スペシャルなコーヒーに込めた思い

同級生たちの活躍や夢を知った明くる日、西宮の実家近くまで、中学が一緒だった辻本くんが迎えにやってきた。18年ぶりに再会して、2日連続で会うなんて、すてきやわ!

車はなんと! BMW(ビーエムですよ)のM3! 色も神戸に似合ってる。中学生のころ、一緒に神戸のBMWディーラーに行って、カタログを持って帰ったのを思い出すよ。そのころから、BMが好きすぎて好きすぎて、前にはトヨタのアルテッツァに乗ってたけど、念願のBM乗りに。ちなみに自分も移住計画を本格化させるまでフェアレディZに乗ってたけど、「絶対買い戻せよ!」とうるさいくらいに言ってくれる、同志であります。

辻本くんと、愛車M3と、大滋。撮影は大丸神戸店の近くにて

いやいや今日は車の話じゃなくて、目的地こそ大事。前日の晩に中高で一緒だったグラノーラジャーニーの西村くんに紹介してもらった、神戸・ポートアイランドにあるコーヒー店「LANDMADE(ランドメイド)」に行くんです。長男の大滋も一緒に行くんです。

国道をゆっくり流して(これほんと。安全運転)、なか卯でお昼ご飯たべて、ポートアイランドの「中公園駅」近くにあるお店に到着。巨大な分譲マンションの一階に、その店舗はあった。

スペシャルティコーヒーの専門店。社長の上野真人さんがいらっしゃり、スペシャリティーコーヒーの定義や、前職の豆問屋時代の話を聞いて、生産者の生活を守るためにどんなコーヒー作りが求められているのかを熱く、熱く語ってくださった。

よく言われる話だけど、豆は地球の反対側で暮らす生産者の努力に関係なく先物の相場で決まることとか、どんないい豆でも輸送・保存状態によって質が落ちることとか、コーヒー業界の現実を教わった。上野さんは農園一つ一つを回って、ちゃんと生産者が生活できるるように、自分たちでも飲めるように考えて商売をされている。

いろんな言い方ができると思う。エシカル消費、フェアトレード、サステナブル・・・。もうこれら抜きに商売始めるなんて考えられない時代だとは思うけど、上野社長のからはすごい信念が伝わってきた。ぞくぞくした。

経営の理念も伝授してくださった。「ランチェスターのシェア理論」を例に、地域で一番のお店として愛されることを目指されている。ターゲットが明確で、競合も当たり前だけどしっかり分析なさっていて、周辺のお店(駄菓子屋さん)とのシナジーもばっちり。一つのキーワードが子どもだから。

周辺といえば、近くに「チャイルド・ケモ・ハウス」という、小児がんの子どもが家族が一緒に暮らせる、家のような施設があって、そこへの支援をされている。上野さんは、骨髄バンクのドナーになって、30歳の時に提供を決めて近くの市民病院で手術。それをきっかけにケモ・ハウスや小児がんのことを知った。レジには施設のNPO法人への寄付を呼びかける箱も置いてある。

で、この募金のやり方がぐっとくる。中学3年生までは「こどもコーヒー」として飲みやすいアイスカフェオレを100円で提供していて、その売り上げから、あえて10円を買った子どもにキャッシュバックしている。そして自分の手で、募金箱に入れてもらう仕組みなんです。知らない間に募金されていた、ではなくて自分の体を通過する。これはめっちゃ大事やん!

ちょっと話は逸れるけど、ゲストハウス「旭川公園」でも子どもが遊びたくなるような仕掛けを用意するけど、例えば自転車発電でちょっとでも電気をつくったらお菓子をあげる(仮)とか、なんらかの形で自分の体で何かを感じてほしいなーと。それが成長にすごい大事だと思うので。押しつけじゃなく、振り返れば、楽しくやってみれば分かる、みたいなのが気分。

話を戻します。チャイルド・ケモ・ハウスとのつながりで言うと、奥さまを乳がんで亡くされた読売テレビの元アナウンサー・清水健さんとコラボして、オリジナルブレンドの商品を開発。清水さんご家族がハウスで過ごされていたことから、つながったそう。収益の一部が清水さんの基金を通じ、医療の充実に充てられるようにしてる。清水さんの活動は、「112日間のママ」という本の名前で思い出す方が多いと思う。

清水さんとコラボした、チャリティブレンド「HERO」

子どもを含めた消費者と生産者、チャイルド・ケモ・ハウスとかを自然につないで、思いとお金を循環させていらっしゃる。たぶん上野さんにとってコーヒーはメディアなんじゃないかと思った。そして、これを飲んでいるお客さんが、どんな思いでコーヒーのある生活を楽しんでいるか、すごく明確なイメージを描くことができた。不思議なくらい。

コーヒーバッグで淹れてくださる社長の上野真人さん

店舗は近所の人が毎日でも来られるような場にしていて、ネットとの住み分けを明確にされている。買いやすいのに価格設定もすごく考えられて、驚くことばかり。個別の商品では、ティーバッグみたいにお湯を注ぐだけの「コーヒーバッグ」にびっくり。雑味がないから、これでもおいしく飲めるんだとか。昨日の記事にも書いた「神戸セレクション」で2018年の食品部門一位。確かにこれはすごい。旅先に持っていく人がいるというのも頷ける。

焙煎を指導する立場のすご腕の人とは聞いていたけど、想像をはるかに超えていて、やられました。味は、あえて説明しなくてもいいよね。

同級生はいいもんだ

祖母の家を後にして、家族を置いて1人だけ別行動させてもらうことに。JRの三宮駅で降りて、そごう隣のビル「神戸国際会館」地下二階へ急いだ。

創業70年弱の「千代田繊維工業」(加古川市)が展開する、「千代治のくつ下」のお店を訪ねるのが目的。大学のゼミで一緒だった長谷川くんが、何年か前、後を継ぐために地元に戻って頑張っている。帰省した時や加古川の近くに行ったら会おうと思ってたけど、こんな便利な一等地にあるならと、当日思い立ってお邪魔してきた。

10分くらいしか見れなかったので詳しく語れる材料がないけど、女性向けがほとんど。ビビットな配色でシャープなやつから、ベージュ系のふわふわ系まで、色づかいやデザインは多彩な感じ。 おっ!と思ったのが、冷えを取り、デトックスにもなるという「おやすみソックス」。シルクを使っていて、肌によくて、デトックスにもいいらしい。なんか、良さそう。なのでいくつかいただいてきた。今度ゆっくりお邪魔して、レディースだけど、緑色のコットンベストを手に入れたい。

神戸新聞によると、加古川は明治時代からの全国的な靴下産地。ただバブル崩壊後は大手の生産拠点がアジアに移り、千代田さんも売り上げが急落した。三代目社長(長谷川くんのお父上)の奥さまがネット販売に活路を見いだし、自社ブランド立ち上げにつなげたらしい!そして2017年3月に初の常設の直営店(ここ)を実現させたしい! すごい。

ここ、神戸らしい上質な商品に贈られる「神戸セレクション」(2013年)にも選ばれているらしい。特徴ある目玉商品もいろいろ出されてる。どんどん大きくなってほしいー。

この後は摂津本山というJRの駅に移動して、中学・高校の時の同級生と飲み会。

乗り換えの電車を待つ、住吉駅のホームにて

それぞれの仕事のことをひとしきり話した後は、移住&ゲストハウス、AI、経営、工場勤務、ネット取り次ぎ業界のいま、人材開発・・・と、テーマ別のトークセッションが尽きず。なんか、みんな大人になったなあとしみじみ。15年前はバカ話しかしてなかったのに。 CAとして活躍する十河さん、車好きの同志で野望を抱いて転職を控えた辻本くん、神戸で人気の「グラノーラジャーニー」(こちらも神戸セレクション)をやっている敏腕経営者の西村くん、忙しいところありがとー。

ある1人から、若手との接し方について金言が。「どんだけどうしようもない相手だと思っても、理解しようという姿勢でじっくり聞く」「この人が言うなら、と思ってもらえるように人間的な魅力を高めるのが大事」「誰にでも大切にしたい価値観があって、それを見つけ出して導けるといい」・・・。

うーん、これは決定的に自分に欠けている。理解を超えた年下の相手と接すると、「ああ、違う星の人だ」と思って、理解することを自ら拒絶しちゃってる。できる限りアンガーマネジメントして、実践してみようかしら。

そして西村くんからは、お付き合いのある素敵なコーヒーマイスターがいるとの耳寄りの情報が。次の日(6日)、さっそく会いにいく段取りをしてくれた。このスピード感が好き。同級生はいいもんだ。中学時代の恩師が、「今いる友達を大事にせよ。利害関係のない間柄の貴重さは、いずれ分かるから」と言っていたのを思い出した夜。       (つづく)

なんにも失わずに進もうなんて、無理でしょ

帰省の話のつづき。身内ネタです、すみません。

神戸市垂水区に住んでいる祖母に会いに行きまして。旭川に移住することをまだ伝えておらず、私の母も反応が怖くてなかなか言い出せなかったので、意を決してカミングアウトするのが最大のミッションだった。

焼き肉屋さんでお昼を食べて、生ビールで乾杯したあとに「秋に北海道に引っ越しするわ」と切り出した。すると祖母は、梅干しを口にいれた漫画のキャラみたいな表情をして、「えーーー」と、これまた漫画のように言った。

転勤だと直感したようだけど、移住して宿を始めることとかを、こちらとしては丁寧に説明したら、いよいよ驚きを深めて、ひ孫たちに向かって「もうなかなか会えなくなるかなぁ」とぼやく。

距離が生まれることでショックを受けてしまわないか、妻・茜も自分の母もかなり前からかなり心配していた。これまでも帰省すると、茜は「おばあちゃんの喜んでる顔を見ると、すぐに移住というのは・・・」と漏らすことがあった。

ほんとその通りだと思うし、かなり初期からもちろん自分なりに考えてきた。孫を溺愛している母や祖母が悲しむのが好きな子どもなんていないし。

でも、本当にやりたいことがあるなら悩んでも答えがブレるわけないし、あえてドライに言うなら、母や祖母亡き後も自分や子どもたちは生きるわけで、その人生を豊かにするんであれば、えいや!でやらんといかん。 と、言い聞かせてきた。 もっとキツい言い方をするなら、母や祖母のために生きているわけではないので、その順番は間違っちゃいけない。と、言い聞かせてきた。少し心を鬼にして。覚悟が試されてる、とも思っていたので。

自分たちが本当に活き活きと新しい人生を楽しんで、その姿を見せることで母や祖母たちを幸せな気分にさせたほうが、長い目でみて、みんなにとっていい。そしてそのためには、しっかり軌道に乗せて、必要以上に寂しい思いをさせないように、ある程度、飛行機で関西・瀬戸と北海道を行き来できるようにしたい。そのように思うに至ったのであります。

焼き肉屋さんから帰って、祖母は母や妻といろいろ話して、けっきょくは「自分のやりたいことをやるのが一番や」「子ども(ひ孫)のことを考えて、ならそうるのがいいやんね」というところで落ち着いたようで。自分に言い聞かせているのかもしれないけど、額面通りに受け取ろうと思った。

たぶん、孫の決断を信じてくれてるんだろなー。祖父もそうだったし。

とにかく長生きしてもらって、とにかく楽しくやってるところを見せたいとやる気がみなぎってきた!

「神戸」は強すぎる

帰省で神戸に来ました。

あっ、「神戸」と書いたけど、実家があるのは兵庫県の西宮市。神戸と大阪のちょうど中間にあるところ。西宮といえば、「甲子園があるところ」と言えば分かってもらえるけど、知らない人ももちろんいる。

なので大学生のころなんか、勉強会(人によってはコンパというらしい)とかで「神戸出身」と名乗ってた。「買い物は神戸でしてた」、とか、「よく神戸でご飯食べてた」とか。アホらしいけど、まぁウソではないし。

効果があったかどうかはともかく、それくらい「神戸」には力がある。武器にしている事業者もいっぱいいる。

なんでこんなに神戸ブランドがあるのかは、いろんな分析が言われるけど、まずはロケーションでしょう。山があって、海がある。しかも横浜と違って、その間の免責が狭いから、一日あれば両方楽しめる。ハイブリッドないいとこどり。 山に登って海を見る、海を目の前に山を望む。高校生のころまでこれは日常だったけど、この豊かさはすごいもんだと思ってた。

山なら、ハーブ園があるし少し足を伸ばせば乳製品で有名な六甲山もある。海ならもう説明不要なくらい、きれいに整えられた神戸港がある。失礼ながら、名古屋港や大阪港とは全然イメージが違う。

今まさにハーバーランドのスターバックス(本意ではないけど)におりまして。たくさん船が行き交い、マルシェみたいなものがあり、ランドマークとしてのポートタワーがあって、みんな記念写真を撮ってる。水辺空間というコンテンツの強さに思いを馳せる。子どもたちを母や妹に預け、アンパンマンミュージアムで遊ばせて楽をしているので、よけいに気持ちがいい!

実際に外国人が多いけど、その歴史がベースになった異国情緒が自然に漂っているのも、まちのブランドを形成するのに大きなポイント。

「神戸」と聞いて、説明不要なくらい多くの人がいだくイメージがあるから、「神戸」と名の付いた商品には競争力がでてくる。

北海道でいえば、「富良野」とか「小樽」、もしくは「十勝」、あるいは「知床」かなと。「札幌」は微妙だけど、まあ当てはまるかな。

じゃあ、旭川はどうだろうかと考えた時に、まだまだイメージが沸かない。旭川はよく知らなくても旭山動物園は知ってる人は多いくらい。(移住先としてはよく知られてる)。富良野や美瑛に行くために、宿が取れなくてある程度便利だから選ばれている要素が強いと思う。

旭山動物園以外に、強力なコンテンツが必要という声は地元でも根強いらしい。でもそれだけで「神戸的なまち」になれるわけじゃない。なる必要もないかもしれないけど。ただ旭川ってどんな所?と聞かれてすぐイメージできるような存在になれば、通過型のまちから脱却できるかも(?)。

まちの玄関が駅だとすると、現状は、木の香りがする素敵な旭川駅を出た瞬間に、イオンが飛び込んでくる。ホテルが立ち並ぶ中心部は、他の都市と代わり映えしない。そして歩く人が多くない。目に見える「旭川らしさ」が駅で完結していて、もったいない。大きい市だから動きにくい点はあるけど、これどうすんだろ。引っ越したら、なんかおもしろいこと考えたい。

職を転じて新たな天職を

最終出社まであと35日。ここに来て、新聞記者の仕事のありがたさと醍醐味を、久しぶりにガツンと思い知ることになるなんて。

愛知県瀬戸市の「三峰園窯」の加藤達伸さんが、フェイスブックの投稿でブログのリンクを張って、メッセージを寄せてくださった。

そのメッセージの中心は、7年前に書いた、瀬戸焼のこれからについての連載。「今でも読み返し自身がかかわる瀬戸焼のブランディング事業に役立てたりしています」とある。保管してくれている記事の写真とともに。

加藤達伸さんのフェイスブックより

こんな嬉しいことってあるかしら。まさに記者冥利に尽きるってもんで。

瀬戸市の担当=焼き物担当として、期間は短かったけどいろんな事を考えた。毎日のように地元の人たちと飲んで、加藤さんはじめ焼き物に携わる作り手とも本音でしゃべって、飲んで飲んで。 本音の積み重ねが、自分の中で問題意識に成長し、いろいろ調べようと足が動き、たくさんの人に伝えたくなった。サラリーマンとしてというより、たまた多くの人に届けるツールを持っているだけの市民として、という感覚が強かった。

休みの日は県外を含めて産地を見に行ったし(今なら絶対、出張申請してる!)、仕事と遊びの境がそんなになくて、熱量があった。苦しくても好きでやっていて楽しいから、全部よし。書くことでいろいろと言われることもあったけど、心の通じた人からは、ウインクしながら親指を立てたグー!マークを向けてくれるような応援をもらって、31回続けられた。

なんのために、誰のために書くのか、すごく明確だった。もちろん批判や懸念もあったけど、支局に「購入したい」「まとめてスクラップしたい」と電話をもらった。反響があることが一番のやりがい。

その仕事が、時間をへてもまだ読んだ人の記憶に残ってるなんて、会社辞めたら罰が当たると思っちゃうくらい、恐れ多くて、幸せな気分になる。

長久手町(当時、今は長久手市)を担当していた時に知り合った職員さんからも、「今回のことがあって、松本さんの記事を読み返しました」とメッセージをもらっていて、同じように嬉しかった。

新聞記者といえば、「抜いた」「抜かれた」の世界。特ダネを求めて、他社より早く報じることを目指して、がむしゃらに動き回るイメージがある。もちろんその通りだけど、特に若い記者と話していると、これまで不動に見えた新聞像は確実に変わってきているし、読む人が求めているものは何なのか、をより考えるようになっている気がする。

「いい記事」といってもいろいろ。

記者が掘り起こさないと、埋もれたまま社会で共有できなかったようなネタは間違いなく一級の特ダネだろうと思う。じゃあ、明日普通に発表されることを今日すごいエネルギーをかけて書くのって、どれだけの共感を得られるんだろう。社内でもだいぶ意見が分かれるところ。ほかには、内容がじわじわと体に染み渡って力を与えるような記事とか、長く記憶に残る記事とか、いろんなタイプがある。

その中で、やっぱり自分としては、時間がたっても誰かの心に残るようなものを残すのが好きだった。というより、そういうのを目指してはいた。紙媒体として記録・保存できるものだから、一過性で消費される情報より、新聞らしい情報を届けられるし、反響もある。

新聞記者をやめて旭川に移住し、ゲストハウスをやると言ったら、ほとんど全員に驚かれる。「全然違ったことするのね、大丈夫?」と心配してくれる人もいる。でも実は、やることの根っこは一緒。

新聞記者は赴任した地域を好きになって、そこの人たちと喜怒哀楽や問題点を共有して、聞き出し、まとめ、発信して、フィードバックを受ける。

ゲストハウスや公園づくりも同じこと。ローカル(地域)資源を発掘し、編集し、意味づけし、つなげて、発信して・・・。

新しい天職になっていく、そんな予感しかしないわ。

旭川で、水を見よう。

「水の日」っていうのを初めて知った。きょう8月1日がそれらしい。けさ新聞をめくってたら、日経の全面広告で紹介されていて、「へー」と。

広告によると、この調子で水を使い続ければ、世界人口の3分の2の人が数年後に水不足になるらしい。水問題って派手じゃないけど、生きることこれほど直結する資源もないから、覚えとこう。

どこかの団体が広告を出しているのかと思ったら、控えめに、福井県の大野市とある。懐かしい。北陸に住んでた頃、恐竜博物館に遊びに行った帰りに寄った。アイスを食べた施設は、そういえば、せせらぎが聞こえる水辺空間で、気持ちよかった。市ホームページによると、至る所で水が湧く「名水のまち」らしい。意味のない観光PRの広告打つより、よっぽど問題意識や方向性が垣間見えて、大野市さん、すてき。

水のまちってすてき。水を通して、空、山、川、海がつながって見えるから。しかもこれって、まさに旭川が得意なところ。水を感じやすいから。

大雪山の伏流水があって、石狩川とかいろんな川が流れていて、ぜんぶ絵になる。自転車に乗りたくなる。掘るのが浅めでも地下水が出るという話を聞くし、わがままじぃじぃでも井戸水を取っている。

ゲストハウスの「旭川公園」も、水を大事にする場所にしたい。子ども(つまり実は大人も)の、バチャバチャしたいっていう気持ちも大事にしたい。

必ず見えやすいところに、井戸を置こう。使い方は、他の遊具と一緒でいろいろ。「これはこう使わないといけない」と縛るんじゃなくて、自分で考えて、自由に使う。検査して飲用できるならどんどん飲む。子どもたちが川をつくって遊ぶ。ハーブやヨモギを育てる、上げ床式の家庭菜園に水やりしてもいい。夏は、冷やし流しラーメンのワークショップに使うのもいい。

大事なのは、目の前の水がどこから出て、どう使うのか、見て、触れて感じること。ちょっと敷地の外に出ると、大雪山を望める。蛇口をひねるだけだとピンとこない、水の来し方とありがたさ。それが分かれば、無駄使いはしなくなる。水を大事にすれば、山も田んぼも川も花も、大切にできる。

食べ物もこれだけフードロスの問題が言われているけど、外食すればみんな、平気で残してる。トレーサビリティが大事とか、顔の見えるとこから買いましょうとか、地産地消とか、いろいろ言われてるけど、なかなか変わらない。大人数の宴会後のテーブルを見るのって、かなりきつい。

専門家じゃないし何か啓発したいとかじゃないけど、とりあえず、自転車の行動半径にある、水・木・食べ物・エネルギーを大切にする暮らしを始めたい。それが旭川の永山地区でできるんだっていうことを見せていきたい。なぜかというと、心地よくて楽しいだろうから。

年に一度、「水の日」に水を考えてみる。年に一度、「旭山公園」に来たときに、豊かな暮らしを考えてみる。そうなれたら、サイコー。

エネルギーの話はまたじっくりと。