近所のおじさんに支えられた2年間

旭川公園ゲストハウスのすぐそばに、いつも気にかけてくれるおじさんがいて、顔を合わせるといつもお話ししてくれました。そのおじさんの存在が、どれだけ支えになったか。感謝の気持ちを込めて、北海道新聞の社会面コラムで書きました。

住宅地にあるゲストハウスとして、ご近所とのお付き合いは一番大切にしているつもりではあるけれど、ご迷惑をかけていないか、不安を与えていないか、ずっと不安でもありました。それだけに、「それはいいね」の言葉に助けられました。

住宅街で宿業をやるなんて、金融機関をはじめ多くの人には理解されなかったし、まぁいろいろ言われましたけども、地域に溶け込んで暮らすように滞在する、普段着の暮らしの中に「北海道」を感じる、飛び込んで初めて分かる意外性やワクワクを感じてもらう。そんな思いから、人に囲まれた住宅地でやることに、迷いはありませんでした。迷いはないけれど、ときどき心配はよぎるもの。だからこそ、ゲストがご近所の方と「こんにちは」と言葉を交わすたび、とんでもない満足感を得ていたものでした。「それはいいね」の言葉に、自信をもらっていた気がします。

後日談。このコラムが掲載されてから、「おじさん」の奥さまが話しかけてくれました。「松本さん、新聞に書いてくださったみたいで…。ずっと、いつか新聞に載りたいって言ってたんです。あの人も喜んでると思います」と。奥さまは、これまで私が見たことがない、嬉しそうな、穏やかな表情を浮かべていらっしゃり、「この2年間は間違ってはいなかった」と思えるのでした。とても幸せな気持ちです。