それでも田植えに行く理由

ここ旭川でも、ついに田植えがシーズンイン。移住して初めての春だった去年は2軒の農家さんで田植え機に乗り、「来年は宿が忙しくて来れないかもしれないなー…」なんて思いながら、あっという間に次のシーズンが来た。

で、おかげさまでコロナの今年は去年の数倍、汗を流せてます💦

アルバイトのお手伝いであっても朝7時とか8時とかに始まり、早くて5時、遅くて夜7時くらいまで続く田植えの作業。(本業の農家さんはもっともっと早いし、夜も見回りやハウスの温度管理があって一番気を抜けない時期!)

田んぼにたまった藁などのゴミ上げに始まり、ハウスで育った苗を剥がして軽トラに積み込み、水をかけて田んぼに運び、田植え機に移し替え。田植え機が畔や農道に戻ってくるまで水や肥料を用意し、場合によっては苗箱を下ろしてスタンバイ。田植え機が戻ると、東京駅の新幹線の清掃シーンみたいに目まぐるしい所作で苗を載せていく。ハウスで軽トラに苗を入れる時、軽トラから田植え機に載せるとき、(体感で)5~10キロくらい?の苗箱を両手で持って上げ下げするので、なかなか体に堪える作業になってくる。「せぇのっ!」「よし!」と自然に声が出てきた翌日くらいに筋肉痛がきます。 時には用水路に落ちることも!(自分だけ?)

一日が終わるとぐったり。食後に眠気はピークを迎え、子どもを寝かせようものなら、恐怖の寝落ちを覚悟しないといけなくなる。夜の仕事も当然、はかどらない。

でも自分には、それでも田植えに行く理由があるんです!

言葉ではなかなか伝わらないので、まずスマホ写真でー

なんてったって、お米にこだわりたいから。

米どころの旭川。雪が降り、山から雪解け水が流れて伏流水になり、田んぼを潤していく。寒暖の差がうま味を高めてくれる。そんな「恵みの源泉」がめっちゃ見えやすいし、旭川らしさが凝縮されてる。こんな幸せなことってないし、だったらそのお米の一生を体で知っておきたいのです。自信をもって旭川公園のオリジナルブレンド米をご紹介するのに、これは絶対に必要。苦労や過程を知らないと、話にならない。

種まきから田植え、刈り取り、脱穀、籾摺り、もみ殻や米ぬかの堆肥化、しめ飾り作り、米袋バッグ作り・・・。なんでもできるのがお米のすごいところ。なんでもやる「百姓」の仕事が凝縮されてる! ひと通り、自分でやってみたいわけですよ

あと実際に参加してみて分かることだけど、短期間で農家さんやお手伝いさんみんなで息を合わせてやるので、自然とお知り合いが増え、絆が深まる。大変なことを一緒にやり遂げたっていう経験で、とても近い距離に感じちゃうんだなー。田植えの後もお付き合いは続くし。

それに、残雪をまとってかっこよすぎる大雪山連峰や十勝岳連峰が、ドーンと目に飛び込んでくるから。

あー、しんどいと思っても、この秀麗な山容を見ていると全て吹っ飛んでいく。気付けば深呼吸をして、気持ち良くなる。ジムに行かずとも筋肉はつき、ハイキングに出かけなくてもリフレッシュできる。最高

そういえば、いろんな軽トラを運転できるのも滅多にないリフレッシュ。車種によって世代によってミッションの入り具合とかクラッチの繋ぎ方が違うので、めちゃくちゃ楽しい。スコッと入ってブオ~ンとグングン走れば、疲れが吹き飛ぶ(古いほうが気持ちいい)。時には、冬眠後に退院した、わがキャリイ君も大活躍!

ともかくも、口に入るものをつくることに、自分も関われるって、こんな尊いことはなかなかないよなー、と毎日実感する。ちょっと大げさだけど、「この大地に生かされてる!」って思える。あらためて、1粒1粒を噛み締めていただこうと。

勢い余ってゲストハウスでもイネの栽培を始めてみた。なかなか満足にお世話できてないけど、成長を見れるって幸せ! できたばかりの「公園ファーム」にも近く移植しよう~