ドラマティック宗谷本線

鉄道ネタが続きますけれども、学生時代に鉄道雑誌「Rail Magazine」でアルバイトしていた(元?)鉄っちゃんだからではなくて、ゲストハウスの目の前にすごいローカル線があるので、仕方ないです。

雪景を照らす夕焼けほど、贅沢なものはないです。そこに1両のディーゼル列車がとことこと、ジョイント音を響かせるなんて、鉄っちゃんじゃなくても見入ってしまう(はず)。北海道に来て、夕方の空にじっくり見入ることが増えました。目の前が開けているから、なおさらです。

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あぁ走りたくなる。子どもたちは、走ってます。

毎日、こんな景色を楽しめるだけで、移住した甲斐があるなぁ。

もう少ししたら、ラッセル車が毎日走って、豪快に雪を跳ね飛ばす。楽しみすぎて困りますね

あの白樺スツールができるまで

旭川公園に数あるチェアの中でも、断トツで注目を集めるのが、オリジナルでつくった白樺の「ホタルスツール」。

氷室友里さんデザインのテキスタイルが文句なしに可愛いのはもちろん、完成するまでのストーリーがとても素敵なんです。ゲストハウス近くの、清水省吾さんの森から白樺を人力で搬出して、旭川の林産試験場で製材して、岡山県西粟倉村の「ようび」で加工してもらいました。

それをまとめた動画が、前編・後編とも公開されました!

<前編> https://youtu.be/gV9OLjSubZg 

<後編>https://youtu.be/WnMT4tqoC6U

Facebookだと、https://www.facebook.com/designmejp からご覧いただけます。

もともとのきっかけは、前職の最終出社日に浜松から夜行列車「サンライズ出雲」に飛び乗り、山陰に向かった旅でした。

人生最後の夏休みだと思って、本州にいる間に見ておかなければならないものを見ておこう、という魂胆です。

その行きたかった場所の一つが、西粟倉の「ようび」。社屋の焼失をへて、全国の林業やものづくりの関係者が集まって再建を誓い、超絶カッコイイ建築を創り上げていきました。その過程を、金沢時代にお世話になったもりラバー林業女子会@石川の砂山さんから聞いていたので、旭川で森をベースにしたコトをしたいと考えていた自分にとっては現地訪問はマストでした。

強雨が降りつける中、予約制のショールームにお邪魔し、アートディレクターの山口祐史さんと話し込みました。そこで、旭川でゲストハウスを計画していることを伝えていくうちに、旭川の木材を使ってホタルスツールをつくろう!と盛り上がってしまい。この日から1年ほどして、ほんとにオリジナルのホタルスツールができてしまい。

もちろん白樺は西粟倉にはないので、旭川からサンプルを送ったりして、ようびさんに数か月かけて試行錯誤していただきました。新しい素材なので、強度や乾燥の具合などきちんと見極める必要がありました。

地元のものを地元で使うのは大事。だけど、時には外の目や力を借りて新しいものを生み、地元にフィードバックをするというのも、これまた面白い。白樺の白く美しい木肌や滑らかな手触り、味のある斑点などなど、地元では家具材として評価されていなくても、真っさらな目でみると、魅力にあふれていることに気づくことができました。いま旭川を起点に展開されている白樺プロジェクトとも符合してます。

森から始まる家具づくり。個人だから、小規模だから、顔が見えるからできること。「ようび」さんと山口さん、清水さんの心意気がなければ生まれなかったスツールです。皆さん、ぜひ座りに来てください❗️

線路の近くに大根が眠っている、という幸せ

知ってる人は知っている、ゲストハウスそばの自家菜園。稚内につづくJRの線路の脇に、細長~い畑が続いている。

そこで地元の人がいろんな野菜を育てていて、森さんはゲストハウス目の前で耕作をされている。もともとは線路の向こう側の60坪の土地でやっていたけれど、続けられない人がでてきて、声をかけられてここでもするようになったとか。

もう10何年も、農薬を使わず大根やネギ、とうきび(トウモロコシ)なんかを育てていて。管理人としてみれば、「いつかあそこで育てたい」「たべてみたい!」と思うのは当然のことで。

そう思っていたところに、森さんが声をかけてきてくれて、大根やネギをくれるようになった!

次男が森さんの畑に遊びに行って、大根の葉っぱをモシャモシャ食べ始めたのがきっかけけ(笑)それから何度も森さんは来てくれて、お裾分けしてくださる。

葉っぱはそのままでも食べられるし、炒め物にするとご飯が止まらない! 自家製の「牛乳漬け」なるものもいただいたけど、まろやかで甘くてこれまた美味! 酵素ジュースにしてもうまい!

こんな幸せなことはないなぁ~。

そして冬にむけて、ご厚意に甘えて、森さんの畑に大根を10本くらい、寝かせることにしたんです。雪が降ると天然の雪室になるので、お客さんが来たら一緒に掘り起こして、甘味を増した大根をゲストハウスで食す!

楽しみすぎて、本格的な冬が待ち遠しい★ 冬こそ北海道へ一気に向かってほしい~

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木下斉さんを迎えます!

11月9日、全国のまちづくりの現場を渡り歩いてこられた地域活性化伝道師の木下斉さんが旭川と鷹栖町にーーー! 

めちゃ楽しみなので、近著の「地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門」(ダイヤモンド社)の読書感想文を勝手に書いちゃいます。ついでに、関係者じゃないのに勝手にイベント告知します。

補助金をもらったことのある身なので、帯にある「補助金が地方のガンなんや!」にドキッとするけれども、気にせずページをめくる。

気付けば一気に300ページくらいまで来ていて、やばいヤバいもう終わっちゃうと焦る。瀬戸さん(33)という主人公が、実家の家業の整理で帰省していくうちに衰退した地元の再生に関わっていくというストーリー(小説)仕立てなので、読書家になったと勘違いしちゃうくらい紙をめくるのがめちゃ速くなる。

307ページに、子どものころ瀬戸をパシッていて今は飲食事業で大成功している同級生の佐田が、こう言う。「地方やと『地元はダメだ、未来がない、何もできることはない』って大人たちが思い込んでることはまだまだあるんや」。

うんうん!

308ページでは、瀬戸が佐田の言葉を受けるように、「地方に生まれても、地元で何かをするのは無理だと諦めて東京に出てしまう子どもも多いからね。それは結局、大人たちが諦めているからなんだよね」。

ほんまそうそう!

旭川に自分が移住したのは、2018年の10月だった。いま、ちょうど1年が過ぎたところ。

これまで旭川市の経済事情の厳しさをいろいろ見せつけられ、十勝地方の盛り上がりとの比較をよく聞かされ、「旭川で商売なんてできっこない」「なんもないし、みんな諦めてるよ」みたいなことをさんざん聞かされてきた。普通に暮らしてる、それこそ本であえて表現されている「凡人」の皆さんが、そう言う場面に何度も立ち会ってきた。

「旭川ってこんなとこがすごいでしょ」「なんでもあるでしょ」っていう声は、自分で動いて多くのご縁をいただいて初めて、耳に入ってきた気がする。やっぱり少数派だと思う。

自分のまちに対するネガティブな思いや意見って、その子どもたちにも確実に伝染する。「地元で就職を」「流出を防げ」とかお題目をとなえる前に、まず大人たちがちょっとマインドや目線を変えてみることのほうが要るはずやけど。

そういう意味では、移住者のほうがまっさらな目で観察しやすいし、業界とか地域の常識も知らないので、ある意味やりやすい。でも無知すぎるし、勢い先行なもんで、いろんな忠告を受けてきた。「もっと普通のスタイルで着実にやったほうがいい」「こんな立地で人が来るわけないし、理解できない」「最初からこんな大きなリスクを背負うべきじゃない」とか。

確かに、木下さんのこの本でも「事業は小さく始める」こととか「確実な収入をまず確保する、営業の先回りを」というセオリー的な指摘があって、この点、自分のゲストハウス業は危ういところがある。それも自覚はしているつもり。

と同時に、76ページで佐田で瀬戸に迫る、「地方で事業やるゆうたら、誰もが反対する。おれと銀行、どっち信用するんや」という言葉にはちょっと救われる思いがした。木下さんによる解説コラムでも「不安を感じない人はいない。さらにまわりからは親切心で確実に反対される。いろいろな人の意見を聞く人がいるが、特段関係ない人たちに意見を聞いたりして回っているうちに、マイナスの意見ばかりを言われて諦めてしまうケースも多い(中略)不安があるからといって人の賛成を精神安定剤にしようとせず、自分で覚悟を決めてやるしかないのだ」とあった。

スーパーマンの登場を待つんじゃなくて、「凡人」がなにかで刺激を受けてきっかけをつくって、誰と組むかを意識して、とりあえず動きだしてみる。(と本で書いてある)そうそう、それが大事なんだよなーと自分で正当化してしまったわ。動きだしちゃったし、あとはやることでしか危うさを緩和する術はないし!

で、たぶん、大事なのは刺激やきっかけなんだろうけど、それは旭川や周辺にめちゃある。実は。

木こりの清水省吾さんがやっている里山部と自伐型林業だったり、旭町で展開されているnest co-livingだったり、江丹別で始まる熱中小学校だったり、まちなかの遊休不動産を取得して安く貸し出してエリアの価値を高めようとしているパターソンのむらさんの動きだったり。

でもいちばん手っ取り早いのは、9日に木下さんの講演を聴くことでしょう!

鷹栖町主催のまちづくりセミナー「稼ぐまちが地方を変える」は14時から鷹栖地区住民センターで、木下さん自主開催の「狂犬ツアー」は午後7時からJA上川ビルで。かなり突っ込んだ北海道ローカルな話が出てくるみたいですよ!

エアドゥ機内誌に掲載されました!

道民の翼として定着しているAirDo(エア・ドゥ)の機内誌「rapora(ラポラ)」11月号で、旭川公園ゲストハウスをご紹介いただきました。

26ページの「HAPPY NEWS」というコーナーで、道内の3人(3カ所)のホッとな話題を提供するというもの。(似顔絵つき💦)

掲載誌が届いたのは、その巻頭特集。「北海道発 体験できる宿。」とある。お近くだと東川町のニセウコロコロ、美瑛のスプウン谷のザワザワ村とか、長沼のmaoiq(マオイク)、十勝のMEMU EARTH HOTEL(メムアースホテル)とか、名だたるお宿が掲載されていて、そのセレクト眼に「さすがラポラ!」と思わず唸ってしまいました。

旭川公園は地域とつながっているのが分かるようなところなので、そもそも掲載されているハイクオリティ系(※勝手な解釈です)とは違った領域だけど、できるだけ泊まりにいって勉強させてもらいたいし、こういう上質な特集で取り上げてもらえるように、コツコツやろう! と思いを新たにしたのでした。

raporaは旭川公園の本棚か、機内にあります。ぜひお手に取ってご覧ください。