納屋だらけ、宝だらけ、な旭川

北国には、冬しかできないことがたくさんある。スポーツやアウトドアはもちろんだけど、夏はヒグマが出没する山の奥深くに入って管理したり、雪で滑らせて丸太を引っ張ったり。そして、これは移住前に想像はつかなかったけど、「雪が解けたら解体するんで」っていうケースがちらほらあった。中には、「リノベーションしてみない?」とお声がけいただいたケースも。

解体というのは、もう倒壊しかけの納屋や無人になった家屋のこと。郊外の農村地帯を車を流せばすぐ分かるけれど、本当に空き家が多い。しかも既に崩れ始めているものが。だから、冬の間にしっかり業者さんに見積もりしてもらって、雪解けとともにできるだけ早くに取り壊してしまいたい、という方がけっこういらっしゃる。

ということで、よくお世話いただいている方にこのシーズン2回、納屋を見学させてもらった。一つは、元農協組合長の納屋で、馬を飼っていたところ。上野ファームさんのすぐ裏で、ロケーションがいい。いろんな器具がそのまま放置されていたけど、内張りの板が味を出していた。

もう一つは、当麻町の道の駅そばにある、けっこうな大きさの納屋。収穫したお米を乾燥させるための風見鶏がキャッチーでかわいい。10m超の太くて長い梁が特徴で、住宅メーカーさんが「壊して捨てるのは忍びない」ということで、情報が回ってきたらしい。移築するのがいいのか、ここでリノベーションんしてカフェや雑貨を始める人を探すのがいいのか。2回お邪魔したけど、実に悩ましい、素晴らしい材が使われている物件で。2回目に同行してくれた、「旭川公園ゲストハウス」を施工してくださる「yomogiya」さんこと中村直弘さんは「宝の山ですね」と大絶賛していた。すぐに答えは見つからなかったけど、なんらかの形で生かしたいなぁ。

ちなみに一軒目をご案内くださった花卉農家の千代圭さんには、スキーやソリといった冬の必需品のご案内までいただきました。ありがとうございます!! スキーも古材も大切にします。