」というお店です。「前坂」で十八年勤めた大橋陽子さんが切り盛りされています。水回り設備の施工会社を営むご主人の名前から「博」と名づけたそうです。

 お店の入り口の頭上には、ジン鍋のオブジェが! こういう 内外装にも ご主人やお仲間の思いが詰まっています。まさに手作りのお店。店舗は、前坂の調理場だった一階を改装しました。ちなみに、二階は以前からご主人の倉庫だったそうです。すごい縁!

 大橋さんは「前坂」ではベテランの域で、閉店の1年ほど前に閉じることを知らされても、当初は引き継ぐ考えはなかったようです。それでも、常連客の熱望を受けた女将さんから「やってみないかい?」「やってごらん」と打診されて、思いを固めました。設備を譲り受けるなどサポートも受けて、周囲の期待に押されるように、予定より一か月以上早くオープンしました。

 準備はドタバタだったものの、技術や運営面での継承はスムーズだったようです。大橋さんは「十八年やってきたので、スライスからタレ作り、配達まで全部できます。あまり苦労しませんでした」と笑います。六十六年続いた味を守るのはプレッシャーがありそうなものですが、「前坂」のご主人や女将さんが近くで見守ってくれて、やりやすいといいます。

 十八年間、一つの家族のような温かい前坂で働いた大橋さん。その味の魅力を「タレはリンゴをすり下ろすところから。体に悪いものは使わず、全部手作りで手を抜きません」と語りました。二大看板のジンギスカンやホルモンは、そのまま引き継ぎました。

 一方で、時代に合わせた進化も目を見張るものがあります。

 子どももお腹いっぱいになるように、臭いを避けたい人も気軽にと、ラムより手頃な値段であっさりした「豚ジンギスカン」が新登場!コンパクトな店内で混雑しないよう、ラムも量り売りはせず、500グラムと1キロのみの設定にしました。ラム以外は冷凍とし、すぐ渡せるようにしました。すでに地方発送も始め、人気だった餃子の復活も計画中です。

 今回の“復活”に常連は「ジンギスカン難民だった」「やっぱりこの味じゃないと」と喜んだそうです。「地元の人に愛される味。できる限り長く残していきたいです」と大橋さん。

「ジンギスカンの博」は旧前坂から約五十メートルで、永山支所駐車場の向かいです。旭川公園ゲストハウスでは、焼き台・炭・トング類・紙皿などをご提供するプラン(税込み1,000円/人)と、食材調達(ラム肉、野菜、〆のうどん)から調理まで含めたお任せプラン(同2,700円/人、お子様は召し上がる量に応じてご相談)があります。 ※屋外で召し上がっていただくのは、午後8時30分までとなっております。 

 

冬が終わって、冬を待つ

またまた更新が滞ってしまい・・・。気づけば春になってました💦

2022年の冬(2021→2022シーズン)は、自分にとって記念すべきものとなりました! 念願、というかこれまでなんとなく避けていたスキーに初挑戦したのです。

この「あさひかわ新聞」にも書いたのですが、きっかけは次男のスキー教室。子どもが挑戦しているのに、親もやらないと示しがつかない!と高所恐怖症なのに一念発起しました。

旭川公園ゲストハウスとしては、スキーをメーンに滞在される方は多くはないものの、やっぱり「どこがいいですか?」とは決まれます。こんなスキー場だらけの旭川に暮らしているので、もちろんある程度のことは知っているし、必要に応じて詳しい人に聞くようにしてましたが、やっぱり、身が入らないというのが正直なところで・・・。

そりゃ、スキーは中学の時の合宿で恐怖を覚えてからは経験は皆無で、唯一あるのは大学生の時、名寄で人生初のスノーボードをやったくらい(なぜかボードは滑れた!)なので、「ここが楽しいですよ!」なんて適当なことは言えないわけで。

で、2022年2月、よっとこさスタート。カニさん歩きやハの字から始めて、高さにも慣れていって、ぴっぷスキー場(比布町)で3回、芦別国設スキー場(芦別市)とカムイスキーリンクス(旭川市)でそれぞれ1回ずつ経験。富良野スキー場(富良野市)では、春スキーもやってみました。

結果は、やればやるほど楽しくて、時間に余裕があって雪があれば、すぐにでも行きたいと思えるくらいに。想像以上の進歩です! 北海道に来てよかった~と、久々にしみじみです。

お客さんと滑る楽しみもできたし、来シーズンが楽しみすぎる。3年くらいしたら、華麗にターンできるようになるのかなーと想像しつつ、夏と秋が終わるのを今か今かと待ち焦がれています。

学び多き2021年、遊び多き2022年へ

今年もあとわずか。紅白を見ることもなく、ゲストさんとの時間をビールと日本酒で楽しんでいます。幸せ。

2020年に引き続いてのコロナ下での営業となりました。開業は2018年9月なので、いまだかつて、「普通」というものが分かりません。平年値、と言ったほうが正しいでしょうか。だいたい、年間を通してこのくらい、というのを経験していません。

それでも、やっぱり7月や8月は忙しいし、12月や1月は落ち着いています。どれだけ人が動いても、3室6名様しか受け入れられないキャパなので、お1人 お1人 とじっくり時間を過ごせるというのは変わらず、幸せなことだと、あらためてかみしめています。

閑散期に入った10月、近くの有名な施設への取材を兼ねて滞在された方がいらっしゃいました。たまたま、そこの責任者と管理人が知り合いだったので、ご紹介して、一緒にお話をしたら、ご縁がつながって一緒に仕事をすることになりました。その知らせを先日、このゲストから伺いました。

12月には、ご自身が登壇されるオンラインイベントの仕事で、チェックアウト時間(朝10時を過ぎて5時間半も滞在された方がいらっしゃいました。「仕事するのには快適すぎて、ずっといたい」とおっしゃいました。暮らすように滞在しつつ、無音の静けさが、このゲストにとって無上の価値だったようです。

そのあと、連泊された方は「居心地がよくて、ドアを開けた瞬間に『自然』を感じました」と言っておられました。大自然が目の前に広がっているわけでも、高級ホテルのような設備やしつらえがあるわけでもありません。それでも「居心地がいい」と思っていただけるのは、ひとえに“空気”なんだろうと思います。そしてその空気は、この地域と空間だからこそ、成しえるわざ。ほかにはない、自然体で、独自のものになっていると思います。

泊まるだけ、泊まって終わりではなく、関係が続いていく。なんでもなさそうな中に、何かを感じ取る。日常に戻っても、旭川やそこで体験したことが、体の一部に余韻となって残る。そんな新しいカタチをつくりたくて、宿をやっています。ゲストにとっても、ホストにとっても、忘れられない出会いを生んでこそ、旅の醍醐味なんだろうと思っています。

そんな素敵な出会いを、今年もいっぱい味わうことができました。幸せ。(前坂精肉店の閉店という悲い出来事は想定外でしたが・・・)

ゲストハウス業だけではなく、ライターとしての仕事も急ピッチで充実した1年でした。よりいっそう、ゲストハウスを楽しめる土壌づくりができたと思います。

2022年も、そうした出会いを一つずつ、積み重ねていこう。みんなにとって幸せなだと思える瞬間を少しでも生んでいこう。そう思える1年でした。コロナがあったからこそ、その丁寧な営みのありがたさを感じられたのかも。

2022年も、どうぞよろしくお願いいたします。

ジンギスカンの「灯」に不安を覚える理由

このところ、地域で長年親しまれてきた、ジンギスカンが手に入るお肉屋さんが、次々と姿を消している。これまでは、「跡継ぎがいないと大変だなぁ」くらいにしか思っていなかったけれど、こと前坂精肉店が閉店すると聞いて、ただならぬ危機感を覚えるようになった。

ゲストハウスにお泊りになったお客さんや、地域の知り合い、友達・・・。いろんな人に提供したり、一緒に鍋や焼き台を囲んできた。なくてはならない存在が、前坂さんのラム肉だった。あって当たり前、みんな、これを食べて育ってきたというような存在。なくなってしまうなんて、その知らせを耳にして1か月以上がたった今でも、信じられない。

わが家の小学1年生の次男は、「(大変だったら)ほかの人がやればいいんじゃない? そうすれば長くできるでしょ」と簡単に言ってくれる。人手の問題や、設備・機械のこと、体力や商いの環境などなど、閉店する理由はとっても複雑なので、簡単にああだこうだは言えない。

けれど、子どもの考えるようなシンプルな考えこそ、一番響くし、立ち返るべき思いだったりする。それが具体化することをどこかで期待しながら、まだまだ受け止められないでいる。

本当に困ってしまった。。。

居ても立っても居られなくなり、2021年最後の北海道新聞「朝の食卓」で書きました。

新しい遊具が仲間入り!

オープン2周年のタイミングで、幸せになりそうな、かわいい遊具が仲間入りしました。

いま、広場(庭?)の部分のプロデュースをしてくださっている、旭川でお庭づくりやみどりの仕事をされている「paradaisegreen」さんからのご紹介です。

ヴィンテージとは言わないまでも、それなりに年季が入っていて、座面の木部は、いい味出しています。金属の部分も、シブさ満点。木部だけでも直そうか? と検討しましたが、時を重ねた味わいが心地よいので、壊れそうになるまで、このまま使わせてもらうことに。

そのままだとシーソーです。2人で座って、ゆすり、ゆすりと。

庭にたくさんある木をかませば、固定されてベンチになります。子どもに限らず大人でも、思わず腰かけて写真を撮りたくなるほどキュートです。

そして、旭川公園の広場も、paradaisegreenさんのお力添えで大きく生まれ変わっています。春にどんな風景になっているか、想像するだけでワクワクです!

やっとこさ? はや? 2周年を迎えました。ありがとうございます!

2021年の9月19日、おかげさまで旭川公園ゲストハウスは、オープンして2周年となりました。コロナ禍で迎えた1周年の時より、どこか落ち着いてしまってる感じもしますので、静かに、その節目をありがたく迎えました。

濃い2年間でした。

月並みと言われたって、やっぱり。ゲスト、地域の方々、よく遊びに来てくれるお友達、家族…。皆さんのおかげあってこそ、無事にやってこれました。「いろいろ、浮き沈みもあるだろうな~」とは思っていましたが、まさか、こんな形でウイルスに翻弄されるとは、夢にも思いませんでした。自転車操業を支えてくださったのは、本当に皆さんの力の賜物なんです。

3年前、まだ静岡で会社員をやってるときでした。縁あって旭川や今の土地にたどり着き、地元の人が「土」のように親しんでくれ、旅の人が「風」のように訪ね、自然と交じり合う映像が頭に浮かびました。

ローカルな“寄合所”みたいなゲストハウスを建てることを決めるまで、そう時間はかかりませんでした。イメージが浮かんでからは、速い速い。

オープン半年でコロナに見舞われ、生き方や仕事の仕方を大きく変え、なんとか維持してきました。この間、ゲストと地元の人が一緒に遊んだり、飲んだり、バーベキューしたり、収穫したり、スノーモービルに乗ったり。

ゲスト同士で盛り上がって行動を共にしたり、友達になったり。ホストの私たちも、本当にたくさんの方々と、今もご縁が続いています。知り合いがいっぱい増え、自分たちも各地を旅しているようです。「人と人が交差するような場になれば」とイメージした光景が、当初のそれを超えに超えて、何度も眼前に広がりました。

こんな幸せなことって、そうそうないな~とあらためて思います。

ちなみに1年前の9月19日は、ゲストハウスを会場に、アップサイクル(人と人のつながりで、誰かの物に新しい価値を生み出すこと)を楽しむイベント「クリーニングデイ」をやってました。この時もやっぱり、ワクワクの風が吹いてました。

ちなみに2年前は、まだ移住前。北海道庁のビジネスプランコンテストで、道北予選のプレゼンがあり、本選への切符をゲット。管理人は、ハラハラした心をビールで冷やしてました。これからも、「ここに来たら何かありそう」とワクワクしてもらえる“公園”になれるように。細く、長く楽しんでいけるように。ほどほどに頑張っていきます。

3年目もよろしくお願いします!

隣の畑、そばの川、ときどき裏山

春本番。シラカバなのか、花粉も本番です。コーヒーを控える毎日。

敷地内の「公園ファーム・離れ」で、ラベンダーを発見!

5~6月は、「今のうちに」を迫られることがいくつかあって、代表格が畑。次点が薪の調達であります。雨が本格的に多くなる前に、気温がまぁまぁ高くなる時に、いざ。

6月1日、去年から始めた「みんなの公園ファーム」が始動しました。いつもカフェに来てくださる皆さんにお手伝いしてもらい、畝をつくっていく。苗は、ご近所で町内会活動でも役員同士の農家・Tさんから大量にいただいて。

トマト・ピーマン・セロリ・パセリ・ナス・ジャガイモ・トウキビ・シソを、30mくらいの区画に植えていく作業。去年は土をふるいに掛けて小石を分けて、えっさ、ほいさと高く盛っていたけれど、2年目は大進化。これまたいただきもののマルチ(保温・乾燥防止のビニル)を敷いて、その穴に植えていく。めっちゃ速い!!

汗を流したあとは、みんなで賄いごはんと、アイスコーヒーで休憩。みんなで作業するって、この時間のためにやってるんだな~と思える、ヒュッゲなひととき。

皆さんが帰られたら、管理人は里山部・清水省吾さんが管理する山へ。「裏山」として使わせてもらってて、片道10分ちょっとだから、いつでも行ける。

途中、人工の「永山新川」を渡る橋から、あまりに大雪山と手前の緑がきれいだったもんで、車を停めてボーっとする。たまたま、宗谷本線のトラス橋をDECMOことH100型が通過。車体自体はステンレスで味気ないけど、この景色だからなんでも許せちゃう。

里山部のベースの「突哨山(とっしょうざん)は、旭川市と比布町にまたがっていて、カタクリの群生で有名。ゲストハウスで器を使わせてもらっている陶芸家・工藤和彦さんの「ウラヤマクラシテル」もこの山にありまして。駐車場のある「カタクリ広場」を過ぎてちょっと行ったところに、「里山部」の入り口がある。ここからは軽トラがおススメ。なんてったって清水さんに触発されて軽トラ買ったようなもんだから、四駆でアグレッシブに走らせる!

昨シーズンに取りにこれなかった分の薪は、ちょうど荷台満載くらいの量。ヒグラシや鳥の鳴き声をBGMに、筋肉痛覚悟で猛烈にポンポン載せて、ほどよく汗をかいて。重さでブレーキの利きにくくなった軽トラを駆り、ゲストハウスへ。

この前日には、ご近所さんからも大量の薪の差し入れがあったので、今年の冬の7割くらいはなんとかなりそう!

それにしても、畑が歩いてすぐあって、食べるもの(の一部)を自分たちでつくることができて、少し足を延ばせば永山新川も石狩川もあって、森があって。あぁ、この場所を選んでよかったーと思えた1日。この近さこそ、豊かさ。しかも人にも恵まれて・・・。

旭川、やっぱいいなー!

【カフェ】緊急事態宣言中の休業について

「旭川公園ゲストハウス」カフェは、5月18日(火)からも通常営業をする心積もりでしたが、緊急事態宣言が出ている間(17日時点では31日まで)は休業することに致しました。 

アルコール類の提供はあるものの、営業時間は日中の11時~16時なので、メニューからアルコールを消せば休業要請までは求められません。ただ、以下の点を踏まえてトータルで考え、判断しました。

そもそもとして、「今回こそ最後にしなければ」という思いがあります。去年の今頃とは全く状況の違う変異株の流行。従来株に対する慣れによる油断。旭川でも市中感染が起きているという認識。少しでも、人と人の接触機会を減らす以外にないということ―。これらが最大かつ、根本的な理由です。

それに加え、ここ数日で出てきた要因もあります。

①子どもが通う、全校で70人ほどの小学校でも運動会が延期になるなど、日常生活に変更が生じる可能性が今後、高まりかねないこと。カフェを運営する私たちも、同じようでいられない恐れがあること(昨年の一斉休校下で営業した教訓を踏まえました)。

②最近は、新規の方を含め、お客さまが多くお越しになることが多く、小さなお店であることから、短時間でも近接するリスクをゼロにできないこと。

③旭川公園は、町内会で仰せつかっているお役目の拠点としても機能していて、春は所用でお年寄りの出入りも増えること。

地域の“寄合所”のような場でいよう、そこに地域外の人が自然に混じりあうような雰囲気をつくろうと、やってきました。お客さん同士が初対面でも話に花を咲かせ、程よい距離感で友達になるようなことが何度もありました。

ただ、お話ししているとどうしても、身を乗り出してしまいます。お互い注意していても、「どうしても」をゼロにするのは難しいと思っています。アクリル板を立てたところで、ロボットのように「黙色」を完璧にこなさないと意味をなさないことも、現実にはあります。

それだったら、モヤモヤするのなら、「らしさ」が薄れるなら、潔くお休みしよう―。その方向に今日、考えを変えた次第です。 皆さん一人一人に、いろんな考えや受け止めがあるかと思います。でも「一日も早く…」の願いに異を唱える人はいないはずです。

それぞれの選択をリスペクトし、不運にも辛い状況にある人に気持ちを寄せ、最前線の関係者に思いを馳せながら、できることをコツコツやっていきたいと思います。

きょう読んだ本に、素敵な言葉がありました。 「原稿(コンテンツ)がおもしろくなる鍵は、『自分のこころがどれだけ動いたか』にかかっている。なにを聴いても『へぇー』で終わり、なにに触れても感動できない人は、『与えられること』に慣れすぎている。(中略)自分のこころを動かすのは、あなた自身なのだ」(『取材・執筆・推敲―書く人の教科書』古賀史健著)

取材やインタビューのヒントを探っていたら、楽しく暮らすコツを拾うことができました。

このストレスフルな毎日。ちょっとでも心を動かして、ちょっとした楽しみや生きがいを感じる力が高まったら、緊急事態後はもっと素敵な毎日になる気がします!

旭川公園ゲストハウス 松本浩司、茜と子どもたち

副業をやめて考える、「福業」への道~道新コラムから~

またお久しぶりをしてしまいました。。。

今年は2月までの雪が多かった半面、雪解けのころは気温が高く、去年とは比べものにならないスピードで雪はなくなってしまいました。例年、道路や田畑がぐちゃぐちゃになって辟易するものですが、今年はそんなこともなく。快適な一方で、季節の移ろいも生き急いでいるようで、ちょっと寂しくもありました。

そんな風に呑気に構えていられるのも、「旭川公園」管理人の暮らしがちょっとずつ変わってきたことが背景にあります。2019年の秋から、仕事の仕方を大きく変えました。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください!

年に10回、北海道新聞(道新)の社会面にあるコラム「朝の食卓」でコラムを書かせてもらっています。これまで12回やって、おそらく一番反響をいただいた記事です。SNSでたくさん拡散していただいたのに加えて、行く先々で「読んだよ!」と共感してくださったりすることが多く、このコロナで多くの方が、生き方や働き方を見つめ直しているんだなー、としみじみと思いました。

このコラムにもあるように、ゲストハウスとしては今まで通りやっていくのですが、これまで空いた時間にするイメージだった、書く仕事(ライター業)をかなり増やしていきました。

自分にとっての刺激量が格段に大きくなって、いろんなことが有機的につながって、楽しい。そして何より、心の安定が飛躍的に向上して、今まで以上にゲストと濃い時間(ソーシャルディスタンスは取りながら💦)を過ごせるようになりました。

もともと、いろいろな仕事が互いに良い作用をもたらせるような、循環するような形を思い描いていましたが、畑作業で農家さんにお世話になるだけでなく、リモート中心のライター業でもできることが分かってきました。

誤解を恐れずに言えば、ゲストハウス業は手段です。自分たち家族が、その仲間が、そしてゲストや地域のみんなが楽しく生きていくための手段です。みんなで楽しく、豊かに過ごそうと思ったら、まずは自分たちがそれをしっかり実践しないとできません。

ゲストハウスをしっかり持続させ、より楽しいものにしていくために、やれることはなんでもやります。

別の側面から考えると、旭川公園というゲストハウスは、旭川エリアの面白いヒト・モノ・コトを自分たちで見つけて、ほかの何かとくっつけて、じわじわ伝えるのが、ミッションです。今流行りの、ビジョン・ミッション・バリュー(VMV)で言うと、「地域と外の循環をつくってワクワクの輪を広げる」のがビジョンです。バリューは、まだ言語化できていません(笑)

ということで、手段としてのゲストハウスを続け、ビジョンやミッションをゆっくりでも成し遂げていくために、いろんな道を歩いて楽しんでいこうと思っています!

【道内の皆さまへ】新しい「どうみん割」について

「GoToトラベル」という言葉はすっかり死語のようになって、道民を対象にした「どうみん割」も遥か昔のもののように感じられる4月です。

この4月、全国で地域限定の旅行支援の事業が始まり、北海道では「新しい旅のスタイル」として始まりました。「どうみん割」の続編みたいな感じですね。条件とかは厳しくなってますが。

さて、この新しい「どうみん割」ですが、旭川公園ゲストハウスとしては、、、

参加しない 

ことに決めました!

けっこう真面目に考えまして、理由が多すぎるのですが、いくつかまとめます。数字が大きくなるほどに、重要性が高まります!

①期間が短すぎて、事務負担を考えるとリスクとコストのほうが大きい

②ゲストハウスで「黙食」するのなら、自分なら食事を抜いた方がマシ

③GoToできないから、やらないよりマシだしみんな全国でやろ~ぜ!という経緯に違和感

④「安いから行ってみよう」という動機づけは、もう、いいかなと

①~③はたぶん説明いらないと思いますので、④について補足します。

GoToトラベルも「どうみん割」も、安くするから旅行しよう、というのが趣旨なわけです。安ければ、今まで行けなかったところに行けるし、誰も困らないです。一見。

例えば7000円で本来やってて、3000円引きになったら、4000円でゲストは泊まれると。お客さんからしたら、どう感じるでしょうか? 「4000円しか払ってないのに、こんな素敵な宿に来ることができた!」と喜びしかないでしょう。一見。

じゃあ、同じ体験を次回した、あるいはしようとしたときに、7000円だとどう感じるのでしょうか?

例えば、旭川公園ゲストハウスでは、寝る、休むだけの場所として料金を設定しているわけではありません。ゲストによりけりですが、事前にニーズなどをお伺いし、できる限りのアレンジやアテンドをしご紹介をし、時には一緒に遊ばせてもらいます。その後もお付き合いが続くことも、ままあります。すべてひっくるめての価値だと思っています。そこで3000円引くとなると、どこから価値を削ればいいのか、私たちには分かりません。

提供している価値が同じなのに、値段が違うというのは、価値を見誤るリスクがあまりにも大きいと考えています。もちろん、安くなることで入り口が増え、選択肢が多くなり、多くの新しい出会いが生まれることは素晴らしいと思います。そして、事業者側も、その「価値」について、場合によってはアップグレードを含めて、柔軟に誠意と戦略をもって(良い意味で)コントロールしているとこもあると思います。

④を言い換えると、「値段から入ると、その価値が見えなくなるんじゃ?」ということになります。だから、その価値をお互いがしっかり認識できるような関係をこそ、私たち大事にしたいと考えています。 

「価値」はいろいろなものがあり、最近よく聞く「知覚価値」という言葉を使えば、その一部である「情緒的価値」に、私たちはもっと磨きをかけていきたいと思います。「あ、なんかいいな」というフワッとした居場所感、居心地の良さ。良い距離感で話をしたくなる、また会いたくなるような人と人の絆。そこに行けば、何かが生まれる、出会えるかもしれないと予想せずにはいられないワクワク感(これは「期待価値」とも言えますね・・・)

いま、旭川公園に何度も来ていただいているお客さんとは、一方的で申し訳ですが多分、ずっとお付き合いは続くと思っています。引っ越したりしても、まるで甥っ子姪っ子の成長を見に行くような感じで、またお互いに顔を見たいと思えるような関係が築ける気がします。

そのきっかけをつくる一つの手段、メディアとしてゲストハウスがあります。少なくとも、旭川公園ゲストハウスはそういう場所です。稼働率の目標を厳密に設定して達成にシャカリキになるスタイルは、とうの昔(2020年9月ごろ(笑))にやめました。

そしてもう一つ、GoToトラベルも「どうみん割」も、原資はわたしたちの税金であります(全部か一部かは知りません)。制度を一見して「あ、安くてラッキー」と思っても、それはやがて自分たちに跳ね返ってきます。このコロナ禍での大盤振る舞いをへて、この国はいったいどうなるんだろうと心配しかありません(あ、コロナ前もそうでした💦)。

任せっきり、チェックを怠ったことでここまで来てしまいました。もうこれからは、国や行政に頼って、困った時は救いだけ求めて文句を言うよりも、変幻自在にスタイルを変えて、できるだけ(ここ重要!)自立してやっていける生き方(「経営」とはよう言えません)を探す方が大事なんじゃないかと切に切に、思うわけです。

だから、自分たちにできる、自立に向けたささやかな“抵抗”として、新しい「どうみん割」は遠慮することにしました。

①にも関わってきますが、支援事業の期間や形が違うものになったら、別の判断があるかもしれません(根っこの思いは同じです!)。そして、自分たちのように「すべき」とは微塵も思いませんし、使えるものは基本的にどんどん使うべきだと考えています。

これまでGoToトラベルにも、どうみん割にもお世話になりました。本当に感謝しています。おかげさまで、多くのご縁をいただきました。

そして、身近な圏域で旅行をしようという、新しい「どうみん割」のメッセージには共感しているので、地元の人が地元の魅力を見つけらるようなスタイルがもっと広まればいいなと、心から思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!