コンテナを凌ぐコンテンツの家づくりへ

(つづき)

コンテナハウスは幻に終わったものの、「旭川公園」グループのメンバーから心配の電話をもらい、「これは前向きに考えるしかないですね」「もっと良くなるためのステップでしかない」という感じで一致団結。けっこうすぐに気持ちを切り替えることに大成功。

もともと、木造の宿泊棟(小屋=タイニーハウス)とコモン棟とのデザインの統一感を考えると、コンテナより木造のほうがいいんじゃない?っていう意見もあったし、空間として1つの世界観を出すには、同じ人に設計・施工をお願いしたほうがシンプルで美しい仕事になると確信。

松本憲さんからの提案もあって、施工は住宅以外の建物と同じくyomogi8さん(中村直弘さん@北海道)に頼もう、となって意見が一致。信頼できる、気持ちを一つにしてやってきた仲間たちとの仕事は速いし、なんといっても気持ちいい。「これは間違いないな」っていう安心感が半端ない。

この、いくつかのやり取りがあったのが23日。そんで、25日は憲さんの事務所(浜松市のフォルム建築設計室)で所長さんを交えて打ち合わせ。ものすごいスピード感!

この場で、こんな事態になった背景をおさらいし、法的にやっかいなことがあるとご説明。そしてすぐに、フォルムさんの方で設計を進めてもらうことになった。とけない根雪が積もる前に基礎を打てたら打とう、という、これまでとほぼ同じタイムスケジュールも確認。なんと!!

「寝室」「リビング」と部屋の用途を限定しない間取り、二階建てをやめて平屋にすること、将来的なロフトの増設余地、洗面所と独立したトイレ・・・。こっちの要望はあちらの提案が、スパっ、スパっとはまっていく。楽しい!さっそく図面を描き始めてくれ、そのライブ感に卒倒しかけた。

描いてくれるのは、憲さんの奥さんのしのちゃん。「こんな経験なかなかできない。『まぁこんな感じかな』って済ませたくない。『ここまでやったから!』と思えるくらいやらないと気が済まない」とは本人の弁。うれしいなあ。

そしてそして、たった二日間を挟んだ28日、憲さんから「平面プランができてきて打ち合わせを」「最低限の極小住宅プランで満足してます」とメッセンジャーが入る。これは間違いないものができてるなー。こんなスピード感で住宅ができるなんて、もう感動しかない!

これまでの100倍くらいのスピードで進み始めたので、一気にテンションが上がってきた。住宅をめぐるドタバタも、最良のゴールに向かうための必要なプロセスなんだなー。少なくとも3年後くらいには、心からそう思いたい。

(おわり)

 

 

コンテナハウスは夢のまま幻に

9月23日朝10時すぎ、旅行先の金沢。コインランドリーで洗濯物を放り込もうとしたら、スマホが鳴った。今年春から相談をしていた、八王子にあるコンテナハウスのメーカー社長からだった。

今回のゲストハウス計画は、全体で5つもの建物を1つの敷地に建てるので、建築基準法上、なかなかやっかいなパターンだった。複数のものを同時に同じ敷地に造ることができないので、住宅を管理棟として位置付けて、そのほかと従属関係を持たせないとクリアできない。だから、住宅とそのほかの部分で設計者が違うと、誰か代表を置いて市役所に申請を出さないといけない。誰でも好んでやってくれるわけじゃない。だから一緒に楽しんでくれる人とやらないといけない。

その住宅をコンテナ(海上輸送コンテナではなくて、建築用のコンテナ型重量鉄骨)で建てようと思って、ずっと計画を練ってきた。でも、担当の人ががなかなかこちらの意図や事情を理解・伝達してくれず、数ヶ月単位で時間だけが過ぎていき、設計にも全然話を通しておらず、あまり意味のない打ち合わせをすることもあった。そのたびに、八王子まで片道3時間以上かけてお邪魔していた。

電話をくれたその社長はステキな理念をお持ちで、推進力があり、おもしろがる能力に秀でていて、正直かなり惹かれていた。でもその社長には、土地利用の事情がきちんと伝わっていなかったようで、この時の電話では「こちらは特殊な工法でコンテナハウスを造るので、守秘義務のこともあって、ほかの設計者と組むことはできない。住宅とそのほかの部分とを分けて申請すると思っていたけど、今回のような形なら協力はできない」ということだった。

え?   それ、いま言う?

ここ一週間くらいで担当の方が社長にケツを叩かれてやっと動き出したと思ったら、組織内でぜんぜん認識が共有されていないことがだんだん分かってきた。前日22日も「え?それ今までに言ってますよね?」ということを電話で何度も聞かれ、挙げ句の果てには「いま言ったことをメールでまた送ってほしい」と訳の分からないことをおっしゃる。そのたびに、長い、長いメールを送らないといけない。

思わず乾燥機を蹴飛ばしたくなって、関係各所に「コンテナハウスがダメになった」と連絡。

間違いなく、これまでで最大のピンチであります。

住宅が建てられなければ、開業はできない。これまで、雪が降る前に基礎を打つというスケジュールでやってきて、それを信頼し、見越して退職時期を決め、いろんなことを調整してきた。それが全部、振り出しに戻ったかたち。

担当の方は、こちらが金沢や名古屋にいる間、二度浜松に足を運び、詫びを言いたかったみたいだけど、一からやり直さすために動かないといけないので、当然そんな時間もなく。メールでいろいろと苦言を言っても、「お優しい言葉、有難うございます」と来て、あーほんとに伝わらないことってあるんだなぁ、としみじみ。これまでのモヤモヤが妙に納得できたし、「多分この方は、一応こっちの人生もかかっていたプロジェクトなんだと理解されることはないんだろうな」と確信。こちらに甘さがあったし、「なんかおかしい」と感じた時に、方針転換しておくべきだった。

まぁなんかやろうと思えば、予想外にいろんなことがある。そのたびに自分も試される。いい勉強にはなった。

そしてこの話がおもしろいのは、これで気分が沈んだままにならなかったこと。すぐに信頼できる仲間と前を向いて、新しく最良の道を見つけることができた。(つづく)

 

 

 

保育所の申し込みをして道民気分

(つづき)

泊まった旭川のゲストハウス「宿・レトロハウス銀座」では朝6時前に自然に目が覚めた。ドミトリーは、熟睡できないわけじゃないけど、どことなく緊張して、いつも早く目が覚めてしまう。時間を有効に使えるからいいけど。

すぐにシャワーを浴びて、旭川駅へ。空気がひんやりして気持ちいい。駅併設のイオンモール囧rz に大好きなサンマルクカフェが入っていて、朝7時からやっているので、そこで作業するのが目的。きのうの夜に睡魔に勝てずできなかった、ブログ書きと保育園の申し込み作業。いまは次男・陽己(はるき)が幼稚園に行ってるけど手続きは妻任せだったので、初めての経験。妹の七海とあわせて2人分を記入する。けっこうな量になって、2時間かかっちゃった。

また15分くらい歩いて市役所に行って、提出。ゲストハウス「旭川公園」を建てる永山地区は、保育所の激戦区らしく、2人の子どもを同時に入れられる可能性があるのは2カ所だけ。しかも、めちゃ近いというわけじゃない。子どもがまぁまぁいるというのは良いことだけど。

手続きが終わって、10月17日の〝合否判定〟を待つ身となった。いよいよ、移り住むっていう実感が湧いてきた!

駅にバスで戻ってエキナカやセイコーマートでしこたまお土産を買い込み、11時発の特急「ライラック」で札幌へ。

深川いあたりで。秋だなあ

快速エアポートに乗り換えて空港に着き、エア・アジアでセントレア16時半ごろ着。

おつかれさまでした。(おわり)

旭川2回目のゲストハウスは、レトロな宿

(つづき)

ゲストハウス「旭川公園」の予定地から、最寄りの永山駅まで歩いてみた。のんびり、のんびり。線路を伝うように。車の通りは少ないし、道は荒れてないので歩きやすい。

途中にカメムシ(とみられる昆虫)を発見。旭川は、こういうものまで美しいんだなぁ。

いつもよりも、道にいる虫さん達によく目がいく

永山駅には10人以上、列車を待つ人がイスに座っていた。地方部の有人駅ではよくあるけど、列車到着のちょっと前に改札があるので、それまでは乗客が1つの場所に集まる。「あっ、これコミュニティっぽいなー」とほっこり。

永山駅にて

旭川までは快速「なよろ」。これまで普通列車しか乗ったことないからラッキー。停車駅が少ないだけで、旭川駅まで普通なら14分のところ、11分で着く。快適。サイクリストが輪行(タイヤを外してカバーに入れて車内に持ち込むこと)していて、自分も昔そうだったので懐かしくなった。

旭川駅からは市役所まで15分ちょっと歩いて、建築指導課に進め方で相談して、子ども育成課で保育園の入所について教えてもらう。皆さん親切でいつも嬉しい。

そのあとは、今宵のゲストハウス「宿・レトロハウス銀座」へまた20分歩く。今回は絶対、列車と徒歩で移動すると決めているのだー。

名前の通り、銀座商店街という場所のすぐ近くにあって、駅からも歩ける距離にある。いま、旭川では最古のゲストハウスになった。昨晩のアサヒカワライドより1000円ほど安く、相部屋(ドミトリー)で2000円台だった。レトロでシンプルだけど必要な設備はそろっている。フロントとロビーが開放的で明るい。

共同スペース。早朝に撮影
一階からはけっこう急な階段をのぼる。他のお客さんが寝静まった夜は、きしみ音が気になっちゃう


使用中の2段ベッド(同下)

そのフロントで、マレーシアからの女性ひとり客に「どこから来たの?アハ?」と英語で話しかけられ、「シズオカ プリフェクチャー」と答えると、「私たちはプリフェクチャーがどこにあるか分からない。分かると思う?ドンチュー?」となぜかまくし立てられ、「フジヤマのあるところ」ととっさにフォロー(笑) いろんなお客さんがいるゲストハウスあるある。これもちょっとした旅の思い出であります。

食事は商店街で一杯やりたい思いもあるけど、地元の税理士さんが懇親会をセッティングしてくださっているので、繁華街へ。会場は「めいじ家  大舟」。おつまみイクラ、刺し身、焼き物いずれも美味。お客さんが来たら連れて行きたいお店(ラーメン除く)第2号に決定〜。ここで名刺ケースを忘れてしまったけど、その後、丁寧に応対してくださった。

二件目は1人でラーメンへ。繁華街にある「味特」さん。スープは好きだけど、麺が・・・。茹で方の問題かしら。大将の表情をはじめ店の雰囲気は◎。酔ったらまた寄るかも。

醤油700円

酔い覚ましに宿まで30分以上かけて戻る。iPadに向かうも1時間ほどで撃沈。                                  (つづく)

 

旭川大学に初上陸!可能性しか感じない

(つづき)

ゲストハウス「旭川公園」の予定地から歩いて5分とかからない場所にある、旭川大学。初めて構内に入った。

先生方とのアポまで40分あったので、気になっていた、国道を挟んで向かい側の定食屋さんっぽいお店へチェックイン。腹が減っては、なので。「三幸食堂」というらしい。

店内には、大学関係者っぽい人と、学生っぽい人。地域経済誌がたくさん置かれ、テレビがけっこうな存在感を放っている、よくある感じの雰囲気。メニューの一番上に出ていた、野菜みそラーメン680円を注文する。

野菜みそラーメン

みそのスープは甘みがあって美味しい。のれんには製麺所の名前もあって、ここで作っているのか、懇意にしているのかよく分からないけど、麺とのマッチングはもっと欲しいと思った。まぁラーメンは好みなもんで。店の奥さんがめっちゃ声に力とボリュームがあって、耳に残った。

満腹になったところで大学に戻り、子どもの居場所づくりや支援、プレーパーク(子どもたちが自発的に遊びを展開できるような場)づくりを実践されている清水冬樹先生といろいろご相談。「旭川公園」の計画をお伝えし、どういうことができるのかアイデア出しをしたり、お願いをしたり。いろんな可能性があると分かって、めっちゃワクワク! 「永山(この辺りの地区名)にはコミュニティがなくて 先生や学生さんの力を借りて、他にない「場(コミュニティ)」をつくりたい。そして学生さんが社会に出る前に、「これは」と思える経験(できれば成功体験)を提供できれば嬉しい。

そのあと、子どもたちに木や森に親しんでもらい、関わりを考えるような「木育」を研究している横田宏樹先生も合流していただき、「旭川公園」予定地へ向かった。

国道を挟んで、ほんとすぐだけど、お二人ともこんな近くにこんな空き地があることに驚いていらっしゃい、ロケーションには好反応をいただいた(はず)。現場を見て、いろんなことを妄想。めっちゃたのしいわー。

そのあとは大学に戻って、横田先生の秘密基地を見学。自他共に認める「木こりの経済学者」として、図書館に置くイス(テーブルにもなる)を地元の材と人財を使ったり、学祭で「木育カフェ」を開いたりしていらっしゃる。

そのものを撮るのは忘れてしまったけど、自主的に制作された図書館のイス・テーブルに付けられたラベル
いろんな樹種の木々が置かれる秘密基地

林業絡みで、ここまで現場に入って自ら手を動かして、っていう先生も珍しいと思う。10月からは母校の静岡大に籍が移り、週の半分ずつ行ったり来たりの生活を送られるという。静岡とのつながりを生かした活動もされる予定だし、浜松から移住する自分としても勝手にニヤニヤしているのであります。

自分は大学を失礼してまた予定地に戻り、UQから借りているWi-Fiルーターがちゃんと機能するかを確認。うん、大丈夫そう。Wi-Fi環境の整備はもはやマストなので、しっかりと、抜け目なく。実り多い現地入りだなー。       (つづく)

キハに乗って仮住まいアパートへ

(つづき)

アサヒカワライドを出たのが遅かったので、ダッシュして旭川駅に飛び込むも、発車時刻と乗り場を案内する電光掲示板に、乗る列車がない。あと1分。自分と同じようにキョロキョロして困っている女性がいたので、代表して改札口の駅員さんに聞くと、「乗りますか?急いでください!」。運転士さんに電話で連絡してくれてそうだったので、またダッシュ。素敵だけどムダに?デカい旭川駅。エスカレーターを乗り継いで、よくないけど駆け込み乗車を成功させた。

涼しい空気が漂っていたのに車内では汗だく。キハ40という形式の気動車に揺られて、しばらくすると無人の南永山駅に到着。

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ここから30分以上歩いて、不動産屋の店舗に行き、仮住まいするアパートに連れていってもらう。

不動産屋の近くのセイコーマートで休憩
アベックの赤とんぼ。頑張れ!

車中、担当者といろんな話をしたのが楽しくて。北海道はチェーンを巻いたことある人が少なく、北見とか酷寒地では条例でスパイクタイヤが禁止されてなくてまだ販売されていること。最近はJR北海道が訪日観光客対策で通訳を雇っていて、その人が短期で住む物件の照会がけっこうあること。線路とお墓のある所は地盤が強いこと。などなど。

アパートは思った以上にきれいで、外側の冷気が入らない一歩奥まったところにトイレがあるとか、寒冷地らしい仕様をはじめて目撃。駐車場はオーナーさんの負担で月に一度、アスファルトが見えるように除雪されることも確認。そのアスファルトは機械が削った痕跡がいくつもあった。

物件探しはなかなか難航して、ゲストハウス予定地の近くでは全然見つからず。アパートやマンション自体はけっこうあるけど、いかんせん、いつ退去するか見通せない立場で、短期契約になるので、歓迎される客でないということで。近距離でタクシーに乗ろうとする感じ。

もともと10月17日付で会社を辞めるので、その日までに今のマンションを退居いないといけない。引っ越しの日程調整で安さから5日の荷出しとなって、「一週間以内に荷物を入れます」とのことで10日にとりあえず現地入りするスケジュールを組んでいるところ(早く荷物の入る日を教えてほしい)。アパートは10月1日からの契約になるし、早く地域を知りたいので、退職より早い入居になってしまった。そして自分たちの住宅が完成次第、そちらに移り住むというややこしい流れになってる。年内か、来春になるか…。

アパートは内覧してめでたく即契約となり、担当者さんにわざわざ送ってもらって旭川大学へ移動。ゲストハウス予定地から国道をはさんですぐ、歩いて4分くらいだけど、構内に入るのは初めて。この日は、先生たちと重要なアポが入っているのでドキドキ。

(つづく)

アサヒカワライドと田子兵衛で美酒に酔う

(つづき)

北海道庁の創業ビジネスグランプリで幕を開けた2日泊3日の旭川滞在。プレゼンが終わって一安心して、旭川で実は初体験するゲストハウス「アサヒカワライド」 へ。緊張の余韻からか、気温は12度と低めだけど、空気がちょうどいいくらいに気持ち良い。

旭川駅から続く、日本初の歩行者専用道路・買物公園通りをひたすら北にいった、静かな場所に建つ。一階のハンコ屋が目印。ドアを開けると、自転車が飛び込んできて、さっそく「らしさ」が感じられる。

オーナーは旭川市の地域おこし協力隊の杉浦哲也さん。 愛知県碧南市の出身で、同庁職員とかを経験され、山やウインタースポーツが好きで旭川に。北海道歴はめちゃんこ長くて、いまも縦走とかアグレッシブに動き回っていらっしゃる。憧れる。生まれて初めてスノーボードをしたのが北海道・名寄だった自分としては、そのうちウィンタースポーツか大雪山系の登山をやってみたい。ここの自然はすごいんですよ! と人に言えるようになるためにも。

ということで、サイクリグとかスキー、ボードとか登山といったアウトドアやスポーツを楽しむ人の基地になってる宿です。それと、旭川に住みたいと思う人を増やすミッションもあり、移住を促進の拠点でもある。今年開業したばかり!

フロントの近くにはスノーボードっぽいスポーツウェアとかが置いてあって、また「らしさ」を感じる。

移住情報が載ったパンフレットとかもたくさん。

部屋はドミトリーのみで、この日泊まったのは男女相部屋で3000円代半ば。他の部屋の気配を感じにくいので、けっこう楽チン。規模感はちょうどいいかも。

ドミトリーの室内。8人泊まれる部屋

この日のお客さんは、道内の各地を回っている外国人と、日本人の女性がいらっしゃった。地震を受けてキャンセルがすごいらしく、特に海外では「北海道全体がダメ」っていうイメージが蔓延してるみたい。いろんなとこで、観光・宿泊の深刻なダメージがあるんだと耳にする。

共用キッチンのカウンター部分にはかわいいスツールがあって、開放的な共用スペースにテーブル・イスや、観光情報が置いてある。

 

看板猫の「たま」。出勤中

杉浦さんによると、近くに、知る人ぞ知る塩らーめんの名店があるらしい。めちゃ行きたくなったけど、今夜は1つの節目でパアッと飲まないといけなかったので、ある居酒屋に。横浜のグルメマスターである東京本社の清水センパイから「俺はこの店のために旭川に行く」と聞き、前に赤坂でお会いした時に即座にメモしておいた。その名は「田子兵衛」。

二階の入り口に続く階段がいい! ぜったい、帰りにコケてる人いる。

店内に入ると、元気な声の女性がフロアに、カウンターの向こうには大将らしきオヤジさんがいる。常連さんとの距離感がまた、いい。めちゃ個人的な話をしていても、一見の客のこちらにも気配りをして、話しかけてくれる。うれしい。

で、料理はというと。サケのルイベ、北海ボタンエビの刺身、生ラムの特製ジンギスカン、そして最後に若鶏の塩ザンギ(唐揚げ)!

一番ショッキングにおいしかったのは、文句なしにジンギスカン。肉は適度な柔らかさで、噛めば噛むほど、甘みを感じる。野菜とタレとの相性がサイコー。けっこうな量を食べてもしんどくならない旨さ。これまでの羊系でナンバーワンにおいしい。

ただ、ザンギも負けてない。プリプリした肉に、絶妙な塩味、サクサクの衣。魂こもってるな!って感じの唐揚げ。本気の唐揚げ。ただものすごい量で、終盤にはオーダーしすぎを反省。でもフロアのお姉さんの「すごい頼まれてるなって思ってましたけど、すごいですね最後までいきましたね!」と温かいお言葉(笑)。オヤジさんも「うちのザンギ、すごいでしょ」とにんまり。

これまで食べた中で一番うまいジンギスカン。甘みと、肉の旨味と。絶妙
北海ボタンエビの刺し身。美味
この若鶏のザンギ(唐揚げ)がすごい。塩味が効いて、身はプリプリ。本気の唐揚げ

地元客でにぎわっていて、良心的なお値段で、めちゃうまい。やる気に満ちてる感じ! お腹はパンパンで、ラーメンが入らなかったけど、ラーメン以外でお客さんが来たら連れていきたいお店の第1号になった〜。

宿に戻って細かい事務連絡やブログ書きをしようと思い、共用スペースの机に腰掛けるも、30分で意識不明に。

翌朝一番の気温は10度ないくらいの寒さ。でもキリッとして乾いて気持ちいい。杉浦さんに挨拶し、9時19分の列車に間に合うようにダッシュ! また来まーす

(つづく)

IRORIホステル×干物

(つづき)


宿はもちろんゲストハウス で。東日本橋から歩いて3分の、めちゃくちゃ便利な「IRORI HOTEL and KITCHEN」さん。朝食付き2700円。問屋街のど真ん中にあるビルをリノベーションした風で、囲炉裏が並んだロビーは新鮮。なんで囲炉裏なのか分からないけど。エレベーターで各階に行って、客室に入るたびにドアのキーで暗証番号を押さないかん。これはけっこうめんどくさいし、酔っ払って忘れたらとんでもないことになるー。シャワーは別の階にあるし、けっこう移動の機会が多い構造になっているので、うーん。

写真撮りそびれたけど、鉄の既製品っぽい感じの二段ベッドがこれでもかと並んでる。2000円代だから当然なんだけど。タクシーで帰ってきた時、25時くらいだったけどすごい気を遣ってベッドインいたものの、26時くらいに下の段の外国人からなぜか「ハーイ!」と笑顔で覗き込まれ、「は、はーい」と返すのでいっぱいだった。その後もベッドが何回か揺れたし、スーツケースをごそごそと探る音が聞こえて、自分のビジネスシューズが散乱させられた。ドミトリーの二段ベッドあるあるだけど、〝相方〟がどんな人かで、過ごす夜の質が変わってくる。だから自然、旅や滞在のスタイルを選ぶことになる。

これはうれしい。ゲストハウス 「旭川公園」は棟から棟の移動があるので必須

朝は囲炉裏でアジの干物と白米、みそ汁。400円相当で、干物は焼き方もあっておいしいけどけっこう普通な感じ。みそ汁はインスタントっぽい感じが・・・。安いゲストハウス でも、朝食は400〜500円が多いなぁ。

この朝のスタッフは男性で、「ご出張ですか?」とソフト系の声で話しかけられ、干物を焼くのも丁寧で、よくお客さんのことを見ている。すごく感じがいい。こうやって出発する日の朝に気持ちよくなると、1日が楽しくなるし、宿にはいい印象が強く残る。大事なことだなあ。この日は旭川でプレゼンを控えていて、早朝からずっとノートとにらめっこしてたけど、朝食を無理して頼んで良かった。

朝食の提供スタートは8時と遅め。成田空港に向かう電車は8時24分。お兄さんは「いってらっしゃい。お気をつけて」と送り出してくれたのでした。「いってらっしゃい『ませ』」より、ずっといい響きだった。

(プレゼン後の記事に続く)

公園ざんまいの東京さんぽ

ビジネスコンテストでのプレゼンに先立ち、18日には東京・八王子でコンテナハウスの打ち合わせ。日程すり合わせに1ヶ月かかり、やっとの思いで行ったのに、あちらからの提案という意味での進展はなにもなく。さすがに社長さんが「せっかく来ていただいたのに、今日は設計を交えて詰めるべきだった。ちゃんと報告しろ」と指導してくれたので、若干スッキリしたけど、打ち合わせを何のためにやるのか、どこまで進めるのかがはっきりしてなくて、これまで時間だけが流れていく感じだった。ずっとモヤモヤ。こっちの考えもきちんと共有されていないようで、「今さら」の事ばかり聞かれる。こういうのってやっぱりあるんだなあ。とにかく住宅の遅れを取り戻さないと、もうちょっとで雪が降り始めるし、春まで仮住まいのアパートにいなくちゃなんない。

こんな状況なので、社長さんの指示で今回は高尾駅まで送ってくれ、次回は一週間後の25日に、浜松まで来てくれることになった。異例の対応。また東京まで無駄足を運ぶことはなくなったけど、月単位の遅れはキツい。

午後は気を取り直して都心部に向かった。高尾から初めて京王線で。JRより200円弱安くて360円で新宿まで行けた。これはデカい。学生時代に行った立ち食い寿司(600円のランチ+コハダ)を食べて、中古カメラ市場っていうディープなカメラ屋を覗いて、池袋。慶応大の鉄研(鉄道研究会)OBの方々が、「冬の北海道」をテーマに写真展をされていたので、拝見。

1970年代にやった写真展をもう一度開いたとか。かっこいいな、そういうの。単なる回顧とかじゃなくて、今の北海道の鉄道と当時のを比べてみることはできて楽しい。蒸機(SL)って生き物なんだよなーって再認識したり。比布とか旭川とか、ゲストハウス 予定地の近くで撮られた写真もあった。ひさしぶりに写欲をそそられる。あっちに引っ越したら、できるだけ毎日写真を撮ろう。

そこから、歩いてすぐの「南池袋公園」に急ぎ足で。公民連携の分野ではめちゃくちゃ有名な公園で、ビルに囲まれた場所で、エアポケットのような空気感があった。 よく本とかで紹介されているまんまの、心地よい光景。無料で貸し出されてるゴザを敷いて、ゴロゴロ、おしゃべりや昼寝やら。いいなぁ。親子連れは滑り台みたいなエリアでも遊んでるし、カフェでシードル飲んでるお兄さんもハマってる。

ここには絶景があるわけじゃないし、特段緑が多いわけではない。みんな何を求めてきてるんだろと考えたら、この場の空気に他ならないんだろなーと。弱い、緩やかにつながってる感じなのかもしれないし。 そんでもって、他の人が楽しそうに寛いでるのを見るのって、すごく幸せな気分になれるなーと再認識。「旭川公園」でも生かしてこ。

次の目的地は、池袋からメトロ丸の内線で向かった銀座。9番出口直結の「銀座ソニーパーク」を見学。改札を降りてすぐの所からパークエリアで、ローラースケートのリンクがあった。地上フロアに上がると、そこは数寄屋橋交差点に面した空間が。いろんな大きい植物が、デザインされるように配置されていて、スマホを向ける人多数。公園らしく、足を伸ばしてくつろぐおじさんも。企業や個人が、公園を開く時代の象徴のような場所だった。どんだけ金かかってんだろ。ソニーも再建ができてきたってことなのかなー。

続いて表参道。電通のコピーライター・阿部広太郎氏とお茶。博報堂のインターンで一緒になり、今や雲の上のような存在だけど、ずっと刺激になっている。近況報告や、いま世の中がどんな感じになっているのか、これからどうなるんやろーとか。知的興奮! こんごのコミュニティーづくりですっごくいいヒントをもらえたわ。超多忙なとこありがと!

夜は大学の広告の講義でお世話になった、博報堂出身で今は大学で教えている池田諸苗さん、その講義で知り合った栗田宏美さんと、代々木上原で焼き鳥会。楽しすぎて、別れぎわに改札口で通りがかりの人に無理やり記念写真を頼んでしまった。気持ちよすぎて目をつぶっちゃった。

宿は馬喰町(東日本橋)だけど、寝過ごして戻るための終電を逃し、タクシーで2300円もかかってしまった。宿代と同額じゃん。東京ってこわい。ウカウカ寝てられない。

(つづく)

ビジコンで道内No. 1を獲りに行く

本選行きの切符を受け取る筆者(右)

地震を受けて延期されていた、北海道庁主催の「創業ビジネスグランプリ」道北大会。19日夜、旭川市内で開催されて、なんとか勝ち抜くことができました。㊗️   こんな大変な状況でも機会をいただけたことに感謝。

大会の規模はそんな大きくないから緊張しないかな、と高を括っていたのに、いざ登壇すると、いや正確に言うと登壇の前後は、脂汗がでてくる感じで・・・。

プレゼンの流れじたいは良かったと思うけど、いかんせん持ち時間の5分では足りず、恥ずかしいことに肝心の「地域課題」について詳しく触れることができずタイムオーバー。

寝起きみたい

どうしたって早口になるし、練習ではいけるとシミュレーションしても、実際はやっぱり違う。内容を再構成して時間配分という基本もちゃんとしなきゃ。めちゃ反省。

金融機関や起業家の先輩たちの審査員、来場者の方の前で、「ゼロベースで内容を確認して、グランプリを必ず獲ってきます!」と宣言しちゃったので、もう引き返せない。

本選行きのどデカイ切符

プレゼン後の質問・講評では「けっきょく1番の売りはなにか?」「共同スペース(カフェ棟)の投資効果を上げるために、収益力を高めた方がいいのでは?」「小屋(タイニーハウス)は本当にこの金額で建つのか?」「お客さんの立場にたった計画を」などなど。どれも、今後考えをブラッシュアップして人に伝えていく上で、コンパクトにインパクト残るように答えを用意しないといけない。

終わってから、プレゼンをお聞きになっていた行政書士の方からお声がけいただき、里山にお客さんを連れてアクティビティするときに、ホテルとかと連携していったらどうか、ご提案をいただいた。まさにどうやって広がりを持たせていくか考えていたところ。今後もお力添えをいただけそうなので、感謝しかない!  人前でお話しするのってやっぱいい!

それにしても今回は、慣れないiPad でトラブルつづき。

パワーポイントで資料をつくったはいいものの、iPad内でデータを移動させていたら行方不明になった。2日前に6000円くらいで買ったiPadでも使えるUSBメモリがちゃんと作動せず、何度コピー(複製)しても読めない状態が続き、拡張子かえても変化なく。行きの道中でデータ移行しようと考えてたのが甘かった。

札幌の家電量販店で一から探し、1万円くらい投じて買い直すことも考えたけど、新千歳空港の到着ロビーでカスタマーサービスに電話。1時間待って、ようやくつながり、担当の女性がめちゃ丁寧に調べてくれて、解決! 空港で2時間弱、足止めされた感じになったけど、旅とはトラブル。これくらいドタバタするくらいが楽しいけどね。

札幌から旭川に向かう「ライラック」は乗ってすぐにスマホもiPadもバッテリー残量がなくなり、ノートを見る以外、練習できず。車内どこにも充電できるのがないから、そろそろつけてほしいなー。競合のバスでもいいけど、長距離のバスも列車も、電源とWi-Fiはもう必須だと思う。訪日客をもっと増やしたいのなら、なおさら!

こちらは普通の切符

次の本選は10月14日。ライラック(or「カムイ」)に乗って乗り込みます。待ってろ札幌!