移住がいよいよ現実のものに

photo:鈴木裕矢

水曜日に会社から、最終出社日と退職日についてOKが出た。退職願なるものも、生まれて初めて見た。

出口がちゃんと決まった。9月7日まで仕事をさせてもらって、10月17日付で退職する。気持ちの上で、すごくデカい。

さっそく引っ越しの見積もり比較を。大手3社が応じてくれ、値段を最重視してサカイさんにお願いした。貨物列車なのか、フェリーなのかまだ分からないけど、浜松から旭川まで35万円くらい。車2台で移動するし、いろいろかかるし、なんやかんや50万円くらいかなー。いかに会社が今までよくしてくれたか痛感する(笑) 仕事まだまだあるけど、さらばサラリーマン。

photo:鈴木裕矢

が、肝心の仮住まい先が決まってない。ゲストハウス予定地と同じ区画には大東建託のアパートがあるので、問い合わせたら、あいにく満室。ショック! すぐ隣で準備できると思ってたのにー。早く近くでアパート探さねば。家賃5~6万円で。

長男・大滋の通っている特別支援学校にも、連絡帳でお知らせを。今日さっそく先生から電話があって、いつまでいるかとかスケジュールを確認。やることいっぱい。次男・陽己の幼稚園にも言わなきゃ。

一気に本格化したからかどうか分からないけど、今朝は未明まで集中力が続いて、損益計算書、キャッシュフロー計画書、家計の収支などなど、とことん数字とにらめっこ。一泊あたりの値段のつけ方で迷っていたけど、すべて計算して平均単価7300円で落ち着きそうな感じ。しばらくは大変だけど、なんとか生活できそうな気がする! 経費、税金、返済、積み立て、保険・・・。売上げ全体からすると手元に残るのは「こんだけ!?」とあらためてびっくりするけど、シビアに、シビアに、何度も見直そう。来週末には完成させよ。

やたら忙しいアピールする人って時々いるし、辟易する。それでもやっぱり、「1日が24時間以上あればいいのにー」って思えるのは、楽しいし、懐かしい。

九州のレール・レディの魅力

毎日毎日、旭川のことばっかり考えてると、たまに沖縄とか九州のことが頭に浮かぶ。あっちに移住してたらどんなことしてたかな〜と。まだ移住してないのに。特にJR九州とかデザイナーの水戸岡鋭治さんには影響を受けたので、九州の動きはすごく気になっちゃう。

引っ越しに向けて荷物を減らしていかないといけないので、むだにたくさんある本を整理し始めてる。ダンボールの中から、懐かしい本が発掘された。

せっかくなので久々に読んでみる。

奥村美幸さんが実際の乗務体験をもとに仕事の素晴らしさを綴っている、優しい本です。あったかくなる。

しかも、めっちゃ大事なことをおっしゃっている。

「私たち社員の一瞬の笑顔でさえも、お客さまにとってはかけがえのないものになるのですね。私たちの一人ひとりのサービスによって、お客さまがJR九州全体のイメージをつくってしまう。それが会社のブランドそのものかもしれません」

サービス業としては当たり前のことかもしれないけど、やっぱりこういう事を意識してやれてる人って、多数派じゃないんじゃないかって思う。特に旅先では、車掌さんや駅員さんの対応、タクシー運転手さんの言動、ホテルのフロントさんの態度、そのどれか一つであっても、旅全体や地域の印象を左右してしまう。すごくシビアな仕事だと思う。

今まで九州で列車旅を何度もしたけど、九州全体のイメージは「楽しい」「元気」「おもてなし」「おしゃれ」とか、そんな感じ。九州新幹線から始まっていろんな観光列車で、地元の人たちが手を振るのが有名になり、今では全国でやられているけど、九州のこの一体感、心地よさはなかなか真似できないレベルだといつも思う。

奥村さんはこうも言う。

「私たちの会社も客室乗務員も、列車でのさまざまなサービスや出会いも、すべては九州という土壌が育んできたのだなということに気づかされました」

!!   なかなかここまでたどり着けないよね〜、と。こんな自然で気持ちいい郷土愛ってなかなかない! こういうのって、絶対にお客さんに伝わると思うんです。

勉強のために九州の外へ出向いた時のエピソードも面白い。

「水戸岡さんのデザインに慣れているせいでしょうか、そういえばそのとき、列車のデザインを『なんだか普通だな』と感じました。実は列車のデザインだけでなく、客室乗務員さんのサービスにも特に工夫が感じられず、『私たちのサービス、自信持っていいよね』と、みんなで話したのでした」

一歩間違えたら単なる自己陶酔、マスターベーションみたいになるけど、これはすごいよく分かる。デザインだから好みは分かれるけど、特急列車に乗ってドキドキするのは北海道くらいだし、普通列車でいえば、静岡ローカルは苦痛。人気の北陸新幹線や東北新幹線だって、九州新幹線ほどの「心が豊かになる感覚」を味わうことは自分にはできない。

ちなみに九州新幹線の800系のイスは、プライウッドという薄い板を11枚重ねたもので、窓のブラインドや手すりは、人吉市の山に生えているヤマザクラを活用。洗面室の縄のれんは、八代のイグサ。座席クッションは京都の西陣織・・・だそうです。人吉のヤマザクラっていうのは知らなかった。

岡崎さんにとって水戸岡さんは「雲の上にいる」ような存在らしい。自分にとっては、「公共空間を豊かにすることが子どもを育む」と教えてくださった存在で、やはり雲の上の方。10年ちょっとの記者人生の中でもとびきり得がたいインタビューをさせてもらえた。これもJR九州と新聞社のおかげ。すべてがつながってる。感謝。

 

北の鉄路の終着駅は

ゲストハウス予定地の近く、北永山駅にて。photo:松本茜

2016年11月18日、JR北海道のプレスリリース(報道発表)が全国的なニュースになった。社として単独で維持できない路線が、今あるうちの半分以上にあたる、という衝撃的な内容。どっかのシンクタンクの、ひどい冗談かと。

これを受けて各地の自治体が慌ただしく動いたけど、JRとしては廃止→バス転換、といった明確な方向性を示しているところもあり、また話し合いの場の設置もままならない地域もあったりで、情勢の厳しさは時間がたっても変わらなかった(少なくとも外から見ている限り)。

で、最近になって、5路線5区間については廃止して、道庁や国も容認する、という報道がでてきた。「やはり」というのが正直なところだけど、もっとやり方はないものか・・・と残念な気持ちになってしまった。

特に5路線の一つの留萌本線には思い入れがあった。沿線の沼田町という所に移住して、石狩沼田駅の使われていないホーム上にゲストハウスをつくろうと考えていた時期があったので。2月くらいのことで、もう半年前か~。

沼田町やJR北海道(本社)に説明した資料。今見たら恥ずかしい限りだけど、勢いはあった(笑)

この時は、思い付いてすぐ町役場にいってプレゼンしたもんだ。ローカル鉄道の再生話とか、駅の価値とか、いろんな文献を読んだ。でも既に留萌線の廃止は免れないだろうと思っていたし、沿線自治体の動きも鈍くて、「こりゃやばい」と感じた。

あの時、留萌本線や沼田にこだわり続けていたら、いまの永山での計画もなかったので、なんとも言えない複雑な気分。

翻ってわれらが宗谷本線。旭川―名寄は、道庁・沿線自治体とJR北海道が半分ずつ出資した「北海道高速鉄道開発」がかんでいるので、まず、近い将来に廃線ってことはないと思う。ただ利用客が少なくて厳しいのは変わりなくて、沿線自治体が「宗谷本線活性化推進協議会」を立ち上げている。極端に利用が少ない駅や踏切を廃止する議論をしている

国は今夏にも支援策の大枠を示す見通し。国鉄の分割民営化を進めたのは国だし、道路ばかりに手当てしてきたのは国なので、大きな責任があるのは当然。宗谷本線がまさにそうだけど、国土維持のために鉄道インフラを捉え直す必要もある。

自治体も、「道路、道路」と要望して、鉄道網とかぶせるように高規格道路を整備し、利用客が絶望的なくらいに減ってきてから「廃止するな!」「お年寄りと子どもはどうしてくれるんだ!」と文句を言うのは虫がよすぎる。

JRだけでどうにかできる次元ではもちろんないし、じゃあ普通の道民がどこまで関心あるのかといえば心もとない。北海道の鉄道全体の将来を見つめてデザインできる人がいないものかしら、って思う。外から知見を借りるのもいいのでは。

自分としては、高校生がたくさん使っている、ゲストハウス近くの北永山駅でおもしろいことをたくらんでます。

photo:松本茜
photo:松本茜

アヒルと時々、ソフトクリーム

日曜日はお茶を買いに行く用事があって、久しぶりに掛川市へ。キッズプレートが179円で人数分食べられるクーポンがあったのでガストでお昼ご飯を食べた後、「しばちゃんランチマーケット」という、田園地帯にある、牧場がやってるお店を目指した。目的は雰囲気、牛乳、ヨーグルト、ソフトクリーム。

 

掛川城の辺りから車で20分くらいかかるし、すれ違いがやっとの暗いトンネルとか狭い山道があるのに、ごった返してた。みんな、大汗かいて行列に並ばれておりました。いつも人気。

 

インスタ映えする大樹の下には、こんな感じでウサギがケージに入れられて、子どもたちがまぁ間違いなく周りに群がる。

目の前の川ではアヒルが泳いで草をついばんでいて、ときどき店横の陸にあがってきて、エサを食べてる。「おいかけないでね!」と看板に書いてあるけど、そりゃまぁ、小さい子どもたちは反射的に追いかけていくわけですよ。

次男は、他のお友達に「おいかけちゃダメ」と言っていた(笑)

近くにいたお客さんが「川、サイコーだなあ」「ミストがあるだけで涼しく感じるなあ。暑いけど」「友達きたら、ここかイオンモール連れていくわ」と、木の下でぽつり。

濃厚な乳製品の味だけじゃなくて、ロケーションとか風景、ここで食べるっていう体験を含めて楽しんでみえる様子。まちなかで「暑い、暑い」と言ってるよりは気持ちいいし、涼しい〝感じ〟が大切なんだろうな、と妙に納得した。

コンテナハウスでできている!きっちり車輪ついてる

土曜日の打ち合わせで、ジンギスカンをイメージして、「ヒツジ飼うのどうっすか」っていう話が冗談半分で出てたけど、このお店に来て、「けっこういいかも」と思えてきた。 10年弱前に取材でお邪魔した佐賀県のお宅(テーブルコーディネーター)のお庭には、ヤギが飼われてて、聞けば「除草するのより安いのよ、おほほほ」と。そんな実利的な面もあんのかいなと驚いたけど、やっぱり風景って大事よね。 いただいたコーヒーはとびきり美味しく感じたし、リラックスできたもんなぁ。

掛川を出たあとは、浜松市西区にあるコンテハウスの会社事務所に移動。ネットのイベント情報をかじって、ここでイベントやってると勘違いして行ってから、場所違いが発覚。それでも担当者さんが、常時公開はされてない展示場に案内してくれた。タープの使い方、内装の工夫、いろんな用途にできる奥深さ、断熱性、ロケットストーブとの相性・・・。めちゃくちゃ勉強になった。建築確認がいらないような建物だったら、中古の海上輸送コンテナを使いたいのになー。

図らずもコンテハウス三昧な日曜日になった。

プランニングが本格化した土曜の夜

昨晩はデザイナーの鈴木裕矢さん、公民連携をやってるビール好きの「タタズミコーヒー」の松島弘幸さん、建築家の松本憲さんご夫妻と打ち合わせ@浜松。松本さん側から、予定地の絵が出てきた~。プランニングの始まり始まり!

上の模型の写真でいうと、水色のスポンジは左が既にある二階建ての住宅、右のそれは二階建てアパート。その間に、上から順番に3台分の駐車スペース、自分のコンテナハウス住宅(管理棟)を置く。その下にある白い四角い模型が、ゲスト用の小屋(タイニーハウス)。右上はコモン棟で、ゲスト用のシャワー・キッチン・トイレと、ワークショップや食事に使えるカフェ的な空間を備えてる。そのカフェからは、写真右側にのびる、稚内につづく線路や、下側の公園で子どもたちが遊ぶのが見える。公園にはシンボリックな遊具を置く、という感じ。

実はこれ以外にもう一つの案(B)もあって、今回のA案と比べて検討しまして。B案は、小屋(タイニーハウス)が向かいのご近所さんの家を向く格好になるし、背後にはアパートが迫るんで、ゲストや近所の皆さんがストレスを感じてしまいそうで。今回のA案なら、公園と小屋にちょうどいい距離感があって、プライベート感がある程度確保できるかな、となった。

こうやって図面や模型で見せてもらえると、一気に計画に現実味がでてきて、ほんとにドキドキしちゃう。建物のレイアウトとかの詳細を詰めてもらって、来週にまた打ち合わせ。

この日の打ち合わせに先立って、建築メンバーは擦り合わせをしてくれていて、7月1日に旭川でお会いした yomogiyaさんこと中村直弘さん(北海道・長沼在住)も、テレビ電話(死語?)で参加。除雪機が通れる幅や落雪のことを考えた空間の取り方とかで、いろいろアドバイスをいただいたみたいで、感謝しかないです。現地での施工もお願いする予定。yomogiyaさんの小屋や暮らしは一度見たら虜になるかわいさ、かっこよさ。人全体として憧れる。インスタ映えもハンパない。めちゃくちゃ楽しみ。

鈴木さんや松島さんからもアイデアをもらい、ゲストハウス「旭川公園」をたくさんの人に知ってもらう作戦とか、ゲストが楽しめる工夫とかも話し合って、楽しみがどんどん膨らんできた! 浜松城公園の「タタズミコーヒー」の旭川支店をやらせてもらえないかなー。同じ公園だし。

事業計画やいろんな数字のブラッシュアップ、住宅(管理棟)づくり、融資に向けた準備、暖房システムの検討・・・。やるべきこと多すぎるけど、焦らず急いで冬前に実現させたい!

 

 

 

 

 

 

 

数字との仁義なき戦い

土地が固まって、気付けば一週間。ここにきて、急に決算書みたいな資料づくりを勉強し始めてる。

13日(木)に土地のことを旭川の地元金融機関にメールで報告すると、すぐに電話がかかってきて「もう購入手続きをしているのでしょうか」「まだ融資の可否がでていないので、土地を購入してももし融資できないとなったら困るので・・・」と。

融資のタイミングをにらんで、というのはもちろん不動産屋さんに言ってあるし、事情も理解してくれているけど、金融機関には丁寧に説明しないと。変に驚かせてしまってよくなかったなー、と反省。

これまで「土地が決まらないと前に進まない」とやってきた。でも先立つものがなければ、どんなにいい計画も土地購入も、これまた進まない、っていう当然のことを思い知らされた。

土地の売買契約も融資の結果待ちになるし、住宅(管理棟)もそうなるはずので。融資してもらえるか検討してもらうための事業計画書を早く準備しないと!

最初に旭川の信金さんにお邪魔したのは5月28日。あんまり深く考えずに宿泊料金を決めて、ぼんやりとした経費を設定して、毎月の収入がこんだけだからやっていけそうーっていう、小学生がつくったような数字しか盛り込んでなかった。今見るともう、恥ずかしくて目も当てられない。

税金や減価償却費も考慮して、返済元金や利息も計算して、月ごとの変動も織り込んで、どれだけの営業利益や経常利益を確保するのか・・・。損益計算書(PL)、キャッシュフロー計算書、貸借対照表(BS)の3点セットの仕込みを急きょ20日(金)から始めたけど、めちゃ難しい。食わず嫌いなところもあるけど。でも利益をシビアに見て、現金の流れ(フロー)をちゃんとしないと一家共倒れになるから、真剣にやらねば。

今のところ、スタートアップに必要な総事業費は2840万円。あーーーー >。<

夢とコンテナハウスは、貨物列車に載せて。

静岡のヒトヤ堂さんをお暇した後は、JRの各駅停車に乗って八王子へ向かう。熱海、小田原、町田、八王子と4回乗り換えて、高尾駅に4時間かけてたどり着いた。

タクシーを覚悟したけど運よくバスが目的地の近くまで通ってたので、駅前のおいしくないとろろそば(850円)をすすり、西東京バスに乗り込んだ。

目的地は、コンテナハウスを扱う「IRON HOUSE TETSUYA」さん。モデルハウスをここ八王子に置いていて、何ヶ月も前に一度お邪魔して、連絡を取り合ってた。今日は、打ち合わせらしい初の打ち合わせ。

モデルハウス。自分はかわいい系にします

コンテナといっても、中古の海上輸送コンテナを使うのではなく、新造の建築用コンテナを使う。前者は信じられないくらい安くできるけど、業者によっては「あれは建築確認申請がとれないからダメだ」というところもある。(もちろん、扱っているところは反論していて、いろんな見解がある。自治体によってもまちまちで、グレーなところも・・・) ただ、住宅を業務にも使うので法的なクリアや耐久性、信頼性を考えて、知識が豊富でおもしろいことが大好きな、この会社にお願いしようかと思っているところでして。

ここのバイク好き社長さんがものすごいアイデアマンで、北海道の気候、建築条件、業界の事情ととにかく、めちゃくちゃ詳しい。経営にも明るい。コンテナは船で運ぶ方が高いから、貨物列車で青函トンネルをくぐろう、と言ってくれて「それ、めっちゃ面白いですね」と思わず声が大きくなった。

当初は「小さな家」としてちっさいコンテナハウスで1100万円くらいで収めたいなーと考えていたけど、狭すぎると動線がきつくなるし、ゲストの受け付けやワークショップ機能、保健所の許可がおりるキッチンとか、もろもろ見直すと、写真のような家にしようと思い至るようになった。

コンテナの数を増やしすぎるとコストが嵩むので、コンテナ間を構造材でつなぎ合わせる工法でどうかと目論んでた。でも二階建てにするといろんな問題があり、断熱性もその部分は失われるということで、結果的に安上がりにならないとサジェスチョンを受けた。2000万円どころではなくなる可能性が出てきた。もう卒倒しそうだったわ。

とぼとぼと帰り道、あれやこれや考えた。住宅プランは考え直さないといけないのはもちろん、初期投資の全体額をどう管理するか、収支計画にどう反映させるか、ちゃんと返済できるのか・・・。頭の中がグルグルして、久々にネガティブに。酷暑と、JR横浜線の20分遅延、大混雑、新幹線乗り遅れも重なって、こだま車内では放心状態に。現実は思い通りにいかないよなーと当たり前のことを噛みしめる。

帰宅すると2日ぶりの家族がいて、頭は平常モードに緩んだ。ご飯を食べて妻と相談しながら、うーんうーんとプランを考えなおす。そこで出てきたのがこのアイデア。これなら1500万円くらいでできそう。

とりあえず、ゲスト用の小屋(タイニーハウス)を含めた公園全体のランドスケープが出てきてから、具体的な相談や基本設計に入るけど、1500万円以内におさえて、将来に利益をもたらすところへ重点投資したい。

自分の家が青函トンネルをくぐっていくところを追跡して動画に収めたい! 旭川・永山地区のゲストハウス予定地近くには、貨物ターミナルや流通団地があって、インダストリーな雰囲気がいいなとは思ってたけど、まさか自分のコンテナハウスのために活躍することになるとは。楽しみー

静岡のまちでゲストハウスな夜

17日の夜は、静岡市への出張ついでに、念願のゲストハウスめぐりへ。オープンして3週間という、「泊まれる純喫茶ヒトヤ堂」へ。静岡新聞の夕刊1面に載っていて、ずっと気になっていた存在だった。

夜8時に到着。まわりには高級、というか超高層のマンションとか住宅、ちっちゃな店舗が立ち並んでいて、静岡駅から12分の立地ながら静かなロケーション。

扉を開けると、海外からのお客さん3人が喫茶スペースで談笑してる姿を発見。うん、いかにもゲストハウスらしい!日本語で「こんばんはー」と挨拶。台湾、韓国、オーストリア出身の3人は、その辺のおじちゃんが世間話をしにきたような雰囲気で、溶け込んでいた。

宿は女性2人でやっていて、この日は牧之原出身の村松佐友紀さんがお世話してくれた。まだ20代半ば! 純喫茶をリノベーションして、壁塗りとかをDIYして、普段はゲストハウス業をして、コーヒーや朝ごはんもつくれて、日中は喫茶営業。めちゃ大変!めちゃすごい!

宿の仕組みやサービスとかを細かく教えてくれて、ドミトリーに案内してくれた。布団を敷くスペースは広いし、なんか気持ちいいし、レトロな調度品も多くて、この日は税込み3390円(変動します)。申し訳ないくらいお値打ちだわ。

荷物を置くと、村松さんが「ご飯行きますか?」。この一言を待ってたんだな〜。喫茶スペースにいる3人にも声をかけて、自分のリクエストで静岡おでんのお店へ。

宿をでて5人になって歩き、自然と自己紹介が始まる。この瞬間がたまらない。何が起きるか、どんな化学反応が起きるか分からないのが、ゲストハウスの魅力です。

屋台が続いているところでおでんを食べまくる。ソースと醤油の違いとか、なぜ味噌文化はすばらしいとか、ダシ粉とはなんぞやとか、みんなで他愛もない話をしながら。この中で、いちばん、圧倒的にまともに英語を使えていない自分。言いたいことがあっても単語が浮かばない。ちょっと間があく。クーラーガンガンなのに、汗が出てくる。11年前が最後になった海外旅行を思い出す。でも不思議なもんで、おでんとビール、SAKEのおかげか、耳が慣れてきて、なんとなく話のアウトラインが掴めるようになってきた。

10時半に終わって宿に戻り、共有スペースで冷蔵庫に眠らせてあったという、焼津の「磯自慢」特別大吟醸をいただく。二次会。「こうじさん、寝ないで!」と何度か叱咤激励されて、25時20分ごろに解散。それぞれのベッドへ。

翌朝は朝食スタートの7時半に喫茶スペースへ。500円で、サイフォン珈琲とふわふわのバタートーストをいただく。おいしい。優しい気持ちになれる。朝ごはんはこれくらいでちょうどいいわ。プレートは、村松さんのお父さんが焼いたんだとか。写欲のそそられるブツが多い!

窓からは、静岡駅のほうに向かうスーツ姿のビジネスパーソン(と言っておく)とか、通学で自転車にまたがって駆ける生徒とかが見える。生活が見える。まちの中に、暮らすように朝を迎えている。なんとも幸せな気分になる。

村松さんには昨晩、自分がゲストハウスを開業したいんだと言っていたので、何から何まで教えてくれた。クリーニングやリースのこと、融資、地域とのかかわり、必要経費のこと・・・。実務の勉強はほとんどしてきてないので、めちゃくちゃありがたかった。しかししかし、自分の宿はヒトヤ堂さんの2倍以上の価格設定ができるんかしら・・・と急激に不安に襲われたのでした。

ゲストハウス業の大変さも楽しさも、いっぺんに感じられるステイになった。村松さん、ゲストのみんな、ありがとう!

自分が電車に乗ると、3人からメッセンジャーのグループで次々に写真を投稿してくれてた。「Hope to see Koji again in Hokkaido!!」 『Koji! Hope to see you in winter at your own Gueshouse」と嬉しいコメントがたくさん。ちなみにこの時初めて、「Asahikawa Park Guesthouse」と英語で、自分の計画を紹介しておいた。

ほんま英語なんとかせにゃー。。。

ラーメンと考える、お値段のつけ方

3日連続でラーメンを食べてしまった。旭川ラーメン好きとしては、本州にいる間に非・旭川ラーメンで舌を肥やしておかなきゃいかん、という使命感から。

800円の「黒」

17日(火曜)は静岡市に出張なので、贅沢に高額な(自分の中では)ラーメンにチャレンジ! 「沼津うまいラーメン松福 呉服町通り店」へ。お昼時で、短いながら行列ができていた。

いちばん安いやつで800円也! 普段お昼ご飯は妻・茜が握ってくれたおにぎり2個なので、なかなか抵抗があるけど・・・。前に普通のは食べたことあるので、今日は同じ800円の「黒」(マー油、焦がしニンニク)であります。

人気の、濃厚とんこつ系。麺は中太で縮れてる。スープはめちゃ濃い(麺固め、味濃いめにしたけど)。どろどろっとしたのど越しで、麺や白ねぎ、ホウレンソウによく合うわけです。これは、家系好きが喜んでくれそうな味。自分の好みとしてはどんぴしゃ!!

ちょっと残念だったのはサービスのご飯(サービスタイム以外は100円)。スープに合う固さにしてるのは分かるけど、ご飯そのものの甘みやうま味を感じない。失礼ながら工業製品みたいな印象。朝ご飯に食べたら元気出なさそう。牛丼店の「松屋米」と似た食感と食味で、一粒一粒を噛みしめるような喜びがない。ライスが最初に出てきたので、ややげんなりしたけど、でもまぁラーメンの味で挽回できた。

それにしてもこの店、前に来たときも思ったけど、高い! 「ラーメン1杯に払える値段」のアンケートで確か800円というのがあったと記憶するけど、自分の中では高い部類。いろいろ盛ってる「特製」は1000円を超えているし、客単価は800円を超えてるのでは!?(推測)。それでもいつも混み合ってるので、白シャツ姿の人たちに支持されるお店なんだろうなー。

この「客単価」というやつ、最近気になる存在になってきた。旭川のゲストハウスでも、宿泊料金を決めなきゃいけない。いろいろ考えているけど、商売についての勉強なんてしたことなかったので、戸惑うことばかり。

最初は、周辺のゲストハウスの相場から、3000円台後半~5000円くらいかなー、と安易にイメージしていた。その上で経費を差し引いて、ベッド数×日数×稼働率で数字をはじいた。しかししかい、月々の経費を考えて、家族5人が生活することを考えただけで、これは現実的じゃないことがすぐ判明。最初は6人定員だったし。

そのうちに、意識(競合)するのはどこにでもあるような安宿とは違うし、ベースをそこに置いても無意味だなーと思うように。今では、家族が暮らせるだけの手取り(役員報酬)や税金、融資返済、光熱水費、オリジナルのアメニティ、リネンなど細かい経費、そして税制上は減価償却なんかも考えるようになった(遅い!)。でもやはり、家族で目が届くという範囲で定員を8人に増やしたとしたとしても、6000円や7000円でさえ立ちゆかないことが分かってしまった。そこで今は、ある程度のお金を出してもらってもまた来たくなるようなクオリティづくりに全力を注ごう!と方針を変えた。

まだ値段は完全に決まってはいないけど、高すぎても「う~ん」、安すぎても「う~ん」の日々。みなさん、苦労されているんだなーと感じ入ってます。値段って難しい。

クルマ屋さんにある公園の研究

浜松駅からクルマで10分くらい行ったところに、スズキアリーナのお店があって、車が売っている。当たり前だけど。でも二台しか展示してなくて、半分(それ以上?)のスペースは、常識はずれの子どもの遊び場になっている。

「LimoLimoもりた」っていう名前で、玩具で有名なボーネルンドがプロデュースしているキッズスペース。ボーネルンドはヨーロッパ各国のおもちゃを扱って、行政施設とか学校の校庭とかで「遊びの場」を手がけている。

近所の子供づれがふらっと遊びにこれるような存在で、これも公園といえば公園のようなもの。遊具がいつも一緒(のはず)だけど子どもたちは飽きずに楽しそう。

一番人気はボールプールで、そのプールに飛び込める滑り台付きの家みたいなやつにも登ったりするにも大好き。あとはおままごとや屋台ごっこ、クルマ型で運転している気分になれる遊具、赤ちゃんでもできる滑り台などなど・・・。

普通の公園にある、どこにでもある画一的な遊具となにが違うんだろう。まずボールプールは普通の屋外の公園にはない。全体的にデザインがよくてコンパクトにたくさんの種類が集められていて、素材の手触りがいい。子どもは飽きやすいからハマるし、親としても安心できる。雨の日も酷暑の日も遊べる全天候型。自然の中で体得するような遊びの要素はないけど、このコンテンツはめちゃくちゃ強い。この施設をつくってから、自動車関連の売り上げも伸びたとか。静岡市駿河区のお店にも、リモリモが導入されるようになった。

この日は猛暑日で1時間以上もお世話になっちゃった。快適で便利で、ほんと助かってます。

でも夕方の4時半を過ぎていったんお店を出て、長男がトイレに行きたいというので、もう一回入ろうとしたら、トイレでも断られてしまった。LimoLimoの時間が終わるから、とのこと。まあ企業のお店の中だからしょうがない。

自分のつくろうとしている公園ゲストハウスも、地域に開かれた場所にしたいけど、こっちにも生活があるので、24時間開放するわけにはいかない。家族でやるので人的資源には限界があるし、宿泊者との兼ね合いもある。決められた時間じゃない時に「トイレを貸してほしい」と言われたらどう対応するがベストなのかなーと考えこんだ。うーん