脱皮なるか、旭川空港

交通問題に興味はあるしけっこう使っていながら、知らんことばっかりでびっくりすることがある。

ちょっと古いけど、8月17日の日経新聞にでっかく「北海道の空 4陣営争奪」っていう記事があった。

新千歳、旭川、帯広、函館、釧路、稚内、女満別の7空港が2020年6月以降に民営化される。旭川は、市が管理していて、赤字に苦しむ典型的な地方空港なんだとか。市営だなんて知らなかった・・・

記事によるとコンセッション(公共施設等運営権)の入札が締め切られ、4陣営が参加したと。新千歳が国管理空港の中で、羽田に次ぐ収益力をもつことに注目が集まり、空港コンセッションは仙台や高松で成果を上げていることもポイントらしい。コンセッションは空港以外でも水道とか、各分野で流行ってるからなぁ。

今回の特徴は、7空港を30年にわたり一括運営すること。新千歳を目玉に、旭川をはじめとする赤字空港への集客増も目指されることになりそうだとか。外資だけじゃなくて、東急とか東武とか域外の鉄道会社も名乗りを上げているけど、これは内需中心の会社にとって、訪日客増の空港ビジネスは貴重な成長分野に映るらしい。

しょっちゅう使う新千歳やセントレア、羽田なんかはそりゃ規模がでかいので、買い物やサービスも充実しているのが当たり前な感じがある。民間の工夫をいろいろ感じるし、空港=メディアとしてこぞって競争している。

でもこないだ旭川空港をインで初めて使った時、古ぼけた感じというか、彩りのない到着ロビーに出迎えられ、めちゃくちゃ残念だった。出発側はよく採光もされていて明るく洒落た雰囲気なのに、同じ空港とは思えない。

旅行者からすれば、まずその地域の印象は、空港の到着ロビーやレンタカー、タクシー、バスなんだろうと思うけど、空間デザインや交通案内のサインとか見ると、確かに「典型的な地方空港」っぽい。

石川県政を担当してた時は、小松空港に県がかなり力を入れているのを見てきた。旭川市ではどうなんだろ。議会の議事録とかいろいろ見てみようかしら。ことし11月に国際線ターミナルビルができるんだから、大きく脱皮してくれるんだろうと期待して。

三週連続の旭川へ⑤ 地元の旅のプロの金言

JAの直売所を出て、「旭川ふるさと旅行」さんへ。永山地区の中心部で、永山神社の隣。2週間前にかじった中央公園のすぐ近くにあった。

突然のお願いだったのに、快く迎えてくださったのは、社長の喜久野夕介さん。全国転勤のある会社で働いていて、初任地が旭川。その後の転勤でまた旭川に住む機会はないと知らされて、11年前にこちらに移住された。すごい。旭川のいいところの1つが、まちも自然も楽しめることだとか。

主に手がけていらっしゃるのは、地元の人が旅行に行く時の企画・手配、道外などからの旅行のそれ、訪日客のそれ。

この事務所の近くには、もともと地元資本だったけど、ここ数年の間にチェーンに生まれ変わったホテルがあって。市中心部からは車で20分くらいと離れているけれど、このホテルのお客さんの顔触れは、個人訪日客や観光客の姿もあるらしい。市中心部のホテルで需要を賄いきれない時もある。なので、「永山という地区はポテンシャルがあると思います」とおっしゃっていた。一方で、訪日客の取り込みは事業をやっていく上ではやらざるを得ないともアドバイスいただいた。

国道沿いにある日本酒「男山」の酒造り資料館(実際には物販や試飲コーナー)も、旭川デザインセンターの前に昼ご飯で寄ったあさひかわラーメン村も中華圏の訪日客でいつもにぎわってる。市中心部のゲストハウスでも、訪日客がかなり多いんだとか。このインパクトはやっぱりすごい。

自分が永山でやろうとしているゲストハウスは、最重視するターゲットが「関東に住む30代女性」。準備も足りないし、と自分で言い訳をして、増え続ける訪日客を最初からは取り込もうと考えていなかった。地元のプロのアドバイスを胸に、ちゃんと考えていかねば!

なんで北海道なのか旭川を選んだ理由、新聞記者を辞めてまでなんでするのかとか、経緯を一通りお伝えする。「こちらでできることはなんでも言ってください」とありがたい言葉をいただく。同じ地域の住民に自分がなるかもしれないし、移住体験を取り扱っていらっしゃるので、どんどんお世話になります!

時計を見ると4時45分。あと1カ所か2カ所回って、新千歳空港に戻ろう。           (つづく。次でラスト)