楽しくないけど、すごい。それが東海道新幹線

ここんとこ、東海道新幹線がすごいことになっているらしい。

2018年3月、浜松駅にて。あした8月11日からは、帰省ラッシュで別の意味ですごいことになってるんだろなー

8月10日付の日経新聞・地域経済面(静岡)によると、10日に東海道新幹線の運転本数が過去最多を更新する。

運転本数は年を追うごとに増えていて、例年、お盆の時期に記録を塗り替えているそうな。知らなかったー

JR東海は、国鉄からドル箱を引き継いだ経緯とか、在来線(ローカル)軽視との批判から、やっかみをよく言われる。社員さんにその話をすると、真剣に反論されたりするけど、やっぱり画一的で多様性がないし、ビジネスライクでワクワクしないし、新幹線ありきで在来との格差がひどい・・・。会社ごとに顧客層が違うのは当然ながら、鉄道好きの端くれとしては、JR各社の中で、東海は申し訳ないけど断トツにおもしろくない。

でも、すごい。間違いなくすごい。

(ちょっと提灯っぽい)この記事をなぞるようで恐縮ながら、現状これだけ過密なダイヤを設定しながら、本数を増やしていくなんて人間業と思えない。

記事ではグループ会社がセンサー付きほうきを開発して清掃時間を短縮し、余裕をつくるための新大阪駅を工事し、新しい「N700A」を投入したなどと紹介されてる。ゲストハウス経営(予定)者からは想像もつかないほどの、天文学的な額の投資をして、日本で随一の需要を日夜支えている。

事故なく、トラブルなく、遅延なくの毎日を重ねる。夜の間に必死の保守点検作業をこなす。そしてわずかなカイゼンの余地を見つけて、すぐ実行する。国鉄から国内最大の遺産を引き継いだ幸運があったとしても、この企業努力はすさまじいと思う。必要ないと思ってるけど、リニアもつくってる!

こんなこと、JR北海道にできるかしら・・・。この違いは何?環境がマインドをつくるのか、マインドが環境を引き寄せるのか分からないけど、JR東海の経営の結果が世界に誇るべきものだというのは間違いないでしょう。

お客さんからは見えないところで、地味な当たり前のことを続ける。しかも工夫を重ねて、何十年も。これってめちゃくちゃすごいこと。有り体に言えば、変革・挑戦の積み重ねが伝統・安定につながってる、ということかしら。

JR北に400億! 〝駅活〟はじめたい

国交省がJR北海道に400億円の経営支援をすると決めた。27日、石井大臣が表明。このブログでもこの間、国が支援策を夏に決めると書いたばっかりだったので、発表がけっこう早かったなーと驚き。

毎日新聞やら朝日新聞やら一斉に速報してた。あしたの北海道新聞が楽しみ!

7月28日付、朝日新聞の経済面

金額としては地元の求めていた規模より小さいけど、「監督命令」なるものが目を引く。経営をしっかり監視していくらしい。菅官房長官も「目に見える経営改善」を求めたらしいから、国民全体の目が北海道に注がれることになる。

鉄道に乗って残しましょう、なんていう活動はもう随分前からあるけど、クルマに頼り切った生活をいきなり変えるなんて無理。

だから〝駅活〟から始めたい。遠い昔はどこでも、今でも都市部では、駅は地域の中心だった。核だった。心臓だった。移動のためだけじゃない、代えがたいパブリックスペースだった。

それがどんどん鉄道からクルマに人が流れ、駅前が寂しいのはローカル線共通の見慣れた景色になった。こうなるともう悪循環しかない。

そんな中でも、駅を利用した取り組みはじわじわ広がっている。JR九州の豪華クルーズトレイン「ななつ星」とか新幹線「つばめ」をデザインした水戸岡鋭治さんは、地域を豊かに、よくするために、駅のリ・デザインから始めた

 

ゲストハウスの予定地の最寄り駅から2駅で、スキー場やピップエレキバンで有名な「比布駅」は駅舎をカフェにして賑わいを見せている。

幻に終わったけど、旭川を目指す前に検討していた、沼田町というところでは、未使用のホームで〝駅活〟できないかと模索していた。駅っていう公共空間をもっと豊かに、使いやすく、子どもに誇れるものにしたい。

恥ずかしい。。。

ゲストハウスは、旭川駅から14分の永山駅が最寄り。駅の周辺はまとまった空間あるけど寂しいからマルシェとかできそうだし、「旭川公園」(予定地)に、鉄道に乗ってでも来たくなるような魅力をつくろうと思う。もう一つの最寄り駅の北永山駅は、旭川農業高校の生徒さんが通学で使う。ただの殺風景なプレハブ待合室があるだけなので、ちょっと時間をかけて愛着のある施設にリノベーションできたら楽しいじゃん!!

〝駅活〟はじめたい。

 

九州のレール・レディの魅力

毎日毎日、旭川のことばっかり考えてると、たまに沖縄とか九州のことが頭に浮かぶ。あっちに移住してたらどんなことしてたかな〜と。まだ移住してないのに。特にJR九州とかデザイナーの水戸岡鋭治さんには影響を受けたので、九州の動きはすごく気になっちゃう。

引っ越しに向けて荷物を減らしていかないといけないので、むだにたくさんある本を整理し始めてる。ダンボールの中から、懐かしい本が発掘された。

せっかくなので久々に読んでみる。

奥村美幸さんが実際の乗務体験をもとに仕事の素晴らしさを綴っている、優しい本です。あったかくなる。

しかも、めっちゃ大事なことをおっしゃっている。

「私たち社員の一瞬の笑顔でさえも、お客さまにとってはかけがえのないものになるのですね。私たちの一人ひとりのサービスによって、お客さまがJR九州全体のイメージをつくってしまう。それが会社のブランドそのものかもしれません」

サービス業としては当たり前のことかもしれないけど、やっぱりこういう事を意識してやれてる人って、多数派じゃないんじゃないかって思う。特に旅先では、車掌さんや駅員さんの対応、タクシー運転手さんの言動、ホテルのフロントさんの態度、そのどれか一つであっても、旅全体や地域の印象を左右してしまう。すごくシビアな仕事だと思う。

今まで九州で列車旅を何度もしたけど、九州全体のイメージは「楽しい」「元気」「おもてなし」「おしゃれ」とか、そんな感じ。九州新幹線から始まっていろんな観光列車で、地元の人たちが手を振るのが有名になり、今では全国でやられているけど、九州のこの一体感、心地よさはなかなか真似できないレベルだといつも思う。

奥村さんはこうも言う。

「私たちの会社も客室乗務員も、列車でのさまざまなサービスや出会いも、すべては九州という土壌が育んできたのだなということに気づかされました」

!!   なかなかここまでたどり着けないよね〜、と。こんな自然で気持ちいい郷土愛ってなかなかない! こういうのって、絶対にお客さんに伝わると思うんです。

勉強のために九州の外へ出向いた時のエピソードも面白い。

「水戸岡さんのデザインに慣れているせいでしょうか、そういえばそのとき、列車のデザインを『なんだか普通だな』と感じました。実は列車のデザインだけでなく、客室乗務員さんのサービスにも特に工夫が感じられず、『私たちのサービス、自信持っていいよね』と、みんなで話したのでした」

一歩間違えたら単なる自己陶酔、マスターベーションみたいになるけど、これはすごいよく分かる。デザインだから好みは分かれるけど、特急列車に乗ってドキドキするのは北海道くらいだし、普通列車でいえば、静岡ローカルは苦痛。人気の北陸新幹線や東北新幹線だって、九州新幹線ほどの「心が豊かになる感覚」を味わうことは自分にはできない。

ちなみに九州新幹線の800系のイスは、プライウッドという薄い板を11枚重ねたもので、窓のブラインドや手すりは、人吉市の山に生えているヤマザクラを活用。洗面室の縄のれんは、八代のイグサ。座席クッションは京都の西陣織・・・だそうです。人吉のヤマザクラっていうのは知らなかった。

岡崎さんにとって水戸岡さんは「雲の上にいる」ような存在らしい。自分にとっては、「公共空間を豊かにすることが子どもを育む」と教えてくださった存在で、やはり雲の上の方。10年ちょっとの記者人生の中でもとびきり得がたいインタビューをさせてもらえた。これもJR九州と新聞社のおかげ。すべてがつながってる。感謝。

 

北の鉄路の終着駅は

ゲストハウス予定地の近く、北永山駅にて。photo:松本茜

2016年11月18日、JR北海道のプレスリリース(報道発表)が全国的なニュースになった。社として単独で維持できない路線が、今あるうちの半分以上にあたる、という衝撃的な内容。どっかのシンクタンクの、ひどい冗談かと。

これを受けて各地の自治体が慌ただしく動いたけど、JRとしては廃止→バス転換、といった明確な方向性を示しているところもあり、また話し合いの場の設置もままならない地域もあったりで、情勢の厳しさは時間がたっても変わらなかった(少なくとも外から見ている限り)。

で、最近になって、5路線5区間については廃止して、道庁や国も容認する、という報道がでてきた。「やはり」というのが正直なところだけど、もっとやり方はないものか・・・と残念な気持ちになってしまった。

特に5路線の一つの留萌本線には思い入れがあった。沿線の沼田町という所に移住して、石狩沼田駅の使われていないホーム上にゲストハウスをつくろうと考えていた時期があったので。2月くらいのことで、もう半年前か~。

沼田町やJR北海道(本社)に説明した資料。今見たら恥ずかしい限りだけど、勢いはあった(笑)

この時は、思い付いてすぐ町役場にいってプレゼンしたもんだ。ローカル鉄道の再生話とか、駅の価値とか、いろんな文献を読んだ。でも既に留萌線の廃止は免れないだろうと思っていたし、沿線自治体の動きも鈍くて、「こりゃやばい」と感じた。

あの時、留萌本線や沼田にこだわり続けていたら、いまの永山での計画もなかったので、なんとも言えない複雑な気分。

翻ってわれらが宗谷本線。旭川―名寄は、道庁・沿線自治体とJR北海道が半分ずつ出資した「北海道高速鉄道開発」がかんでいるので、まず、近い将来に廃線ってことはないと思う。ただ利用客が少なくて厳しいのは変わりなくて、沿線自治体が「宗谷本線活性化推進協議会」を立ち上げている。極端に利用が少ない駅や踏切を廃止する議論をしている

国は今夏にも支援策の大枠を示す見通し。国鉄の分割民営化を進めたのは国だし、道路ばかりに手当てしてきたのは国なので、大きな責任があるのは当然。宗谷本線がまさにそうだけど、国土維持のために鉄道インフラを捉え直す必要もある。

自治体も、「道路、道路」と要望して、鉄道網とかぶせるように高規格道路を整備し、利用客が絶望的なくらいに減ってきてから「廃止するな!」「お年寄りと子どもはどうしてくれるんだ!」と文句を言うのは虫がよすぎる。

JRだけでどうにかできる次元ではもちろんないし、じゃあ普通の道民がどこまで関心あるのかといえば心もとない。北海道の鉄道全体の将来を見つめてデザインできる人がいないものかしら、って思う。外から知見を借りるのもいいのでは。

自分としては、高校生がたくさん使っている、ゲストハウス近くの北永山駅でおもしろいことをたくらんでます。

photo:松本茜
photo:松本茜

夢とコンテナハウスは、貨物列車に載せて。

静岡のヒトヤ堂さんをお暇した後は、JRの各駅停車に乗って八王子へ向かう。熱海、小田原、町田、八王子と4回乗り換えて、高尾駅に4時間かけてたどり着いた。

タクシーを覚悟したけど運よくバスが目的地の近くまで通ってたので、駅前のおいしくないとろろそば(850円)をすすり、西東京バスに乗り込んだ。

目的地は、コンテナハウスを扱う「IRON HOUSE TETSUYA」さん。モデルハウスをここ八王子に置いていて、何ヶ月も前に一度お邪魔して、連絡を取り合ってた。今日は、打ち合わせらしい初の打ち合わせ。

モデルハウス。自分はかわいい系にします

コンテナといっても、中古の海上輸送コンテナを使うのではなく、新造の建築用コンテナを使う。前者は信じられないくらい安くできるけど、業者によっては「あれは建築確認申請がとれないからダメだ」というところもある。(もちろん、扱っているところは反論していて、いろんな見解がある。自治体によってもまちまちで、グレーなところも・・・) ただ、住宅を業務にも使うので法的なクリアや耐久性、信頼性を考えて、知識が豊富でおもしろいことが大好きな、この会社にお願いしようかと思っているところでして。

ここのバイク好き社長さんがものすごいアイデアマンで、北海道の気候、建築条件、業界の事情ととにかく、めちゃくちゃ詳しい。経営にも明るい。コンテナは船で運ぶ方が高いから、貨物列車で青函トンネルをくぐろう、と言ってくれて「それ、めっちゃ面白いですね」と思わず声が大きくなった。

当初は「小さな家」としてちっさいコンテナハウスで1100万円くらいで収めたいなーと考えていたけど、狭すぎると動線がきつくなるし、ゲストの受け付けやワークショップ機能、保健所の許可がおりるキッチンとか、もろもろ見直すと、写真のような家にしようと思い至るようになった。

コンテナの数を増やしすぎるとコストが嵩むので、コンテナ間を構造材でつなぎ合わせる工法でどうかと目論んでた。でも二階建てにするといろんな問題があり、断熱性もその部分は失われるということで、結果的に安上がりにならないとサジェスチョンを受けた。2000万円どころではなくなる可能性が出てきた。もう卒倒しそうだったわ。

とぼとぼと帰り道、あれやこれや考えた。住宅プランは考え直さないといけないのはもちろん、初期投資の全体額をどう管理するか、収支計画にどう反映させるか、ちゃんと返済できるのか・・・。頭の中がグルグルして、久々にネガティブに。酷暑と、JR横浜線の20分遅延、大混雑、新幹線乗り遅れも重なって、こだま車内では放心状態に。現実は思い通りにいかないよなーと当たり前のことを噛みしめる。

帰宅すると2日ぶりの家族がいて、頭は平常モードに緩んだ。ご飯を食べて妻と相談しながら、うーんうーんとプランを考えなおす。そこで出てきたのがこのアイデア。これなら1500万円くらいでできそう。

とりあえず、ゲスト用の小屋(タイニーハウス)を含めた公園全体のランドスケープが出てきてから、具体的な相談や基本設計に入るけど、1500万円以内におさえて、将来に利益をもたらすところへ重点投資したい。

自分の家が青函トンネルをくぐっていくところを追跡して動画に収めたい! 旭川・永山地区のゲストハウス予定地近くには、貨物ターミナルや流通団地があって、インダストリーな雰囲気がいいなとは思ってたけど、まさか自分のコンテナハウスのために活躍することになるとは。楽しみー

地球は怒ってる。なので新しい暮らしを考える

たまには観念的なことも。

今回の西日本の「記録的豪雨」の被害のすさまじさと言ったらない。テレビの映像や新聞の写真グラフを見るのがつらくなってくる。

ちょっと前まで、「局所的なゲリラ豪雨に注意」とか叫ばれてたけど、今回みたいな超広域で特別警報が出て、100人以上の命を奪う雨って、いったいなんなんだ。こんなことあっていいのか。ついこの間、北海道で大雨が降って全国ニュースになり、心配していたのが嘘のようなひどさ。

7月8日付の産経新聞の一面コラム、「産経抄」に、膝を打つ指摘があった。

「平成最後の夏を迎え、『異常気象』と呼ばれたものが日常となりつつある。防災も減災も、地球の異変に鈍感では成り立たないと、増え続ける犠牲者の数が教えている」

ほんとその通り。ずっとそう思ってた。地球がおかしくなっている。「このままではまずいだろ」って、地球が怒っているような気がする。

たぶん小学生か中学生のころから、地球温暖化と異常気象については学校で習ってきたし、気候変動が一躍世界的なテーマになって、広く知られるようになった。省エネから始まって、低炭素社会をつくろう、持続可能な開発をめざそうと、いろんなフェーズで叫ばれてきた。

でもどうやら、人間のここ数年、数十年の努力と変化は、地球の怒りと病気を癒やすには至っていない。スピードが追いついてない。科学的な知識はないけど、そう考えないと「異常気象の脱・異常化」は説明つかない気がする。

といってもすぐクルマを手放すことはできないし(一台は別の理由でお別れしたけど)、化石燃料をゼロにして文明を拒絶するなんてできない。ちょっとずつ、できる範囲で暮らしを変えることしかできない。だから同じ北海道でも、周囲に何もない、まちと隔絶された原野に移るのは難しかった。

移住を考えだしたときに、今までとは違う暮らし方ってどんなんやろーと、けっこう考えた。そこで目指したいと思ったのは、「できるだけ自分で作りだす、小さな暮らし」。助け合うのは大事だけど、無理のある既存のグリッド(網)に依存しすぎない。食べ物、建物、水、木、エネルギー。できるだけ近いところで、自分や近い人の手で賄える暮らし。

福島の原発事故を目の当たりにした日本人は、なんとなく、この大切さに気づくチャンスも多かったし、ある程度、実践する人も増えてきた。

「サステナブル」(持続可能)、「地産地消」、突き詰めて大げさに言えば「パーマカルチャー」(豪州発祥で、、永続可能な農業をベースにした文化、デザイン)・・・。言い方はいろいろだろうけど、かっこよくしたいわけじゃない。具体的に、ゲストハウスを予定する旭川・永山地区でやりたいことはいくつかある。

★近くの里山から木を切り出す。薪をエネルギー源にして暖房をとり、無垢材や端材で家具や遊具をつくる。

★太陽光で小規模発電、太陽熱で給湯

★屯田兵の時代から続くやり方でつくられた味噌や醤油、こうじ、漬物の素を日々いただく。

★井戸を掘って、遠望できる大雪山の伏流水の恵みをいただく(飲用できればいいけど・・・)

★ご近所さんと同じように、〝公園〟の敷地内にミニガーデンをつくって、食べたい野菜をちょっとだけつくる。そんで、ご近所さんと「おすそわけ」する。

★近くのJA直売所や、元気な農園さんで、永山の作り手の顔が見えるコメ、野菜をいただく

★大雪山の伏流水を汲める「男山」の日本酒を毎日飲む

「わがままじいじぃ」でおやつを食べる

★自転車でいける生活圏を確立する

★建物は断熱性を突き詰め、余計な冷暖房を避ける

★繁華街に飲みに行く時は鉄道で(旭川←永山駅は14分)

どこまで実現できるか。できれば全部やりたい。お金はどうしてもかかるけど、本当の問題はそこじゃないし。こういう暮らしが実現できたら、それもローカル資源になる。

 

 

三週連続の旭川へ⑥ とまらないポップコーン

北海道は夜の7時を過ぎてもまだまだ明るいけど、6時には旭川を出なきゃ。5時前後に行けるところといえば・・・。

わがままじぃじぃでしょう。

味のあるフォント

ゲストハウスの今の予定地にたどり着く前に調べていた、JR宗谷本線の北永山駅。そこからすぐの交差点に面していて、ご自宅の敷地内に畑とプレハブの店舗を構えている。同じ永山地区でも、デザインセンターとか旭川木工センターとは別世界のような雰囲気がまたいい!

安心でおいしい素材にこだわった〝3時のおやつ〟がそろう。人気はおやき(あん、クリーム)、濃厚なソフトクリーム、農薬を使わず育てたトウモロコシでつくるポップコーン。

お店に来るのは4回目になるかなー。おいしいのはもちろん、近所の駄菓子屋さんのような存在感が好き。

しかも、ご主人は全くワガママじゃなく超絶フレンドリー。小学生の見守り活動している紳士がおやきを焼いてる感じ。「わがまま」=「こだわり」、って解釈なんだろなー。

今回の旅でお供をしてくれている長女が好きなのは断然ポップコーン。ご主人にはお孫さんがいらっしゃり、「子どもさんも安心して食べれます!」と太鼓判を押す逸品。変な味付けはお断り。長女も最初はソフトクリームをペロペロしてたのに、詰め放題のポップコーンが目に入った瞬間「ポップコーン、食べるの」と言い出した。一度食べ始めると、まさにエンドレス。

わがままじぃじぃのポップコーンは止まらない

敷地内に自作の五右衛門風呂があるのもワクワクする。今は稼働してないけど、ちゃんと自分で動かせれば入れてもらえるチャンスがでてくるんで、実は前々から夢見ている。晴れた日は、ここから線路を望む絵が絶景で。すごすぎる。

井戸水を使えるようになっている。この辺では浅く掘っただけで大雪山の伏流水が取れるといい、ここでは6m掘ったら出てきたらしい。ゲストハウスでも井戸は作る予定。

庭にはいろんな野菜や色とりどりの花が植えられていて、お客さんが眺めていったりしてる。プレハブの中でテレビ見ながら世間話したり、庭の周りをうろちょろしたり。こんなローカル感のあるお店って、なかなかない。ローカルを求めている旅行者は楽しんでくれるはず!!

一番上の写真と反対側(旭川市中心部寄り)にあるお庭

移住してゲストハウスやることも「じぃじぃ」に報告。またあらためて、しっかり取材させてもらお。

インターに向かう前に、ちょっとだけ予定地を見ることに。近所の方にご挨拶がてら、線路や周辺でパシャパシャ。

ラッピングされたキハ40「北海道の恵み」シリーズ。「道北 流氷の恵み」に幸運にも遭遇したので、流し撮り!

やっぱりいいなぁ。落ち着く。今週くらいに、地権者さんから良い返事が来たらいいなぁ・・・。 なんて考えながらレンタカーに戻ったら、娘はポップコーンの袋を抱えながら沈没。

新千歳空港で意識がはっきり戻ったら、すぐにポップコーンを要求。いつもは寝てる時間だけど、ポップコーンが欲しいあまりに活動的になる。そのまま袋を持って保安検査場を通過し、ゲート前でもひたすら食べておりました。

新千歳空港でスカイマーク最終便を待つ。ポップコーン、止まらない

自宅には25時半に到着。娘よ、申し訳ない(ずっと寝てたけど)                          (おわり)

人とつながる旭川一泊の旅④ 公園と図書館で準備体操

客室からの眺め。かわいい

次男は朝6時に起きてきたので、4時間しか寝れなかった。。。そのまま大浴場に入って朝食を食べることに。

お風呂はきれいで、お湯は温泉みたいな風情はないにしても、すっきりしてて◎。

朝ごはんは、イオンの4階の一部を間借りした感じのレストランで、地物にこだわったビュッフェ。ゲストハウス予定地でもある、旭川市永山地区のお米(ななつぼし)をはじめ、一通り地元産を網羅した感じで、予想以上だった。

一番気に入ったのは旭川ラーメンで、朝からスープまで飲み干してしまった。お椀に入れていただくので、そんなに罪悪感はなく。具はチャーシューとメンマ、ネギ。必要にして十分。周りを見回したら、ラーメン率がけっこう高くてびっくり。中華系の訪日客の皆さんのお盆を覗いたけど、和の人もいるし洋の人もいるし。いろいろ。そりゃそうか。

ホテルは全体的に、スタイリッシュな印象にまとまっているけど、木目調の壁紙がめくれて木じゃないことがモロ見えだったり、中途半端にモダンなアイテム(電話とか机とかイス)が多いのが残念。イオンっぽい軽さのある、どこでもあるホテル。木製のティッシュケースは、なぜか越前漆器だったし。なんでJR北海道のホテルで。。。?

でもフロントそばにあるラウンジや図書コーナーは良かった。本はJRだけあって鉄道関連や旅、スポーツ、酒といろいろで、ちょっと古めかしたハードカバーが揃っているのがそそられる。館内至る所にあるサインも併せて参考にしよう。

部屋に置いてあった利用の手引き。参考にしよう

ただ部屋に戻ってもテンションは高まらず、「きょう調べて、土地所有者が不明のままだったらどうしよう」という不安が先に立ってしまう。とはいっても部屋にいても仕方ないので、8時半前にはチェックアウト。中央図書館に向かう。

図書館は9時半からなので、旭川のセントラルパークたる「常盤公園」を散策。この公園の中に、図書館や公会堂、道立美術館が備わっている。上川神社も。

池の周りを歩いていると、カワウソみたいな動物がひょっこり水中から現れて、次男の好奇心を刺激してくれる。小径は気分が良く、市民が思い思いに時間を過ごしているのがいい。空気もいっそう美味しい。次男は久々に解き放たれて楽しそうで、だんだんとこちらもやる気がわいてきた。

その土地の空気を吸って、その土地にいる気分になってくる。ほんとに朝は大事だなあと思う。地元の人の生活感も分かるしね。公園は最適なメディアである。

突然、歌と踊りが始まった。旭川がきっと肌に合うんだろう

図書館では、第1候補地の登記事項証明書に書いてある所有者の住所と、候補地周辺のゼンリン住宅地図を閲覧して、親切で気持ちいい職員さんにコピーしてもらう。念のため電話帳(緑色、個人版)もチェックする。絵本コーナーには感謝してもしきれないわ、ほんと。助かった。

さあこれで道具はそろった。現地取材に向かおう! ここで決めなきゃもう勇気ある撤退も視野に入れないと。(つづく)

人とつながる旭川一泊の旅① 北海道スイッチ

朝の8時15分に浜松駅に着き、セントレア直行バスに乗りこんだ。座り心地の悪い古い遠鉄(遠州鉄道)のバスだったけど、運転技術はその辺の路線バスとは異次元。北鉄(石川県、北陸鉄道)や名鉄でも一緒。やっぱり高速バスなんかは運転手さんのレベルが違うなあと実感する。例外はあるけど

セントレアでゆっくりエア・アジア便を待つも、到着機材の遅れとかで30分ほどのディレイ。新千歳着も同じくらい遅れて、予定してた列車に乗れず。今日はできる限り「地取り」しようと思ってたので、この30分はでかい。

札幌までは快速エアポート。次男の陽己(はるき、4歳)はさかんに話しかけられ、幼稚園での様子を根掘り葉掘り聞かれて、上機嫌に。でも最近、「恥ずかしい」とか言って、前みたいに聞かれてもいないのに名前とか自己紹介することがなくなった。これも成長なのかしら。

札幌駅で、同じホームに入線してきたスーパー北斗。キハ261系が導入されてからは乗ってない

札幌で乗り換えて特急「ライラック」に。自由席は乗車率80%ほどに見えるけど、指定は30%くらい。もっと賑わってほしいところだけど、バスとの競合もあるのかしら。

次男がすごくよく寝たので、そしてパワーポイントが文字化けしてフリーズしたので、これからのことに車内でじっくり思いを馳せてみた。

しばらく本業に追われていて、旭川移住とゲストハウスのことが頭から離れていたこともあって、この一週間はけっこうネガティブな状態だった。冷めた目で「ほんとに自分やるんかいな」「一生楽しめるのか」「うまくいくのかしら」とか心配してたけど、なんのことはない。北海道に足を踏みれたら、簡単にマインドに切り替わった。もとの自分に戻れた。しかも、いっそう(思いが)強くなって。

夫婦も一緒かもしれないけど、突っ走ってばかりだと、ろくなことはない。ときどきブレーキをかけてもらって考えを深めたり、違う目で思いのほどを確かめるのって大切だわ。

同じ編成でも、シートにはいろんな色がある。緑が主体なのに一部だけブルーがあったり、赤基調なのに緑が混じったり。変化球というか、多様性の演出みたいなのが好き
この色すごい好き。青森からよく昔乗った、スーパー白鳥と同じ色のままかしら?かわいい
旭川駅の同じホームで出発を待っていた、旭川始発、網走行きの特急「大雪」。自由席は厳しかったけど、ハイデッカーのグリーン車はほとんど埋まっているという謎

ライラックは16時55分、定刻通り旭川駅に滑り込んだ。

                                                                             (つづく)

 

いざ、旭川。「地取り」の旅へ

「旭川」の文字にドキドキする

明日からの土日は久々に旭川へ。前に行ったのが5月28日(日帰り)だったから、ほぼ一カ月ぶり。えらく時間があいちゃった。それだけ進展が鈍かったんだなー

急ごしらえの、「地取り」のための旅。取材っぽい旅。ゲストハウス予定地を詰めんなん。

いま、慌ただしく準備してます。
今回もいつもと同じく、セントレアから新千歳にエア・アジア便で入る。2人で片道2万円ちょい。
平日の安いときは4000~5000円台だけど、まあ仕方ないかー。

本当は旭川⇔セントレアor羽田でサクッと行ってみたいところやけど、旭川線はJAL/ANA・エアドゥしか飛んでないので、高くて高くて。
新千歳から旭川までは道央道をビュン!と走っても、なんやなんや2時間以上かかるし、眠いし、疲れる。
もっと旭川便が増えて安くなればなぁ・・・。エア・アジアほどじゃなくても。

エア・アジア便だけ数日前に確保していたものの、帰りの便がなかなか決まらず。昨日、やっと固まった。
ほとんどの便と座席が埋まってるし、高い!!
道内の記者によれば、観光シーズンに入り、2万人が来場するデザインウイークの期間中でもあるからでは、とのこと。これは夏のハイシーズンは恐怖でしかない。。。

帰りの足はさまざま検討した。
ベストは、新千歳→セントレアのスカイマークかエア・アジア、小牧着のジェットスター。つまりLCCを使う。
でも全滅。
新千歳→羽田のスカイマークを見たけどやはりダメで、エア・ドゥも厳しい。

そこでついに、初となる旭川発も調べ、セントレア行きや羽田行き、羽田経由のセントレア行きをチェックした。
これというのがなく、新千歳→神戸・大阪、新千歳→仙台も見たものの、できるだけ長く旭川に滞在できることや、運賃をひっくるめて考えて、19時半発の旭川→羽田のエア・ドゥをセレクト。大人3.5万円で合計5.3万円。

高い・・・。しかも最終の「ひかり」で浜松に戻る強行軍になる。次男よ、申し訳ない。

でもしかし、必死になって旭川までの空路を調べてみると、ほんとたくさん選択肢があってびっくりしたし、お金さえあれば旭川は遠くないんだと痛感。新千歳⇔羽田なんて、JR特急よりよっぽど多いんじゃないかと思うくらい。

浜松から空港までの足も考えないといけない。行きのセントレアまでは、バスがいいか、新幹線がいいか次男(4歳)に選んでもらったら、「バスがいい」と言う。
すぐに3000円強の空港直行バスをセレクト。膝上で130分はきついし、トイレに行きたいと言い出したら恐怖以外にないけど、新幹線より1300円くらい安いから◎。

新千歳からはいつも「カーレンタル北海道」で小型車(1日3000円!)で借りるけど、次男がいるので、快速「エアポート」と特急「ライラック」を乗り継いで旭川へ向かうことに。(昔はこの特急、「スーパーカムイ」って名前で、妙にワクワクした)

旭川駅に着いたら、日産レンタカーで借りて移動する。二日間借りて、コミコミ6600円。

次男との初めての2人旅でもある。
ホテルの部屋で寝かせたら夜の街には行けないけど、いい経験になりそう。人と会う時におりこうにしていたら、JR北海道の789系(特急「カムイ」か「ライラック」)のプラレールでも進呈しようかしら。

北海道に、少しでもいいイメージを持ってもらうための姑息な先行投資である!