旭川公園の食を支える「屯田の里」

旭川公園ゲストハウスの和朝食では味噌汁や豆腐、、洋朝食にはオリジナルグラノーラをご提供します。すべて無添加! これらの食材でお世話になっているのが、車で2,3分くらいの所にある「屯田の里」。

永山の農家の女性たちでつくるグループで、屯田兵の開拓時代から伝わる作り方で、素材を大切にして甘みを引き出す名手の皆さんです。店構えは素朴だけど、一度ここの味噌や豆腐を食べたら、なかなか浮気できない。

米麹は自前で育ててた米を原料にしているし、塩麹や甘酒のブームが沸きあがる前から地道に作っておられる。始めたのは代表の目黒芳子さん。口コミでどんどん人気になり、いまは土曜日でも朝早くから仕込みで皆さん大忙し。午前中の営業なので、その機会を逃さず管理人も仕入れに行くのであります。

「屯田味噌」はお味噌汁に、「屯田とうふ」は、こちらの「ラーメン味噌」を添えてそのまま。このラーメン味噌、ラーメンのために生まれたのに肉野菜炒めとかに間違いない最高の合性を発揮するので、宿泊したゲストもチェックアウト後に購入されていく例が相次いでいます。

グラノーラは当初、味噌とここの米麹と2種類作っていたけれど、いまは味噌のみです。神戸「グラノラジャーニー」に原料を送り、製造して旭川に里帰りさせてくれています。おつまみにもぴったりで、味噌のこくとシリアルの食感がたまりません。こちらもファン多し。無添加で、地元の素材を使っているのって、そんなに多くはないですね。ミルクにもヨーグルトにも、ばっちり合います。

お時間があれば、宿泊した翌朝に、湿度のこもった作業場をぜひ覗いてみてください! 白米が湯気を上げ、やがて白い布にくるまれて麹になっていく過程が分かります。

北海道庁の上川振興局が取材した文章を引用します。

<こうじの原料であるお米は、息子さんの農場から仕入れています。家族が作った信頼できる米を洗い、12時間浸水させます。1時間かけて水切りしてから蒸かし、人肌程度に冷まします。ここでようやくこうじ菌を投入。2度ほど返しながら寝かせますが、この間も36℃に保たなくてはなりません。「今でも心配で、やっぱり夜も見に来ちゃうんだわ」と目黒さんは笑いますが、まさに寝る間もなく付きっきりで育てるのです。その苦労は想像以上のものでしょう。これを5~6時間おいて攪拌し、2日ほどかかってようやく袋詰めできるように。>

米どころ・旭川。自分たちで作ったお米で先人の料理を知恵をつないで丹精した米麹は、優しい甘みがあります。