パンパカパーン!決まりました、ついに。土地が。
きょう夕方、会社で仕事をしていると、若手が駆け寄ってきた。「ハアハア。松本さん、旭川のFさんからお電話です!」
なんのことが分からず、「ん?ああー」と反射的に受話器を左手で取ろうとした。その瞬間、ギリギリのところで「地権者の娘さんからや!」と気づいた。
会社で移住の話が丸聞こえになるのも〜と思い、大声を出したかったけどグッとこらえて(笑)、落ち着いてハキハキと中くらいの声で電話に出た(つもり)
先方は、不動産屋さんに行って評価額を調べ、ご兄妹や、地権者であるご高齢のお父さんにも相談したことを教えてくださった。その上で「松本さんにお譲りしようと思います。そちらもいろいろ大変だと思いますし、値段も、もっと安くてもいいんじゃない?という話になりましてね。駆け引きするのは嫌なので、★★万円ならと思うのですが」
これを聞いて信じられないくらい驚いて、言葉に詰まりながら、深く深く深く、感謝を申し上げた。だって、8.6%引きなんですよ。消費税もびっくり!不動産屋さんに仲介手数料を払っても、往復の飛行機(正規運賃!)が払えるくらいの値引き額。このお心遣いに感激してしまって、デスクで頭を下げていると目が真っ赤になり、恥ずかしながら別室へ深呼吸しに行った。
なんでわざわざ、役所に書類を取りに行く労力をかけてまで、複数の親族の同意を得てまで、不動産屋さんに何度も連絡してまで、軽自動車の新車価格ほどの土地を譲ってくれたのか・・・。持っていても仕方ない、というのはあると思うけど、なんで大きな値引きをしてくださったのか。
実は不動産屋さんから、先方の思いや考えを聞いていた。前日に来店された際、「応援したい気持ちが少しある」と担当の方におっしゃっていたらしい。松本が生活できるのか、資金繰りについても気にかけてくださっていたという。
この交渉の取りまとめをしてくださった地権者のご長女とは、電話でしかお話したことがない。それも7月1日に次女さんのところに突撃訪問、翌週末の7日にも無理やり押しかけ、早めに見通しが立つとありがたい旨を申し上げた。それからわずか5日で、売買の運びと。
もし自分が逆の立場だったら、同じように振る舞えるかしら。いきなり「土地がほしい」とアポなしで来て、気候のいい静岡から移住すると。聞けば、なんでも〝公園〟をつくって小屋を並べると。どう考えても怪しいし、宗教関係かと思っちゃう。手紙やらプレゼン資料でどれだけこちらの思いが届いたのか分からないけれど、「応援したい気持ち」があるというだけで、これまでの2ヶ月、5回北海道に渡ったことが報われたーーー!
そんでもって、この不動産屋さんの担当者さんもアツい人で、うれしくなってくる。「(先方の)最高の言葉は、まるまま松本さんのエネルギーにして下さい!」「旭川を面白い街にしたいですね!」「値引きは、応援の気持ちだと思います!(^ ^)」「応援して下さる方がいらっしゃいますから何とか形にして成功させましょう!!」。温度の伝わる言葉が、メールにたくさん綴られている。
子どもができて、成長するにつれ、早く「地元」をつくってあげなきゃ。次男が小学校に入るまでに固めなきゃ、と何年も前から思っていた。ここにきて、ようやく「地元」になる地面が固まった。
あとはどれだけこの地面に魂を込められるか。持続可能な事業と生活のあり方を、早い時期にデザインできるか。かつて町内会の管理していた公園のあった区画に、新しい〝公園〟をつくる準備ができる。絶対に成功させないと!
今宵は発泡酒じゃないビールで乾杯! やっとスタートラインに立てた。明日からがいよいよ予選リーグ。
毎日おもしろく、時にはらはらと拝見させていただいております。
土地、決まってよかったですね!
いつも添えていらっしゃる、宗谷本線の写真もすばらしいです。今更あたりまえのことなのですが、そこに写る2本の鉄からなる線路が、最北の稚内まで続いていくのかと思うと妙に感慨深くなります。
いつもありがとうございます!ほんと、皆さんの応援のおかげです。
この線路と周辺の雰囲気が、フォトジェニックというか、ローカルな暮らしと一体になってなんともいえない雰囲気を醸してるんだわ。表現力がなくてあれだけど。ジョイント音も最高。「稚内に続く」ってのを枕詞にしてるけど、旅欲がかき立てられる。たまに特急が通ると、なんか良いことがありそうな気がする。早く現地の不思議な空気感を感じてほしいなぁ