米づくりのお手伝い、はじめました

茶碗一杯で、白米は3200粒くらいあるらしい。一本の稲穂からは70粒くらい。白米は一粒残さず食べることを30年以上やってきたけど、農家さんの苦労を知る機会はほとんどなかった。

2018年10月に旭川に移住してきて、近くの森に入って林業を間近にみることはあったけど、農業はシーズンじゃなかったので叶わなかったのもあって、ずっと、やりたいな~と思ってもいて。

そんなときに、東旭川の坂井ファームさんが人手不足で困っているとお声がけしてもらい、お手伝いをさせてもらえることになった。

田起こしこそしなかったけど、4月15日からまず種まきをさせてもらった。「まくday」という機械に土を入れて、苗箱を流し、パレットに積んでいくという作業。マット土は、ベッド代わりの「床土」と掛け布団代わりの「覆土」に使うのだけれど、1袋18㎏もある。すぐになくなるので、ひっきりなしに袋を持ち上げて機会に投入する。(時々、越冬したオツネントンボもまじってる) 種の入った苗箱を慎重に13枚重ねてパレットへ。苗箱は1万数千枚を用意するので、何日も何日もかかる。

苗箱は軽トラでビニルハウスに運ぶ。ハウスは50mくらいの長さがあって、大声をださないと反対側の人の耳に入らない。ほとんど隙間なく苗箱を敷き詰めていき、水をかけて、シルバー色のビニルをかけたり、アーチ状の骨組みに沿ってビニールをかけたりして保温する。ビニルをきれいにかけるだけでも、大汗をかくような重労働。これを家族中心にやっていくのだから、それはもう大変なこと。

自分にとっての楽しみは休憩タイム。作業している全員が集まって、コーヒーやジュースを飲んだり、お菓子を食べたりしてしゃべる。みんなで同じ時間を過ごすのがいかにも共同作業っぽくて、なんだかコミュニティー感もあって気持ちいいー。お昼にジンギスカンをいただいたこともあって、幸せすぎた。

田植えまでの一ヵ月は、ずっと気が抜けない。ハウス内の温度や芽の状態をこまめにチェックして、調整する日が続く。

2代目のお父さんは「自然には勝てねえ。勝ったり負けたりじゃなくて、負けて負けて、というのもある」と休憩時間によく話している。風や湿度を全身で感じながら、天気予報も確認し、作業のずっと前から天気を読む。この天気に収入を左右されるのだから、重みがある。

「いただきます」の一言にも、自然と気持ちが入りそうな経験をさせてもらっている。田植えを楽しみに、できる限りお邪魔したいなー。