上棟式はしっとり盛大に!

7月26日(金)、由緒ある上川神社の権禰宜・板谷さんにお願いし、上棟式を執り行いました。あまり神事に親しんできたほうではなかったけれど、やってよかった、いいもんだな、としみじみ。旭川公園ならではの思いを込めてくださった、板谷さんのおかげです。

厳かな雰囲気の中、祝詞で「人々が集う場に」とお祈りをしてくださった板谷さん。松本家をはじめ関係者一同、目標とする場づくりへ、いっそうの精進を誓いました。

雨の中でみんなびしょびしょになってだったけれど、餅まきやお菓子投げに、多くの方に来ていただけました。ご近所の子どもたちの姿もたくさんあり、とても嬉しく思いました!

国際線ファーストクラスにも使われている「江丹別の青いチーズ」や、牧場ではなく歩行者天国の商店街にある「ジャパチーズ」など、旭川を代表するチーズが贅沢に乗った手作りピザ、ゲストハウス近くの「前坂精肉店」のジンギスカン、近くの農家さんの無農薬野菜のバーベキューなどをご提供し、大いに盛り上がることができたー

地域の人がふらっと集まって、いろんな人と緩やかにつながって楽しむ。旅行者はそんな景色を楽しみながら、暮らすように泊まる。そして、地域の人や暮らしの魅力に触れる。

上棟式で、やりたいことの一端を実際に見ることができた。そんな思いがしました!

しばらくは開業準備でてんてこ舞いだわ・・・

※写真はすべて、鈴木裕矢さん撮影

永山といえば、市民手づくりの「屯田まつり」

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旭川公園のある永山は、旭川市内でも一番早い時期に屯田兵が開拓した地域。だからなのか、旭川市に編入されたいまも、永山人としての誇りみたいなものを、いろんな人から感じとることができる。そしてその象徴が、まつり。

毎年7月下旬に行われる「永山屯田まつり」は、昭和62年に始まった。むかし「旭川屯田まつり」と呼ばれていた時期もあったけど、やっぱ「永山」ということになったらしい。なんか、いいなぁ。

一番の特徴は、発祥が寺社仏閣にあるんでなくて、市民から生まれたということ。「屯田魂の後世への継承」「地域開拓者の偉業に対する敬愛と感謝」をテーマに、住民や企業が手作りしているお祭りというのは、そんなにない。そういえば浜松まつりも、市民発祥だけど。

明治24年に400戸の屯田兵と家族が入ってきて、鍬で一から開拓。いまでは人口4万人を数えるまでになった。なかなか、地元の起こりや祖先を思いやる機会がないということで、お祭りをすることになった。

松本家が永山に移住してきたのは2018年10月だから、去年の屯田まつりは見れてなかった。今年が最初ということで、目を見開いてきましたよ。

「すごいよ」とは聞いていたけど、ほんとにすごい迫力だった。短い、短い夏を楽しみぬいてる感じがした。道内で一番大きいと言われる太鼓も、各地区の山車も。「エイヤサー、エイヤサー」の大合唱で、みなさん心底楽しんでる感じ。旭川公園のある地区の自治会でも、昔は独自にあんどんや山車を持っていたんだとか。今度、そんな歴史も紐解いてみよう。

この屯田まつり、冬に「実行委員にどうだ」と声かけをいただいていたけど、そのまんまになっていて反省。来年こそは、太鼓を叩けるように(裏方でもいいけど)、そして永山に早く溶け込めるように楽しもう!

着工すれば、はやいはやい

6月25日に着工して、基礎工事があれよあれよと進んだ。

基礎だけ見ていると、「えーっ、こんな小さいの?」と目を丸くしてしまう。そりゃ、小さい家ことタイニーハウスだし、コモン棟だって建築面積は40平米もない。だから当たり前なんだけど、これで快適に人が過ごせるのかーと、という心配も頭をよぎる。工事の元請けをしてくださっている旭川の住宅メーカー・アーケンの藤原立人さんは「家だってそう、みんな言うんですよ。えっ、こんなに小さいのって。でも壁ができると、えっこんな大きいの?って言うんですよ」

水道工事も入り電線も引っ張って、7月15日には足場も組み上がって、16日からは長沼町の中村直弘さん(yomogiya)さんを筆頭に大工さんが入って、部材を所定のところに入れ込む「建て込み」が始まった。

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建て込みをする中村さん(右)とカールさん

そして7月17日はこんな状態。こんな速いなんて・・・

藤原社長は「始まったら速いよー、すごいよー」と言っていたけど、ほんとその通りだった。こんなスピードで進んだら、こちらの準備スピードが追いついてない感じがして、ちょっと焦る💦どんどん置いて行かれるような、不思議な感じがして・・・。事業がどんどんリアルな感じで迫ってくる!

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この空間で、どんな場を拓いていこうか。どんな人に来てもらいたいのか。星空を見上げながら、想像してみた。こういう時間って、とっても大切。昼は分からない、夜の空気と風を感じながら、物思いにふける。

ついに目覚めた「白樺プロジェクト」 (動画つき)

旭川で6月にあったデザインウィーク(ADW)で、去年からお邪魔していた「白樺プロジェクト」がお披露目になった。一般に公開される初めてのタイミングで、東川町の「木と暮らしの工房」の鳥羽山さん、美瑛の樹凛工房の杉達さん、デザイナーの田中さんたちがもの凄いエネルギー量で間に合わせた。そのブースがこちら

会場になった旭川デザインセンターの、二階に通じる階段を上がって正面という好立地も手伝っただろうけど、その圧倒的な存在感に客波は絶えず。切り株やチェーンソーがどーんと中央にあって、だれもが「森とのつながり」を直感できる空間だわ。

思わず「かわいーー」と唸るスツールやベンチ、「白樺がこんなきれいだなんて」と見惚れるテーブルはもちろん、樹液の化粧品や飲み物、白樺で染めたフェルト作品などなど、いろんなタッチポイントがあるのもすごい。

最終日には最強のキコリがブースに立って、お客さんにダイレクトに説明していた。いい意味での異様な光景で素晴らしき哉。

ADWの期間終了後も、さっそく7月1日には幌加内町にある北大雨龍研究林で視察・採取したし、9日には旭川大学で今後の方針を話し合った。大きなイベントがあった後こそ、しっかりじっくり持続させることを考えることが大事!

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そして旭川公園としての白樺プロジェクトも、地味に進行中。清水さんに切りだしてもらった里山部産の白樺は乾燥・製材が終わり、岡山県西粟倉の「ようび」へ送られた。完成が待ち遠しすぎる!!!

なんでもできる当麻町 (動画つき)

「うちのまちには何にもない」と嘆く自治体にだって、絶対あるはずの森。余計な垢(あか)のついた大人が「素」に戻れる森。それを、人の力で人の集まる場所に変えているのが当麻町というところ。

トマムで有名な占冠村、層雲峡が知られる上川町、そばの産地・幌加内町などいろんなエリアの地域おこし協力隊が集まった「地域づくり研修」が当麻であって、記録係としてお邪魔してきた!

森の楽しみ方といえば昔は森林浴だったイメージ。木育といえば、既に製材した木を加工して楽しむイメージがある。

でもせっかくなら、森に精通した個性豊かな人に教わりながら歩きたいし、クラフトをつくるなら、森で木を切るところから始めたい。そうすれば、全部がつながって丸ごと楽しい。いいプレイヤーがいれば、これができちゃう。どこだって。

当麻のまちづくり関係では木育マイスターが3人いまして。原さんと協力隊の長多さん、振興公社の石黒さん。全員がこの研修会の主催者側で、松本も普段から公私ともにすっごく遊んでもらってます。

町による植樹事業の失敗とその原因、かつて里山として活用されていた山の歴史、樹種ごとに違う個性、一斉に伐採するのではなく価値を増大させるための森の管理法・・・。尖った木こり・清水省吾さんや木育マイスターが歩きながら熱弁し、頂上を目指す。展望台からは「世界で二番目に美しく見える」と言われる大雪山を望む。達成感!

下山の途中で、あまり太くない白樺をみんなで囲み、縄を投げて幹にまき、ナイフで切り込みをいれて、伐倒準備。木工体験のために使う材を伐りだすのです。

「せーの、せーの」でみんなで息を合わせて、運動会の綱引きみたいに縄を引っ張る。倒れた瞬間は、そりゃもう、歓声が上がるわけで。運び出し、みんなで収穫を祝い。知識と技術があれば、まさにどこにでもできる楽しい伐倒体験。

翌日は、クーピーを挿入した巨大な色鉛筆をつくったり、「小さな家」で並べて自分たちの「まち」をつくったりとグループに分かれて白樺を細工。白樺の樹皮を焚き付けに、メタルマッチで火を起こしたり、テントを張ってみたりと、サバイバルっぽいことも清水さん監修の下、体験した。まさに、ブッシュクラフト。

身近な資源で、なんでもできる。プレイヤーがいれば、どこでもできる。当麻町はおもしろくて能力がハンパないプレイヤーが集まりすぎてるだけの話。参加者の皆さんは「うちのまちでもできそう」と手応えと可能性をお土産にされたのでした。

「コミュニティ」がついた木工キャンプ

ずーっとずーっと前から気になっていた旭川木工コミュニティキャンプ(AMCC)に、初めて参加してきた。(初だけど実行委員として…)今回で11年目だけど、わけあって「0回目」という位置づけ。

6月22日からの一泊。旭川駅やデザインセンターで集合してバスに乗り、当麻町の地域おこし協力隊の原弘治さんの森「IKAUSI CLASS」へ。

キハダって本当に肌が黄色い。歓声があがったわ
雨でも何度も空を見上げて

丸太の上へ順々にあがって自己紹介。雨の中みんなでゆっくり歩いて、原さんが木それぞれの個性や生き残り戦略、森の成り立ちと使い方をガイドしてくれる。

お昼は当麻の奥のほうにあるRICOのカレー。辛い中にもココナツの甘味がいいバランスなんだよなー。

特筆すべきは、このお昼ご飯の後。薪割り、木の色鉛筆づくり(講師:協力隊の長多さん)、チェーンソー体験(森ねっとの中村さん)、火おこし(とうま振興公社の石黒さん)、足踏みロクロ(協力隊の荒木さん)。一級のプロたちがそろい踏み。この層の厚さが当麻であり、旭川! 参加者の皆さんはもう没頭につぐ没頭で、笑い声がいろんな所から聞こえてきた。

お宿は東川町のキトウシ森林公園。「ミーティング」としてグループワークがあって、森を使ってどんな新ビジネスをつくるのか案を出し合う。「ツリーハウスホテル」「森の図書館」とか、10分ちょいで斬新で実現できそうなアイデアが続々、ゾクゾク。すごい。

これまでAMCCは「10年やろう」ということで続けてきた。でも一区切りを迎えたことで、立ち止まって次の10年を考えよう、という趣旨で「0回目」になった。だから「AMCC」ではなく「AMCC2」になっている! ミーティングでは、この辺も話し合った。個人としては、「木工」という切り口で、ほかの産業や地域ともっと絡んでいこうというアイデアにグッときた。

アイスプレジェクトの小助川泰介さんのリーダーシップや場の取り回し方、バランス感覚、すげー。これが実行委員長かー

夜の懇親会は、わが地元・永山の前坂精肉店のジンギスカンで実に誇らしい。この懇親会とキャビンでの2次会はAMCCの中ですごく大切にされている。それは、ホストもゲストもない「キャンプ」であり、交流によって「コミュニティ」をつくるものだから。家具とクラフト、メーカー同士、道内・道外、職人とデザイナー…。あらゆる垣根を超えて、産地だからできる体験をして、想いを紡ぐ場所。

確かにこれは、「コミュニティ」をつくる場だ。だから響く。ゲストハウスづくりにも通じるなぁー

道新にデビューしました

北海道新聞の朝刊に、松本一家が移住してきてゲストハウスをやるんだってことを紹介してもらいました。思ったより目立つ感じで、嬉しいやら、恥ずかしいやら。朝5時に紙面開いたけど、お昼くらいまで本文は読めなかったわ。

見出しでは「8月開業へ」とあり、まだ確定ではないのでそこだけ説明して回ってるけど…。本文は「8月にも」と〝逃げ〟の余地がありますが。

ところで、新聞に出てから、もう驚きの連続。

農業バイトをさせてもらっている坂井ファームで、妻のパート先のコープさっぽろで、永山おおぞらこども園で、東川養護学校で、スクールバス乗り場で、長男・大滋が通院する旭川厚生病院で、デイサービスで。あちこちでお声がけいただく。

直接、松本の取り組みをご存知の方からの反応は予想していたけど、こんなにも反響があるなんて、正直予想外だった。

去年の秋まで新聞記者をやっていたので、なんとなく新聞の伝播力(影響力)のすごさは分かっているつもりだったけど、若い人に読んでもらえていない実感があったので、どこまでか掴めないでいた。

記者としての立場で、取材に応じてくれた人から「新聞を読んだたくさんの人が来てくれました」「共感してくれる人から寄付があった」「だれだれの思いを広く伝えてくれて嬉しい」と幸せな反響をいただくことはあって、やりがいをすごく感じていたけど、当事者になると、確かにそうだなーと妙に納得してしまった。

今回紹介してもらって、「すごいですね」「どうやったら載れるの?」と言われることが多いけど、事業としては別にすごくないとしても、新聞というメディアに掲載されるのは「狭き門」で、信用されているからなんだろうと実感! まだまだ、ちゃんとした情報が広く届けられているっていう存在というか。もともといた業界なので、嬉しいなぁ。

次の「あさひかわ新聞」にはゲストハウスの進捗を書くことにしようー。編集長からの提案もあったし。少しずつ地元で理解が深まっていけば、こんな嬉しいことはないなぁ。

「1番地」まで、あとちょっと

予定地に立った「1」を示す(?)標

5月15日と21日、司法書士や地権者さんと面談して、3筆の土地を購入させてもらい、所有権移転をしてもらった。これで、文字通り地盤が整った。一安心といえば一安心だけど、融資の関係で自己資金で先に土地を取得することになったので、口座残高はすでに危険水域になって冷や汗・・・!

21日の朝には地盤調査も入った

これで順調に進むかと思いきや、やっぱりそんなもんじゃないんだと痛感させられることがあった。

17日(金)に旭川公園のメンバーから連絡があり、「建築当局から、『ロフトは面積に含まれず、収納扱いになる』という指摘があった」。

ロフトというのは、タイニーハウス(宿泊棟)の3人用の棟で、計画していたもの。ここも立派な滞在空間であるという前提で、旅館業法で定められている面積要件(1人当たり3.3㎡の客室面積)をクリアできると踏んでいた。というか、建築当局や保健所との事前の協議でその話で進んでいた。

ところが、建築基準法で「収納」となることがこの段階になって分かり、旅館業法で「客室面積」に算入できない疑いが強まってしまった。急きょ17日に保健所に行って相談。前例のないことなのですぐ答えがでず、週末を挟んで21日(火)に回答がきた。保健所さんは事例を調べたりして手を尽くしてくれたけど、やはりダメだった。3人分の面積要件を満たせないことになり、建物を大きくすると新規で申請が必要で、膨大な時間とお金がかかう。

この週末、3人の定員が確保できなかったことを想定して、チームのメンバーで話し合った。大工の中村直弘さんが作る予定だった新規タイニーハウスをモデルとして置かせてもらって定員を増やそうか、取得した土地の一部を「内部分筆」して、時間差で工事を進めようか・・・。などなど。

困ったときに旭川公園メンバーは、どんどんアイデアを出してくれる。これまでも何度もそうで、ほんと最強の布陣だわ。仕事とはいいながら、他人のプロジェクトを本気で楽しみ、自分ごととして昼夜を問わず知恵を絞ってくれるなんて・・・。といつも、施主ながらびっくりする。

自分としても、保健所や消防で確認したり、日本政策金融公庫に相談したりしながら、ああでもない、こうでもないと悩みに悩んだ。その結果、3人用タイニーハウスの定員を2人に減らし、全体の定員を6人にすることに決めた。

計画の数字上はマックス7人収容が6人になるので、事業として、とっても厳しいものになる。でも小さく始めて、じっくり丁寧に育てていくのがベストだと判断。焦って取り繕っても、いいクオリティのものはできないと考えた。

さぁこれで、建築確認(建築基準法)と旅館業法のクリアは間違いないものになった。あとは認可を待つだけ。丁寧に準備してきたつもりでも、いざ実行となるといろんなことが出てくるんだなぁと思い知ったわ。これからもどんどん、予想外の困難を楽しんでいこう。追い込まれないと、アイデアは出てこないから。

21日は地盤調査も入った。着工まで、あと少し。

夏のオープンに向けて、やっと「0番地」

「いつオープンするの?」と、これまで200回くらい聞かれたような気がするけど、やっと見えてきました。夏です。8月の終わりか、9月の上旬というイメージ。まだ幅はあるけど、そこを目指してやっていきます。ご迷惑をおかけします。

なぜ見通しがついてきたかというと、建築確認申請を5月9日(木)に旭川市役所へ出したから。そして土地の購入・所有権移転の手続きが5月中旬くらいに完了し、融資も決まったからです。

これまで浜松のフォルム建築設計室にお願いしてきた図面は、修正に次ぐ修正で、とても大きなご負担をおかけした。なかでも最大は、敷地内に予定していた松本家の住宅建設を当面見送るというもの。図面まで用意してもらったけど、2018年12月になって大変更をすることになった。その後、旭川のアーケンさんという住宅メーカーに加わってもらい、最高の布陣となって再スタート。フォルムさんと手を取り合いながら、スムーズに準備を進めていただいた。アーケンの藤原立人さんがいなかったら、松本は路頭に迷っていたことは間違いありません。

融資は、はじめ民間だけでやる可能性もあったけど、なかなか進まず、感触もよくなく、さまざまな方からのアドバイスをもらって日本政策公庫にメーンでお願いすることにした。なんの後ろ盾もない、経験もない素人の個人に、早い段階から「最大限お支えする」とおっしゃってくださった。身震いする。事業のえげつなさも、世の中の厳しさも知らないのに、大きな大きな、どこまでも重い意味のある助け舟を出してくださった。

旭川公園メンバーの鈴木裕矢さんは「お金は、松本さんに対する期待値。増やしてやりましょ!」と。そうか、期待値。プレッシャーというより、期待と考えてそれを超えていくほうが楽しいもんね。さすが鈴木さん!

これまで経験したことのないお金を管理することになる。必要経費としてでていく数百円、数千円、サービスの対価としていただくことになる数百円、数千円。その積み重ねで事業を回していくことを忘れずに、丁寧に扱っていこう。

土地の取得も、振り返ればとっても難航したけれど、うまく3筆を確保できた。それにしても、地元の不動産業者・大和(だいわ)の若林雄大さんがずっと全力で応援してくれて、スムーズな交渉とともに、大きな値引きも実現してくださった。仕事の速さ、熱意。こんな業者さんがいるのかと、仰天の連続だったわ。

当麻町には、道北バスの停留所「当麻0丁目」がある。まだ1丁目1番地にもたどり着いていない、文字通りの0だけど、スタート地点に近づいてはきた。

最近お手伝いをさせてもらっている東旭川の坂井ファームさんでは、イネやトマトの苗を育てている。ハウスでは温度管理にものすごく気をもむ。氷が張る朝もあるけれど、日中は汗だくになる。気を抜かず、余計な力は抜いて、じっくり「旭川公園」を育てていこう。

目的の本がなくても、お出かけの目的になる本屋

妻のリクエストで、札幌にほど近い江別市にある蔦屋書店に行ってきた。蔦屋は東京の代官山以来だったけど、久々にガツんときてサイコーでした。

自分の中での目的は2つ。なぜ集客力があるのかを感じることと、北海道の蔦屋書店として、旭川ゆかりのものがどれだけあるかをみること。

江別はレンガや小麦がたくさん作られてきたことで有名なまち。(江別のレンガを周りに積んだ薪ストーブを下川町で見て初めて知った😅)。だから駐車場から建物の外観をみて、「江別らしいな」とすぐ認知できた。分かりやすいのって大事。

<知><食><暮らし>の三つの棟から成っていて、まずはスターバックス以外が本棚である<知>に入り、つぎに洒落た飲食テナントが入る<食>へ、アウトドアや子どもの遊び、雑貨をメーンにした<暮らし>へと進んでいった。

入った瞬間から、キョロキョロしっぱなし。圧倒的な刺激量。目を前後左右、そして上下に忙しく動かす。「自分の興味がある本がないわけはない」という気分になって、本を買いに来たわけじゃないのに、なんとなく歩き回って探してしまう。

憎いほどいいなと思ったのは、おそらくコンシェルジュさんが作ったであろう、本のジャンルごとのおススメ文。キャッチーな写真も添えてある。ポップとは違ってスマートすぎるけど、思わず読んじゃうクオリティ。かなり力入ってる。

そして当然のように、その近くにはそれに関連するグッズが置いてある。旅行ならその行先を、お弁当ならその中身を、どうしても想像してしまう。これはもう、体験価値を提供してるようなもんだ。

そしてそして、3棟のうち、1つに足を運べば、どうしたって他も見たくなる。

すると、「食」「旅」「キッチン雑貨」「器」「子育て」「アウトドア」「洋服」と、暮らしのあらゆる要素がつながってくる。否応なしに、自分はどんな暮らしがしたいかなってイメージする。ライフスタイルを提案されてるな、自分。完全にCCC(運営会社)の術中にはまっているな…と思いながらも、まぁ楽しいからしょうがないよね。

子ども本のコーナー。いいなぁ
どどーんと贅沢にマリメッコを紹介

本に囲まれたり、本を選んでいる時間を楽しませることに主眼を置いているんだろなーと、来る前は思っていたけれど、それだけじゃなかった。

スタバのスペースで観察していると、本を持ち込んで(清算前でも読める)ドリンクを楽しんでいる人は、半分もいなかった。この「蔦屋書店」という空間で仕事したり、自習したり、おしゃべりしたり、ネットサーフィンしたりといった体験に価値を見出してるんだろな。たぶん。

ところで、にわか「おにぎり研究家」の松本家としては、フードコーナーのおむすび屋さん「Hakodate Omusubi函太郎」で大人食いしないわけにはいかない。

鮭と山わさび、二番目に高価な「岩海苔と雪たらこ」(550円)、日替わり味噌汁をオーダー。

ごはんは、道南で生まれたという「ふっくりんこ」の特別栽培米。ほんのり甘く、ほんのり塩味がして、ふっくらして瑞々しく、バランスがある。わが家で試行錯誤しているお米に比べて、透き通った感じがするし、粒感は弱くても粒ごとの存在感は生きている。うーむ! 

炊き立てご飯の水分の逃がし方、握り方、ノリの巻き方もめちゃ参考になった。調理場が丸見えなので、じーっと観察してしまった(すみません)。

おにぎり屋さんの楽しさの一つは、家庭ではできない種類の多さ。価格の幅が大きすぎて、ついつい高級メニューも食べたくなるじゃん! お米や具、みそ汁まで全体で「道南」を感じさせる演出にも驚いた。

そうそう、旭川周辺ゆかりの作家さんや商品もたくさんあった! ▼大雪木工(東川)のチェア、▼アカエゾマツのアロマ「はぐりら」(旭川)、▼旭川公園ゲストハウスでも使う瀬戸晋さん(東旭川)の漆拭きの木食器、▼ロクロ挽きで薄い質感の「kamiシリーズ」が人気の木工メーカー「高橋工芸」(旭川)、▼日本茶ブランド「USAGIYA」(旭川)。けっこういっぱいあって、うれしかったな~。

ゴールデンウイーク最終日。子どもを保育所やデイサービスに預けている間のとんぼ返りの小旅行だったけど、お腹いっぱいになれて幸せでした。