あの白樺スツールができるまで

旭川公園に数あるチェアの中でも、断トツで注目を集めるのが、オリジナルでつくった白樺の「ホタルスツール」。

氷室友里さんデザインのテキスタイルが文句なしに可愛いのはもちろん、完成するまでのストーリーがとても素敵なんです。ゲストハウス近くの、清水省吾さんの森から白樺を人力で搬出して、旭川の林産試験場で製材して、岡山県西粟倉村の「ようび」で加工してもらいました。

それをまとめた動画が、前編・後編とも公開されました!

<前編> https://youtu.be/gV9OLjSubZg 

<後編>https://youtu.be/WnMT4tqoC6U

Facebookだと、https://www.facebook.com/designmejp からご覧いただけます。

もともとのきっかけは、前職の最終出社日に浜松から夜行列車「サンライズ出雲」に飛び乗り、山陰に向かった旅でした。

人生最後の夏休みだと思って、本州にいる間に見ておかなければならないものを見ておこう、という魂胆です。

その行きたかった場所の一つが、西粟倉の「ようび」。社屋の焼失をへて、全国の林業やものづくりの関係者が集まって再建を誓い、超絶カッコイイ建築を創り上げていきました。その過程を、金沢時代にお世話になったもりラバー林業女子会@石川の砂山さんから聞いていたので、旭川で森をベースにしたコトをしたいと考えていた自分にとっては現地訪問はマストでした。

強雨が降りつける中、予約制のショールームにお邪魔し、アートディレクターの山口祐史さんと話し込みました。そこで、旭川でゲストハウスを計画していることを伝えていくうちに、旭川の木材を使ってホタルスツールをつくろう!と盛り上がってしまい。この日から1年ほどして、ほんとにオリジナルのホタルスツールができてしまい。

もちろん白樺は西粟倉にはないので、旭川からサンプルを送ったりして、ようびさんに数か月かけて試行錯誤していただきました。新しい素材なので、強度や乾燥の具合などきちんと見極める必要がありました。

地元のものを地元で使うのは大事。だけど、時には外の目や力を借りて新しいものを生み、地元にフィードバックをするというのも、これまた面白い。白樺の白く美しい木肌や滑らかな手触り、味のある斑点などなど、地元では家具材として評価されていなくても、真っさらな目でみると、魅力にあふれていることに気づくことができました。いま旭川を起点に展開されている白樺プロジェクトとも符合してます。

森から始まる家具づくり。個人だから、小規模だから、顔が見えるからできること。「ようび」さんと山口さん、清水さんの心意気がなければ生まれなかったスツールです。皆さん、ぜひ座りに来てください❗️