サンライズエクスプレスで山陰へ

最終出社日は夜勤だったので、挨拶した後に拍手で送られ(ちょっと泣きそうに)、自宅でシャワーを浴びて、目の前の天竜川駅から終電で浜松駅へ。きょうはこれから、念願のサンライズエクスプレス!ドキドキ。

駅前の居酒屋で、記者生活10年半を振り返るために山崎12年をロックで引っかけようと思ったものの、チェーンも含めてほとんどが閉店。仕方なく、安っぽい24時間営業の居酒屋でビールと刺身だけ注文して、そそくさとコンビ二でビールと日本酒、つまみを買いこんで、戦いに備える。

25時12分、定刻通り、ベージュに赤のラインをまとった285系が入線してきた。浜松からの乗車はぱっと見、5人ちょっと。貴重な停車駅だけど、まあこんなもんか。

ほろ酔いだけどちゃんとスマホで追いかけた。そして流し撮りは失敗

寝台料金のいらない「のびのび座席」へ。周りのお客さんはすでに寝静まっていて、自分のコンビニ袋のくしゃくしゃ音が気になる。隣の人とのパーテーションになるカーテンがあったような記憶があったけど、どこにもついてなかった。

のびのび座席の12号車

この285系が登場した時、確か中学生だったけど、同級生のつっちゃんと一緒に大阪駅に行って、一般公開のセレモニーに参加したのが懐かしい。「動くシティホテル」みたいなコンセプトで、大手住宅メーカーが手がけたか、監修したかっていうことを聞いた記憶がある。その当時から昔ながらのブルートレインは凋落傾向で、これからは客車じゃなくて電車の、個室重視の洗練されたものが出てきて、そうすれば夜行列車にも未来はある!とテキトーに思った。

今見てもデザイン的には時代遅れな感じはしない。まあビジネスホテルみたいに無味無臭な感じはするけど、快適だし。個室に泊まりたかったけど、この日は「のびのび」一席しか空いておらず。普段から乗車率80%以上とか聞いてるけど、ほんと人気なのねー。いいことだわ。

ただ気になったのは、そのスムーズな加速。機関車に引っ張られる客車とちがって、モーター制御だから、ガタつきがなく、リニアな動きなんです。ほとんどの、変態じゃない人は気にならないだろうけど、「これいつも乗ってる電車と一緒のフィーリングやん!」となるわけですよ。非日常性、ワクワクがない。

あとは、通路にイスがなかった点。むかしの客車寝台は、通路に折り畳み式のイスがあって、寝付けない人や車窓を見たい人が使っていて。缶ビールやワンカップなんか飲みながら。隣のお客さんと故郷の話なんかしながら。いま思えば、列車内の「縁側」みたいなもので、良かったなぁ〜。

出世できなかったのでご当地の「出世城」を

さて、荷物を置いてすぐラウンジコーナーにいき、明日以降のことを調べたり、宿を予約したり、インスタやラインをやったり。やっぱり個室でしっぽり飲むのが好きだけど。3時くらいになると睡魔に勝てず、カーペット席に戻って即沈。

岡山で半分以上の人がおりたようだけど、自分は米子到着の20分前ギリギリまで二度寝。車掌さんのアナウンスで大山を見逃さずにすんだ。浜松駅から米子まで8時間弱。ちょうどいい時間かな。

これは1階
これは2階部分

これまで、現役時代を知っているものはほぼ全ての寝台列車に乗って来たけど、カシオペア(定期列車は死去)とサンライズだけ未経験だったのが気にかかっていた。長年の胸のつかえがとれて、すがすがしい朝になった!

外から見たのびのびシート
米子駅にて。お疲れさん

(山陰への旅はまだまだ続く)

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