ビジコンで道内No. 1を獲りに行く

本選行きの切符を受け取る筆者(右)

地震を受けて延期されていた、北海道庁主催の「創業ビジネスグランプリ」道北大会。19日夜、旭川市内で開催されて、なんとか勝ち抜くことができました。㊗️   こんな大変な状況でも機会をいただけたことに感謝。

大会の規模はそんな大きくないから緊張しないかな、と高を括っていたのに、いざ登壇すると、いや正確に言うと登壇の前後は、脂汗がでてくる感じで・・・。

プレゼンの流れじたいは良かったと思うけど、いかんせん持ち時間の5分では足りず、恥ずかしいことに肝心の「地域課題」について詳しく触れることができずタイムオーバー。

寝起きみたい

どうしたって早口になるし、練習ではいけるとシミュレーションしても、実際はやっぱり違う。内容を再構成して時間配分という基本もちゃんとしなきゃ。めちゃ反省。

金融機関や起業家の先輩たちの審査員、来場者の方の前で、「ゼロベースで内容を確認して、グランプリを必ず獲ってきます!」と宣言しちゃったので、もう引き返せない。

本選行きのどデカイ切符

プレゼン後の質問・講評では「けっきょく1番の売りはなにか?」「共同スペース(カフェ棟)の投資効果を上げるために、収益力を高めた方がいいのでは?」「小屋(タイニーハウス)は本当にこの金額で建つのか?」「お客さんの立場にたった計画を」などなど。どれも、今後考えをブラッシュアップして人に伝えていく上で、コンパクトにインパクト残るように答えを用意しないといけない。

終わってから、プレゼンをお聞きになっていた行政書士の方からお声がけいただき、里山にお客さんを連れてアクティビティするときに、ホテルとかと連携していったらどうか、ご提案をいただいた。まさにどうやって広がりを持たせていくか考えていたところ。今後もお力添えをいただけそうなので、感謝しかない!  人前でお話しするのってやっぱいい!

それにしても今回は、慣れないiPad でトラブルつづき。

パワーポイントで資料をつくったはいいものの、iPad内でデータを移動させていたら行方不明になった。2日前に6000円くらいで買ったiPadでも使えるUSBメモリがちゃんと作動せず、何度コピー(複製)しても読めない状態が続き、拡張子かえても変化なく。行きの道中でデータ移行しようと考えてたのが甘かった。

札幌の家電量販店で一から探し、1万円くらい投じて買い直すことも考えたけど、新千歳空港の到着ロビーでカスタマーサービスに電話。1時間待って、ようやくつながり、担当の女性がめちゃ丁寧に調べてくれて、解決! 空港で2時間弱、足止めされた感じになったけど、旅とはトラブル。これくらいドタバタするくらいが楽しいけどね。

札幌から旭川に向かう「ライラック」は乗ってすぐにスマホもiPadもバッテリー残量がなくなり、ノートを見る以外、練習できず。車内どこにも充電できるのがないから、そろそろつけてほしいなー。競合のバスでもいいけど、長距離のバスも列車も、電源とWi-Fiはもう必須だと思う。訪日客をもっと増やしたいのなら、なおさら!

こちらは普通の切符

次の本選は10月14日。ライラック(or「カムイ」)に乗って乗り込みます。待ってろ札幌!

 

 

「スーパーはくと」のエンジンに力をもらう

 

三ノ宮駅で

津山から鳥取駅を目指す。伊豆天城峠みたいなループをわたって鳥取道(無料)をひた走り、レンタカーを返却。3時間?くらいの延長料金とガソリン代を含めて3000円ちょっとのプラス。素晴らしい!

午後3時くらいだったけど、鳥取駅の構内にある居酒屋で遅めのお昼ご飯。隠岐の岩ガキうまし。海鮮丼は・・・まぁその辺の居酒屋のレベル。

気持ちよくなって酔い覚ましにドトール(今回2回目)でスマホを充電。16時54分発のスーパーはくと12号を待つ。

岡山に「スーパーいなば」で行って新幹線で実家の西宮を目指すのもいいけど、ここは中学生のころから憧れている「はくと」しかない。午前中は大雨の余波で運休してたけど、通常に戻ってよかったー。

知らぬ間に車内がリニューアルされれて快適。号車ごとにシートのデザインも違っていて、北海道や九州の特急みたい。充電用のコンセントもあった。すごいぞ智頭急行!

昭和〜平成初期のグリーン車のような、ゆったり大振りなシート。でも沈み込みすぎなず、快適

自由席の2号車。最近の高速バスのように、小振りながらしっかり身体をサポートするシート
九州新幹線「つばめ」みたい

ワイドな展望運転席、大きな窓、豪快で生き物のようにキュ弱の激しいエンジン、台車の古さを感じさせる揺れ。どれも素晴らしいー。動いてるな、旅してるな、って気分!

楽しすぎて、車内で作業しようと思ってたのに全然作業できない・・・。でも幸せ

(山陰視察の旅はこれで終了)

津山方面に「どんぐりコロコロ」と土管を訪ねて

(つづき)

西粟倉でいい空気をたくさん吸った後は、浜松の友達の実家がある津山市へ向かうことに。津山といえば、B’z。むかし、「稲葉浩志と松本孝弘のマツモトコウジです」とか自己紹介をしていた恥ずかしい過去をもつ自分としては、特別な存在だった津山・・・。

山を超えて、清里高原か小渕沢なんかを運転してるような気持ち良いドライブ。

昨日までの大雨が嘘のようにすがすがしい。もう秋の入り口なんだと教えてくれる。

途中で見えてきたのは奈義町の現代美術館。建物には入らなかったけど、この土管に目を奪われた。ゲストハウス「旭川公園」のシンボル遊具ともかぶってしまうではないか・・・。巨大なライバルが現れてしまったなぁー

そんなこんなでたどり着いたのが、NPO法人「どんぐりコロコロ」さん。(北海道・東川町のヴィラ「ニセウコロコロ」さんと同じ意味。ニセウ=どんぐりなので)。友達の実家のお母さんが、20年以上も支援をされているということで、急きょご案内いただくことに。

案内してくださった、所長の千原美和さん(右)。左は友達のお母さん

就労継続支援(B型)事業所の「どんぐり工房」と障害者生活介護施設「どんぐりぼちゃぽちゃ」を見学。

B型事業所では曜日ごとに紙すきやさをり織り、手描き染めをしていて、実際に手にとって使いやすいモノづくりをされている。下のさをり織りなんか、目を奪われれる。友達のお母さんはこれを持って世界を旅行し、宣伝されている。

かわいいさをり織り

「しあわせの青いデニムproject」というのもある。地元はデニム産地なので、ジーンズ工場(内田縫製)から上質な生地を無償で譲り受け、地域の自立支援協議会のプロジェクトチームをへて、ここ「どんぐり工房」をはじめいくつかの作業所で制作し、経費を除いたが工賃として支払われる仕組み。いいなぁ。クラッチバッグとかマウスパッドとか「何でもホルダー」とかかわいかった。

この工房は「市内だけでなく、県内、国内のいろんな人たちとステキな交流をもつことのできる『出会いの場』」であることを目指しているのがすごい。

だからデニムのコラボレーションもそうだし、紙すきでは地元で活躍するイラストレーターさんと仕事をしたり、積極的につながりを持っていらっしゃる。NPO法人には、利用者の宿泊サービスもしてほしいという要望もあるみたいだけど、広げすぎると、今の活動ができないということで、あえてしていないのだそう。所長の千原美和さんの「いろんな所に出かけて、皆さんといろんなつながりを持ってほしい」という話が印象的だった。

目の前の景色が素晴らしいー

(山陰の旅はあとちょっと続く)

 

 

 

 

 

すごいぞ西粟倉

(つづき)

すっかり気に入ってしまった西粟倉村。次の目的地は岡山県の津山市だけど、ちょっと寄り道をば。

「酒うらら」さんの店舗

廃校になった旧影石小学校というところには、日本酒屋さんや帽子屋さん、木製楽器の工房、間伐材の木くずを使って昨夜いただいた「森のうなぎ」の養殖場とかが入っている。淡いピンクがかわいい外観で、なかはまんま小学校という感じ。ソトコトの熱心な読者なら、一度見たことある人も多いのでは、というくらい有名なところ。

ここで地酒を買って車を走らせていると、村役場の隣に保育園らしき建物が。「こどものもり」というらしい。窓を閉めていても木の香りがプンプン鼻に入ってくるようなステキ施設。迷わず途中下車&撮影。

すごいわ、西粟倉。どれだけのお金を村内で回せているのか、循環や自立の度合いがどれだけなのか気になるけど、この人口1500人の村に「いい空気」が漂っているのは間違いない。行けなかったけど、油やイチゴ、ベリーの専門店なんかもあって、想像だけど若い人たちのエネルギーを感じる。50年、森を守ってきて、さらに次の50年につないでいこうという「百年の森林(もり)構想」を実践している村。その精神が各事業者に通底している気がするなあ〜。ああ、また来たい。

(山陰の旅はまだまだ続く)

「あわくら温泉 元湯」の冷めない心地よさ

(つづき)

「ようび」を出てから、今宵の宿であるゲストハウス「あわくら温泉 元湯」に向かうには早すぎたので、道の駅でも行こうかとブラブラ車を走らせることに。

道の駅には団体バスツアーのご一行が複数組いて、パッと見て関西の人っぽかった。どんなルートで寄ったのか気になるところ。買い物するには良さそうだけど、道の駅自体は普通の感じ。びっくりしたのは隣にある公衆トイレであります。

こんな美しいトイレ見たことない。ここなら、飲みすぎてお腹痛くなっても自分を許せてしまうわ。

宿には5時半くらいに着いて、ゆっくり温泉に入って疲れを癒すことに。ここは「こどもの笑顔がまんなかにある大きな家」がコンセプトで、キッズスペースや遊び場「こどもばんだい」がある。廃業した温泉施設を蘇らせていて、地元に愛されているのがよく分かるところだった。

子連れに優しい配慮が随所に

お湯が気持ちいいのは当たり前だけど、湯上りにいただいた晩ご飯がおいしいのにびっくり。

リベンジかなった、タルマーリーのビール。こんなおいしいクラフト飲んだことない
棚田の米で作られたライスビールと、森のうなぎ燻製

西日本豪雨の被災地に300円が寄付される「おうえんプレート」(1500円)と、木のまちならではの、木質バイオマスを燃料に使うとか資源・エネルギー循環を意識してる「森のうなぎ燻製」(600円)、買い忘れたタルマーリーのビール(セゾン、800円台、岡山県の棚田でつくられた米をつかったビール。けっこう頼んじゃって、宿泊の3240円を大幅に上回る売り上げに貢献したのでした。村内に限らず、周辺の本当にいいもの、ストーリーのあるものを提供していて、うれしくなる。「旭川公園」のカフェスペースの参考になるわ。

共同スペースは本や雑誌、近隣のお店の情報がたくさん集まっていて飽きないし。地元の人がふらっとお風呂に入ったり、宴会をしたり、生活感が漂っていて、心地いい!

廊下には味噌も置いてる

キッズスペース
キッチンを望む
こどもばんだい。秘密基地

ドミトリーはこんな感じ。雑魚寝の湯治場みたいな感じ。

隼駅近くのゲストハウス「8823BASE」のベッドと比較して思ったけど、自分で畳の上に布団を敷くのって、縛られないかんじで、これはこれでいいなと。あらかじめ決められた、セットされた所に寝るのより、自分の意思とタイミングで場所や角度、レイアウトをカスタマイズできる。他のお客さんは長期の1人だけで、大広間だから消灯に気を使うけど。

共同スペースからドミトリーに続く廊下。味がある
ドミトリー入り口

朝ごはん(600円)は有機無農薬の卵と、出雲の古式しょうゆがお目見え。タルマーリーのパンでも思ったけど、毎日のもので噛みたくなる食べ物って、すごく幸せを感じる。価格設定は参考になる。

卵がめりこんじゃって、うまく撮れなかった。。。お代わりできるので、もちろんオーダー

昨日は大雨で周囲がよく分からなかったけど、周りのロケーションはめちゃよかった。川もきれい。

昨夜とは打って変わって心癒される空気感

宿の隣には温泉の自動販売機が

(山陰の旅はまだまだ続く)

「ようび」で美しい雷に打たれた

(つづき)

雷に打たれましたね、これで

タルマーリーを出て30分くらいかしら、次の目的地・岡山県西粟倉村に到着。雨脚はどんどん強くなって、仮に汽車が動いていてもコンビニ傘で何十分も歩くのはつらい。ちょっとした嵐。レンタカーでほんと正解。

主張しすぎているわけじゃないけど、強烈な存在感を放つこの外観にまず見とれてしまった。全国の皆さんの力が集まって建てられたというストーリーも相まって。

これに見とれない人はいないだろう(きっと)

普段はこのショールームは予約制だけど、日曜日はフリーオープンらしく。着いてから電話して、担当の方に迎えていただいた。一歩踏み入れれば、そこは息を飲む空間で。

 

この「ようび」という家具メーカー、全国手にも知られた存在で、超絶なオシャレさだけでなく、底流する森やものづくりへのマインドがすっごく美しいのです。単なる「用の美」じゃないんです。地域の材に誇りを持ち、可能性を探り、次代につなげ、循環させて意識を高めていく。トータルでのデザインをしてるって感じかしら。旭川家具で課題として指摘されている、地域との掛け算的なことを、さまざまに考えられいるんだなーと思った。

ホームページにある文言にも、それはよく現れてる。

私たちが作りたいのは、「人に使ってもらって生活が楽しくなる物」。観賞用ではなく、使い勝手の良さと楽しさがあふれる「用の美」。相手の欲しいものを本気で作るとそこに「用の美」が生まれる。  ようびが工房を置く西粟倉村は全面積の95%が森林、村民1500人強は海抜300m台の盆地に暮らす。「50年まえに将来の子どもや孫のために植えた木を、立派な100年の森に育てていく」と、村ぐるみで英断。今や清流と自然にも恵まれた地域再生の成功モデルとして名高い

「ようび」ホームページより

村と会社が同じ方向を向いてるんだな、きっと。

そんでもってもう一つ、この職能集団にはストーリーがあって。「ツギテプロジェクト」っていうやつ。

2016ねん1月に社屋が全焼し、   木材を組み合わせる「継ぎ手」の意味だけど、次の時代への「継ぐ」という意味も込められている。5500本ものスギの間伐材を格子状に組み立てていく。全国から林業の関係者がやってきて、少しずつ形にしてきた。簡単に言えばボランティアだけど、この日ショールームで応対してくださった方は「ボランティアじゃない。忘れていた『ともしび』を付けに来たような感じでした」と振り返っていた。妙にしっくりきた。

という感じで、この「ようび」は只者じゃないんです。そしてショールームでは、只者ではない感を放っているスツールを目撃してしまった。瞬間、雷に打たれたような感じに。

超絶かわいいスツール

これです。前にブルータスでも特集されていた、人気テキスタイルデザイナーの氷室友里さんの作品。座り込むほどに、おもしろい「変化」を楽しめる。そして文句なしに、かわいい!かわいすぎる。

これに一目惚れしてしまったわけです。ただ、当たり前だけどこの作品には「旭川」のあの字もないわけで。そこに「うーん」とと思いながら、担当の方と話していると、「うちはいま近くの山をきれいにしようとやっていますが、本当は日本全国でやりたいんです。各地の材を使って、デザインを組み合わせて、新しいものをつくりたい。旭川の材でやりましょう!」とびっくりするくらい瞬間的に話がまとまった!

この後、ゲストハウス「旭川公園」のバックヤードの突哨山で木こりをしている清水省吾さんに連絡してみると、「なまらいいですね! やりましょう」とのこと。一気に旭川×ようび×氷室友里テキスタイル のコラボレーション企画が前に進むようになった。これ、絶対におもしろい。

「やがて風景になるものづくり」が「ようび」のコンセプト。旭川家具ももちろん置くけど、旭川公園でもこのスツールが風景の一つになるように育てていきたい。

(山陰の旅はまだまだ続く)

 

 

タルマーリーに会いにいく

(つづき)

鳥取駅にバスで着いてすぐにレンタカーのリサーチを開始。ちょうど郡家(こおげ)駅からのバスで、降りる時に「キャルレンタカー」という言葉を聞いていたので、どうせ大手は高いし、ここを探してみた。

強雨の中、たどり着いたのはここ。予想通り、ガソリンスタンドの中だった。

運良く小型車(マーチくん)が空いていると電話で確認していたので、スムーズに手続きをしてくれた。免責保証は高いけど、入らずにしておいて、24時間で3700円くらい(はっきりし覚えておらず。4000円は切っていた)。

ナビに、パンやビール、発酵で有名な「タルマーリー」(https://www.talmary.com/about-us)の電話番号を入力して、さっそく出発。途中、鳥取道が大雨で急きょ部分的に通行止めになっていて、迂回する時に道に迷ったけど、1時間ちょっとで到着。 すごい。列車移動だと、隼駅から3時間はかかってたのに。人口の少ない山あいに複雑な路線図が敷かれていて、移動の効率が悪いので、車の威力を身をもって痛感する。

小学校の隣にあって、保育園をリノベーションした施設。それっぽい雰囲気が随所に。イートインのカフェはセミセルフで、注文してお金を払ってから席に運ばれるのを待つスタイル。それまでの間、飲食スペースの周りを見学。

オーダーしたのはイノシシ肉のハンバーガーとコーヒー。

パンは表面がパリッとして中は柔らかすぎないフンワリさで絶妙! 風味も豊かで。ほんのり広がる甘み。パンとか白米とか、毎日食べるものがおいしい、噛みたくなるっていうのは幸せなことなんだと思い知る。イノシシ肉は臭みがなくて、食感は弾力がありすぎずジューシーさも感じられる。「こんなにおいしいものだっけ」と、これまた幸せになる。

タルマーリーの渡邉夫妻は、福島の原発事故を契機に「水」を求めて千葉県から岡山県に移り、野生酵母だけで発酵させるクラフトビールをつくるために、ここ智頭町に移住された。レジでお土産のパンをしこたま買い、旦那さんが書かれた「田舎のパン屋が見つけた腐る経済」の文庫版を購入。発酵とはなんぞや、腐る経済とはなんぞや、地域内循環の真髄はなにか。いまの「人生最後の夏休み」の課題図書として勉強しよう!

と息巻いたものの店を出てから30分くらいして、ビールを買い忘れたことに気づいて動揺する羽目に。。。

(山陰の旅はまだまだ続く)

「昭和」に乗って

(つづき)

若桜鉄道で運良く2日連続で乗ったのは、水戸岡鋭治さんデザインの「昭和」号。鮮烈なブルーが印象的で、下回りの赤茶色もあかわいい。

隼駅から乗って、終点の郡家(こおげ)駅であらためて舐め回すように観察してみた。

車内外は良くも悪くも、一目で水戸岡デザインとわかる。一時期、全国の観光列車は水戸岡デザインばかり続いたことで、これに対しては鉄道好きからは辛辣な意見も上がっていた。でも鉄道という公共空間に、デザインの大切さを持ち込んで考え抜いたパイオニアは水戸岡さんだろうし、そのあとの多様な観光列車につながっている、と思う。そして何より、水戸岡さんが「なんのために公共空間をデザインするのか」についてインタビューもしたし心酔しているので、無条件に好きなんだけれども。

座席のテイストは他の水戸岡デザインの列車とどうしても同じ感じになってしまうけど、やっぱり心地いい。ずっと座っていたくなる。

郡家駅では、大雨の影響で乗るはずだった因美線(智頭方面)の列車が運休するとホワイトボードに書かれていて、2時間以上、時間をつぶすはめに。その間、駅のコミュニティスペースから「昭和」を見ていたけど、観光バスが駅に横付けして、おじさんおばさんたちが大挙して「昭和」に乗り込んでいった。貴重な収入源なんだろうなぁ。

2時間くらいたって、あらためて駅窓口にいったら「全列車が運休」に変わっていた。「スーパーはくと」も「スーパーいなば」も。急いで荷物をまとめて、駅前のバス停から鳥取駅に向かうことにした。今朝、公共交通機関でコンプリートしようと誓ったばかりなのに。。。まあ列車が動かないなら仕方ないわね。

(山陰の旅はまだまだ続く)

 

隼の聖地を訪ねれば、浜松を思い出す

(つづき)

隼駅にやってきた水戸岡さんデザインの車両

8823(ハヤブサ)BASEを出て10分ほど。昨夜見えなかった景色が見えて、激しい悪天候ながら心癒される。

隼駅では大雨警報の影響で25分遅れ。すでに靴下が絞れるまでビショビショ。「隼駅を守る会」が管理しているグッズ売り場を見ながら列車を待つ。浜松でおなじみの、鈴木修会長のご尊顔も! こんなとこで浜松を感じるなんて(笑)

久しぶりに見たなー。旅ノート。ライダーが全国から、聖地を訪ねてる
守る会が管理している、隼関連のコーナー。駅事務室を使って「聖地」をアピール

こんな時、レンタカーがあれば便利なのになぁという考えがよぎる。いやいや、今回は公共交通機関だけでコンプリートするぞ! と決意をあらたに。

昨夜の八東駅もそうだけど、若桜鉄道、駅舎めちゃすごいね。SL関係で保存・活性化運動やってるのはいろんなところで聞いてきたけど、条件不利なところで奮闘しているのがなんとなく分かった。運賃も良心的。もっとじっくり味わいたい。水戸岡鋭治さんの車両は次の記事でー

(山陰の旅はまだまだ続く)

「8823(ハヤブサ)BASE」を貸し切りに

(つづき)

ホルモン焼きそばを食べた後に時間をつぶしていた若桜鉄道の八東駅に、21時6分、定刻通り鳥取方面の最終列車がやってきた。よかったー。このまま、この真っ暗な駅周辺に取り残されたら・・・と心配だった。タクシーも営業終了だし

やって来たのは、水戸岡鋭治さんデザインの青い車両。二駅だけ乗って、隼駅に到着するもあたりは土砂降りで、なんとなく宿を探し始める。スマホのバッテリーがゼロなので不安になりながらも、あらかじめ駅の北側徒歩6分とは覚えていたので、ほんとなんとなく歩き回った。

この隼駅、浜松のスズキが誇る高性能バイク「」の聖地で、全国からライダーや愛好家が集まってくる。今夜はそれを見るどころじゃないけど、宿はこのバイクにちなんだゲストハウスなんです。

5分ほど歩くと、ランタンみたいな光が暗闇に浮かび上がっているのが見え、明らかに周囲の民家と違って雰囲気なので「あそこや!」と確信し、さらに5分ほど歩いて到着。全国的に有名な「8823BASE」であります。ブログで再三お名前を借りている高藤宏夫さんが施工。8823=隼。

頭を低くかがめて垣のエントランスをくぐり、受け付けでチェックイン。古民家をリノベーションしてるんだと中に入って初めて分かった。小さい階段を上がってある土間のような共用スペース、その奥が客室。今夜は貸し切りらしく、男性ドミトリーに案内されて我が物顔を満喫することにした。

泊まったドミトリーの部屋
ヘルメットが掛けられるフック。これはライダーには嬉しい。ジャケットを掛けやすいハンガーラックも
女性用に使うことが多いというドミトリー
女性には必須のアイテムがずらり

充電と細かい作業をしてからチェックインしたカウンターに行き、瓶ビールを注文。ハイネケン系だったかな。。。今日応対してくれたお兄さんは自分と一つ違いで、某大企業の新幹線の運転士を辞めて、こちらに移ってきたんだと。なんかすごいなぁ。26時くらいに就寝。

これはマニアには嬉しい演出だなーーー
洗面所。すごくきれい

朝ごはんは、いつもは隼駅近くの飲食店「8823HOME」から持ってきてくれるけど、昨日からレクサスが絡んだイベント「ダイニングアウト」というので出払っていて臨時休業。なのでゆっくり作業して過ごし、列車の時間を見計らってカウンターへ。昨日は真っ暗だったけど、ようやくこのゲストハウスの全貌が見えたわ。

確かに民家だなー、ベースは
共同スペース。バイクの雑誌とかもたくさん
くつろぐのにちょうどいい大きさ。庭に面してるので開放感もある
晴れてたら、右奥のベースに愛車を飾ってコーヒーでも飲んだら最高だわ
左奥がエントランス。「また晴れの時にいらしてください」と見送られた
ゲストハウス隣の田んぼ。雨が降って、より美しい。エンジンを始動できる時間帯を制限していて、ちゃんと周囲にも配慮されてる

(山陰の旅はまだまだ続く)