「昭和」に乗って

(つづき)

若桜鉄道で運良く2日連続で乗ったのは、水戸岡鋭治さんデザインの「昭和」号。鮮烈なブルーが印象的で、下回りの赤茶色もあかわいい。

隼駅から乗って、終点の郡家(こおげ)駅であらためて舐め回すように観察してみた。

車内外は良くも悪くも、一目で水戸岡デザインとわかる。一時期、全国の観光列車は水戸岡デザインばかり続いたことで、これに対しては鉄道好きからは辛辣な意見も上がっていた。でも鉄道という公共空間に、デザインの大切さを持ち込んで考え抜いたパイオニアは水戸岡さんだろうし、そのあとの多様な観光列車につながっている、と思う。そして何より、水戸岡さんが「なんのために公共空間をデザインするのか」についてインタビューもしたし心酔しているので、無条件に好きなんだけれども。

座席のテイストは他の水戸岡デザインの列車とどうしても同じ感じになってしまうけど、やっぱり心地いい。ずっと座っていたくなる。

郡家駅では、大雨の影響で乗るはずだった因美線(智頭方面)の列車が運休するとホワイトボードに書かれていて、2時間以上、時間をつぶすはめに。その間、駅のコミュニティスペースから「昭和」を見ていたけど、観光バスが駅に横付けして、おじさんおばさんたちが大挙して「昭和」に乗り込んでいった。貴重な収入源なんだろうなぁ。

2時間くらいたって、あらためて駅窓口にいったら「全列車が運休」に変わっていた。「スーパーはくと」も「スーパーいなば」も。急いで荷物をまとめて、駅前のバス停から鳥取駅に向かうことにした。今朝、公共交通機関でコンプリートしようと誓ったばかりなのに。。。まあ列車が動かないなら仕方ないわね。

(山陰の旅はまだまだ続く)

 

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