やっぱり熱海に「奇跡」があった

5日近くブログ更新が滞ってしまい自己嫌悪。ちゃんと習慣をつけないかんのでプレッシャーかけるのは大事だけど、苦痛になってはいけないので、めげずにいこう。うん。

8月18日(土)は掛川駅前の軽トラ市に行って「麹のミルク割り」を買って、近くの製茶会社がやってる「きみくら」で翌日からの旭川行きのお土産を購入。きみくらはしょっちゅう行って新鮮さがないので、ほぼ隣にある「ラーメンショップ」に初チャレンジ。「塩コリコリのり」みたいな一風変わったのを頼んだけど、岩のりが入っていたのは確認できたものの、なにがコリコリなのか分からずじまい。商品説明を見ても書いてなかったので、消化不良感。味は、、、うん。

掛川をお暇して、いつもは浜松方面に帰るところだけど、今日はやる気を出して熱海に向かった。150キロくらいあるんだよね。でもいかなきゃならぬ理由がこれあり。

ちょうどこの前の日、毎日新聞にこんな記事が出ていて。

公園ゲストハウスをつくる人間としては、見ないわけにはいかないと。18日までの3日間限定だし、ちょっとでも早く「熱海の奇跡」を見てみたかったし。

ひたすら東名高速を走って、沼津インターから下道を走りまくり、けっこうな峠を越えて、熱海の温泉街たどり着いた。

まず人の多さにびっくり。「昔はよかったけど、いまは寂れすぎて・・・」というのがかつての熱海イメージだったけど、老若男女、とくに若い人が商店街をゾロゾロ歩いてる! 歩道が狭いし、よけいに活気を感じさせる。お店がいっぱいあって、色彩がほんとうに豊かな感じで。あー、いいスパイラルが、なんかおもしろそうなことをやるぞ!っていう空気が流れてるんだなー。あー、昔の温泉街ってこんな風に賑わっていたのかなーと想像してしまった。

今や有名になった「熱海プリン」は外までレジ待ちのお客さんがいるし、干物屋さんもなんだか楽しげで、ふらりと入りたくなる。そしてその向かいには、

ゲストハウスMARUYA

商店街に溶け込んでいるMARUYA!
ビール片手に魚の干物食べたい!

いまや全国的な有名ゲストハウスだけど、めっちゃまちに開かれている。干物とビールを売っていて、なんかすごい羨ましい空気感。日本じゃないみたいな、いい時間が流れてた。飲めるスタンドもある。泊まれなくても楽しめるけど、「泊まると熱海がくせになる」のキャッチコピー通りだわ。

毎日新聞の記事に出てた公園は、MARUYAさんのお隣だった。向かいのお店で売っているアイスが食べられる「モバイルキヨスク」、ベンチ、子ども用のトンネル。歩く人がたくさんいるので、こういう空間って貴重だわ。

ほっこりして写真撮ったりしてると、この公園で、「熱海の奇跡」の著者で熱海再生の仕掛け人、市来広一郎さんを発見! 生で拝見できるなんて、なんと運命的な!と勝手に思い込み、「市来さんですか?」と声かけを決行。気さくにお話ししてくだり、旭川でゲストハウスをつくることもお伝えしてしまった。

熱海には15分しかいられなかったけど、ほんと来てよかったー。どうしようか悩んだら行動あるのみ。

夜は三重県から会社の先輩・後輩が浜松に駆けつけてくれ、たのしい宴。いまは立場も勤務地もいろいろ、考えもいろいろだけど、かつて同じグループでけっこうなエネルギーを注いで取材をしていた間柄。こうしてまた集まってもらえるのって不思議な感じがするけど、とにかく落ち着く。一緒に乗り越えてきたことを思い出して、パワーがでた。今の会社にいたからこそ今の価値観ができたわけで、皆さんとのご縁に感謝するほかない。

別れ際。「がんばって」と握手を交わした、その力の強さを忘れないでいよう。

作りたいものは分かった。で、どう売るの?

木曜日は「旭川公園」メンバーの鈴木裕矢さん、松島弘幸さんと打ち合わせ。これまでのアイデアを、どう現実的なレベルに落とし込んでいくか。

ゲストハウスでの宿泊そのものはもちろん、朝食、カフェ部分での飲み物とかを、どこまでやるか。何もかも最初からできないし、やろうとは思わない。飲食なんてめちゃんこ難しいので、たいそうな赤字にならなければいい。

例えばコーヒーは、佇む、集う、深呼吸するツールとして考えてるので、凝るつもりはない。遊ぶ子どもたちを見ながら、甘酒スムージー飲んだり、コーヒーすすったり、地ビールや地酒をクイッと引っかけたり。縁側みたくウッドデッキに座って。時には目の前を走るディーゼル列車を見やって。

人を呼び込むアイデアとしては、マルシェとかミニファーマーズマーケットあたりが、皆さんの反応も良かった。予定地の空気感にすごくあってるし、線路沿いでやれたら最高だね、と。まちなかのまとまった土地で、ドーン!とたくさん作り手を招いてやるのも一つだけど、もっとローカルな、作り手がいっそう身近で感じられるような場をつくりたい。そのための資源はたくさんあるし。近くの「クラークホースガーデン」さんでもマルシェはやっているらしいので、ちょっと工夫してかぶらないように。

今日も宿泊料金の相談をした。これまで、「寝れればいい」安ゲストハウスは競合として捉えず、値段に見合うバリューを創っていこう、という点では一致したけど、この日、鈴木さんから「どう呼び込むかが圧倒的に大事」と指摘が。これまでも、集客、集客、集客と何度もおっしゃっていて、まぁそれなりに策を考えてたつもりだけど、ハッとした。

7000円台後半の料金に見合う空間になる事が前提になって、「そりゃこのメンバーだし、いいもんができるわ」と最近、当たり前のように思ってた。いいもの作るんだから、「そりゃお客さん来るでしょ」と高をくくってた節も。

売り上げ予測は厳し目に作っているものの、集客は「なんとかなるやろう」という考えが徐々に大きくなってきてた。はず。鈴木さんに頭を殴られ感じ。「良いものだから人が来るわけじゃない」ってことは今まで何度も聞いたこどだけど、忘れてたんだなぁ。これ、定年後に趣味が高じてお店をやってきたけど、すぐダメになる、みたいなのと一緒なのかも。お客さんが見えてないパターン。あるいは、「世の中に対していいことやってるんだから、なんとかなるでしょ」と甘く見るパターンと一緒か。

よし、気を引き締め直そ!

総事業費は自分の想像を遙かに超えるレベルになりそうなことも分かった。いまずっと相談をしている信金に加えて、日本政策金融公庫にもお願いしようとは思ってたけど、いよいろ融資の準備を本格化せねば。

そこで久しぶりに、公庫「手引き」をめくった。

先輩創業者からのメッセージのページで、27歳製造業の男性が、こう寄せている。「優れた商品であっても、売れるとは限らない。どのように売るのかが大切」。まさにこれよね。

「自分のはこんな優れた製品だから」「これほど美味しいんだから」と盲目的に思った瞬間、〝終わりの始まり〟がやってくるのかもしれない。そんな罠はいっぱい潜んでそうだなー。今までも、これからも

 

世界で一番、洗濯が楽しくなる小屋

作業する松本憲ちゃん

ゴミ(不要物)を愛して磨きをかけ、新しい命を宿らせて、おしゃれな作品に仕上げちゃう建築家の松本憲ちゃんから、メッセンジャーの「旭川公園グループ」にアナウンスが。「ワークショップで誰でも参加で小屋作りしてるので、松本ファミリーで都合の良いときに遊びにきてください」

場所は浜松市の浜北区ときた。「サン・ファイン」っていうコインランドリーらしい。で、行ってきた。

「現場」のサン・ファインというコインランドリー

外観だけ見たらほとんど完成してるような感じだったけど、キュートといったらありゃしない。ラッキーなことにキャスター(車輪)を外す瞬間の「ナントカ式」にも立ち会えた!

とりあえずかっこいい、かわいい

下半分はギザギザみたいなテイストです。これ、洗濯板をイメージしてて、圧倒的な存在感ならが優しい全体の雰囲気をつくってる。窓は実際にお店で使われてた機械の扉の、円形のふた。ちゃんと物語や意味がある。

小屋っていう響きだけでもかわいいけど、久しぶりに実際に見てみると「抱き締めたい!」っていう感じになる。しかも屋根は可動式!キャンピングカーみたいにボワン、と開くのです。

子どもたちは当然のように大はしゃぎして、お店屋さん気取り。中に入って、工具のインパクトドライバーとか木に触ったり。

子どもたちも大喜び

小屋って、見た目の可愛さはもちろんだけど、この秘密基地感がたまらない。大きなハコじゃないから、中と外がつながりやすい。旭川の公園ゲストハウスでも、思わず外=ローカルを感じに出たくなるような小屋をつくりたい。

この小屋は子どもでも押せるくらい軽く移動できて、軽トラの荷台にスポンと載るサイズ。これで旭川に連れて行きたい。津軽海峡を渡りたい!

憲ちゃんは静岡市のビームス前でも自作の小屋を置いたり、「ビッグイシュー」で作品が取り上げられたり、小屋作りはお手の物だとは思うけど、ほんと愛情込めてんなー、というのがよく分かる。超多忙ながら、好きで、楽しくて、たまらないんだろなー。

お仕事中の、クールな表情の憲ちゃん

この小屋を使って、コインランドリーの二代目が何を目指していらっしゃるのかは、あらためて取材して記事にしようー。

みんな笑顔

ゲストハウス「旭山公園」の説明をするとき、「小屋を並べますよ」、「かわいいの作るよ!」とついつい言っちゃうけど、小屋って完成したものしか実は見たことがない。どうやって作られてるのかは、本でしか知らなかった。ちょっとだけ小屋とお近づきになれた気がする。

この日はデザイナーの鈴木裕矢さんもいたけど、「旭川公園」メンバーの普段の仕事の一端も見れて、なんかうれしい。

すごいぞ北海道ガーデン

北海道らしい「ゆとり」と自然や地域を愛でる心が、日本のガーデン観光を引っ張っていく気がする!

5月のゴールデンウィークに行った、ゲストハウス近くの「上野ファーム」にて。シーズンではなく天気もイマイチだったけど、心安らぐ雰囲気。妻撮影

産経新聞(14日付)によると、国土交通省はガーデンツーリズムの普及を目指して、来年度に観光ルート化の支援に乗りだす方針だとか。

国交省は盆栽が世界的な人気を集めていることも踏まえて、旧家の日本庭園も入れてルート化するらしい。北海道は「和」テイストのものってないかもしれないけど、富良野のラベンダーとか、北竜町のヒマワリとか、規模感を生かして植物を楽しむのはかなり前から定着している。

そしてやっぱり出てきた。記事では「先駆的な例」として「北海道ガーデン街道を紹介している。「大雪 森のガーデン」やテレビドラマで一躍有名になった「風のガーデン」といった、8ガーデンを巡る250㌔の「花のルート」。「十勝千年の森」を運営していらっしゃる林克彦さんという方が仕掛け人で、十勝が通過されてしまうことに危機感を感じ、超高域で連携を模索した。ここんところ、十勝発のエネルギーには目を見張る。

わが「ゲストハウス旭川公園」としては、4700mしか離れていない、車で10分の「上野ファーム」をまず推すものであります。

もともとは米農家さんで、お客さんに直接売ることを始めて、「せっかくだからおもてなしをしよう」「魅せる農場にしよう」と時間をかけて庭を整備されてきた。オープンガーデンの一つだと思うし、理想的な公共空間だなぁ。規模はなかなか真似できないけど。今手がけている上野砂由紀さんはイングリッシュガーデンの界隈ではとても著名な方で、「風のガーデン」もデザインされた。今や数万人が訪れる人気スポットだけど、「観光客にたくさん来てもらおう!」と変な力を入れてきたんではなくて、地元志向、地に足の着いた感じが素敵すぎる!

上野ファームについてはまた詳しく書こう。道内の私設庭園(オープンガーデン)もたくさんお話があるのであらためて。

よく考えたら夏のハイシーズンの北海道で1度か2度しか経験がない。上野ファーム、いい季節にまた行きたくなってきた。

 

移住&ゲストハウス準備は後半戦へ

「順調?」と最近よく聞かれる。どうなんだろ。時間が想定以上にかかってはいるけど、一歩ずつ一歩ずつ着実にきてます、と答えるようにしている。

階段は一歩ずつ上るべし

どこにハーフタイムがあるのか分からないけど、いよいよ後半戦。「旭川公園」(仮称)全体のパースCG(完成予想図)や図面が今週中にでき上がりそう! と浜松のチームメンバーから連絡を受け、19(日)、20日(月)と旭川でいろんな準備をすることにした。今日決めたので、さっそく狂ったようにアポ入れをしてしまった。

19日は初めてジェットスター便でセントレアから新千歳に入り、急ぎご近所挨拶へ。家族全員で。翌20日は月曜日なので、市役所で建築指導課、保健所、消防を回って、金融機関や商工会議所も行きたい。長男・大滋(たいし)の特別支援学校の手続きもあるので、もう書類は提出したけど教育委員会で教育相談を受けて、できれば東川町という人気のまちにある「東川養護学校」も見学してみたいところ。

市役所への用事が多くなってしまうのは、なかなか大変なことで。許認可は多岐にわたるし、当たり前だけど平日しか行けないもんで。

建築当局では、ゲストハウスや住宅(今回はゲストハウスのみ)が、建築基準法に照らして強度がちゃんとあるか、各構造物の関係は適切か、厳冬期に耐えられる構造か(凍結深度)、とかをチェックしてもらう。保健所では、旅館業法上、トイレの数や位置が適切か、食品衛生法からみて衛生的な環境を確保できるか、とか、食べ物を出すことができるキッチンがあるか、など。消防では消防法に照らして排煙しやすいか、火事を大きくしないか、とかとか。

この辺のことは、確認を怠ったり誤解があったりすると、その後の審査でえげつないことになる。着工後に「実はこの階段の幅がダメだから作り直して」「トイレが足りないからもう一つ作って」となると、水回りが絡む場合なんか数百万円の規模で変わってくるはず。悪夢以外のなにものでもない(ただでさえ、敷地の地盤調査に戦々恐々としてるのに・・・)。

しかも全部、図面がないと具体的な相談や申請できない。前回は5月28日に行って挨拶となんとなくの相談をしただけで、だいぶ計画内容も変わっているから、ドキドキ。なんかあれば早めに修正しないと。

ちょうど引っ越しの荷出しが10月5日とも決まったし、世の中はお盆休みだし、なんとなく新ステージに入った感じがする。ただ10月上旬に引っ越ししても住宅(兼管理棟)のコンテナハウスは未完成なので、旭川で仮住まいしをする。各社お盆休みで連絡できないけど、早くそのアパートを決めないと。早く通常運転に戻ってほしいところ。短期間で二階も引っ越ししないといけないのはかなり痛いけど、11月のプレオープンを目指して、ちょっとでも早く地元の一員になろう。

上りきってから笑いたい

駆け込みでビジコンに応募!

昔からずっと、こんなだった。フォトコンテストとか、懸賞とか、応募締め切りの直前になって運良く思い出して、中央郵便局の夜間窓口に駆け込む、というパターン。中学生の時から成長してない。

8日25時30分。パワポのプレゼン資料をつくるためにファイルをめくっていたら、道庁が主催する「北海道創業ビジネスグランプリ」なるチラシを発見。1カ月くらい前だったか、公的機関の補助金を探している時にホームページで見つけ、「いいなあ」と思って、ファイルにしまい込んだままだった。

なにげなくチラシを見ると、「8月10日(金)必着」とある!

地域の課題を解決する創業プランを応募して、書類選考を通過したら地域ごとにある予選会でプレゼンする。本選で勝ち抜いたら、クラウドファンディング型ふるさと納税を使って、上限200万円の補助がもらえる。

おもしろそう! 単に担当部署に提出して可否を判断されるより、いろんな人の目に触れるだろうし。よしやろう!

とりあえず所定のフォーマットを見て、どんな項目が必要なのか確認。「事業概要」「地域課題」「創業計画」「セールスポイント」「5年目までの利益目標」「仕入れ・調達先」「資金計画」「補助金の使途」などなど。

書いていて思った。これは考えをまとめるのに、めちゃくちゃいい! 毎日いろんなアイデアとか、逆に「これはやめとこう」というブレーキとかが出てくるけど、どこかのタイミングで指を動かして(キーボードじゃなくて)紙に落とすという行動はめったにない。真剣に向き合える感じがする。

入学式、卒業式、結婚式、お葬式。いろんな行事があるけれど、単に形式的にやっているわけじゃなくて、気持ちを整える、自覚や覚悟を問われてる、という意味があるんじゃないかと近ごろ思うようになったので、こういう書類選考なんかも、儀式としてみれば必要な通過点に違いない。

応募用紙の「地域課題」については、この未明の時間帯に、けっこう考え込んだ。頭の中を整理した。そして出てきたのは、5点。

① 旭川は、宿泊しない通過型の観光のケースが散見されて、まちなかのホテルなどではローカル感を味わいにくい
② 周辺には山林が多いものの、持続可能な林業がなされていないケースも多々。「木のまち」なのに山や消費の現場が見えづらい
③ 旭川農業高校や旭川大の学生による加工食品の発表の場の確保
④ 近くの旭川大生らが、落ち着ける場や共同スペースを望んでいる
⑤ 子どもの減少と、最寄りの小学校の統合

こういう課題と、自分のやりたいことがどうマッチするのかを事業概要や創業動機に盛り込むようにして、仕上げた。公園をつくって地元のいろんな人が憩い、遊べるコミュニティーにすること宿泊者は町内会にチェックインするイメージで自然に地元を感じ、ローカルな暮らしをシェアできること・・・。

これから自治体とかに説明していく上でも、いい準備になったなー。

なんとか9日のうちに浜松東郵便局に持ち込めた。台風やお盆に差しかかることもあって不安があるけど、通常であれば速達なら10日に届くとのこと。ぜひよろしくお願いします! もし書類選考を通過できれば9月8日に旭川市でプレゼンという運びに。ドキドキ。

 

旭川大高校、わが甲子園へようこそ!

「LANDMADE」をお暇した後は、辻本くんに大丸神戸店まで送ってもらって、家族と合流と相成りました。ただ、待ち合わせ場所は、5階のおもちゃ売り場。めっちゃ嫌な予感・・・。この後、甲子園に急がなあかんのに。

エスカレーターで上がり、子どもや母、妹、妻・茜を探す。あー、いたいた、次男・陽己(はるき)はプラレールの前に陣取って、動こうとしない。

帰ろうと促すも、当然のように全力で拒否。「買わないなんて、そんなこと絶対にないーーーー」と絶叫し、のたうち回り、フロア内を走り回る。店員さんは笑顔を浮かべていたけど、他のお客さんはドン引き。あまりにも分かりやすい態度に笑ってしまい、下のように写真を撮っていたら、本人が「写真撮ってる場合じゃない! 消して!」とスマホをもぎ取られた。

大人たちは順番に引っぱたかれながらも、強引に拘束して高速でエスカレーターを降りる。一階で二手に分かれ、甲子園に連れて行こうとすると、陽己は今度、「ママがいいーーー」とだみ声を瀟洒な化粧品売り場を轟かせたので、いたたまれなくなって、ダッシュ抱っこで店外へ。誘拐しているみたいな気分だった。

阪神電車の元町駅まで汗だくになってたどり着き、「梅田でプラレール見れるかも」と甘言を弄すれば、なんとか車内に乗り込んでくれ、ひっくひっく言いながら1分ほどで撃沈。こちらの勝利!

甲子園駅につくと、すでにホームはすごい熱気! いざ球場へ。もう10年以上来てない。「夏の高校野球見ながらめちゃ高い生ビールを飲む」という、社会人が全員抱くはずの夢がやっと実現できると思うと、武者震い。

お目当ては6日第四試合の、旭川大(北北海道)―佐久長聖(長野)。当然のことではありますが、旭川の応援団がいる、一塁側のアルプス席へ。800円×3人分で、けっこう高い。ちなみにビール@700円×2本、かき氷@350円×2杯。プラレールどころの出費じゃないな~。

帰りの新幹線の関係で試合は3回までしか見れなかったけど、すっかりエセ旭川市民の気分になって、点を入れた時には長男・大滋(たいし)と一緒に手を叩いて発狂。あぁ、オープンエアの球場で見る野球って、やっぱり最高。ドームはどうも無理だわ。

旭川大高校の部員たち。こちらも応援グッズ買いました

この後、春夏の高校野球で初めてタイブレークに突入し、旭川大は惜敗。でも活躍を目の前で見られたし、甲子園のある西宮で生まれ育った一人として、これからの地元になる旭川の球児たちが、はるばるこの地で汗を流してくれたことを思うと、なんかジーンときた。

選手や学校関係者の皆さん、異次元の暑さのなかお疲れさまでした!フェイスブックで「いい試合だったね」とコメントをもらって、自分のことのように嬉しかったー。応援グッズは大事に持っておこう。

8月5日の中日春秋(中日新聞一面コラム)に、高校野球の開幕に合わせた記事があった。プレーに目が離せないのは、圧倒的に多い敗者を慰めたい思いからではないかとした上で、

ひょっとして慰めているのはグラウンドで嗚咽(おえつ)する球児だけではなく、過去のわれわれ自身か。夢はかないにくく努力は必ずしも報われない。それを思い知らされた大人は夢という白球をひたむきに追いかけ、希望というバットを信じて強振する球児にかつての自分を重ねる。白球に手が届かず、バットがむなしく空を切ったとき、若者のその痛みと、大人になったわれわれ自身の過去の夢に泣く

とあった。まぁそんな大げさに考えてるわけじゃないけど、やっぱり必死だった高校生のころの自分と重ね合わせてる部分は間違いなくあるわ。高校時代の経験が、旭川移住&ゲストハウス計画につながっているから、よけいに感慨深くなるってもんだよねー。

旭川で、水を見よう。

「水の日」っていうのを初めて知った。きょう8月1日がそれらしい。けさ新聞をめくってたら、日経の全面広告で紹介されていて、「へー」と。

広告によると、この調子で水を使い続ければ、世界人口の3分の2の人が数年後に水不足になるらしい。水問題って派手じゃないけど、生きることこれほど直結する資源もないから、覚えとこう。

どこかの団体が広告を出しているのかと思ったら、控えめに、福井県の大野市とある。懐かしい。北陸に住んでた頃、恐竜博物館に遊びに行った帰りに寄った。アイスを食べた施設は、そういえば、せせらぎが聞こえる水辺空間で、気持ちよかった。市ホームページによると、至る所で水が湧く「名水のまち」らしい。意味のない観光PRの広告打つより、よっぽど問題意識や方向性が垣間見えて、大野市さん、すてき。

水のまちってすてき。水を通して、空、山、川、海がつながって見えるから。しかもこれって、まさに旭川が得意なところ。水を感じやすいから。

大雪山の伏流水があって、石狩川とかいろんな川が流れていて、ぜんぶ絵になる。自転車に乗りたくなる。掘るのが浅めでも地下水が出るという話を聞くし、わがままじぃじぃでも井戸水を取っている。

ゲストハウスの「旭川公園」も、水を大事にする場所にしたい。子ども(つまり実は大人も)の、バチャバチャしたいっていう気持ちも大事にしたい。

必ず見えやすいところに、井戸を置こう。使い方は、他の遊具と一緒でいろいろ。「これはこう使わないといけない」と縛るんじゃなくて、自分で考えて、自由に使う。検査して飲用できるならどんどん飲む。子どもたちが川をつくって遊ぶ。ハーブやヨモギを育てる、上げ床式の家庭菜園に水やりしてもいい。夏は、冷やし流しラーメンのワークショップに使うのもいい。

大事なのは、目の前の水がどこから出て、どう使うのか、見て、触れて感じること。ちょっと敷地の外に出ると、大雪山を望める。蛇口をひねるだけだとピンとこない、水の来し方とありがたさ。それが分かれば、無駄使いはしなくなる。水を大事にすれば、山も田んぼも川も花も、大切にできる。

食べ物もこれだけフードロスの問題が言われているけど、外食すればみんな、平気で残してる。トレーサビリティが大事とか、顔の見えるとこから買いましょうとか、地産地消とか、いろいろ言われてるけど、なかなか変わらない。大人数の宴会後のテーブルを見るのって、かなりきつい。

専門家じゃないし何か啓発したいとかじゃないけど、とりあえず、自転車の行動半径にある、水・木・食べ物・エネルギーを大切にする暮らしを始めたい。それが旭川の永山地区でできるんだっていうことを見せていきたい。なぜかというと、心地よくて楽しいだろうから。

年に一度、「水の日」に水を考えてみる。年に一度、「旭山公園」に来たときに、豊かな暮らしを考えてみる。そうなれたら、サイコー。

エネルギーの話はまたじっくりと。

瀬戸で「どう生きたい?」を考える夜

ゲストハウス三昧の日曜、後半戦。ゲストハウス「グローカル」で嬉しく、気持ちよくなり、そのまま名古屋から中央線の電車に乗り込んで、高蔵寺で愛知環状鉄道に乗り換えて、瀬戸市にある妻の実家へ。

瀬戸の夕暮れ

道路から、隣のお宅にお住まいのパパの姿が見えたので歓談&売り込み。家族でスキーに行くのが好きなんだって。ゲストハウスの周りのスキー環境や、ラッセル車が毎日目の前で走っていることをお伝えしたら、がっつり興味を持ってもらえて、さらに気持ちよくなってしまった。12月のクリスマスにお待ちしてます!

30分くらい休憩して、妻・茜とお出かけ。

名鉄の尾張瀬戸駅の近くで、コミュニティFM「ラジオサンキュー」のパーソナリティーの林ともみさんと合流。林さんには家族ぐるみでお世話になってる。パーソナリティー・役者の池戸陽平さん(旦那さん)、21番染色体がリング状(幸せの形)になっていてゆっくりじっくり成長されている娘さん、娘さんをごく自然に支え、仲良しで優しく凜々しい息子さん。

わが家の長男も障がいがあるので、これまでいろんな相談に乗ってくださり、アドバイスをもらってる。まぶしいというよりあったかい、太陽のような、もう理想のご家族で、わが家の道しるべです。

向かった先は、28日にプレオープンしたばかりのゲストハウス「ますきち」。建物はラジオサンキューの収録とかにも使われていた古民家で、少しずつリノベーションが進行中らしい。

雰囲気ある、「ますきち」の外観

オーナーは、北海道大を出て地元の瀬戸に戻ってきた南慎太郎さん。北大出身というだけで付加価値ついてるのに、24歳よ。若い若すぎる。事前にフェイスブックの写真を見てたけど26歳くらいかと思ってましたよ。

南さん㊧と林さん

古い建物はとにかく大変。作業そのものもそうだし、用途によっては法的な対応とかも。まだまだグランドオープンまでの道のりは長そうだけど、一通り案内してもらいながら、あれやこれや話し込んで勉強。

少し脱線しますがお許しを。瀬戸は「せともの」の由来にもなった、焼き物の一大産地。瀬戸といえば焼き物。「陶都」でありました。瀬戸支局にいた時はとにかく焼き物の取材が星の数ほどあった。ペンを投げたら焼き物に当たる、っていうくらい。九州やら長野やら東京やら、いろいろ見に行っては原稿を書いてたなあ。転勤間際に駆け込みで31回の連載をやったのも懐かしい。記者として、瀬戸は原点中の原点であります。

さて話を戻すと、「ますきち」は瀬戸らしさをいろんな形で演出してた。陶器の製品を載せる「モロ板」を階段に使ってたり、地元で生産されてる碍子(がいし)をハンガー掛けに使ったり。古材にまじって、銅作家さんが手がけた洗面所のボウルもあった。インスタが喜びそうな雰囲気が随所に。

この階段に「モロ板」が!

見学した後は近くの居酒屋に移動。辣腕で知られる、リクルート出身で元瀬戸市役所職員のキャリアコンサルタント・柴田朋子さんに合流してもらって、南さんを拉致して飲み会。

超多忙の柴田さん。前日にお声かけして偶然タイミングが合った! もはや必然だと思うけど。名物ブログはお金出してでも読みたいくらいで、だいぶご無沙汰してたけど、いつも指針を与えてくれてる存在なんです。生き抜く力を各方面に振りまいてくれてるような。

私と南さんは柴田さんに怒られることを期待して、そわそわ・ワクワクしながら着席。ビールが進む進む。焼酎の「茜霧島」も進む進む。ハートの調子がいいと、どんどん飲めるわ。

ここには書けない内容もたくさんあったけど、大まじめな、ありがたいお話をたくさんいただいた。

柴田さんからは、企業を絡めた事業の展開についてアドバイスを。具体的な事例紹介とともに。さすがすぎて、心の中で、ひたすらひれ伏す。刺激度はすごいもんで、ビールがまた進む。クラウドファンディングの話に絡めて、世の中の人がどんな気持ちで支援しようと思ってるのか、も教えてくれた。

茜には「松本くんは夢見る少年だから、もうどうすることもできない。茜ちゃんはどう生きていきたいの?」と核心を突く質問が!

これ、めっちゃ大事なこと。

ゲストハウスも公園づくりも、誤解を恐れずに言うとあくまで手段。自分たちがどう暮らし、子どもを育てて、死にたいか。それが出発点で、ゴール。これから忙しくなってきても、こんな大事なことを忘れないようにしたいな-。

体に目一杯入るパワーをもらった日曜日。一夜明けた月曜も、フルパワーで動けた。人に会うことでしか元気になれない。

「グローカル」な気持ちに満ちたゲストハウス

「ジョンダリ」と名付けられた台風12号が浜松を通りすぎた日曜、鈍行連絡に乗っていざ名古屋方面へ。念願のゲストハウス三昧! (二カ所やけど)

まずは有名な「グローカル」へ。名駅から徒歩7分の好立地にある、社員寮をリノベーションした建物。今年6月でオープン3周年。おめでとうございます!!

宿泊者の通用口。チェックインはカフェで

オーナーの市野将行さんには、私・松本が愛知県で勤務していたころ(2008~2011年)にお世話になった。多才で、人を引きつける力が半端なく、果てしないバイタリティ!!というイメージだった。大ナゴヤ大学という、みんなで学び合う、まちなかをキャンパスにした取り組みがあって、その取材と飲み会で市野さんと知り合うことができた。ご縁はほんとにありがたや。

市野さんは世界中を旅し、英会話教室を運営されていた。愛する名古屋で地元の若者と海外の人との交流を生みたい、といろんな活動をなさっていて、ちょっと前から「グローバル」と「ローカル」を掛けたグローカルって言葉が流行ってたので、目指すところはなんとなく自分にもイメージできた。

で、今回、旭川公園ゲストハウスの準備に合わせてあらためてグローカルさんを見てみたら、その人気の高さはすごくて。立ち上げで、めちゃくちゃ大変な思いをされていた記憶があっただけに、世界観がぶれずに、当初の思いをずっと貫かれていて、めちゃくちゃ男前です。

市野さんに案内されて、チェックインの流れや各フロアの特徴、計画時と今での想定内/想定外のこと、具体的にご教示いただいた。定員はホステル的に50人弱と大きいのでトイレやシャワーの数、ベッドのサイズ、室内のレイアウトとか、(当たり前だけど)いろんなことが計算されていた。随所に、1階での交流の背中を押すような工夫があった。勉強になります。

1階のカフェで、あらためてじっくりお話を聞かせてもらう。苦労話や運営のノウハウはもちろん、大事な心構えをいくつも教わった。

市野さん!

言葉(外国語)ができるうんぬんじゃない。人間同士、必要としているものが分かるかどうか。想像力です」。英語が超堪能で日常的に海外の人とコミュニケーションされている市野さんの言葉は、重みがある。そういえば会社の特派員の先輩記者も、同じこと言ってたな-。

どこまで気持ちを込められるか。愛知で一番気持ちがあると思ってやってます」。快適に過ごし満足してもらうために、どれだけお客さんに寄り添えるか。諦めずにベストを尽くせるか―。それを、どこまでも追求されてる。愛知県内のBooking.comで一番評価が高いからこその、強烈な説得力!!

これ、自分がやらなきゃ誰がやるんだろうって思ってきた。松本さんも、松本さんしかできないことを頑張ってください」と言ってくださった。松本にしかできないことをやらないと意味ないし、つまんない。 金言!

写真撮り忘れたけど、ランチはキッシュのセットをいただいた。風味豊かで、めちゃおいしかった。気持ちよくて、昼から生ビールもたらふく飲んじゃった。

カウンターの向こうの壁には、海外のビールとかがズラーっと並んでる。ぜんぶ飲んでみたい。

泊まれなくて飲むだけでも、名古屋にいながら海外旅行しているみたいな気分になれそう。出張帰りとか、駅ナカじゃなくてここに来たほうが気持ちよくなれるわ。

世界一周をしているというスタッフさんと市野さん。帰り際はずっと手を振ってくれた