とっておきの朝食☆大作戦

宿に泊まって迎えた新しい朝。どんなご飯で地域を感じ、楽しく過ごせそうな気分になれるか。朝食ってめちゃ大事だと思う。こだわりたい。

事業計画、収支計画を立てていく上でも、宿泊業そのものだけじゃなくて、朝食の仕入れと売価の設定もこれまた重要になってくる。考え抜きたい。

先日、神戸に住んでいる同級生の元に、ゲストハウス予定地のすぐ近くで作られている麹と味噌を送った。極秘の商品開発をするために。

屯田兵が開拓した、旭川市の永山地区。そのころからの製法を忠実に再現し、自給的な醸造品づくりを続けているお母さんたちによる「屯田の里」のもの。みそが優しく、かつしっかりしてほんと好き。

極秘と言いながら少し明かしてしまうと、この醸造品とか甘~いアレとかを使って、プレミアムな旭川グラノーラをつくるのです。これが洋朝食。値段は800~900円を想定。グラノーラだけじゃなく、クオリティの高いトマトジュースとかヨーグルトをつける。「和」もそうだけどコーヒーもつける。

和朝食は、永山のお米に、「屯田の里」の味噌汁、漬け物、お好みにより甘酒。お米は+でこだわって、無農薬玄米や健康にいい黒米、雑穀を扱っている市内の老舗「上森米穀店」さんにお世話になろうかと一方的に思ってる。健康にも環境にもいいし、まだ食べてないけど絶対おいしい。旭川のおむすび界でめちゃ有名な女性とも、一緒に企画されているようなので、間違いない。値段は400~500円を考えてます。

和も洋も、とにかく生産者さんや販売者さんの顔をどんどん見せていく。アルバムのようにして。どうやって作られてきたか、なんでこの地でできているのか、いろんなことを感じられるように。それは新しい朝の、上品な力になる。

最後の東京出張(すごいチェアを見つけた編)

ドトールできんきんに体を冷やした後は、夜の待ち合わせまで時間があったので、表参道・青山に向かうことにした。

ぶらぶらしたり服を買いたいわけではなく、旭川が世界に誇る家具メーカー「カンディハウス」の東京ショップに行きたかったのです。

ひっさしぶりに表参道交差点に出て、コムデギャルソンの方面に歩く。それっぽい感じのオネエサン、オニイサン、メルセデスやアウディ、アルファードなんかが道を支配している。完全に旭川とは空気が違っているー。浜松とも。

奇異な建物が目を引くプラダのある交差点を、表参道ヒルズから見て右手に曲がり、ぐんぐん行くと、わがゲストハウスの総事業費のたぶん3倍は行くであろう超高級(そう)なマンションがあり、その向かいに東京ショップはあった。

東京ショップ外観

佇まいも、明らかに旭川ショップとは違う! そして確実に入りにくい(笑)脂汗がでてきていったん通り過ぎるも、「これを避けては成功はない」と自分に言い聞かせて、シャツがズボンの中に収まっているか確認して、深呼吸して、この異世界へ足を踏み入れることにしたのです。

エントランス近くで最初に目にしたテーブルに、どこかで見た黄色いシールが。そう、道産材をもっと使ってこーよ!っていう「ここの木の家具プロジェクト」です。うれしい。これを東京で見られるなんて。

ただ目を奪われたのはこのテーブルではなくて、そのそばにあった、木工品。

これでどのお酒を呑もうかしら・・・

静岡県出身で北海道に移住し、森林が9割を占める下川町で創作されている「クラフト蒼」の臼田健二さんの作品。ナラやサクラとかを使って、ショップの人によると、生木をくり抜いて作っている。大きいものはサラダボウルになるし、小さいものはぐい呑みにしてもいいんだと。洗った後にちゃんと拭くなど、丁寧なケアが欠かせないのも、愛着が増すようでうれしくなる。迷わず購入。

ショップ内をグルグル見渡して、本気で欲しいものにもう一つ、出会った。下の写真のイージーチェア。

なんとこれ、座面と背面に馬の革を張っているのです! 知る人ぞ知る、日本で唯一の馬具メーカー「ソメスサドル」(砂川市)とのコラボレーションってこと。憧れのソメス! 新千歳空港にもショップを構えてるので目にする機会は少なくないけど、いろんなストーリーがあって、一度本社のファクトリー・ショールームに行きたいとずっと思ってる。

このチェアは38年前に商品化されたものを復刻させたとか。当時よりより丈夫な革を使ってるのだそう。勧められたので、厳かに腰を落としてみた。張りがあって厚くて固くて、でも座るほどに体になじむ。多分これは、無二の座り心地。ストイックではないけどシャキッとくつろげる、っていう新しい感じ。真剣に欲しいけど、34万円ときては数年単位で考えないと(笑)

いろんな所にバックルがある。しなりを受け止めることで、なじんでいくんだろうなー  ※いずれも撮影、掲載許可済み

店を後にする時は、店員さんやフロアに立たない社員さん?、搬入の方々?とかいろんな人にお見送りされて、気分はすっかり青山のオシャレ住民。「ソメスサドルさんは青山にお店ありますので、お時間ありましたら是非」とショップカードを渡された、家具と馬具、パートナーとして互いに高め合ってるんだなと感じて、ほっこりした。素敵。

夜は日本国の中枢を担う人物を日夜追っている、金沢時代にお世話になった超多忙な先輩記者とアメリカンなお店で乾杯。ご縁に感謝!

東京、ありがとう

最後の東京出張(なんだかな編)

28日(火)は久々にして、たぶん会社員としてはラストの東京出張(しみじみ)。二日酔いなので、迷わずお茶の水駅前の「富士そば」へ。学生時代から、お酒が残っている時のお昼ご飯は、ここと決まっている。ほうれん草とそば湯が定番。唸るような味ではないけど、ソウルフードと化している。

インタビューする場所は神保町界隈。スマホのネット使用上限を使い切ってしまってほとんど動かず、さらに道に迷ってしまって、大汗をかいて急ぐはめに。スマホに依存しきって事前の調べを怠ってる。恥ずかしい・・・

無事に取材が終わって、カフェに移動する道すがら、わが青春の「書泉グランデ」をちょっとだけ覗く。

学生時代は半日くらいここで鉄道本を読みあさってたなぁ。この日6階の鉄道フロアを見たら、JR北海道の「Kitaca(キタカ)」のグッズが並んであって、無性に欲しくなったけど、がまんがまんよ。同人誌から地方で出版されてるディープな写真集、マニアックな生活雑貨まで、なんでもござれ。何も考えず、ゆっくりここで遊びたいー。でも長居は慎んで、近くの三省堂本店で仕事に使う本を買って、カフェに。

プリペイドカードを持っているので、 地下鉄・神保町駅のほぼ直上にあるドトールを選択。みんなカードやスマホで払うのが普通な感じで、浜松だとプリペイドカードを渡して決裁してもらってるのに、ここでは自分でやるらしい。なんか東京こわい。店員さんの愛想はいいんだけど、あまりに人がどんどん来るので、流れ作業的な感じ。うーん。

しかも、ネットによるとここは「電源カフェ」のはずなのに、普通の席の電源はわざわざコンセントが閉鎖されているのではないか! なんのために来たのか分からないー。「混雑時はパソコンしないで」みたいな注意書きもある。えーっ! よく見たら、無理矢理作ったようなレジ前の壁際の5席にしか電源がない。 だから周囲にコワーキングスペースが多いのかと思ってしまった。

しかもしかも、めちゃくちゃ寒くて、ホッキョクグマ館か冷蔵庫と思えるくらい。こんなん長居できないわ。いやそれが回転率を上げるための作戦か・・・。どんだけ無駄なエネルギー使ってるんだろ。絶対持続可能な感じじゃない。

(つづく)

脱皮なるか、旭川空港

交通問題に興味はあるしけっこう使っていながら、知らんことばっかりでびっくりすることがある。

ちょっと古いけど、8月17日の日経新聞にでっかく「北海道の空 4陣営争奪」っていう記事があった。

新千歳、旭川、帯広、函館、釧路、稚内、女満別の7空港が2020年6月以降に民営化される。旭川は、市が管理していて、赤字に苦しむ典型的な地方空港なんだとか。市営だなんて知らなかった・・・

記事によるとコンセッション(公共施設等運営権)の入札が締め切られ、4陣営が参加したと。新千歳が国管理空港の中で、羽田に次ぐ収益力をもつことに注目が集まり、空港コンセッションは仙台や高松で成果を上げていることもポイントらしい。コンセッションは空港以外でも水道とか、各分野で流行ってるからなぁ。

今回の特徴は、7空港を30年にわたり一括運営すること。新千歳を目玉に、旭川をはじめとする赤字空港への集客増も目指されることになりそうだとか。外資だけじゃなくて、東急とか東武とか域外の鉄道会社も名乗りを上げているけど、これは内需中心の会社にとって、訪日客増の空港ビジネスは貴重な成長分野に映るらしい。

しょっちゅう使う新千歳やセントレア、羽田なんかはそりゃ規模がでかいので、買い物やサービスも充実しているのが当たり前な感じがある。民間の工夫をいろいろ感じるし、空港=メディアとしてこぞって競争している。

でもこないだ旭川空港をインで初めて使った時、古ぼけた感じというか、彩りのない到着ロビーに出迎えられ、めちゃくちゃ残念だった。出発側はよく採光もされていて明るく洒落た雰囲気なのに、同じ空港とは思えない。

旅行者からすれば、まずその地域の印象は、空港の到着ロビーやレンタカー、タクシー、バスなんだろうと思うけど、空間デザインや交通案内のサインとか見ると、確かに「典型的な地方空港」っぽい。

石川県政を担当してた時は、小松空港に県がかなり力を入れているのを見てきた。旭川市ではどうなんだろ。議会の議事録とかいろいろ見てみようかしら。ことし11月に国際線ターミナルビルができるんだから、大きく脱皮してくれるんだろうと期待して。

行きたい公園、行かない公園

浜松でも公園がアツくなりそう。

25日(日)は一仕事してから、待ちに待ったトークイベントへ。会場は、浜松のアート系の拠点になっている鴨江アートセンター。旭川公園グループの松島弘幸さんが、浜松城公園で4年以上、「タタズミcoffee」をされている立場からマイクを握るときた。テーマは「行きたい公園、行かない公園」とちょっと刺激的。

松島さんからは、国内外の公園の好例や制度的なこと、市のお財布事情が厳しくなってきていて公共施設の管理に影響を及ぼしつつあることの説明があった。「公園は誰のものか」、「どんな公園なら行きたいか」を、投げかけながら。

参加者からは、特定の遊びをする遊具を置かず子どもの自主性に任せる「プレーパーク」が広がってるのよ、っていう話題提供あり、田舎には立派な遊具があるだけで子どもは嬉しいもんだよ、っていう視点提供あり。浜松は、まちなかに歩いて座れる場所がないよねっていう問題提起もこれあり。公園管理をしている人、デザインを勉強している人、一利用者。いろんな立場から公園とか公共空間への思いがでてきて、めちゃ楽しい。

あるアーティストからは、こんな至言が。「公園に行った人が何をやっているか、どんな風景があるか。子どもが遊んでいたり、憩っていたり。楽しんでいるのを見て楽しむというのはあると思う。地元の人に愛されるっていうのは、外から見ても楽しい。海外に行った時とか、サンドイッチどこで食べようかと公園に行くけど、観光客目当ての公園ではなくて、みんなで太極拳やってるとか地元の人がいるのがいい」。完全同意。

松島さんの話で「そういえば」って思ったのは、2017年4月に浜松城公園で浜松PPPデザインがやった、防災イベントがお会いするきっかけだったってこと。ということは、旭山公園の原点は浜松なんだなー。そしてタタズミの向かいにあるチェーン店と違って時間をかけてお客さんに向き合っている松島さんのスタイルが、コミュニティーをつくるという点で自分のやりたいことと一緒だという点(おこがましくて、すみません)。

そして自分にとっての「いい公園」っていうのは、世代や障害の有無を超えてみんながたたずみ、遊べる空間なんだ、とあらためて思えた。そんで、ドラえもんに出てくるような、土管が似合う空き地を、より使いやすくして緩やかな繋がりが生まれる公園にするんだな、とイメージがより鮮明になった。来て良かった~

このイベントを企画した指定管理者の担当者は「公共空間を自分のものとしてどう使うか」「どう使うかは皆さん次第」とおっしゃっていた。ほんとそう。公園を公共空間の一つとして考えるのは、縮小時代、パブリックにどう向き合うかにつながる、実はめちゃ大事なはなし。

雑誌とかで公園特集が組まれて公園がアツい感じながら、県外のケースがほとんど。でもこれからは身近なとこから公共空間を考えていく流れがどんどん出てくると楽しいし、行政も市民がもっともっと意識を向ける仕掛けをつくってほしいー。

とりあえず自分は、旭川にちゃちゃっと移住して公園ゲストハウスを丁寧に拓いていくしかない。

「旭川公園」のシンボル遊具の方向性が決定!

8月22日(水)は、泊まった妻の実家(愛知県瀬戸市)を早朝に出て鈍行列車で浜松に戻り、普通に仕事。夜は秘密基地みたいなところで打ち合わせ!わくわく

会場は、浜北区のコインランドリーにほど近い、とある工場(こうば)

おなじみの鈴木裕矢さん、松島弘幸さん、松本憲さんと、オブザーバー(?)に世界で一番洗濯したくなる小屋を置く予定のランドリーをそばで経営してる細田尚弘さん。

旭川訪問の結果を報告。平面の図面では法的に問題なかったこと、細かい注意点、共同スペースの厨房を大きくするかもしれないこと、暖房の検討とか、もろもろ報告して、今後のスケジュールややるべき事を共有。

現地では冬の集客の厳しさについてあらためて指摘を受けたけど、「本州の人が楽しめるコンテンツは絶対ある」という認識で一致。松島さんからは、星野リゾートが青森でやってる宿で、冬の集客が課題になっていて、温泉に氷瀑をつくることでお客を引き寄せたことを教えてもらう。奥入瀬渓流のホテルのはずだけど、その着眼点と実現に向けた努力量がすごいわ。

ゲストハウス「旭川公園」(仮)でも冬は厳しい。でも全国で唯一毎日運転されるラッセル車を撮影しにくる人へのアピールや、近くの比布町のスキー場で合宿する人へのアピール、地域の自主除排雪活動への参加とか、犬ぞりへの送客とか、やってみたいことは雪山のようにある。

憲さんからは、広場部分に置くシンボリックな木製ジャングルジムについて、「なんかしっくりこない」と意見が。周りの建物の世界観と、なんとなく合わない。自分も一緒だったので、じゃあ何がいいか、どんな機能を持たせるのかと、ああでもない、こうでもない、と考える。

左から鈴木さん、松島さん、憲さん、細田さん。鈴木さんはこの写真のブログ掲載許可を請うと、「僕は水虫じゃないってことを書いてくれたら」。水虫ではないです

こっからこのメンバーがすごいのは、「なんで『公園』にしたんだっけ」と原点に立ち帰り、そのイメージを基にすぐ次のアイデアが浮かぶこと。で、アイコン(シンボル)がほどなく決定。憲さんがおもむろに絵を描き始める。遊び方を定めないいろんな遊具や、商品(?)への展開とか、妄想を膨らませてあっという間に2時間がたった。

すごくすっきり。いい公園になりそうだわ。

ライラックと会社の仲間に感謝

初めてかもしれない、旭川2泊旅も、もうおしまい。本州に帰らないといけない。

朝は4時45分くらいに起きてシャワーを浴びて、寝ぼけ眼の子どもの着替えをさせて、チェックアウト→旭川駅にとことこと。

北海道の特急を使うとき、「Sきっぷ」っていう安い往復割引切符があって、旭川⇔札幌なら5000円ちょっと。50%安いんだよね。これ使ってみたかったので、みどりの窓口に行って、同一行程で大人2人使えないかと聞いてみたけど、「ご利用になれません」。近くにチケットショップも見つからなかったので、大人しく正規運賃で新千歳空港までの切符を買って、ホームに。駅は至る所に木が使われていて、ほんと気持ちいいわ。

朝6時発の、特急「ライラック」。昔、青函連絡線の「特急」で使われてた789系。ほんと大好きな車両。これがあるから旭川に住みたい、って言ってもおかしくないくらいだわ。かわいいでしょ、どう見ても。

終点の札幌では停車位置を間違えたとかで10分弱もフリーズして、もともと遅れていたのに重ねての遅延。大丈夫かな、JR北海道。乗り換えた快速エアポートは優先席まで若者で賑わっていて、抱っこで耐え忍ぶ30分に。いつもそうだけど、まあ空港アクセスだからいっか。

新千歳空港駅から出発ゲートまでの移動はほんと楽で、ちゃちゃっとスカイマークで手続きして、お買い物。スカイマークは安心感半端ないし、この日は身障者割引使ったけど、いつもながら心地よい応対。1人2万2000円ちょっとと格安じゃないけど、お金払ってもイヤじゃないのがスカイマーク

9時40分に定刻で出発。さすが! 機内では長女を抱っこしてたけど、半分くらい寝てくれて、ラッキー。お礼メールの文面を作りまくる。定刻11時半にセントレア着。

名古屋で仕事して、会社の大先輩とお茶したり飲んだり、同期が壮行会開いてくれて、満腹な夜。旭川では落ち込むこともあって、これまでで一番どよーんとしてたけど、やっぱり人に会うほど元気がでてくる。感謝。

 

 

声を枯らしてお願いする、旭川の夏

できたてホヤホヤのプレゼン資料を抱えて走った一日

学生時代から、手帳がびっしり埋まることに幸せの絶頂を見いだしていたタイプ。最近は手帳がなくても仕事できちゃうほどにダメダメだったけど、だからこそ今日は嬉しい。2日目は、予定詰め込みのスケジュールなので。

朝8時半に「旭川ふるさと旅行」の喜久野さんがホテルに来られるので、7時からちゃちゃっとご飯。健康を意識した食事らしいけど、どこの食材か分からないし、定番の朝ラーメンも、うーん。駅直結のJR INNのが上だった。

妻子は喜久野さんと一緒に9時アパート見学→手作り醸造店で買い物→東川養護学校で相談&見学→東川でランチ→トウモロコシ収穫体験→保育園見学のコースへ。なかなかにハードスケジュール。

自分は9時15分に旭川市役所に行き、建築指導課→保健所の保健衛生係→保健所の食品検査係→消防本部→永山にある商工会→金融機関→煙突店へと。

何をみてもらうのか。

建築当局では、建築基準法に照らして、まず▼一つの敷地に複数の建物があるけど大丈夫か(従属関係があれば特例的にOK)▼どこまで詳細な審査が必要か、とかをチェック。

保健衛生では、▼旅館業法上の「簡易宿所」(ペンションや下宿もこれ。)に該当するか=一人当たり3.3平方㍍を確保してるか、離れの共同スペースにあるトイレは使いやすいか、ちゃんとフロントを経由しているか、などを。

食品検査では食品衛生法の観点から、▼何を作ってお客さんに提供するのか、▼お菓子を販売したりしないか、衛生基準を満たした設備にするかなど。

消防では▼火災報知機や誘導灯はどうするか―とか。

これまでも相談はしてきたけど、図面ができたことであらためてチェック。大枠としては問題なさそうで、共同スペースの厨房の大きさやシンクの数とかは、微調整で済みそうな気配かな。

ここで引っかかったら計画が大きく崩れかねないので、かなり緊張がほぐれた。一通り終わると、急いでレンタカーを駆って、永山の「あさひかわ商工会」へ。

はじめましてから、計画の概要、支援してほしいことをマシンガントークで説明してしまった。無理に時間を取っていただいて恐縮だったけど、熱量は伝わったかな。ほぼ徹で資料作った甲斐があったーーー

商工会を出ると、現地でお世話になっている税理士の先生から電話。金融機関を紹介してくれるというので、急きょ調整に入り、民間の金融機関のアポが終わってかた、場を設けていただくことになった。すごいタイミング!

午後2時にまず民間の金融機関に行って、計画が当初より大きく変わったので一通り説明。途中から声がガラガラになってっしまった。終わると、初めてお会いした方から「夏はこのコンテンツでもいいと思うけど、冬は本当に人が出ない。稼働率40%は厳しいのでは」「電気や薪とか固定費の算出が甘い。もっと精査を」「このままでは厳しい。収支が取れるのかなと思う」と指摘が。

当初から事業費が倍近くになっているから見方が厳しくなったのか、まだ数字に現実感が足りないからか、あるいはその両方か。とにかく、今までで一番、ガツン!とやられて、フラフラ~っとなった。そりゃ甘くないとは頭では分かってるけど。ただ人に支援を求める以上は、伝わる、理解してもらう努力ができなきゃ話にならん。逆に、なにがなんでも80%くらいまで持っていったろ!と気持ちを奮わせたのであります。

10分後には、すぐそばの別の金融機関へ。大御所の税理士の先生を伴っての突然のアポ。こちらも変に緊張しちゃったけど、こんな大きい後ろ盾はない。協調融資の可能性、住宅部分の融資の扱いとか、いろんなやり方を検討していくことでまとまった。いい雰囲気で、前向きな1時間になった。感謝。

急いでホテルに戻って妻子を拾い、まちなかから15分くらいの「煙突の横山」へ。薪やペレットのストーブの販売、メンテナンス、煙突の設計・施工をやってみえる。川上の森のことを考えていらっしゃるし、煙突こそが大事だと信念を持ってる。図面をもとに相談し、住宅は日常の負担を考えてペレットに、お客さんの来る共同スペースは薪ストーブでいこう、という方向性が固まった。社長の言葉が心に刺さった。「思いだけではうまくいかない。毎日の実際の生活で、誰がどうやってやるのかとかまで考えないと続かない」。不便なことも楽しめるか、すぐに暖まらなくても大丈夫か、薪管理方法は・・・。考えること多いわ、ほんと。

夜7時すぎ、ドタバタと煙突屋さんを出て旭川駅前のレンタカー事務所に返し、居酒屋探しの旅に。カキで有名な道東の厚岸の「漁業部」なる番屋っぽい雰囲気の店に入った。ちょっと期待値を下回り、途中で意識を失いそうにもなり、子どもたちも撃沈したので、そそくさと退散。

厚岸の生カキ!

ホテルの部屋に入れば、もう、全員がベッドに倒れ込んだ。十分すぎるくらい動き回った。何かいいことがあったわけじゃないし、けっこう気落もしたけど、すべて必要なプロセスを踏んだな、っていう変な充実感があった。

 

欠航にめげず1カ月ぶりの旭川へ

8月19日(日)は、昨夜のありがたい宴の〝余韻〟を残しながら7時前に起床。11時45分セントレア発のジェットスター便に乗る。8時半には家を出なきゃいけない。

一通り準備が終わり、充電されたスマホを見て、便の情報をあらためてチェックする。メールを遡ってるとこの日の未明、0時34分に「欠航のお知らせ」がジェットスターから入っていたことに気付いた。居酒屋で気持ち良くなっていたころ全然分からんかったわ。メール一つで終わりなのね。なんだかなー

欠航なんて、初めてでして。若干パニックになってジェットスターに電話するも、9時からの受け付け、と。提携会社に振り替えできるかもみたいなこと書いてあるのでそれを調べないといけないけど、分からないし、羽田に向かった方が選択肢は多いけど、取りあえずセントレアへ。

道中は妻の茜に9時ジャスト以降、電話をかけてもらっても50分にわたってつながらず。そうしているうちに、朝の時点で空きがあったエア・アジア便(1.6万円)やANA便(3.2万円)は満席になっちゃってた。

セントレアの駐車場から一人、カウンターに走る。各社検討して、ANAの旭川直行便をセレクト。当初のジェットスター(0,7万円)の7倍もの正規運賃4.8万円でを確保した。LCCとは何ぞやを知る授業料となったのです。

でもちょっと嬉しかったのは、予約してたレンタカー会社(いつも千歳で使う「カーレンタル北海道」)に電話したら、「欠航なのでチャージはかかりません。またどうぞよろしくお願いします」と。格安会社だけど、いつもながら気持ちのいい対応。ちょっと、ファンになりそうよ!

13時発のANA便は目視で搭乗率60%いかないくらいかしら。これはちょっと寂しい。まだ夏休みシーズンなのに。新千歳と比べてもあれだけど、国が主導する道内の空港改革でてこ入れしてもらわんと。

さあ1カ月ぶりの北海道!!

旭川空港のデッキにあった車いす。かわいい

定刻通り着いた旭川空港は、まわりに何もないので雰囲気はちょっと寂しい。小さくて時間のロスはないし、ゲストハウス予定地まで20分くらいと便利だけど、なんだか。

到着ゲート近くでレンタカーを申し込む。好きではないけど、緑色の世界的なメーカー系のところで、24時間3時間半借りて、小型車で2万円弱。。。カーレンタル北海道だったら2泊3日フルで8人乗りワゴン借りて、1.5万円だったけど。うーん、なんだか。

営業所に行ったら、女性の従業員さん、空港カウンターの方と違ってなんか目を合わさないし、能面みたいな対応でちょっとびっくり。完全な事務作業なんだな。人数がいてカウンターも立派なのに、独立店舗もない「カーレンタル北海道」に完敗してる。旭川や富良野エリアの玄関口なのに、これ大丈夫なのかしら?

昨夜の宴会の〝余韻〟が残るなか、どんよりした天気も相まってテンションが上がらないけれども、とにかくゲストハウス予定地に向けて出発。 途中、セブン―イレブンで完成予定図のデータを13枚プリントアウトした。

現地に着いて、ご近所さんにご挨拶周り。今回初めての方を含めて、8軒のもとへ。完成イメージを見せながら説明して、「民泊みたいなことするの?」とちょっと驚いた表情を見せる方もいたけど、「にぎやかになるね」「いいね」「頑張ってね」とおおむね感触は良好。小さなお子さんがいるご家庭もあり、子どもを交えて盛り上がることも。

ゲストハウス予定地で走り回る、次男と長女
稚内からの特急「宗谷」が通過。急いで撮るも間に合わず、おしりの顔の一部だけ写った

町内会長の奥さんに、近くでお祭やってるよと聞いて、当然のようにお邪魔することに。たぶんわが家だけよそ者だけど、気にせずヨーヨーを作ってもらって、焼き鳥10本を注文。サーバーから注がれる200円のビールを飲みたいけど、ぐっと我慢。まだ昨夜の〝余韻〟もあるし。町内会長さんたちにもご挨拶できてよかったー。皆さんに「よろしくね」と迎えられて、一気にアガる。

それほど長居はできずに、この永山地区の中心部近くに移動して、「旭川ふるさと旅行」の喜久野さんのもとへ。わが家が移住に向けた検討をしているということで、次の日からいろいろアテンドしてもらうため、レクチャーを。

終了後はホテルに向かいがてら、ラーメン村で晩ご飯。次男・陽己(はるき)は眠たくて泣きながら「焼きそばが良い」と叫んだけど、気にせず暖簾をくぐる。

初めて入った「さいじょう(Saijo)」。塩にこだわりがあるらしいけど、自分はソウルフードのホルモンを旭川醤油で煮込んだ「旭川しょうゆホルメン」を注文。食べ応え抜群で、うまいホルモンをラーメンでいただいてる、って感じやね。個性的でおもしろい味だけど、自分はオーソドックスなのが好みなんで、ヘビーユースにはならないかなー。

旭川しょうゆホルメン。夏にぴったり

今夜のお宿「プレミアホテル キャビン」へ急いで、10分でドタバタと子どもを温泉に入れ、寝かせる。そうこうしてるうちに、打ち合わせの時間。建築家の松本憲さんから図面や見積書をメッセンジャーで受け取って、鈴木裕矢さん、憲さんの奥さんを交えてテレビ会議をするべくロビーへ。なんとか20日(月)にうまくいきそう!!

これをもとにプレゼン資料を作ってコンビニで印刷し、気付けば29時に。そして印刷代は3000円近くに。しまいには、両替を何度も頼んだお兄さんに「もう小銭ないので最後にして」と言われちゃった。長い一日だったわ。

やっぱり熱海に「奇跡」があった

5日近くブログ更新が滞ってしまい自己嫌悪。ちゃんと習慣をつけないかんのでプレッシャーかけるのは大事だけど、苦痛になってはいけないので、めげずにいこう。うん。

8月18日(土)は掛川駅前の軽トラ市に行って「麹のミルク割り」を買って、近くの製茶会社がやってる「きみくら」で翌日からの旭川行きのお土産を購入。きみくらはしょっちゅう行って新鮮さがないので、ほぼ隣にある「ラーメンショップ」に初チャレンジ。「塩コリコリのり」みたいな一風変わったのを頼んだけど、岩のりが入っていたのは確認できたものの、なにがコリコリなのか分からずじまい。商品説明を見ても書いてなかったので、消化不良感。味は、、、うん。

掛川をお暇して、いつもは浜松方面に帰るところだけど、今日はやる気を出して熱海に向かった。150キロくらいあるんだよね。でもいかなきゃならぬ理由がこれあり。

ちょうどこの前の日、毎日新聞にこんな記事が出ていて。

公園ゲストハウスをつくる人間としては、見ないわけにはいかないと。18日までの3日間限定だし、ちょっとでも早く「熱海の奇跡」を見てみたかったし。

ひたすら東名高速を走って、沼津インターから下道を走りまくり、けっこうな峠を越えて、熱海の温泉街たどり着いた。

まず人の多さにびっくり。「昔はよかったけど、いまは寂れすぎて・・・」というのがかつての熱海イメージだったけど、老若男女、とくに若い人が商店街をゾロゾロ歩いてる! 歩道が狭いし、よけいに活気を感じさせる。お店がいっぱいあって、色彩がほんとうに豊かな感じで。あー、いいスパイラルが、なんかおもしろそうなことをやるぞ!っていう空気が流れてるんだなー。あー、昔の温泉街ってこんな風に賑わっていたのかなーと想像してしまった。

今や有名になった「熱海プリン」は外までレジ待ちのお客さんがいるし、干物屋さんもなんだか楽しげで、ふらりと入りたくなる。そしてその向かいには、

ゲストハウスMARUYA

商店街に溶け込んでいるMARUYA!
ビール片手に魚の干物食べたい!

いまや全国的な有名ゲストハウスだけど、めっちゃまちに開かれている。干物とビールを売っていて、なんかすごい羨ましい空気感。日本じゃないみたいな、いい時間が流れてた。飲めるスタンドもある。泊まれなくても楽しめるけど、「泊まると熱海がくせになる」のキャッチコピー通りだわ。

毎日新聞の記事に出てた公園は、MARUYAさんのお隣だった。向かいのお店で売っているアイスが食べられる「モバイルキヨスク」、ベンチ、子ども用のトンネル。歩く人がたくさんいるので、こういう空間って貴重だわ。

ほっこりして写真撮ったりしてると、この公園で、「熱海の奇跡」の著者で熱海再生の仕掛け人、市来広一郎さんを発見! 生で拝見できるなんて、なんと運命的な!と勝手に思い込み、「市来さんですか?」と声かけを決行。気さくにお話ししてくだり、旭川でゲストハウスをつくることもお伝えしてしまった。

熱海には15分しかいられなかったけど、ほんと来てよかったー。どうしようか悩んだら行動あるのみ。

夜は三重県から会社の先輩・後輩が浜松に駆けつけてくれ、たのしい宴。いまは立場も勤務地もいろいろ、考えもいろいろだけど、かつて同じグループでけっこうなエネルギーを注いで取材をしていた間柄。こうしてまた集まってもらえるのって不思議な感じがするけど、とにかく落ち着く。一緒に乗り越えてきたことを思い出して、パワーがでた。今の会社にいたからこそ今の価値観ができたわけで、皆さんとのご縁に感謝するほかない。

別れ際。「がんばって」と握手を交わした、その力の強さを忘れないでいよう。