日本遺産からアイヌを思う

北海道のお店や施設をぐるぐる回っていると、これでもかというくらい、アイヌ語が多く使われていることに気づく。中身はたぶん玉石混交で、本当にアイヌの皆さんの思想を理解して共感して、リスペクトしてるところもあるけど、安易に「北海道らしさが出るから」と使っているところもある(気がする)。

あらゆるものに神を見出して、自然崇拝するアイヌは奥が深すぎて今までちゃんと理解しようという機会がなかったけど、上川町(層雲峡のあるところ)などでつくる大雪山麓上川アイヌ日本遺産推進協議会が開いたシンポジウムは、考えるいいきっかけになった。

旭川を含めた上川地方のアイヌは、厳しい環境を生き抜くためにクマの木彫りを生み出したらしく、一口にアイヌといっても地域ごとにさまざまなんだと知った。無知すぎて恥ずかしくなったけど・・・。旭川にある、唯一の私設アイヌ記念館・川村カ子ト記念館の川村久恵さんは、「ブームの陰でアイヌが置いてきぼりになっている」と指摘して、アイヌの皆さんの生活にしっかり還元するような仕組みが大切だと説いていた。川村さんは、旭山動物園でアイヌの視点からみた動物の解説なんかもされていて、めちゃくちゃ面白いと感じ入った。どこかでお力を借りたいなぁ。

講演の後は、市博物館でアイヌの歴史にも触れられて、大満足。なかなか見ごたえあった! アイヌも昔とは違ってきているという指摘はあるけれど、自然崇拝やら共生、持続可能な暮らしとか、アイヌの哲学が現代でも最先端を行っている。学ぶことは多い。

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