(つづき)
陸前高田のまちなかを見た後は、奇跡の一本松(レプリカ)を横目に見て、久しぶりに気仙沼へ出かけることに。スイスイと進んで、お店の集積している漁港の近くの高台に上ると、一度見てみたかった「気仙沼ニッティング」のお店「メモリーズ」にたどり着いた。
ほぼ日刊イトイ新聞の震災支援プロジェクトで2013年に株式会社として立ち上がり、手編みの商品を届けている。
メモリーズは土曜日の営業でこの日は開いていなかったけど、細い路地に、溶け込みつつも存在感のある青い建物が見えてきた。外観見ただけで、商品を手に取りたくなる。
次は開いてる時に来よう。気仙沼をでて、本当はそのまま三陸の海岸線をつたってフェリーが出る八戸へ向かいたいとこだけど、どうしても盛岡近郊で見たいところがあるので、内陸の東北道に戻って、北上の旅を再スタート。
次の目的地は、岩手県紫波町の「オガール」。
紫波中央という駅の真ん前に、広大な空き地があって、町が購入したものの塩漬けになっていて、そこに「オガール(=東北の方言で「育つ」)プロジェクト」が立ち上がって、ぐんぐんと育ってきたまち。民間がリードして補助金に頼らず公共空間をつくっているのが特徴で、移転した町役場や体育館、保育所、テナントのショップ、企業オフィスが張り付いている。周辺は分譲住宅もあるし、コンパクトなまちづくりが進められている。小さな子どもから学校帰りの高校生、お年寄りまでもがオシャレなベンチで寛いでるのを見ると、こっちまで幸せな気分になってくる。
視察が相次ぎ(この日もどこかの議会が視察してた)、まちづくりや公民連携の分野では、最も有名な事例と言えるくらい。断熱や自然エネなどエネルギー面でも先進的な試みがふんだんにあって、もうほんとにすごいところ。
1時間ちょっとしかいられなかったけど、一見にしかずなので満足。本州にいるのもあとわずか。東北道に戻って車を北に走らせていると、「ああ、こっちに戻るのはどれくらい後になるのかなあ」と妙な感慨にふけってしまう。
19時すぎには八戸港のフェリーターミナルに到着。
食堂で夜ご飯をすませて、22時発、苫小牧行きのフェリーに乗り込む。このシルバーフェリーは初めてで、ことし春には室蘭から宮古の新航路もできている。この日の「シルバークィーン」はなかなか年季が入っていてお風呂も小さかった。
出港前に子ども3人を男風呂に入れて、疲れさせて雑魚寝の2等部屋で早々と寝かせようとする作戦を立案。でも下の2人は興奮してなかなか寝付けず、特に2歳の次女は寝床で声を上げてしまうので、共用スペースでだましだまし時間をつぶすことに。自販機のアイスとか、ほんと余計で(笑)すぐ目がさめる。2等のお客さんが少なかったのが不幸中の幸いで、しかも同室のご婦人が「私たちのことは気にしないでね」と温かい言葉をかけてくださったのに救われた。。。けっきょく、何度も子供の声で起きて、揺れもあって、ほとんど大人は寝れずだったけど。。。
ともかくも10日未明、無事に北海道に上陸!!
(北海道への旅シリーズはこれでおしまい)