「トキワ焼き」を食べずに帰れない

旭川のまちなかに来て、用件を済ませて永山に帰ろうとすると、なにか忘れ物をしたような気分になる。「そうだ、トキワ焼き食べてない」。そう思える不思議な存在感が、福吉カフェにはある。

福吉カフェのコンセプトは、「もっと旭川が好きになるカフェ」。クロワッサンたい焼きの看板メニュー「トキワ焼き」は、すぐ近くにある、旭川のシンボルである「旭橋」がモチーフ。外はサクッ、中はトロふわ。ハムマヨや紫いも、つぶあん、クリーム…と絞り込むのが苦しい。ドリンクは和がベースで、「抹茶らて」が代名詞のような存在だ。ランチのプレートも充実している。

​大正13年に建てられた歴史建築「旧北島製粉所」をリノベーションした。プロデューサーの海老子川雄介さんは、カフェの運営にとどまらずイベントづくりや、まちづくりまで手がけている。カフェを旭山動物園や旭川ラーメンのような地域資源にし、旭川を「稼ぐまち」に押し上げようと奔走する。店内には観光や移住、体験の情報を発信するコーナーもあって、ちょっと一足伸ばしたくなる。

カフェの三色の暖簾をくぐれば、旭川をもっと知りたくなる。