やっぱり熱海に「奇跡」があった

5日近くブログ更新が滞ってしまい自己嫌悪。ちゃんと習慣をつけないかんのでプレッシャーかけるのは大事だけど、苦痛になってはいけないので、めげずにいこう。うん。

8月18日(土)は掛川駅前の軽トラ市に行って「麹のミルク割り」を買って、近くの製茶会社がやってる「きみくら」で翌日からの旭川行きのお土産を購入。きみくらはしょっちゅう行って新鮮さがないので、ほぼ隣にある「ラーメンショップ」に初チャレンジ。「塩コリコリのり」みたいな一風変わったのを頼んだけど、岩のりが入っていたのは確認できたものの、なにがコリコリなのか分からずじまい。商品説明を見ても書いてなかったので、消化不良感。味は、、、うん。

掛川をお暇して、いつもは浜松方面に帰るところだけど、今日はやる気を出して熱海に向かった。150キロくらいあるんだよね。でもいかなきゃならぬ理由がこれあり。

ちょうどこの前の日、毎日新聞にこんな記事が出ていて。

公園ゲストハウスをつくる人間としては、見ないわけにはいかないと。18日までの3日間限定だし、ちょっとでも早く「熱海の奇跡」を見てみたかったし。

ひたすら東名高速を走って、沼津インターから下道を走りまくり、けっこうな峠を越えて、熱海の温泉街たどり着いた。

まず人の多さにびっくり。「昔はよかったけど、いまは寂れすぎて・・・」というのがかつての熱海イメージだったけど、老若男女、とくに若い人が商店街をゾロゾロ歩いてる! 歩道が狭いし、よけいに活気を感じさせる。お店がいっぱいあって、色彩がほんとうに豊かな感じで。あー、いいスパイラルが、なんかおもしろそうなことをやるぞ!っていう空気が流れてるんだなー。あー、昔の温泉街ってこんな風に賑わっていたのかなーと想像してしまった。

今や有名になった「熱海プリン」は外までレジ待ちのお客さんがいるし、干物屋さんもなんだか楽しげで、ふらりと入りたくなる。そしてその向かいには、

ゲストハウスMARUYA

商店街に溶け込んでいるMARUYA!
ビール片手に魚の干物食べたい!

いまや全国的な有名ゲストハウスだけど、めっちゃまちに開かれている。干物とビールを売っていて、なんかすごい羨ましい空気感。日本じゃないみたいな、いい時間が流れてた。飲めるスタンドもある。泊まれなくても楽しめるけど、「泊まると熱海がくせになる」のキャッチコピー通りだわ。

毎日新聞の記事に出てた公園は、MARUYAさんのお隣だった。向かいのお店で売っているアイスが食べられる「モバイルキヨスク」、ベンチ、子ども用のトンネル。歩く人がたくさんいるので、こういう空間って貴重だわ。

ほっこりして写真撮ったりしてると、この公園で、「熱海の奇跡」の著者で熱海再生の仕掛け人、市来広一郎さんを発見! 生で拝見できるなんて、なんと運命的な!と勝手に思い込み、「市来さんですか?」と声かけを決行。気さくにお話ししてくだり、旭川でゲストハウスをつくることもお伝えしてしまった。

熱海には15分しかいられなかったけど、ほんと来てよかったー。どうしようか悩んだら行動あるのみ。

夜は三重県から会社の先輩・後輩が浜松に駆けつけてくれ、たのしい宴。いまは立場も勤務地もいろいろ、考えもいろいろだけど、かつて同じグループでけっこうなエネルギーを注いで取材をしていた間柄。こうしてまた集まってもらえるのって不思議な感じがするけど、とにかく落ち着く。一緒に乗り越えてきたことを思い出して、パワーがでた。今の会社にいたからこそ今の価値観ができたわけで、皆さんとのご縁に感謝するほかない。

別れ際。「がんばって」と握手を交わした、その力の強さを忘れないでいよう。

作りたいものは分かった。で、どう売るの?

木曜日は「旭川公園」メンバーの鈴木裕矢さん、松島弘幸さんと打ち合わせ。これまでのアイデアを、どう現実的なレベルに落とし込んでいくか。

ゲストハウスでの宿泊そのものはもちろん、朝食、カフェ部分での飲み物とかを、どこまでやるか。何もかも最初からできないし、やろうとは思わない。飲食なんてめちゃんこ難しいので、たいそうな赤字にならなければいい。

例えばコーヒーは、佇む、集う、深呼吸するツールとして考えてるので、凝るつもりはない。遊ぶ子どもたちを見ながら、甘酒スムージー飲んだり、コーヒーすすったり、地ビールや地酒をクイッと引っかけたり。縁側みたくウッドデッキに座って。時には目の前を走るディーゼル列車を見やって。

人を呼び込むアイデアとしては、マルシェとかミニファーマーズマーケットあたりが、皆さんの反応も良かった。予定地の空気感にすごくあってるし、線路沿いでやれたら最高だね、と。まちなかのまとまった土地で、ドーン!とたくさん作り手を招いてやるのも一つだけど、もっとローカルな、作り手がいっそう身近で感じられるような場をつくりたい。そのための資源はたくさんあるし。近くの「クラークホースガーデン」さんでもマルシェはやっているらしいので、ちょっと工夫してかぶらないように。

今日も宿泊料金の相談をした。これまで、「寝れればいい」安ゲストハウスは競合として捉えず、値段に見合うバリューを創っていこう、という点では一致したけど、この日、鈴木さんから「どう呼び込むかが圧倒的に大事」と指摘が。これまでも、集客、集客、集客と何度もおっしゃっていて、まぁそれなりに策を考えてたつもりだけど、ハッとした。

7000円台後半の料金に見合う空間になる事が前提になって、「そりゃこのメンバーだし、いいもんができるわ」と最近、当たり前のように思ってた。いいもの作るんだから、「そりゃお客さん来るでしょ」と高をくくってた節も。

売り上げ予測は厳し目に作っているものの、集客は「なんとかなるやろう」という考えが徐々に大きくなってきてた。はず。鈴木さんに頭を殴られ感じ。「良いものだから人が来るわけじゃない」ってことは今まで何度も聞いたこどだけど、忘れてたんだなぁ。これ、定年後に趣味が高じてお店をやってきたけど、すぐダメになる、みたいなのと一緒なのかも。お客さんが見えてないパターン。あるいは、「世の中に対していいことやってるんだから、なんとかなるでしょ」と甘く見るパターンと一緒か。

よし、気を引き締め直そ!

総事業費は自分の想像を遙かに超えるレベルになりそうなことも分かった。いまずっと相談をしている信金に加えて、日本政策金融公庫にもお願いしようとは思ってたけど、いよいろ融資の準備を本格化せねば。

そこで久しぶりに、公庫「手引き」をめくった。

先輩創業者からのメッセージのページで、27歳製造業の男性が、こう寄せている。「優れた商品であっても、売れるとは限らない。どのように売るのかが大切」。まさにこれよね。

「自分のはこんな優れた製品だから」「これほど美味しいんだから」と盲目的に思った瞬間、〝終わりの始まり〟がやってくるのかもしれない。そんな罠はいっぱい潜んでそうだなー。今までも、これからも

 

世界で一番、洗濯が楽しくなる小屋

作業する松本憲ちゃん

ゴミ(不要物)を愛して磨きをかけ、新しい命を宿らせて、おしゃれな作品に仕上げちゃう建築家の松本憲ちゃんから、メッセンジャーの「旭川公園グループ」にアナウンスが。「ワークショップで誰でも参加で小屋作りしてるので、松本ファミリーで都合の良いときに遊びにきてください」

場所は浜松市の浜北区ときた。「サン・ファイン」っていうコインランドリーらしい。で、行ってきた。

「現場」のサン・ファインというコインランドリー

外観だけ見たらほとんど完成してるような感じだったけど、キュートといったらありゃしない。ラッキーなことにキャスター(車輪)を外す瞬間の「ナントカ式」にも立ち会えた!

とりあえずかっこいい、かわいい

下半分はギザギザみたいなテイストです。これ、洗濯板をイメージしてて、圧倒的な存在感ならが優しい全体の雰囲気をつくってる。窓は実際にお店で使われてた機械の扉の、円形のふた。ちゃんと物語や意味がある。

小屋っていう響きだけでもかわいいけど、久しぶりに実際に見てみると「抱き締めたい!」っていう感じになる。しかも屋根は可動式!キャンピングカーみたいにボワン、と開くのです。

子どもたちは当然のように大はしゃぎして、お店屋さん気取り。中に入って、工具のインパクトドライバーとか木に触ったり。

子どもたちも大喜び

小屋って、見た目の可愛さはもちろんだけど、この秘密基地感がたまらない。大きなハコじゃないから、中と外がつながりやすい。旭川の公園ゲストハウスでも、思わず外=ローカルを感じに出たくなるような小屋をつくりたい。

この小屋は子どもでも押せるくらい軽く移動できて、軽トラの荷台にスポンと載るサイズ。これで旭川に連れて行きたい。津軽海峡を渡りたい!

憲ちゃんは静岡市のビームス前でも自作の小屋を置いたり、「ビッグイシュー」で作品が取り上げられたり、小屋作りはお手の物だとは思うけど、ほんと愛情込めてんなー、というのがよく分かる。超多忙ながら、好きで、楽しくて、たまらないんだろなー。

お仕事中の、クールな表情の憲ちゃん

この小屋を使って、コインランドリーの二代目が何を目指していらっしゃるのかは、あらためて取材して記事にしようー。

みんな笑顔

ゲストハウス「旭山公園」の説明をするとき、「小屋を並べますよ」、「かわいいの作るよ!」とついつい言っちゃうけど、小屋って完成したものしか実は見たことがない。どうやって作られてるのかは、本でしか知らなかった。ちょっとだけ小屋とお近づきになれた気がする。

この日はデザイナーの鈴木裕矢さんもいたけど、「旭川公園」メンバーの普段の仕事の一端も見れて、なんかうれしい。

すごいぞ北海道ガーデン

北海道らしい「ゆとり」と自然や地域を愛でる心が、日本のガーデン観光を引っ張っていく気がする!

5月のゴールデンウィークに行った、ゲストハウス近くの「上野ファーム」にて。シーズンではなく天気もイマイチだったけど、心安らぐ雰囲気。妻撮影

産経新聞(14日付)によると、国土交通省はガーデンツーリズムの普及を目指して、来年度に観光ルート化の支援に乗りだす方針だとか。

国交省は盆栽が世界的な人気を集めていることも踏まえて、旧家の日本庭園も入れてルート化するらしい。北海道は「和」テイストのものってないかもしれないけど、富良野のラベンダーとか、北竜町のヒマワリとか、規模感を生かして植物を楽しむのはかなり前から定着している。

そしてやっぱり出てきた。記事では「先駆的な例」として「北海道ガーデン街道を紹介している。「大雪 森のガーデン」やテレビドラマで一躍有名になった「風のガーデン」といった、8ガーデンを巡る250㌔の「花のルート」。「十勝千年の森」を運営していらっしゃる林克彦さんという方が仕掛け人で、十勝が通過されてしまうことに危機感を感じ、超高域で連携を模索した。ここんところ、十勝発のエネルギーには目を見張る。

わが「ゲストハウス旭川公園」としては、4700mしか離れていない、車で10分の「上野ファーム」をまず推すものであります。

もともとは米農家さんで、お客さんに直接売ることを始めて、「せっかくだからおもてなしをしよう」「魅せる農場にしよう」と時間をかけて庭を整備されてきた。オープンガーデンの一つだと思うし、理想的な公共空間だなぁ。規模はなかなか真似できないけど。今手がけている上野砂由紀さんはイングリッシュガーデンの界隈ではとても著名な方で、「風のガーデン」もデザインされた。今や数万人が訪れる人気スポットだけど、「観光客にたくさん来てもらおう!」と変な力を入れてきたんではなくて、地元志向、地に足の着いた感じが素敵すぎる!

上野ファームについてはまた詳しく書こう。道内の私設庭園(オープンガーデン)もたくさんお話があるのであらためて。

よく考えたら夏のハイシーズンの北海道で1度か2度しか経験がない。上野ファーム、いい季節にまた行きたくなってきた。

 

移住&ゲストハウス準備は後半戦へ

「順調?」と最近よく聞かれる。どうなんだろ。時間が想定以上にかかってはいるけど、一歩ずつ一歩ずつ着実にきてます、と答えるようにしている。

階段は一歩ずつ上るべし

どこにハーフタイムがあるのか分からないけど、いよいよ後半戦。「旭川公園」(仮称)全体のパースCG(完成予想図)や図面が今週中にでき上がりそう! と浜松のチームメンバーから連絡を受け、19(日)、20日(月)と旭川でいろんな準備をすることにした。今日決めたので、さっそく狂ったようにアポ入れをしてしまった。

19日は初めてジェットスター便でセントレアから新千歳に入り、急ぎご近所挨拶へ。家族全員で。翌20日は月曜日なので、市役所で建築指導課、保健所、消防を回って、金融機関や商工会議所も行きたい。長男・大滋(たいし)の特別支援学校の手続きもあるので、もう書類は提出したけど教育委員会で教育相談を受けて、できれば東川町という人気のまちにある「東川養護学校」も見学してみたいところ。

市役所への用事が多くなってしまうのは、なかなか大変なことで。許認可は多岐にわたるし、当たり前だけど平日しか行けないもんで。

建築当局では、ゲストハウスや住宅(今回はゲストハウスのみ)が、建築基準法に照らして強度がちゃんとあるか、各構造物の関係は適切か、厳冬期に耐えられる構造か(凍結深度)、とかをチェックしてもらう。保健所では、旅館業法上、トイレの数や位置が適切か、食品衛生法からみて衛生的な環境を確保できるか、とか、食べ物を出すことができるキッチンがあるか、など。消防では消防法に照らして排煙しやすいか、火事を大きくしないか、とかとか。

この辺のことは、確認を怠ったり誤解があったりすると、その後の審査でえげつないことになる。着工後に「実はこの階段の幅がダメだから作り直して」「トイレが足りないからもう一つ作って」となると、水回りが絡む場合なんか数百万円の規模で変わってくるはず。悪夢以外のなにものでもない(ただでさえ、敷地の地盤調査に戦々恐々としてるのに・・・)。

しかも全部、図面がないと具体的な相談や申請できない。前回は5月28日に行って挨拶となんとなくの相談をしただけで、だいぶ計画内容も変わっているから、ドキドキ。なんかあれば早めに修正しないと。

ちょうど引っ越しの荷出しが10月5日とも決まったし、世の中はお盆休みだし、なんとなく新ステージに入った感じがする。ただ10月上旬に引っ越ししても住宅(兼管理棟)のコンテナハウスは未完成なので、旭川で仮住まいしをする。各社お盆休みで連絡できないけど、早くそのアパートを決めないと。早く通常運転に戻ってほしいところ。短期間で二階も引っ越ししないといけないのはかなり痛いけど、11月のプレオープンを目指して、ちょっとでも早く地元の一員になろう。

上りきってから笑いたい

「ヤミ民泊」の一人歩き

いっとき時代の寵児として脚光を浴びていた民泊が、逆風にさらされている。違法な「ヤミ民泊」なる言葉が、いろんなところで使われはじめた。

6月15日に「民泊新法」が施行されて、ようやく民泊のルールづくりができたと思ったら、「厳しすぎて営業できない」「既存のホテル・旅館を守りたいだけでしょ」とか批判とか不満が噴出した。

観光庁と自治体はさっそく調査。6月15日時点で仲介会社が予約サイトに登録していた2万3000件のうち、中間段階で1000件くらいがヤミ民泊だった。最終的には数千件くらいまで膨らむ感触だという。

なんかどんどん、民泊が負のイメージを帯びているような・・・。もともとグレーな存在だったけど、エアビーが広めたシェアリングサービスは時代の要請だし、需要があるから人気を集めたわけで。訪日客からしたら、「日本人のごく普通の暮らしを見てみたい」「安く滞在型の旅をしたい」って思うのは当然で、休眠中の物件をもつオーナーさんは、活用したいはず。騒音とかトラブル、治安上の問題、悪質な業者の排除とかクリアしないといけない問題はあるけど、なんで需要があったのかを見誤っちゃ本末転倒で。

民泊には2種類あって、一つはゲストハウスとかと同じように、厚労省が所管する旅館業法上の「簡易宿所」として許可を取るもの。営業できるエリアとか設備には縛りがある。自分の「旭川公園」(仮称)もこれに沿って準備中。

もう一つは、新法に基づいて内閣府の特区制度を使って届け出るパターン。簡易宿所のような制限は少ないけど、年間の営業日数が180日以下っていう条件がある。これで食っていこうと思ったら、かなりきついはず。地域によっては禁止しているところもある。今住んでいるマンションもダメ。

7月28日付の毎日新聞で、「民泊は時代に合うか」のテーマで、日本民泊協会代表理事の大植敏生(おおうえ・としお)さんと、立教大特任准教授の藥師丸正次郎(やくしまる・じろう)さんの紙上対談があった。

藥師丸さんは、「現時点で届け出数が伸び悩んでいるのは新法の制定により、ホスト側が経済的利益だけでなく、危機管理意識を高めた結果とも評価でき、法の意図に沿う」と一定の評価をしている。見出しは「安全性の確保に課題」。

大植さんは「インバウンド(訪日客)の中には家族連れで一か所に滞在しながら素顔の日本文化を楽しみたい人たちが多い。しかし日本のホテルがこれらのニーズを無視し、ごく一部のスイートルームを除いて3人以上が泊まれる部屋を提供してこなかった」「部屋を貸す事業者と気さくに話をする機会があるので、旅の最大の楽しみである『現地との触れ合い』が楽しめる」「宿泊施設は将来的に、ホテルのような事業者不滞在型よりも、地元との触れ合いが濃い民宿のような事業者滞在型が中心になっていくだろう。価格競争ではなく、サービス競争の時代に移っていく」と訴えている。ほんとそう。

大植さんの言葉は現場感覚があるし、「民宿のような〜」っていう部分がしっくりくる。「なんかあったらどうするんだ!」と過剰になったり、既存業界への影響を考えすぎるのは日本っぽい気もするけど。(投資して厳しい規制をクリアしてきたホテル・旅館側の気持ちは分かるけど)

ソトコトの2017年6月号の特集によれば、いまの旅に求められるのは、「人との出会い」や「関わり合い」。それがあれば、楽しさが倍増して、思い出が立体化して「また来て、会いたくなる」。ゲストハウスは「きっかけやひっかかりを芽生えさせてくれる場所」と役割を定義してる。人と地域に会いにいく旅は、いっときのブームに終わらないはず。

 

 

楽しくないけど、すごい。それが東海道新幹線

ここんとこ、東海道新幹線がすごいことになっているらしい。

2018年3月、浜松駅にて。あした8月11日からは、帰省ラッシュで別の意味ですごいことになってるんだろなー

8月10日付の日経新聞・地域経済面(静岡)によると、10日に東海道新幹線の運転本数が過去最多を更新する。

運転本数は年を追うごとに増えていて、例年、お盆の時期に記録を塗り替えているそうな。知らなかったー

JR東海は、国鉄からドル箱を引き継いだ経緯とか、在来線(ローカル)軽視との批判から、やっかみをよく言われる。社員さんにその話をすると、真剣に反論されたりするけど、やっぱり画一的で多様性がないし、ビジネスライクでワクワクしないし、新幹線ありきで在来との格差がひどい・・・。会社ごとに顧客層が違うのは当然ながら、鉄道好きの端くれとしては、JR各社の中で、東海は申し訳ないけど断トツにおもしろくない。

でも、すごい。間違いなくすごい。

(ちょっと提灯っぽい)この記事をなぞるようで恐縮ながら、現状これだけ過密なダイヤを設定しながら、本数を増やしていくなんて人間業と思えない。

記事ではグループ会社がセンサー付きほうきを開発して清掃時間を短縮し、余裕をつくるための新大阪駅を工事し、新しい「N700A」を投入したなどと紹介されてる。ゲストハウス経営(予定)者からは想像もつかないほどの、天文学的な額の投資をして、日本で随一の需要を日夜支えている。

事故なく、トラブルなく、遅延なくの毎日を重ねる。夜の間に必死の保守点検作業をこなす。そしてわずかなカイゼンの余地を見つけて、すぐ実行する。国鉄から国内最大の遺産を引き継いだ幸運があったとしても、この企業努力はすさまじいと思う。必要ないと思ってるけど、リニアもつくってる!

こんなこと、JR北海道にできるかしら・・・。この違いは何?環境がマインドをつくるのか、マインドが環境を引き寄せるのか分からないけど、JR東海の経営の結果が世界に誇るべきものだというのは間違いないでしょう。

お客さんからは見えないところで、地味な当たり前のことを続ける。しかも工夫を重ねて、何十年も。これってめちゃくちゃすごいこと。有り体に言えば、変革・挑戦の積み重ねが伝統・安定につながってる、ということかしら。

いま「公園」がアツい。

すてきな公共空間はどうあるべきか。どうつくるのか。「公共R不動産」の本でもいろんなサジェスチョンがあったけど、関心が高まってきてるなーと思う。特に関係者の間では。

でも最近、一般の利用者の目線からいっても、公共空間、特に公園にはアい視線が注がれている。うまく引っ張ってくれてるのは、そう、マガジンハウス(出版社)です。なんてったって、LIFE is PARK! だもの。

最近見た、同社発行の雑誌だけで3つある。

まず「&Premium」 2016年7月号

これはまあ、公園特集ではないけど、「これまで中でしてたことを外でやってみよう!」という大テーマで、公園の楽しみ方やら、デザイン遊具やらを紹介してる。 ちなみにこの雑誌は、「旭川公園」が想定顧客にしている方々が好んで読んでいる(設定な)のです。

次に「Hanako」2018年6月14日号

表紙ですべて悟ってしまう感じ。説明不要。

そして「BRUTUS」2018年8月1日号

このBRUTUSでは特集の最初のページに、こう書いてある。「いま公園がとても面白い。誰にでも開かれた自由なパブリックスペースであるのはもちろん、今までにない試みを始める実験場としても注目されています」。

そうなんだよ、実験するんだよ、旭川で!

識者3人が語り合うページでは、ランドスケープアーキテクトの石川初さんが、「使う側の市民が維持管理に参加するという民活の動きが最近の特徴。それとは逆に、企業や個人の持ち物が開放されて公園として整備されるという流れもある」と。

そうなんです!松本個人の持ち物を開放するんですよ、旭川で!

なんかもう、自分のために特集されているとしか思えない・・・。「旭川公園」の掲載が間に合わなかったことだけが心残りだけど、こういう勘違い(思い込み)って大事。うん。

 

駆け込みでビジコンに応募!

昔からずっと、こんなだった。フォトコンテストとか、懸賞とか、応募締め切りの直前になって運良く思い出して、中央郵便局の夜間窓口に駆け込む、というパターン。中学生の時から成長してない。

8日25時30分。パワポのプレゼン資料をつくるためにファイルをめくっていたら、道庁が主催する「北海道創業ビジネスグランプリ」なるチラシを発見。1カ月くらい前だったか、公的機関の補助金を探している時にホームページで見つけ、「いいなあ」と思って、ファイルにしまい込んだままだった。

なにげなくチラシを見ると、「8月10日(金)必着」とある!

地域の課題を解決する創業プランを応募して、書類選考を通過したら地域ごとにある予選会でプレゼンする。本選で勝ち抜いたら、クラウドファンディング型ふるさと納税を使って、上限200万円の補助がもらえる。

おもしろそう! 単に担当部署に提出して可否を判断されるより、いろんな人の目に触れるだろうし。よしやろう!

とりあえず所定のフォーマットを見て、どんな項目が必要なのか確認。「事業概要」「地域課題」「創業計画」「セールスポイント」「5年目までの利益目標」「仕入れ・調達先」「資金計画」「補助金の使途」などなど。

書いていて思った。これは考えをまとめるのに、めちゃくちゃいい! 毎日いろんなアイデアとか、逆に「これはやめとこう」というブレーキとかが出てくるけど、どこかのタイミングで指を動かして(キーボードじゃなくて)紙に落とすという行動はめったにない。真剣に向き合える感じがする。

入学式、卒業式、結婚式、お葬式。いろんな行事があるけれど、単に形式的にやっているわけじゃなくて、気持ちを整える、自覚や覚悟を問われてる、という意味があるんじゃないかと近ごろ思うようになったので、こういう書類選考なんかも、儀式としてみれば必要な通過点に違いない。

応募用紙の「地域課題」については、この未明の時間帯に、けっこう考え込んだ。頭の中を整理した。そして出てきたのは、5点。

① 旭川は、宿泊しない通過型の観光のケースが散見されて、まちなかのホテルなどではローカル感を味わいにくい
② 周辺には山林が多いものの、持続可能な林業がなされていないケースも多々。「木のまち」なのに山や消費の現場が見えづらい
③ 旭川農業高校や旭川大の学生による加工食品の発表の場の確保
④ 近くの旭川大生らが、落ち着ける場や共同スペースを望んでいる
⑤ 子どもの減少と、最寄りの小学校の統合

こういう課題と、自分のやりたいことがどうマッチするのかを事業概要や創業動機に盛り込むようにして、仕上げた。公園をつくって地元のいろんな人が憩い、遊べるコミュニティーにすること宿泊者は町内会にチェックインするイメージで自然に地元を感じ、ローカルな暮らしをシェアできること・・・。

これから自治体とかに説明していく上でも、いい準備になったなー。

なんとか9日のうちに浜松東郵便局に持ち込めた。台風やお盆に差しかかることもあって不安があるけど、通常であれば速達なら10日に届くとのこと。ぜひよろしくお願いします! もし書類選考を通過できれば9月8日に旭川市でプレゼンという運びに。ドキドキ。

 

旭川大高校、わが甲子園へようこそ!

「LANDMADE」をお暇した後は、辻本くんに大丸神戸店まで送ってもらって、家族と合流と相成りました。ただ、待ち合わせ場所は、5階のおもちゃ売り場。めっちゃ嫌な予感・・・。この後、甲子園に急がなあかんのに。

エスカレーターで上がり、子どもや母、妹、妻・茜を探す。あー、いたいた、次男・陽己(はるき)はプラレールの前に陣取って、動こうとしない。

帰ろうと促すも、当然のように全力で拒否。「買わないなんて、そんなこと絶対にないーーーー」と絶叫し、のたうち回り、フロア内を走り回る。店員さんは笑顔を浮かべていたけど、他のお客さんはドン引き。あまりにも分かりやすい態度に笑ってしまい、下のように写真を撮っていたら、本人が「写真撮ってる場合じゃない! 消して!」とスマホをもぎ取られた。

大人たちは順番に引っぱたかれながらも、強引に拘束して高速でエスカレーターを降りる。一階で二手に分かれ、甲子園に連れて行こうとすると、陽己は今度、「ママがいいーーー」とだみ声を瀟洒な化粧品売り場を轟かせたので、いたたまれなくなって、ダッシュ抱っこで店外へ。誘拐しているみたいな気分だった。

阪神電車の元町駅まで汗だくになってたどり着き、「梅田でプラレール見れるかも」と甘言を弄すれば、なんとか車内に乗り込んでくれ、ひっくひっく言いながら1分ほどで撃沈。こちらの勝利!

甲子園駅につくと、すでにホームはすごい熱気! いざ球場へ。もう10年以上来てない。「夏の高校野球見ながらめちゃ高い生ビールを飲む」という、社会人が全員抱くはずの夢がやっと実現できると思うと、武者震い。

お目当ては6日第四試合の、旭川大(北北海道)―佐久長聖(長野)。当然のことではありますが、旭川の応援団がいる、一塁側のアルプス席へ。800円×3人分で、けっこう高い。ちなみにビール@700円×2本、かき氷@350円×2杯。プラレールどころの出費じゃないな~。

帰りの新幹線の関係で試合は3回までしか見れなかったけど、すっかりエセ旭川市民の気分になって、点を入れた時には長男・大滋(たいし)と一緒に手を叩いて発狂。あぁ、オープンエアの球場で見る野球って、やっぱり最高。ドームはどうも無理だわ。

旭川大高校の部員たち。こちらも応援グッズ買いました

この後、春夏の高校野球で初めてタイブレークに突入し、旭川大は惜敗。でも活躍を目の前で見られたし、甲子園のある西宮で生まれ育った一人として、これからの地元になる旭川の球児たちが、はるばるこの地で汗を流してくれたことを思うと、なんかジーンときた。

選手や学校関係者の皆さん、異次元の暑さのなかお疲れさまでした!フェイスブックで「いい試合だったね」とコメントをもらって、自分のことのように嬉しかったー。応援グッズは大事に持っておこう。

8月5日の中日春秋(中日新聞一面コラム)に、高校野球の開幕に合わせた記事があった。プレーに目が離せないのは、圧倒的に多い敗者を慰めたい思いからではないかとした上で、

ひょっとして慰めているのはグラウンドで嗚咽(おえつ)する球児だけではなく、過去のわれわれ自身か。夢はかないにくく努力は必ずしも報われない。それを思い知らされた大人は夢という白球をひたむきに追いかけ、希望というバットを信じて強振する球児にかつての自分を重ねる。白球に手が届かず、バットがむなしく空を切ったとき、若者のその痛みと、大人になったわれわれ自身の過去の夢に泣く

とあった。まぁそんな大げさに考えてるわけじゃないけど、やっぱり必死だった高校生のころの自分と重ね合わせてる部分は間違いなくあるわ。高校時代の経験が、旭川移住&ゲストハウス計画につながっているから、よけいに感慨深くなるってもんだよねー。