IRORIホステル×干物

(つづき)


宿はもちろんゲストハウス で。東日本橋から歩いて3分の、めちゃくちゃ便利な「IRORI HOTEL and KITCHEN」さん。朝食付き2700円。問屋街のど真ん中にあるビルをリノベーションした風で、囲炉裏が並んだロビーは新鮮。なんで囲炉裏なのか分からないけど。エレベーターで各階に行って、客室に入るたびにドアのキーで暗証番号を押さないかん。これはけっこうめんどくさいし、酔っ払って忘れたらとんでもないことになるー。シャワーは別の階にあるし、けっこう移動の機会が多い構造になっているので、うーん。

写真撮りそびれたけど、鉄の既製品っぽい感じの二段ベッドがこれでもかと並んでる。2000円代だから当然なんだけど。タクシーで帰ってきた時、25時くらいだったけどすごい気を遣ってベッドインいたものの、26時くらいに下の段の外国人からなぜか「ハーイ!」と笑顔で覗き込まれ、「は、はーい」と返すのでいっぱいだった。その後もベッドが何回か揺れたし、スーツケースをごそごそと探る音が聞こえて、自分のビジネスシューズが散乱させられた。ドミトリーの二段ベッドあるあるだけど、〝相方〟がどんな人かで、過ごす夜の質が変わってくる。だから自然、旅や滞在のスタイルを選ぶことになる。

これはうれしい。ゲストハウス 「旭川公園」は棟から棟の移動があるので必須

朝は囲炉裏でアジの干物と白米、みそ汁。400円相当で、干物は焼き方もあっておいしいけどけっこう普通な感じ。みそ汁はインスタントっぽい感じが・・・。安いゲストハウス でも、朝食は400〜500円が多いなぁ。

この朝のスタッフは男性で、「ご出張ですか?」とソフト系の声で話しかけられ、干物を焼くのも丁寧で、よくお客さんのことを見ている。すごく感じがいい。こうやって出発する日の朝に気持ちよくなると、1日が楽しくなるし、宿にはいい印象が強く残る。大事なことだなあ。この日は旭川でプレゼンを控えていて、早朝からずっとノートとにらめっこしてたけど、朝食を無理して頼んで良かった。

朝食の提供スタートは8時と遅め。成田空港に向かう電車は8時24分。お兄さんは「いってらっしゃい。お気をつけて」と送り出してくれたのでした。「いってらっしゃい『ませ』」より、ずっといい響きだった。

(プレゼン後の記事に続く)

「スーパーはくと」のエンジンに力をもらう

 

三ノ宮駅で

津山から鳥取駅を目指す。伊豆天城峠みたいなループをわたって鳥取道(無料)をひた走り、レンタカーを返却。3時間?くらいの延長料金とガソリン代を含めて3000円ちょっとのプラス。素晴らしい!

午後3時くらいだったけど、鳥取駅の構内にある居酒屋で遅めのお昼ご飯。隠岐の岩ガキうまし。海鮮丼は・・・まぁその辺の居酒屋のレベル。

気持ちよくなって酔い覚ましにドトール(今回2回目)でスマホを充電。16時54分発のスーパーはくと12号を待つ。

岡山に「スーパーいなば」で行って新幹線で実家の西宮を目指すのもいいけど、ここは中学生のころから憧れている「はくと」しかない。午前中は大雨の余波で運休してたけど、通常に戻ってよかったー。

知らぬ間に車内がリニューアルされれて快適。号車ごとにシートのデザインも違っていて、北海道や九州の特急みたい。充電用のコンセントもあった。すごいぞ智頭急行!

昭和〜平成初期のグリーン車のような、ゆったり大振りなシート。でも沈み込みすぎなず、快適

自由席の2号車。最近の高速バスのように、小振りながらしっかり身体をサポートするシート
九州新幹線「つばめ」みたい

ワイドな展望運転席、大きな窓、豪快で生き物のようにキュ弱の激しいエンジン、台車の古さを感じさせる揺れ。どれも素晴らしいー。動いてるな、旅してるな、って気分!

楽しすぎて、車内で作業しようと思ってたのに全然作業できない・・・。でも幸せ

(山陰視察の旅はこれで終了)

タルマーリーに会いにいく

(つづき)

鳥取駅にバスで着いてすぐにレンタカーのリサーチを開始。ちょうど郡家(こおげ)駅からのバスで、降りる時に「キャルレンタカー」という言葉を聞いていたので、どうせ大手は高いし、ここを探してみた。

強雨の中、たどり着いたのはここ。予想通り、ガソリンスタンドの中だった。

運良く小型車(マーチくん)が空いていると電話で確認していたので、スムーズに手続きをしてくれた。免責保証は高いけど、入らずにしておいて、24時間で3700円くらい(はっきりし覚えておらず。4000円は切っていた)。

ナビに、パンやビール、発酵で有名な「タルマーリー」(https://www.talmary.com/about-us)の電話番号を入力して、さっそく出発。途中、鳥取道が大雨で急きょ部分的に通行止めになっていて、迂回する時に道に迷ったけど、1時間ちょっとで到着。 すごい。列車移動だと、隼駅から3時間はかかってたのに。人口の少ない山あいに複雑な路線図が敷かれていて、移動の効率が悪いので、車の威力を身をもって痛感する。

小学校の隣にあって、保育園をリノベーションした施設。それっぽい雰囲気が随所に。イートインのカフェはセミセルフで、注文してお金を払ってから席に運ばれるのを待つスタイル。それまでの間、飲食スペースの周りを見学。

オーダーしたのはイノシシ肉のハンバーガーとコーヒー。

パンは表面がパリッとして中は柔らかすぎないフンワリさで絶妙! 風味も豊かで。ほんのり広がる甘み。パンとか白米とか、毎日食べるものがおいしい、噛みたくなるっていうのは幸せなことなんだと思い知る。イノシシ肉は臭みがなくて、食感は弾力がありすぎずジューシーさも感じられる。「こんなにおいしいものだっけ」と、これまた幸せになる。

タルマーリーの渡邉夫妻は、福島の原発事故を契機に「水」を求めて千葉県から岡山県に移り、野生酵母だけで発酵させるクラフトビールをつくるために、ここ智頭町に移住された。レジでお土産のパンをしこたま買い、旦那さんが書かれた「田舎のパン屋が見つけた腐る経済」の文庫版を購入。発酵とはなんぞや、腐る経済とはなんぞや、地域内循環の真髄はなにか。いまの「人生最後の夏休み」の課題図書として勉強しよう!

と息巻いたものの店を出てから30分くらいして、ビールを買い忘れたことに気づいて動揺する羽目に。。。

(山陰の旅はまだまだ続く)

鳥取の山あい、八東駅前に名店を発見

(つづき)

パーリー建築の皆さんと浜村温泉でバイバイした後は、保木本さんの車に乗っけてもらい、鳥取・智頭方面へ。なんと、今晩の宿と、保木本さんの自宅が同じ町だったので!

鳥取道(無料区間)の河原インターを出て下道をずっと行く。やがて山あいのところに差し掛かり、街灯が全然ないところが続く。懐かしいなぁ、この感じ。夜が暗いって当たり前のこと。それぞれのおうちも、電気が漏れてない。

宿の人におススメされていた(周辺に飲食店が少ない)のは、若桜鉄道・八東駅前にある「中嶋商店」。昔ながらの駅前商店といった感じで、引き戸を開けると、お菓子やらカップ麺、生活雑貨の陳列棚がまずあって、その奥で鉄板がこちらをうかがっていた。そんな店構え。

こちらが「まだ大丈夫ですか」と声をかけると82歳のご主人がじっと座っていたけどおもむろに立ち上がった。気の利いた音楽やラジオの一つもない、静寂が支配する、ちょっと薄暗いカウンター。

もう、この時点で雰囲気にやられた。駄菓子屋の奥に、イートインコーナーがある感じ。お店の人とコミュニケーションしないと、食べ物にありつけないような、秘密基地感。

たまらないね、手書きメニュー

聞けば、お店は80年になり、鉄板はご主人が始めて50年になると。ゆっくりゆっくり、噛みしめるように冷蔵庫に歩いていって、時折「おーい」と奥さんに助けを求めながら、手慣れた風ではホルモン焼きそばを焼き上げてくれた。

まるで餃子のたれのように、いつから継ぎ足してるか分からない秘伝っぽいタレが運ばれてきた。たまらず勇気を振りしぼって「ビール、、、あったりしませんかね」と聞くと、またゆっくりゆっくりと冷蔵庫から取り出してくれた。メニューにはなかったけど聞いてよかったー。

タレがよく絡み、ホルモンの滋味深さとコリコリが主役級で、たまらなくうまい。再訪必至レベル。汽車(地元の人が若い人もみんなこう言う)の時間まで10分ちょっとしかないので、急いで食べたのが悔やまれる。

ご主人は何度も「若いから、な」と繰り返し、北海道の話をするとオーバーリアクションよろしく驚いていた。ともかくも、自分の中で焼きそばでは3本の指に入る名店だわ。

ご馳走さまをして、大雨の中、急いで八東駅へ。15秒くらいで着いた。でも定刻になっても、待てど暮らせど列車は来ない。雨の影響かと思い込んでいたけど、スマホで「乗換案内」を見てがっくり。八東駅→隼駅とすべきところを、逆にして検索していた。で、1時間半待ちが決定。有形文化財の駅舎を撮影したところでスマホのバッテリーがなくなり、おとなしく新聞を読み、靴下を乾かし、ゲストハウス「旭川公園」に思いをはせる。

八東駅、有形文化財の価値を感じるには十分すぎる時間を過ごせた

こういうの久しぶり。昔、中高生、大学生のときは旅とはずっとこうだった。待ち時間というものがない車移動でもないし。何かに追われるでもなく、静かに待つ時間。これは貴重だ。最近の出張や今回の旅でも、スマホばかりに気を取られてたなーと反省。これじゃ気づくことにも気づけない。

(山陰の旅はまだまだ続く)

鳥取でパーリー建築のミラクルを見た

(つづき)

商店街をぐるっと見てから、鳥取駅に戻って普通列車に乗り込む。目指すは高藤宏夫さんが作業していた浜村温泉。ご本人は用ができてすでに現場を離れたけど、「パーリー建築」さんがいると聞いては、行かないなんてあり得ない。

まずは腹ごしらえ。駅から歩いて10分くらいの自動車屋さん「ホット・エアー」がラーメン屋をやってると高藤さんに教えてもらい、直行。インパクトある外観!

これは知らないと通り過ぎるわ。人通りの多い立地じゃないし
どう見たってうまい。

味も負けずにインパクトある。「贅沢極み塩」1000円。鹿野地鶏のアブラとかを使ったスープで勝負してる。鳥取豚レアチャーシューも激ウマ。噛んで噛んで幸せ。すごいこだわりと完成度、自信。こんな自動車屋やん見たことない。

見てるだけでおいしいので、もう一度

当然の義務として完飲して、罪滅ぼしとばかりに歩く、歩く。とりあえず日本海に向かって。

国道9号にでると、鳥取らしい河口の風景が広がっていた。

砂が堆積して、その上にかわいいクローバーみたいな葉っぱが
防風林の赤ちゃん(とみられる)

国道を、教えられた地点にむかって歩くも、これといった建物は見当たらず。ボロボロの製材所が道路脇の下がったところにあったので、入って尋ねることにした。入り口を入って、「すみませーん」と声をかけたら、あぁ、パーリー建築さんっぽい方を発見して、あーここか!と。挨拶したら、「あー、聞いてます」と。

この方が、宮原翔太郎さんであられます(写真左)。

宮原さん(左)と保木本さん

パーリー建築さんとは何者か? 全国各地を渡り歩き、空き家に住み着いて、近くの住民や施主と一緒につくりあげる建築集団。歌いながら、パーティーするように。この界隈ではすごい有名な方々です。これからの建築のあり方を旅しながら模索しているんです。

きょうは宮原さんと、この日に高藤さんの紹介で初めて会ったという、保木本弘生さんがいらっしゃった。音楽をかけて現場作業中。このどデカイ製材所をフェスのライブ会場にするらしい。えー、来てみたい。

せっかくなのでとコーヒーブレイク。外の風に当たりながら製材所で木のにおいをかいで。上の世代はどうバトンをつないでいくか考えてほしいなーとか、なんとなく社会をよくするために生きることとか、次の世代にどういう視線を向けるかとか、暮らし方の選択肢とか、いろんな話をしたなー。ぜひ旭川にもいらしてほしい。

2時間以上も滞在してしまい(すみません)、作業時間は終了。そのまま宮原さんたちが根城にしている喫茶「ミラクル」に案内してもらった。

駐車場をてくてく歩いて喫茶「ミラクル」へー。町民しか入れない温泉もこの辺にあるんだとか。

元美容室とスナックで、自分たちで常に改良を重ねてつくった、めちゃおもしろい空間。つねにフルで営業できるわけじゃないけど、地域の人や子どもが集まるにはもってこいだなー。パッと見たら良い意味でカオスなところがあるけど、それが落ち着きにつながってるんだから摩訶不思議。この2階に住み着いてるらしい。

パーリー建築すごい。生きる力がすごい。財布を保木本さんの車に置いてきたのでパー建Tシャツ買えなかった。。。

みんなと握手を交わし、保木本さんのインプレッサに乗せてもらって、今宵の宿がある方へー。ひとり旅は最高だわー

(山陰の旅はまだまだ続く)

とっておきの朝食☆大作戦

宿に泊まって迎えた新しい朝。どんなご飯で地域を感じ、楽しく過ごせそうな気分になれるか。朝食ってめちゃ大事だと思う。こだわりたい。

事業計画、収支計画を立てていく上でも、宿泊業そのものだけじゃなくて、朝食の仕入れと売価の設定もこれまた重要になってくる。考え抜きたい。

先日、神戸に住んでいる同級生の元に、ゲストハウス予定地のすぐ近くで作られている麹と味噌を送った。極秘の商品開発をするために。

屯田兵が開拓した、旭川市の永山地区。そのころからの製法を忠実に再現し、自給的な醸造品づくりを続けているお母さんたちによる「屯田の里」のもの。みそが優しく、かつしっかりしてほんと好き。

極秘と言いながら少し明かしてしまうと、この醸造品とか甘~いアレとかを使って、プレミアムな旭川グラノーラをつくるのです。これが洋朝食。値段は800~900円を想定。グラノーラだけじゃなく、クオリティの高いトマトジュースとかヨーグルトをつける。「和」もそうだけどコーヒーもつける。

和朝食は、永山のお米に、「屯田の里」の味噌汁、漬け物、お好みにより甘酒。お米は+でこだわって、無農薬玄米や健康にいい黒米、雑穀を扱っている市内の老舗「上森米穀店」さんにお世話になろうかと一方的に思ってる。健康にも環境にもいいし、まだ食べてないけど絶対おいしい。旭川のおむすび界でめちゃ有名な女性とも、一緒に企画されているようなので、間違いない。値段は400~500円を考えてます。

和も洋も、とにかく生産者さんや販売者さんの顔をどんどん見せていく。アルバムのようにして。どうやって作られてきたか、なんでこの地でできているのか、いろんなことを感じられるように。それは新しい朝の、上品な力になる。

スペシャルなコーヒーに込めた思い

同級生たちの活躍や夢を知った明くる日、西宮の実家近くまで、中学が一緒だった辻本くんが迎えにやってきた。18年ぶりに再会して、2日連続で会うなんて、すてきやわ!

車はなんと! BMW(ビーエムですよ)のM3! 色も神戸に似合ってる。中学生のころ、一緒に神戸のBMWディーラーに行って、カタログを持って帰ったのを思い出すよ。そのころから、BMが好きすぎて好きすぎて、前にはトヨタのアルテッツァに乗ってたけど、念願のBM乗りに。ちなみに自分も移住計画を本格化させるまでフェアレディZに乗ってたけど、「絶対買い戻せよ!」とうるさいくらいに言ってくれる、同志であります。

辻本くんと、愛車M3と、大滋。撮影は大丸神戸店の近くにて

いやいや今日は車の話じゃなくて、目的地こそ大事。前日の晩に中高で一緒だったグラノーラジャーニーの西村くんに紹介してもらった、神戸・ポートアイランドにあるコーヒー店「LANDMADE(ランドメイド)」に行くんです。長男の大滋も一緒に行くんです。

国道をゆっくり流して(これほんと。安全運転)、なか卯でお昼ご飯たべて、ポートアイランドの「中公園駅」近くにあるお店に到着。巨大な分譲マンションの一階に、その店舗はあった。

スペシャルティコーヒーの専門店。社長の上野真人さんがいらっしゃり、スペシャリティーコーヒーの定義や、前職の豆問屋時代の話を聞いて、生産者の生活を守るためにどんなコーヒー作りが求められているのかを熱く、熱く語ってくださった。

よく言われる話だけど、豆は地球の反対側で暮らす生産者の努力に関係なく先物の相場で決まることとか、どんないい豆でも輸送・保存状態によって質が落ちることとか、コーヒー業界の現実を教わった。上野さんは農園一つ一つを回って、ちゃんと生産者が生活できるるように、自分たちでも飲めるように考えて商売をされている。

いろんな言い方ができると思う。エシカル消費、フェアトレード、サステナブル・・・。もうこれら抜きに商売始めるなんて考えられない時代だとは思うけど、上野社長のからはすごい信念が伝わってきた。ぞくぞくした。

経営の理念も伝授してくださった。「ランチェスターのシェア理論」を例に、地域で一番のお店として愛されることを目指されている。ターゲットが明確で、競合も当たり前だけどしっかり分析なさっていて、周辺のお店(駄菓子屋さん)とのシナジーもばっちり。一つのキーワードが子どもだから。

周辺といえば、近くに「チャイルド・ケモ・ハウス」という、小児がんの子どもが家族が一緒に暮らせる、家のような施設があって、そこへの支援をされている。上野さんは、骨髄バンクのドナーになって、30歳の時に提供を決めて近くの市民病院で手術。それをきっかけにケモ・ハウスや小児がんのことを知った。レジには施設のNPO法人への寄付を呼びかける箱も置いてある。

で、この募金のやり方がぐっとくる。中学3年生までは「こどもコーヒー」として飲みやすいアイスカフェオレを100円で提供していて、その売り上げから、あえて10円を買った子どもにキャッシュバックしている。そして自分の手で、募金箱に入れてもらう仕組みなんです。知らない間に募金されていた、ではなくて自分の体を通過する。これはめっちゃ大事やん!

ちょっと話は逸れるけど、ゲストハウス「旭川公園」でも子どもが遊びたくなるような仕掛けを用意するけど、例えば自転車発電でちょっとでも電気をつくったらお菓子をあげる(仮)とか、なんらかの形で自分の体で何かを感じてほしいなーと。それが成長にすごい大事だと思うので。押しつけじゃなく、振り返れば、楽しくやってみれば分かる、みたいなのが気分。

話を戻します。チャイルド・ケモ・ハウスとのつながりで言うと、奥さまを乳がんで亡くされた読売テレビの元アナウンサー・清水健さんとコラボして、オリジナルブレンドの商品を開発。清水さんご家族がハウスで過ごされていたことから、つながったそう。収益の一部が清水さんの基金を通じ、医療の充実に充てられるようにしてる。清水さんの活動は、「112日間のママ」という本の名前で思い出す方が多いと思う。

清水さんとコラボした、チャリティブレンド「HERO」

子どもを含めた消費者と生産者、チャイルド・ケモ・ハウスとかを自然につないで、思いとお金を循環させていらっしゃる。たぶん上野さんにとってコーヒーはメディアなんじゃないかと思った。そして、これを飲んでいるお客さんが、どんな思いでコーヒーのある生活を楽しんでいるか、すごく明確なイメージを描くことができた。不思議なくらい。

コーヒーバッグで淹れてくださる社長の上野真人さん

店舗は近所の人が毎日でも来られるような場にしていて、ネットとの住み分けを明確にされている。買いやすいのに価格設定もすごく考えられて、驚くことばかり。個別の商品では、ティーバッグみたいにお湯を注ぐだけの「コーヒーバッグ」にびっくり。雑味がないから、これでもおいしく飲めるんだとか。昨日の記事にも書いた「神戸セレクション」で2018年の食品部門一位。確かにこれはすごい。旅先に持っていく人がいるというのも頷ける。

焙煎を指導する立場のすご腕の人とは聞いていたけど、想像をはるかに超えていて、やられました。味は、あえて説明しなくてもいいよね。

アヒルと時々、ソフトクリーム

日曜日はお茶を買いに行く用事があって、久しぶりに掛川市へ。キッズプレートが179円で人数分食べられるクーポンがあったのでガストでお昼ご飯を食べた後、「しばちゃんランチマーケット」という、田園地帯にある、牧場がやってるお店を目指した。目的は雰囲気、牛乳、ヨーグルト、ソフトクリーム。

 

掛川城の辺りから車で20分くらいかかるし、すれ違いがやっとの暗いトンネルとか狭い山道があるのに、ごった返してた。みんな、大汗かいて行列に並ばれておりました。いつも人気。

 

インスタ映えする大樹の下には、こんな感じでウサギがケージに入れられて、子どもたちがまぁ間違いなく周りに群がる。

目の前の川ではアヒルが泳いで草をついばんでいて、ときどき店横の陸にあがってきて、エサを食べてる。「おいかけないでね!」と看板に書いてあるけど、そりゃまぁ、小さい子どもたちは反射的に追いかけていくわけですよ。

次男は、他のお友達に「おいかけちゃダメ」と言っていた(笑)

近くにいたお客さんが「川、サイコーだなあ」「ミストがあるだけで涼しく感じるなあ。暑いけど」「友達きたら、ここかイオンモール連れていくわ」と、木の下でぽつり。

濃厚な乳製品の味だけじゃなくて、ロケーションとか風景、ここで食べるっていう体験を含めて楽しんでみえる様子。まちなかで「暑い、暑い」と言ってるよりは気持ちいいし、涼しい〝感じ〟が大切なんだろうな、と妙に納得した。

コンテナハウスでできている!きっちり車輪ついてる

土曜日の打ち合わせで、ジンギスカンをイメージして、「ヒツジ飼うのどうっすか」っていう話が冗談半分で出てたけど、このお店に来て、「けっこういいかも」と思えてきた。 10年弱前に取材でお邪魔した佐賀県のお宅(テーブルコーディネーター)のお庭には、ヤギが飼われてて、聞けば「除草するのより安いのよ、おほほほ」と。そんな実利的な面もあんのかいなと驚いたけど、やっぱり風景って大事よね。 いただいたコーヒーはとびきり美味しく感じたし、リラックスできたもんなぁ。

掛川を出たあとは、浜松市西区にあるコンテハウスの会社事務所に移動。ネットのイベント情報をかじって、ここでイベントやってると勘違いして行ってから、場所違いが発覚。それでも担当者さんが、常時公開はされてない展示場に案内してくれた。タープの使い方、内装の工夫、いろんな用途にできる奥深さ、断熱性、ロケットストーブとの相性・・・。めちゃくちゃ勉強になった。建築確認がいらないような建物だったら、中古の海上輸送コンテナを使いたいのになー。

図らずもコンテハウス三昧な日曜日になった。

ラーメンと考える、お値段のつけ方

3日連続でラーメンを食べてしまった。旭川ラーメン好きとしては、本州にいる間に非・旭川ラーメンで舌を肥やしておかなきゃいかん、という使命感から。

800円の「黒」

17日(火曜)は静岡市に出張なので、贅沢に高額な(自分の中では)ラーメンにチャレンジ! 「沼津うまいラーメン松福 呉服町通り店」へ。お昼時で、短いながら行列ができていた。

いちばん安いやつで800円也! 普段お昼ご飯は妻・茜が握ってくれたおにぎり2個なので、なかなか抵抗があるけど・・・。前に普通のは食べたことあるので、今日は同じ800円の「黒」(マー油、焦がしニンニク)であります。

人気の、濃厚とんこつ系。麺は中太で縮れてる。スープはめちゃ濃い(麺固め、味濃いめにしたけど)。どろどろっとしたのど越しで、麺や白ねぎ、ホウレンソウによく合うわけです。これは、家系好きが喜んでくれそうな味。自分の好みとしてはどんぴしゃ!!

ちょっと残念だったのはサービスのご飯(サービスタイム以外は100円)。スープに合う固さにしてるのは分かるけど、ご飯そのものの甘みやうま味を感じない。失礼ながら工業製品みたいな印象。朝ご飯に食べたら元気出なさそう。牛丼店の「松屋米」と似た食感と食味で、一粒一粒を噛みしめるような喜びがない。ライスが最初に出てきたので、ややげんなりしたけど、でもまぁラーメンの味で挽回できた。

それにしてもこの店、前に来たときも思ったけど、高い! 「ラーメン1杯に払える値段」のアンケートで確か800円というのがあったと記憶するけど、自分の中では高い部類。いろいろ盛ってる「特製」は1000円を超えているし、客単価は800円を超えてるのでは!?(推測)。それでもいつも混み合ってるので、白シャツ姿の人たちに支持されるお店なんだろうなー。

この「客単価」というやつ、最近気になる存在になってきた。旭川のゲストハウスでも、宿泊料金を決めなきゃいけない。いろいろ考えているけど、商売についての勉強なんてしたことなかったので、戸惑うことばかり。

最初は、周辺のゲストハウスの相場から、3000円台後半~5000円くらいかなー、と安易にイメージしていた。その上で経費を差し引いて、ベッド数×日数×稼働率で数字をはじいた。しかししかい、月々の経費を考えて、家族5人が生活することを考えただけで、これは現実的じゃないことがすぐ判明。最初は6人定員だったし。

そのうちに、意識(競合)するのはどこにでもあるような安宿とは違うし、ベースをそこに置いても無意味だなーと思うように。今では、家族が暮らせるだけの手取り(役員報酬)や税金、融資返済、光熱水費、オリジナルのアメニティ、リネンなど細かい経費、そして税制上は減価償却なんかも考えるようになった(遅い!)。でもやはり、家族で目が届くという範囲で定員を8人に増やしたとしたとしても、6000円や7000円でさえ立ちゆかないことが分かってしまった。そこで今は、ある程度のお金を出してもらってもまた来たくなるようなクオリティづくりに全力を注ごう!と方針を変えた。

まだ値段は完全に決まってはいないけど、高すぎても「う~ん」、安すぎても「う~ん」の日々。みなさん、苦労されているんだなーと感じ入ってます。値段って難しい。

甘酒と祝福の味

三連休に入ってしまった。落ち着かない。先週まで三週連続で旭川に行ってたので、現地にいないことに強烈なる違和感が!   なんにも準備してない!っていう不安に駆られる。

きょうはゆっくり寝て、甘酒教室へ。妻の茜は金沢に本拠地がある「発酵食大学」の通信制で勉強してきて、自分もこれまで何度か試飲したけど、あの甘さがはどうも苦手。でも「飲む点滴」って言われるほど体にはいいし、夏に冷やして飲むとけっこういい感じだし、味を工夫したら苦手な人でもちょっとずつ入りやすいなぁとは思っていて。

旭川のゲストハウス予定地のすぐ近くには「屯田の里」っていう、農家のお母さんたちの店があって、ここの麹(こうじ)を作って甘酒とかスムージーを作ろうともくろんでる。

屯田の里は、屯田兵だった先祖から脈々と伝えられてきた手づくりの味を生かして、味噌とか醤油、麹、ラーメン味噌、漬物とかを販売してる。添加物を使わないことにこだわって、農薬を使わなかったり減らして、自分たちの家族がつくった大豆や麦、米を原料に使ってる。味噌しか食べたことないけど、リピートするおいしさ。しっかりした味付けで、コクがあるけど、優しい。身近な資源をつかった自給的な暮らしっていうのは、ゲストハウスの世界観の象徴の一つ。

ということで、おいしい甘酒づくはマスターしないと。旭川でも商品化されてる缶の甘酒はあるけど、やっぱ自家製でやってみたい。(地ビールならぬ「自ビール」もやりたい)

ところで今日の甘酒教室で、部屋に入るなり「おめでと〜〜」って祝福された。先生が京都でゲストハウスを開く女性なんやけど、ブログを読んでくれてて、土地が決まったことを我が事のように喜んでくれた!

この先生だけじゃなくて、この数日「おめでとう」って言ってくれる友達がけっこういて、ほんと泣きたくなる。そんな友達多いほうじゃないのに、急に増えてきた感じ(笑) それもフェイスブック上のコメントだけじゃなくて、LINEとかメール、メッセンジャーとかでも。

「ついに進み始めたね」「OB会ぜひ旭川で。クラウドファンディングとかぜひぜひ協力させて!」「おめでとう!!」どなど。過酷なことを乗り越えた経験のある人から「思いを貫き続ければ、少数でも必ず理解してくれる人は出てくる」と言われた時には、そうそう、そうだよなーと膝を打った。自分も、結婚がまさにそうだったし…

こんなエールだけでも嬉しいけど、「最後はカネ。『引っ込みがつかないからやる』というのは絶対に避けて。勇気ある撤退であっても支持する」という友人もいた。なかなかこういう事を言ってくれる人は少ない。ありがたや。シビアであるべき所は絶対に気を抜いちゃいけない。

人によって言うことやアドバイスは違うし、関係が近い方が遠慮して都合の悪いことを言いにくくなる。でもそれを全部引っくるめて、自分で咀嚼して、判断していくことが、今までもこれからも続いていくんだな〜。

始めるのは簡単で、続けることこそ難しい。元気玉をもらって、いろんな声をいただいて、悩んで、行動して・・・。そんな積み重ねが、持続可能な暮らしや事業につながるはず。

夕方は次男の強い希望でプールへ。たまには頭を真っさらにしてゆっくりするのもいいな〜

古橋廣之進記念浜松市総合水泳場「トビオ」にて