ほぼ月「朝の食卓」は、当麻の夏の思い出を

はじめて迎えた、夏の繁忙期が終わりつつあります。

どうなることか、まったく見通しが立たないまま、ドタバタと7月、8月が終わりました。満室のときも数日ありましたが、1日3組とゲストの人数が限られているので、おかげさまで濃密な時間を過ごすことができました。

いろんな「夏の思い出」がありますが、ほぼ月一で機会をいただいている北海道新聞(道新)の社会面コラムでは、当麻町であったバーベキューについて書きました。これまでにも紹介している、“定額で世界中住み放題”を掲げるサービス「HafH」を通した、偶然から生まれる出会いを取り上げました。

HafHは9月に入ってもご利用があり、社会人のみならず学生さんにも、そのフィロソフィーが広がっている(というか、マッチしやすい)という実感を得ました。これから、旅の形、生き方、どんどん変わるんだろうなーと予感させる夏でありました。

もちろん、当麻町のバーベキューだけではありません!

ゲストと一緒に夜ごはんをたべたり(この写真もそういえば同じく当麻町のココペリさん)、

いつもお世話になっている丹野さんのギャラリーKIMAMAにご案内したり、

近くのクラークホースガーデンさんで馬にまたがったり、

若手職人がたくさんいる家具メーカー・ガージーカームワークスの工場(あえてショールームではなく)をご紹介したり、

夜ははじめましてのゲストと語りあったり、

飲んだその翌朝に大雪山でテイクアウトの朝ごはんを召し上がってもらったり・・・。

ゲストハウス内の広場で花火をしたり、

楽しい思い出ばかり。

今夏は市内のホテルでいうと実働は例年の半分くらい、予約サイトの集計では検索数は30%台と当然ながら大きく落ち込んでいますが、来年・再来年への期待が大きく膨らみます。より多くの皆さんと出会い、濃い時間を地域のみなさんと過ごせそうで、今からワクワクしています!

北海道でカヌーといえば。すぐそばの石狩川へ

石狩川でカヌー、はじめます。北海道でいちばん長い川を、地元のおいしいヒト・モノと一緒に味わう、漕いで楽しいだけじゃない体験を。新しい、「大人の水遊び」です!

昨年から準備してきた、旭川公園ゲストハウス宿泊者限定プラン。今年はコロナの影響で、本格稼働とはいきません(来シーズンを目指します)が、ガイドをお願いするガイドオフィス風の鳥羽さんや、とうま振興公社の石黒さんの日程が合えば、トライアルを兼ねてやっていきます!

もともとは、移住者として石狩川を眺めていて、遊んでいる大人が意外に少ないことに気づいたのがきっかけ。朝夕や冬に写真を撮ったり、ドライブしたり散歩したりしているうちに、身近に「北海道」を感じられる道内最大の川なのに地元ではそんな親しまれてないな~と感じて。そこで、いつもお世話になっている無類のアウトドア好き・石黒さん(とうま振興公社)に話したら、「やろう!カヌーやりたいと思ってた!」と一気に動きだしたのです★

去年、はほどよい気候だった9月にトライアルを実施。それぞれの季節ならではの風を感じられます→ https://m.youtube.com/watch?v=J7913r3jcgU&feature=youtu.be#dialog

石狩川は流れ(スピード)がある程度あるので、ところどころ急な瀬があって、ライトなスリルを味わえます。

その一方で、ラフティングと違ってゆったりとした時間を過ごせ、左手にそびえる大雪山や流木、川岸に迫る木々をはじめじっくり景色を楽しめて、変化に富んでます。

出発は、当麻町と、キノコの里として有名な愛別町の境くらいの橋。クルマで移動して、カヌーをいざ橋のたもとに運びます。

最初はゆっくり、様子を見ながら。蛇行を繰り返し、徐々に変わっていく水流を楽しみながら、だいたい一時間くらい漕いでいきます。

広い空と川幅に包まれて、癒されます~

流れに身を任せ、時にはより楽しいラインを選んで、下ります。プロガイドと一緒なので、男女問わず初体験の方でも楽しめます。

地元の食材を使った朝ごはんを中州で食べたり、コーヒーやお菓子を楽しんだりできるのも、至福の時間です☆ 流れ着いた枝や、丸っこくなった石を探し、自然のアートも楽しむのもおススメです。

帰りは当麻町の道の駅で解散し、この時期ならでんすけすいかなんかをペロっとすると、締めは最高です♪

お問い合わせは、旭川公園の松本(090-6664-4141、vivahokkaido.specialthanks@gmail.com)まで!

どうみん割で、道東へ。どんどん使います!

早いなー、もう6回めになりました。

北海道新聞の社会面コラム「朝の食卓」が20日、掲載されました。どうみん割が始まったので、今月の上旬に強行した家族旅行について書きました。

締め切りを少し過ぎてしまったけれど、なんとか今回はこの旅行について書きたかったもので・・・。デスクさま、ご迷惑をおかけしました。

旅先ではいつもそうだし、会社員時代の出張もそうだけど、出発前にどんな収穫があるのか、仕事であれば今後につながる成果が挙げられるのか、よく分からないけれど、絶対になにかある。特に出張なんて、企画連載のコンテを作ったはいいものの、出たとこ勝負であっても、いざ行ってみれば「これ!これで書ける!」というネタが不思議と見つかる。飲み屋のママの話であったり、日中の取材先のご紹介だったり。偶然でつながる(首がつながる)ことが多くて、これはゲストハウスで偶然の出会いや化学反応が起きれば楽しい! と思っているのと一緒。

今回のコラムでいえば、屈斜路原野ユースゲストハウスの山本和之オーナーの言葉がそれ。前夜は、子どもの寝かしつけや、急きょ入った仕事で和さんとほとんど喋れなかったけど、チェックアウト時に至言をゲット。「これで書ける!」という手応えで、ありがたや、ありがたや。

屈斜路原野ユースは定期的に行きたい。津別町にも挨拶に! ほんと行きたいところが多くていつも困ります。とりあえず次の目標は、豊富温泉です。

コラムに書いた道東旅のレポートは、あらためて。

旭川公園ゲストハウスの「どうみん割」はまだまだあります。残り29名さま分です。

タイニーなバンケットは、オンデマンドで!~泊まらないゲストハウスの使いかた~

ちっちゃな宴会がちょうどいい!

旭川公園には夕食がない。グランドメニューとしてのディナーはありません。だからよく、「夕食はどうするんですか?」と聞かれますが、リクエストがあればご対応することもありますし、大規模ではないにしても宴会(バンケット)はご希望に応じて、随時承っていました。そしてそして、宿泊せずとも、夜だけのご利用も何度も承っており、大歓迎です!  コロナ渦中でも、「新・北海道スタイル」に則った感染防止策をしっかり取った上で、同一グループ内の5名さま前後の会合を承っています!

お酒をたくさん揃えて、プチ利き酒会、なんてことも。。。🤤

料金もお好みで!

料金はどれくらい?

決まった金額はありませんが、事前に打ち合わせをさせていただく中で、決めてまいります。一番多いケースですと、ご近所の名店・前坂精肉店の生ラム/ラムを仕入れたお任せジンギスカンは、1ドリンク付きでお一人2,500円。7品程度のお料理とドリンクがついて、3,000~4,500円(いずれも税込み)など、ケースバイケースです。

旭川のチーズの盛り合わせで悶絶出来!

お品数を減らして、その代わり、例えば「地元のチーズが食べたい!」となれば、こういったものを盛り合わせでご提供します。

江丹別の青いチーズ、クリーマリー農夢のゴーダ、旭川公園の洋朝食でおなじみジャパチーズ旭川のチェダー(2種)、江丹別・あらかわ牧場の和風チーズ、新進気鋭・吉田チーズ工房の生カマンベール。

目的もいろいろ。気になる人や、「この人の話を聞きたい!」というような方を囲んで、わいわいガヤガヤなんてのも楽しいですね。自宅とお店の間にあるような旭川公園だからこそ、居酒屋とは違った距離感で楽しめます♪

女子会、ママ友会にも! 宿泊されるゲストが、旭川に住んでいる友人たちを呼んで一緒に盛り上がるなんていうお席もあります。ゲストと地域の方が同じテーブルを囲んで盛り上がる、という偶然の出会いもあったりで、楽しいですね★ 

お子さんがたくさんいても、大きな声を出しても、気兼ねなくご利用いただけます~。

お料理だけ用意して、好きなお飲み物を持ち込むのも自由です。もちろん、ビールサーバーをこちらで準備したり、事前にお好みのお酒を聞いて仕入れておくこともできます。つまり、なんでもあり!です。気持ち良くなったら、そのままベッドへ行けます♪ 今なら、「どうみん割」で道庁が3,000円を補助してくれます!

15人弱の規模で、研修終わりの宴会の会場として使っていただいたこともあります。スペース的に立食パーティーになりましたが、外のテラスも使えるので、大きな不便はなくお過ごしいただけました。

ご希望によってはオードブル形式も承っています。

泊まるほどではない、ちょっと変わったところで少人数でわいわいやりたい。。。そんな時はぜひご相談くださいませ!

※写真は新型コロナウイルス感染の拡大が始まる前のものです。現在は人数を絞り、距離を取りながら実施しています。

ノマドワーク、ワーケーション…。仕事だけなんて、もう古い! ハフを使って、遊びと混ぜちゃおう!

北海道の七夕は8月7日。まだ本州の感覚が抜けきれないので、7月7月って聞くと、あぁ七夕だって思ってしまう。そんな7日に、素敵なゲストがチェックアウトされ、稚内へ旅立っていかれました。

俗にいう、ノマドワーカーさんです。

ウィキによると、

 ノートパソコン 、 スマートフォン 、 タブレット端末 などを使い、 Wi-Fi 環境のある 喫茶店 など、通常のオフィス以外のさまざまな場所で仕事をする人を指す

前から、ノマドワーカーとかアドレスホッパーとか、言葉としてはよく耳にしていたけれど、コワーキングスペースも使ったことないし、カフェでそれらしい人に話しかけるわけにもいかないし、実際にお話ししたのは、七夕のこの時が初めて。

ネット関連のお仕事を手広くされていて、しびれるバイクに跨り、端末や最小限の荷物を載せて、毎日、寝床を変えて生活されているんだとか。もう北海道を回るのは2週間くらいになり、稚内経由で札幌に行くという計画だったので、ほんと身軽に長距離を移動されていてびっくり。縛られない生き方、カッコいいなぁ、と憧れました。

この男性のゲストは、旭川公園ゲストハウスが5月下旬にご縁をいただいた(契約した)サブスクリプションサービス「HafH(ハフ)」を通じてお越しになりました。あ~、6月に背伸び(?)して光回線引き込んでよかった~

https://hafh.com/properties/263

「定額で、世界中住み放題」を掲げてるサービス。運営会社も、勢いがあって刺激的です。旅の形や、生き方を変えていく予感しかない

仕事と遊び、観光と暮らし、グローバルとローカル。どんどん境界が溶けていく今、ぜんぶ引っくるめた楽しみ方を提案しないと、おもしろくないですよね!

一ヶ所にとどまる必要なんてないし、縛りを解いて、ゆるやかな繋がりをたくさん持てたほうが、今どきの豊かさなような気がします。

今回のお客さまとも、旅に出ないことで人間が失うもの、「農」を軸の1つに据えた生き方などなど、どう生きれば素敵なのかお話しできました。楽しい時間でした!

HafHは、旅するように暮らす「風のように生きる人」と、土地に根ざし絆を育てる「土のように生きる人」が出会う場所を目指してます。

だから、ゲストはneighbor(ネイバー)と呼んでます。

なんかもう、「土」と「風」のタイニーハウスがある旭川公園そのもの! 重なりすぎて、というかまったくベクトルが同じで、ドキドキしてしまいますー

これからどんな隣人との出会いがあるか、楽しみすぎます。ワーケーションや出張、週末旅行まで、いろんなスタイルでご利用になれます。ぜひチェックを★

どうみん割、はじまります!(33名様限定)

たとえば朝起きて、小鳥の声を体いっぱいに吸い込んで、自転車にまたがって、自分たちで丹精した米で麹をつくっている農家のお母さんに会いに行く。塩麹のコツを教わって、近くの直売所で買ったキュウリを使って、家に帰ってお漬物づくりをする。

人のにおいも土のにおいもするエリアにあるゲストハウスだからこそ、そんなローカル旅ができればいいなぁと思います✨

7月1日から利用可能な、道民向け「どうみん割」の販売が始まりました!北海道新聞の29日付朝刊によると、有名施設には予約が殺到し、サーバーがダウンしたところもあるのだとか。旭川公園は、そんな事態とは無縁なので、ご安心ください。

★助成枠の関係で、先着33名様限定で適用されます(お客様のお手続きは一切不要です)★

旭川公園ゲストハウスの場合、

◆ タイニーハウス「風」「土」はお一人さま4,300円
◆ ロフト付き「森」(原則お二人さま利用)は5,200円

でご利用いただけます。(いずれも税込・お一人換算)

道民である証明が必要になりますが、お支払い時は適用済みの料金でご利用できますので、手軽な企画となっております。予約は直接、お電話090-6664-4141かメール(info@asahikawakoen.com)等で承ります。

この機会に是非お試しください♫

※前回のブログでお知らせしましたが、これに伴い、お客さまが任意で宿泊料を決められる「ローカル逃げとくプラン」は、6月いっぱいをもって終了します。どうぞよろしくお願いいたします。

ようこそ「どうみん割」。さよなら「ローカル逃げとくプラン」

いよいよ7月から、道民向けに旅行需要を喚起する「どうみん割」が始まります。ブラックアウトが起きた胆振東部地震の後に企画された、宿泊料を国が補助する「ふっこう割」のような、コロナ対策に用意されたスペシャルキャンペーン。(けっしてアフターコロナじゃないですけど)  とりあえず地元の道民が旅行に出られるように、というやつです。

詳細は発表されてるようなされてないようなで、販売も28日正午に延期に。旭川公園ゲストハウスとしても登録申請はしているので、問題なければ7月から適用できるはずですが、いかんせん道庁からまだ反応がないので、あくまで見通しということで。

料金的には、道民の方が宿泊される場合、お一人の宿泊料金(基本、公式HP経由)だと10,000円未満なので、「3,000円の割引」となります。「森」は基本的にお二人様ですがお一人換算で8,200円なので5,200円、「風」「土」は7,300円なので4,300円(いずれも税込)となります。詳しいプランは、正式に登録され次第、急いで設定・発表します。しばしお待ちください。

そして、これに伴い、地元の方向けに旭川公園独自で用意していた「ローカル逃げとくプラン」は、6月末をもって終了いたします。ご了承くださいませ<m(__)m>

管理人の私とその家族も、本来来るはずだった繁忙期がそう忙しくなさそうですし、長い長い対コロナで体力を消耗したので、思い切って道内旅行に出かけようと画策中です。もちろん、「どうみん割」を使って! もう一度、旅の楽しさ、人とふれあう喜びをこの手に取り戻したいと思います☆

それでもハウスに行く理由

田植えが終わり、6月に入ってからは、連日ビニルハウスにお邪魔してます。

田植えに通った理由も自分なりにいろいろあるけど、ハウスで野菜にかかわるのも、目的とか学びはたくさんありまして。

五代目代表の古屋新さん(HPより)

お邪魔しているのは、大雪山の麓にある東旭川の「古屋農園」。「人とつながる農業、未来につながる農業」が経営理念。1907年に初代が入植し、背丈に合った、家族でできる範囲で規模(素人からすると大規模に見えるけど)で水稲や野菜をされている。代表の古屋新さんで五代目で、すごい歴史だわ!

そばを流れるのは、大雪山から流れ出るペーパン川。全国ニュースにもなったけど、2018年7月の豪雨で氾濫して復旧工事はまだまだ道半ば。古屋農園も田んぼやハウスが甚大な被害を被り、土質が変わったりして大変な苦労をされていて。

敷地内はほっこりする。冒頭の写真みたいに、大雪山系の山容も間近で見れる!

大地の力、自然の恵みを大切にされている古屋さん一家。「農家は作物のサポーター」がポリシー。できるかぎり化学肥料を使わず、有機や生物、作物本来の力を生かしているらしい。除草剤とかの農薬もできるだけ避けて、手間暇かけて。生産と消費を交わらせるこだわりも強くて、コロナの今季は別として例年1,000人規模の農業体験の子どもを受け入れているんだとか。めちゃすごい!

奥さんの美也子さんとは石鹸づくりでお世話になり、ご主人の新さんはトークイベントで一緒に登壇し、新さんのお母さんの良子さんは、ゲストハウスで開いたしめ飾りイベントでお世話になった。というご縁があるので、初めてお手伝いでお邪魔することに。

この時期のメーンはピーマンたち。肉厚でジューシーな「ピクシー」という品種をハウスで育ててます。ハウスでは糸を幹にたぐらせたり、頭上に張った線から吊るしたりする「誘引」という作業や、余計や枝や葉を落として光を届ける「整枝(せいし)」、そして収穫など作業が目白押し。

ほかのお手伝いさんといるときは、ハウスの中でおしゃべりができる。光合成の関係で、天気の悪い日は、人間が話しかけたり、他の人とおしゃべりすると、二酸化炭素が出てピーマンに良いらしいくて、驚愕😲 

楽しく、笑って作業するのは人間にも野菜にも良いのねー

そして、毎日の同じように見える作業の中にも常に発見があるから、生き物相手の仕事は素晴らしい!

整枝では、1つのベッド(畝)で一気にすいてしまうと、葉っぱの量が急激に減ってしまい、生育によろしくないのだそう。ちょっとずつ、部位を変えながら切っていくのが大事なんだって。

茂らせすぎても栄養をつくれないしストレスになるばかりだし、減り過ぎても困る。人間社会と同じなんだなー。バランスが大事。

そして収穫のときは、ある一定の重さを基準に選んでいくわけですが、わさわさ茂ってくると奥にある実が見えなくなる。そんな時、株をぐるっと見渡して角度を変えると、発見できることがありまして。

あぁそうか、角度を変えればいいんだと、ピーマンが教えてくれるわけです。

思えば農家さんのところに行くっていうのは、消費者が生産の現場を見ることだから、角度を変えることでもある。口に入れるものが、どこでどう作られているのかを体で知るって、こんな尊いことはないわけで。

しかも、複数の農家さんにお邪魔していると、それぞれの違いを知ることにもつながるし。立体的に農業の現場が分かるし、消費者としての視座も養われるはずー

慣行農法と、有機・減農薬・減化学肥料だってそう。なんとなく、意識高い系の界隈では有機系の話に寄りがちな感じだけど、どっちが良い、悪いなんて本来、誰にも分からない。それぞれの規模や狙い、思いによっていろいろなので、消費者が生産者の顔と思いを知って、それぞれの考えや状況から選べばいい(浜松時代に取材させてもらった野菜ソムリエさんもそんな風におっしゃってたなぁ)。できるだけ化学肥料に頼らない古屋農園の新さんも、「化学肥料は大事だよ」と言っていたし。

休憩時間には、ほかのお手伝いのパートさんとお話し。これもまた楽しい。ピーマンのお裾分けも!

生産の現場を知らないまま、消費者が「これが全てだ」「あれはおかしい」と声高に言うのは、違和感しかない。苦労を知らずして慣行農法を敬遠するのは乱暴だし、とんでもなく手間がかかるものを安く買いたい、というのは自然なことじゃない。例えば除草剤を使わない、というと聞こえはいいけど、その分、膨大な草刈りをしないといけないので。

消費と生産の狭間を行き来する。しかも、できるだけ日常の中で。それができるのは旭川らしさだし、農業だけじゃなくて林業や家具産業でもできる。これは豊かさに直結するし、地元とか観光とか、まったく境界なく価値を提供できる。

本文とは無関係だけど、新さんのお母さんの良子さんに、嫁入り道具である生乳を入れる金属瓶をいただきました!

角度を変えてお互いを知ってリスペクトできれば、質・量ともにロスは減るし、思いが循環する。そんな、顔の見える関係をいろいろな分野やフェーズで作っていきたいし、旭川公園の本懐でもあるよなぁー。農業体験を目的にするというより、農家さんの心とか食べ物への向き合い方とか、そんなことがシェアできるローカル旅ができたらいいな~

境界が溶けるアフターコロナ。ゲストハウスで「観光依存」から「地域依存」へ

人の移動や観光、旅行はどうなるのかなーっていうのは、その業界の人たちにとどまらず、お客さん側だって気になってソワソワしてる。事業者側はすぐさま需要の回復が見込めないことを前提に経営を考えないといけないだろうし、消費者サイドでは「おいしい思いをした出張は激減しそうでヤバい」「緊急事態宣言は解除されても、すぐに行きづらくて。。。いつごろからなのかしら」と、そんな声も聞こえてくる。

例えば、ビジネスの出張需要が多かったビジネスホテルや、インバウンド目当てだったシティホテルは苦境が続くだろうっていう見通しを示す専門家もいるし。旅行形態は、量より質、マスよりパーソナル、アウトバウンドよりドメスティックになるだろうっていう意見も聞く。

個人旅行へのシフト、物見遊山から体験重視(コト消費)、ローカル志向などなど、これまでじんわり、ごく一部で進んでいた流れはどんどん加速していくだろうし、その先には「観光」という境界が溶けていくという事が起きる気がする。

観光は観光だけで固まってやってきた、観光だけでなんとかなってきたことが、そうでなくなるようになる。そんな気がする。(だからこそ、自分としては「ローカル旅」をもっともっとやりたい!)

別の言い方をすれば、観光依存だと、もうもたない。観光以外の地域内のセクターともっとシームレスになって(横文字で言ってみた)、新しい価値を生んでいかないと持続しないと思う。観光依存から地域依存にシフトしていきそうだわ(「観光地域づくり」「観光まちづくり」とよく言われるけど、「観光」が前に来るから、なんとなく違和感がある)。

と、モヤモヤニヤニヤ妄想していたところですね、ベルテンポ・トラベル・アンドコンサルタンツの高萩徳宗さんが、YouTubeLiveでズバッと指摘してくれました。

ベルテンポは、これまで旅を諦めていた人の夢を叶える会社。障害のあるなしや年齢を問わず、誰もが楽しめるオーダーメイドの旅を手づくりしてます。ちょうど中日新聞の記者だった松本が北陸勤務のころ、旅の模様を取材させてもらい、富山駅でお話を伺った。そのご縁が今でも続き、さまざまに刺激をいただいているところです。

Liveでは、身体の内側まで届くような言葉がたくさん放たれててドキドキする。

◉サービスってイーブンです。どっちが上とかはない。観光地の方はもっと、誇りをもってください。つけた値段に自信をもってください

◉おへそに手を当てて45度のおじぎをしているだけでは、いつまでも(お客と)対等にはなれない

◉宿のオーナーとか女将とか、実際の仕事はそうでも、窮屈なカプセルや肩書を一回解放してみる。すると、視野が広がって、柔軟になれる

◉大事なのは損得じゃなくて、(訪れた)先が好きか嫌いか。好きなものはプライスレスで、値段がつけられない。損得のお付き合いをしていれば、クレームは減らない

◉添乗員と案内人の違いは、同じ風景を見ているか、同じものを食べているか

◉日本の旅行者は、旅人としてのトレーニングを受けていない。だから現地へのリスペクトに欠けている。レジで「ありがとう」を言わない

◉旭川の近くだと、美瑛や富良野だと、集客できそうな気がする。競合が激しいのはあるけれど、観光に依存してしまう。そこそこ人が来てしまう。自分たちの力以外で、集客できてしまう。

などなど。そして自分の中の結論めいた金言は、

これからの旅は、H to H。人と人

というもの。ここで見逃せないのは、ホスト(事業者側)の「人」と、ゲスト(お客さん)のそれがイコール、対等ということ。人と人だから、フラットに出会いと関係の深まりを楽しめる。ワクワクできる。お互いがリスペクトして、自信をもってサービスを提供し、それにお金という形で感謝を伝える。

これって、ホテルよりやりやすいのが、ゲストハウスとかユースホステル、民宿、民泊なんじゃないかなーと思う。そして、ちゃんと「現地」(高萩さんの言う)や「観光の方」(同。ホストも含む)をリスペクトしてくれるお客さんに選んでもらうために、安売りしてはいけない。価格競争がなにを生むかは、皆さんご案内の通り。

「人」と「人」をつないでいくには、ホストと「人」とのつながり、つまるところ地域というのが欠かせないわけで。人と人を求める旅では、どうしたって地域とは切り離せない。あぁ、ゲストハウスってやっぱりいいなぁ(笑)

そしてその「旅」は、やがて仕事や遊びと切り離せなくなってくるはず。これまた境界が溶ける、ということ。これまでより、ずっと。

東京ではもう、オフィスを廃止してノマドワークに切り替える会社も出てきたとか。こんだけ、オンラインでできることが可視化されちゃったら、そりゃそうなるよね。

ゴミゴミした所に集まるより、好きな所、環境の良い場所に自由に移動して、仕事の生産性やクオリティも上げるっていうのは避けられない変化だし。

ということで、旅しながら働いたり、ノマドワーカーたち御用達のサブスクリプションサービス「HafH(ハフ)」と提携しました。5月27日の発表です。

https://hafh.com/properties/263

「定額で、世界中住み放題を掲げていて、どんな「人」との出会いがあるか、ワクワクしかない。詳細はまた追ってお知らせします~

物々交換に勝る豊かさを、想像してみたら

新型コロナのドタバタで、お金ってなんだろうと考える時間が増えた。人と人が会いづらいので、お金も回らなくなる。でもお金は生きていくために必要で。じゃあ、お金によらない価値ってなんだろう、とか。お金がなくても生きていくには、どうしたらいいのか、自分で食べ物をつくるしかないなぁ、とかとか。

いろいろ考えて思い出したのは、お金を回さなくても「楽しく」やりくりする方法としての物々交換。北海道に来て1年半。本州にいるときより圧倒的に多くなったのは、貰い物の多さ。ご近所さん、知り合い、遠方の方々・・・。いろんな人からいろんな物をいただく。もちろん松本家への激励というのもあったけど、野菜とかお米とか、地元でできたものをたくさんお裾分けいただく。払うお金がなくなって、食べ物さえあれば、生きていける。それに(ここ大事)はっきり言って、めっちゃ楽しい。

こないだ、5月24日なんてすごかった。

田植えで自分(松本浩司)は不在だったけれど、車で30分以上離れたところに住む、お世話になっている公務員のお知り合いが、大量のホタテの稚貝を誰もいないゲストハウスに届けてくださった。旭川家具のメーカーの社長さんが、タラの芽やウドを妻に託してくれた。妻は、近くの農家さんから大量の葉物をいただいてきた。田植え先の農家さんで松本はこれまた大量のアスパラをもらった。

あまりにホタテが大量だったので、嬉しい悲鳴につき、ご近所さん3軒にお分けすることに。いつもいただく一方なので、少しでもお返し(いただきものだけどw)できてスッキリ。「あ、物々交換できてる!」と、後になって気付いた。

5月10日には、こんなこともあったなー。田植えのお手伝いをしている農家さんは、デザイナーでもあるので、こちらがデザインをお願いしていて、その代金を支払った。と同時に、田植えのお給料もいただいた。それがなんと、まったくの同額でありまして。これも後で気付いて、「物々交換みたいでいいですね~」と思わずメッセージ。

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お金のやり取りはゼロだけど、モノとモノ、サービスとサービスで交換するのって、ワクワクほっこりする。月並みだけど、人と人の思いを介しているから、ご縁があるからこそなので、満足度がめちゃ高いんだと思う。うん、違いない。

そしてできれば、自分たちで何か―できれば食べるもの―をつくりたい。そう思っている時に、ポンと土地を貸してもらえることになったので、「公園ファーム」(https://www.facebook.com/maiko.sawai/posts/2882582465193038)始めることにしました。みんなでごちゃ混ぜになって耕して、宿泊者も一緒になって収穫の喜びをシェアできそう~。これも物々交換。ここではお金を介さない、思いと作物だけが循環するようにしていきますので、どうぞお楽しみに!!

夏ごろかしら、たわわに実ったトウキビやパプリカ、トマト、エダマメたちを思い浮かべていたら、やっぱり物々交換に勝るものはなさそうで。