キムチホルモンラーメンからの、旭山動物園かじり

10月21日のお昼は、近くにあるそば・ラーメンの「鬼はそと」。地元をよく知る人によると、ここは昔「福は内」というお店だったそうで。おもしろい。

妻はどんぶりからはみ出した巨大なのが乗っている「鬼かき揚げ丼」を頼み、子どもはもりそば、自分は「キムモン」(1000円)をオーダー。文字通り、キムチと、モツ煮込みの入ったラーメンであります。

写真では伝わりづらいけど、すごいボリューム。辛さとモツのバランスが絶妙で、麺とも相性がいい。すくってもすくっても、どんどんモツが溢れてくる。「えっ、まだ?!」とびっくりすること請け合い。こんなにたくさん入ってるの、見たことないわ。妻の鬼かき揚げ丼も三分の一くらい食べたので、お腹はパンパン。この辺、個性的なお店が多いわ。地元の人で店内もずっと混み合ってる。

そのあとは細々と買い物とか要件をすまし、夕方4時前に旭山動物園へ駆け込み。いつでも来れるし、何度も来たいので、1020円の年間パスポートを入手!イラストは市内の清掃車とか旭川大学とか、いろんなところで目にする、あべ弘士さん。マガンがデザインされていて、かわいい。

ちょうどぺんぎん館で「もぐもぐタイム」をやっていたので、ちょうどタイミングよかった。ペンギンのもぐもぐ見るのは初めてかも。

園内はどの館でもそうだけど、飼育・展示してある動物とその暮らしを通してなにを考えてほしいかを徹底的に考えてる。分かりやすいのがほっきょくぐま館で、温暖化とか気候変動でシロクマの餌や生息地がどうなってしまうか。環境の変化は何によって引き起こされているか。爬虫類館なら、マウスのよこにヘビを置いてるし、ヘビのもぐもぐタイムではマウスを餌にする。「残酷」「かわいそう」ではなく、生き物がどうしたってほかの命をいただいて生きているので、それはヘビも人間も同じだということ。子連れできて、そのポップを見るだけでも、生きた教育になるなぁ。

近くにこんな動物園があるって幸せ。時間が空いたら連れてくるようにしたい。

デザインセンターで考える、旭川家具のこと

旭川に遊びに来ていた兵庫県の母を旭川駅で見送って、写真のような感じでブラブラしていると、コンコースにる「旭川家具ラウンジ」が目に入った。(使っている人が多くてブツの写真は撮れず)。

家具は日本五大産地に数えられるほど業界では有名なのに、道外の人や、地元の若い人にあんまり知られていない。自分の感覚では、静岡で「知っている」という人に出会ったことがない。それでも、いやそれだからこそ、まちの玄関口である駅にいろんなメーカーの商品を並べて、実際に使ってもらって親しんでもらおうということなのかなと勝手に思ってる。あんまりコンコースでのんびりした事がないので分からないけど、いつも学生さんが座って勉強したりしゃべったり、ビジネスマンが座ったり、いい感じの光景を何度か見てきた。この日は人が多くて、家具の「稼働率」も高かった。

それを見ていると無性に、住んでいる永山地区にあるデザインセンターに行きたくなって、行こうとなった。妻は行ったことがないし、移住してからは自分も行ってない。

そして、見てきた印象。何度か行ってるけど、商品がいつも同じところに、同じように置かれているとしか思えない。確かに高級そうで北欧風にデザインされたものが多いけど、じゃあ「旭川家具」ってどういうもので、どんなブランドなのよ?っていうのが見えてこない。旭川じゃなきゃダメ、っていうポイントというか。。。

かつて初任地の瀬戸支局で焼き物の取材をしている時に、器を生活の中に置いてどう魅せていくのが大事なのかを考えたことがあったので、このセンターでも同じようなことを感じた。似たようなデザインの高級家具を並べているだけで、どんなライフスタイルに合うのかとか、全然わからない。

そんな中でもすごく気になったのは、gauzy calm works(ガージーカームワークス)さんと、小助川さんという職人が個人でやっておられる「アイスプロジェクト」。

前者は、デザインセンターを運営する旭川家具工業協同組合の中では最年少経営者がいて、30歳台以下をメーンメンバーに擁している。道産材のナラを積極的に使っている。

アイスプロジェクトは、「使い捨てない、長く愛す」をテーマにしたもので、オリジナル・オーダーメイドの家具を制作している。この日の時点では小助川さんにお目にかかってなかったけれど、なんとなくお人柄が顔が分かる気がした。

評論家みたいな偉そうなことを言うつもりはないけど、すごいエネルギーや勢いを感じるし、「新しいことをやってくぜー」という雰囲気が伝わってくる。

これからもっともっと注目させてもらおー。帰りぎわ、ちょうど小助川さんのワークショップがあると職員の方に教えてもらって、幸せな気持ちでお店を後にしたのでした。

 

 

ゆったり落ち着く「層雲峡ホステル」と「緑丘蔵」

(つづき)

さて層雲峡ホステルの紹介であります。

元ユースホステルというだけあって、建物はしっかりと大きい。立派なボイラーもついていて、クラウドファンディングで改修の費用を集めたんだとか。(ちなみに浴場はシャワーだけの利用になります)。

フロントもしっかりしている。共同スペース(下の写真)は広々としていて、暖房がついてあったまる。外国からのお客さんが多くて、自分たち以外に日本人客は見当たらず。翌日の計画を練るのにぴったりの雰囲気。北海道や山にまつわる本もいっぱい置いてあるー。

 

登山客の利用が多いってのがよく分かるフロントの壁!

家族で泊まるので、和室を手配してくださった。6人では窮屈かも・・・と言われていたけど、全然そんなことなく、11時間近く熟睡しました。(途中、咳のしすぎで肋骨が痛くなって何度も目が覚めた以外は)。シーツ類はセルフで敷いて、翌朝に一階へ自分で持っていくスタイル。

朝ごはんは共同スペースで。名前が書かれていて、なんかいい感じ。ここに射し込む朝の光が優しくて、外の冷気が美しく感じられる。ご飯は別料金だけど、これで税込み3000円ちょっと。めちゃコスパ高い。大ぶりな建物っていうのもあるけど、スタッフさんの雰囲気もあいまって、妙にゆったり落ち着ける空間だった。周りは高額なホテルが多いので、ゲストハウスで選択肢が増えていくのって重要だわ。

帰り際、ここ上川町と隣の愛別町でした売っていない緑丘蔵(上川大雪酒造)の日本酒「神川」をセブンイレブンで入手。道産の酒造好適米と、大雪山系の麓でとれる天然水にこだわっていらっしゃる。地元の活性化をしようと三重から移ってきた方が興した酒蔵で、地域で応援しようという機運がある。旭川市内では手に入らないってのがいいわ。自分のゲストハウスでも置いてみたい。雑味がなく、風味が強すぎず、適度にきりっとしていて、めっちゃ好きな味。

大雪森のガーデンの絶景と、「すがわら」の塩はホンモノだった

森のガーデンの周辺からの絶景!

!旭川には、元祖といえるゲストハウスがあって、その名は「宿・レトロハウス銀座」と言う。そこ出身の志水陽平さんが今、層雲峡の旧ユースホステルをリノベーションして今年6月からゲストハウス「層雲峡ホステル」をやっている。旭川では有名な方なんです。

層雲峡は旭川の奥座敷みたいなところで、温泉郷として有名なところ。大きなホテルがひしめいていて、昔から知られている観光地だし黒岳(大雪山系)の登山口としても人気。

で、その層雲峡ホステルの今シーズン営業が10月19日で終わるということで、オーナーの志水さんに連絡して、家族5人と母の6人で急きょ宿泊することにしたのです。この日は移住してきてからダントツで大雪山系がキレイに見えたので、もっと近くにいけると思うと、ドキドキ。

仮住まいアパートの近くからの絶景!(下の写真はアパート裏手)

この日は午前中に旭川市立病院で長男・大滋(たいし)の受診。その間、下の子ども2人を駅近くの子ども施設で母に見てもらい、お昼に合流して塩ラーメンの名店「すがわら」でお食事。やっと来れたー!

日本初の歩行者天国・買物公園通りから一歩入ったところに本店があって、すこし駅からは歩くけど、ビルの中から見た店舗外観はご覧の通り味があっていい感じ。

ぜいたくにも、特上の塩(930円)をいただく。すごく澄んでいて、あっさりながらも、しっかりと余韻を残すスープ。正直、麺は好みではないけど、このスープと味玉はバツグンだった。近くのゲストハウスオーナーさんは「旭川で一番うまい塩」とおっしゃっていて、さもありなん、と。

一度帰宅して身支度して、高速道路(無料区間)をスイスイ通って、上川町というところに入る。もう日が暮れる寸前だったけど、せっかくだからと「大雪 森のガーデン」へ。ここは著名人もお忍びで通うとか噂されるハイクオリティのヴィラとか、ミクニさんのレストランとかが有名で、広大な「北海道ガーデン」も人気。あとカフェも。めちゃ残念なことにカフェのラストオーダーが終わり、ガーデンもシーズンが終わってしまってけど、周囲の眺望は超一級。雑誌とかで見てて憧れていたけど、その期待に違わぬ絶景でありました。

ここに見えるのがヴィラ。宝くじが当たったら泊まってみたい
おシャンティーなヴィラです

こちらがレストランです。懸賞が当たったら食べに来たい

そして暗くなって午後6時前くらいに、層雲峡ホステルに到着。森のガーデンからけっこうな距離があり、上川町の中心部から温泉郷まで20数キロあったので、その広さにびっくりしながら。

夜になるにつれて、体調はどんどん悪くなり、食事も楽しむ余裕がなく、8時台にはバタンキュー。志水さんたちと飲むこともかなわず、大変失礼なことをしてしまった。。。温泉郷にきたのに近くのホテルにある温泉にも入らず、トホホな夜になってしまった。                             (つづく)

 

ゾクゾクと忍び寄る「地に足がついてない」感

10月18日。雪虫が飛んでも、まだ降らない。それでもやっぱり、朝に長男のスクールバス乗り場まで歩くと、冬に近づいていってるんだなと感じる。秋の終わりは近い。

ちなみに、スクールバスは子どもの足で15分の道庁の出先機関にあり、幸運なことにとっても便利。いい運動になるし、なんだか安心。車に乗らなくても行ける幸せは大きい!

夕方には自分の母が遊びに来てくれて、家族全員で旭川駅までお出迎え。自分は前日くらいから、悪寒がしだして、咳き込むは頭痛はするやで、急激に体調が悪化していたので、テンションがぜんぜん上がらず。この症状なんだろうと思いながら、これまで病院に行っても「感染症でしょう」と言われて終わりだったので気持ち悪い。一年に一度は発症して、お酒入ると絶望的にしんどいし、けっこう長引く。

でも今夜はとてーも大事な夜の予定が。これまた前日に、たまたまFacebookのイベント案内で知った、キャンプファイヤーさんのクラウドファンディングのセミナー!なんで旭川で?と思ったけど、こちらの面白い人が集まりそうだす、迷わず「参加」をポチッとしたしだい。

セミナーでは、基本的な心構えから、広く思いを伝えるコツ、期間中のステージ別の仕掛けまで、実践的なことを教えてもらえた。しかも、キャンプファイヤーの北海道担当の方から直接。この場で知ったけど、各エリアには伝道師みたいな存在がいて、旭川と東京の2拠点で活動されている方が、一緒にこのイベントを開いたような格好だった。

中身が参考になったのはもちろんだけど、参加者はこれから起業をしようか考えてる人やすでにやった人、「なにか面白いことをしたい!」と構想を練っている方まで様々で、その皆さんとつながれただけでも最高に刺激的だった。

そして、地元でずっとやってきてそこから生まれた疑問や問題意識、希望なんかを皆さん話してらっしゃったので、「あぁ、自分は地に足がついてない。めちゃんこ薄っぺらい机上の空論にすぎないなー・・・」と妙なネガティブ思想に、脳みそが急速に支配されていった。

なのでこの直後に、自分のやりたいことを紙に書いて発表するワークがあったのに、自分がすごく恥ずかしくなって、スラスラと書けなくなった。あ、これってまだ、自分のやりたいことが身体を通ってない、胸を張ってストレートに人に話せるレベルじゃない、と痛感。撃沈した感じになった。

それでもエイヤ!と気を取り直して、一部の参加者さんと懇親会へ突入。近くの「羊肉酒場」さん。大阪出身の篠原さんが経営されていて、今日のセミナーにも参加されていた。

ジンギスカンは、北海道に来て何度か食べてるけど、「生ラムたたき」なんてものは初めてで、ハマりそうだった。これはツマミとしてもいくらでも食べられる。そしてこのお店の名物は水晶の透明プレートで焼くこと。焼き加減にコツはいるけど、素材の良さを引き出すめずらしい焼き方にびっくり。ビールは生中を一本飲んだだけで、頭がフラフラ。最終の汽車が旭川発22時32分なので、間に合うようにちゃんとお店を後にすることに。タクシーはお金が悲惨だし、バスはまだよく分かっていないので。。。体をゾクゾクさせながら最寄りの永山駅からアパートまで15分、歩くのは堪えたけど、やりきった感はあった(笑)

初めて見たご当地ドリンク。後日、イオンモールの中の地元産品ショップでも見かけた。旭川のだと思ったら、よく見たら芦別だった。

秋の石狩川フォトギャラリー

次男との散歩2日目。三日坊主にならないか・・・。不安。

今日は車で10分弱走って石狩川まで。もっと近くに川にかかる橋はあるんだけど、一番好きな、とっても美しい景色のところへ。地元の人しかわからないような、秘密の場所。

この日、10月17日の朝はなかなかに冷え込んで、車の温度計は3度。空気が冷たくて、キーンとなって、気持ちがいい。肺が浄化されるようだわ。次男と橋を歩いて撮影。一眼レフや望遠レンズも持ってきたのに、メモリーカードを忘れるという大失態。しかたなくiPhone 6sで。

次男はめちゃくちゃ寒がってたけど、寒いからこそこんな風景を享受できるんだよなー。感謝。帰ってきてストーブに当たる、その幸福感といったら・・・。朝ごはんもうまい。

日中の空き時間は、旭川の隣町・東神楽町へ。北海道で一番子どもの割合が多く、人口がずっと増えていて、子育て支援や教育にずっと力を入れている。空港のあるまちで、コンパクトシティーをつくってもいる。この辺はまたあらためて。

お昼は、障害のある人の就労支援施設「ゆい・ゆい本舗」(東神楽町)へ。旭川の買物公園通り(歩行者天国)にあるナチュラルチーズ屋さん「ジャパチーズ」のモッツァレラがふんだんに入ったチーズハンバーグカレーをいただく。とろけるチーズがほどよいアクセントと甘みをだし、カレーもコクがあって、んまい! 後日、マルシェでまた食べたけど変わらぬおいしさ。これはリピートしたくなる味。

夜は東神楽町の行政関係者の方と飲み会。旭川市を中心とする広域圏での課題や可能性について意見交換して、楽しい〜。やっぱり旭川は、道北の雄として、もっともっとリーダーシップを発揮しないとなぁ。。。 当たり前だけど自分の知らない面白いネタや名物がたくさんあって、旭川に限らずどんどんコラボレーションしていきたいと強く思えるステキな会食になった!

二件目は、旭川駅近くの「大雪地ビール」のレストランへ。

飲みくらべして、またまた幸せな気分。旭川周辺ではクラフトビールを新たにつくろう!という動きもるらしく、どんどん面白いことが起きてきそう。クラフト=富良野だけじゃない! コミュニケーションのツールとしてのビールやコーヒーは、多様であればあるほどいいんじゃないかと思う。

 

 

 

 

 

 

かわいい雪虫、芳醇な酒粕ラーメン

道民になって7日目ともなると、ちょっと気持ち的には落ち着いてきた感じがする。ということで、次男との朝の散歩に出かける。がんばるぞー!

ちょっと前から気になっていたのが、この雪虫。これが飛び始めると雪が降るかも〜って言われていた記憶があるけど、なかなか降らない。。。ふわふわふわ〜と家の前でたくさん飛んでいて、ふわっと手でかすめると、気持ちいいくらいに捕まってくれる。かわいい。

昨シーズンは10月23日に雪が降り始め、そのまま根雪になったといろんなところで聞く。でも今年はまだ全くで、大雪山系でも例年にないくらい、雪がないらしい。まだ準備が本格的にできてないのでわが家にとってはいいけど、旭川でこのまま雪がないまま11月に突入するとしたら、ちょっと不思議な感じがしてしまう。早くタイヤもなんとかしなきゃ。早い人はもう、スタッドレスに履き替えてるし。

役所に行ったり、家の片付けをしたり、コインランドリーに行ったり、中古車屋さんに見に行ったりしているうちに、日中の時間はどんどんなくなっていく。

家の中の食器棚がまだないこともあって、まだまだ外食の比率が高い。きょうのお昼はどうしようかな〜と車を走らせ、ふとした瞬間に「そういえば、ここ行かないといけなかった!」と思い出したのがここ、地産食堂「ウルエ」。塩ホルモン「きくちゃん」の並びで、国道39号(大雪通り)からは見えにくいけど、地元の人でにぎわっているお店。

入口のタープに、謎の北野大さんの揮毫が。ここの立地の特徴はなんといっても、この名酒蔵が国道を挟んであるところ。旭川の銘酒といえば、そう「男山」。最近はアジアからの訪日客がバスで押し寄せていて、活気がある。

ということで、「ウルエ」さんの多彩なメニューの中でも今日は、男山の大吟醸酒粕ラーメン!!どおりゃ==!って感じの見てくれ。迫力あるー。

釘付けになるのは、まんなかに鎮座する「酒粕ドーム」。これを少しずつ溶かして、味を段階的に調整していくのは食べ方のミソらしい。かき混ぜるたびに、芳醇さをましていくスープ。葉物との相性もバツグンで、これは旭川に来たならマストな逸品だわ。ちなみにこのお店、地下水(伏流水)を使っているらしい。コーヒーサービスもある。さすが!

比布はおいしい駅においしいものが集まってた

ビジネスコンテストでグランプリを逃して一夜明けた朝は、なんとも神々しい、パワーをもらう日の出だった。仮住まいのアパート裏手から見える大雪山系から顔を見せた太陽は美しいことこの上なく、頭上の雲をこれから晴らしていくような勢いがあった。感謝。

きょうは15日。移住して6日目になるけど、土地勘を養うためにも近隣の町を知るツアーを始めることにする!

第一弾は比布町。町営スキー場や、イチゴが有名なまち。有名じゃないけど、近くにある旭川農業高校さんと連携して素材提供をしていて、町名の響きもあってすごくいいイメージが昔からあるところ。

旭川市永山から比布に向かう道中もいちいちきれいで壮大。いいなあ。北海道の踏切って素敵。

今日の目的地は、比布駅。ピップエレキバンのCM撮影で知られた駅で、亡くなった樹木希林さんがいらしている。昭和54年に旅行中の大学生がこの駅を見つけ、ここでCMを撮影するよう署名活動をして、「大学マガジン」という雑誌で呼びかけたんだって。知らなかったー。おもしろい。

しかも、撮影は翌年6月に敢行! これもすごい。午前中に一本しかない急行列車が通過するシーンを狙い、失敗したら夕方まで待たないといけない、というシチュエーションだったそう。その後は観光客でごった返した。今でも、「ピップエレキバンの駅」と言えば、通じる人には通じる。

駅にはこんな撮影時のエピソードも書かれてあった。しかも2016年9月4日の駅のグランドオープンイベントでは希林さんがメッセージも寄せてくれたみたいで、それも展示してあった。なんかいいなぁ。

このグランドオープンというので、駅がきれいになり、今人気の「ぴぴカフェ」につながっている。線路とホームをのぞむ開放的な空間がカフェスペースになっていて、ご覧のような地元産品を売りにしたメニューがある。

食べたのは、スキー場近くで育っているニジマスのいくら丼、すべて素材は地元産で固めてネギ醤油をかけるTKG(卵かけご飯)、カレー。どれも美味しい。みそ汁が滋味深い。

ワンコインもあるから、旭川から来ても元が取れるし、お土産も充実してるからまた着たくなる。わが家は、前から気になっていたシラカバの樹液を購入。どこで作っているのかは知っていたけど、販売してるのは初めて見た!

ちなみに駐車場でたまたまお話した紳士いわく、ここのキクラゲが絶品で、一度食べて忘れられなかったので旭川から買いに来たという。カフェの中の思い出ノートにも、東京からキクラゲ丼を食べにきたよ〜っていう書き込みがあった。実はまだ食べてないけど、これはイケるコンテンツになりそうだなぁ。町内でハチミツも作っているらしくて、比布は相当面白いところだと分かった。大きな収穫。

東川養護学校に通っている長男・大滋(たいし)のバスお迎えがあるので、2時半くらいに退店。帰り道に、気になっていた軽トラが置いてある中古車屋さんがあるので、品定めして。うーん、どっちにしようかなぁ。

左が、走行距離不明のスバル・サンバー。右が8万キロ弱のスズキ・キャリイ。サンバーはオイル漏れで、いろいろ面倒な感じ。Facebookで皆さんの反応をうかがっていると、圧倒的にキャリイ推しが多い。元・浜松人としても、やっぱキャリイにすべきかなぁ。ちょっとだけ考えよう。

ちなみに中古車屋さんからの眺めがこれ。はあ〜、こんなところで働きたいなー。

ビジネスコンテストが教えてくれたこと

本選に出たメンバー。高校生の男子が若いのでデコレーションつきの記念写真。皆さんありがとうございました!

北海道庁が主催する「創業ビジネスグランプリ」の本選会場は、なんと札幌駅からほど近い、旧道庁の「あかれんが庁舎」。訪日客や見学に者がすごく多い、由緒正しいところでプレゼンをするなんて、がぜん気分は高まる。

プレゼン時間は予選の5分から10分にのび、伝えられることは増えた。ボリューム的には。このために昨夜は札幌の東横インに泊まって未明まで練習したのです。

焦らず、相手の顔を見え、反応をつかんでと意識して、本番はそれほど緊張することなく発表できたものの、じゃっかん時間が足りなくなって、恥ずかしい限り。。。(2回目の一般向け公開プレゼンではうまく修正できたけど)

お昼は、初めて行った「おふくろの味」。この日はホルモン定食がなんと500円。うまい。調理は男性ばかりだったけど笑

審査員の方からは、「北海道の人間からすると、なぜ旭川なのかが分からない」という指摘があった。これは時間切れになったことが主因で、質疑できちんと伝えることはできたと思ってるけど、この純粋な「なんで?」はすごく重要だなと。確かにどこ行っても聞かれるけど、理由が多すぎて「どこから話そうかな・・・」と心の中で迷ってしまう。これがいけない。短いワードでズバズバと、聞いてる人の腹に落ちるようにまとめないと。今後の大きな課題!

別の審査員の方からは、「提出時の資料では、人件費がゼロということになっている。ちょっとびっくりして、こんなのあり得ない」と。家族経営でやっていくこと、カフェも一般の飲食店営業のようにガッツリするわけではなくメニューも工夫していることを質疑でお答えしたけど「奥さんがインフルエンザになったらどうしますか。これだけの事をやろうとするなら、従業員のことをちゃんと考えて進めてください」とアドバイスを頂戴した。うーん、この時以降、けっこう考えるようになった検討課題であります。

この本選には4人が参加して、自分は3位となった。それはもう、悔しくて悔しくて、札幌駅までが何キロもあるように感じてしまった。特急「カムイ」の中でいろんなものが込み上げてきて、ここ半年の間で最大に「ガツン!」という衝撃を受けたけど、Facebookから届く、たくさんの温かい励ましに心温まり、涙腺がゆるむ。

震災委員長の講評では「家族そろっての移住ということで、その覚悟には驚かされる。ただ、投資額も大きいし心配になる。地元金融機関とも相談して、収支計画などのブラッシュアップを」ということだった。で、1位や2位の方は、「事業化の確度」とか「地域活性化の可能性」とかが評価されていた。つまり自分はまだまだ実現可能性には不安があり、地域への寄与も低い、ということになる。

これから、さぁ!というタイミングだったからこそ、ここで一度打ち砕かれたのはすごくいい経験になった。それに、当たり前だけど、自分はまだ北海道で、何者でもない。看板もなければ地縁も血縁もない。まったく根を張っていない。でもだからこそ、伸びしろがあるはず。

3年後とか5年後、ほかの出場者に負けないような結果を必ず出さないといけない。まずは1人が成人する2年後、このメンバーで、お酒を飲みたい。できれば、厚岸のウイスキーに牡蠣を添えて。

 

旭川の木と家具を考えるシンポジウム

10月13日の午前中は、段ボールの山と格闘がつづく。そんな中でも、仮住まいアパートの裏から見える大雪山系には目と心を奪われる。

細かい買い物とかをするついでに、久々に東鷹栖というところにある、「米蔵(マイハウス)」へ。リゾットやドリアうまい。多分夜のメニューになるんだろうけど、ここは自家製ベーコンが超美味。地元の若手農家さんが始めたお店で、近隣の顔の見える農産物を使っている。そういえば、まだソフトクリーム食べてない…。

夕方は、まちなかで外せないシンポジウムが。静岡大に籍は移られたけど、旭川大で家具産業の研究や木育の実践をしてこられた横田宏樹先生や、自分で山を所有し管理している「自伐型林業」の清水省吾さん、家具職人でお隣・当麻町で森を持っている原弘治さん、旭川市工芸センターの有馬有志さんが登壇! と来ては、行かないわけにはいかない。

横田先生からは、一つの(旭川圏域)の産地の中でのつながりのなさ、山が近くにあって木材やデザインできる人がいることなど、特徴の解説があった。その上で、なぜ農業のように「6次化」が進まないのか、産地の持続性を保つ上でどうやって消費者とつなげていくのかといった問題提起が。「家具」ではなく「家具づくり」を売っていくべきだというサジェスチョンもあった。大興奮!! 有馬さんの報告は聞けなかったけど、パネル討論の中で「誰がどこで作ったのか、家具でも伝えないといけない」「この木はどういう所で育って作られたかわかっていないとけない」というご指摘があった。

力説する清水さん

清水さんからは、道産材=「あ、いいな」というイメージが先行しているだけで、川上=森の現状が知られていない課題を提示。50年で一度リセットするような皆伐や、一代で終わる林業経営が木の価値を結果的に損なっていること、補助金漬けでだましだまし回っている現行林業への批判があった。小規模でオープンな林業家だからこそ、直接消費者とかかわり、産地だからこそ家具職人と林業家がつながっていくことが大事だと訴えていた! いいなー、やっぱり。

25歳で家具工場を持った原さんは「木を選ぶところから家具をつくる世の中になればいい。生えている所から(意識して)作ると、ずっと森のことが頭に残る」「どうやって(顔の見える家具を)消費者に選択してもらうか。それは教育、木育。感性や楽しさを子どもに伝えたい」と力説。

皆さんが近くにいるから、旭川市の永山地区というところでゲストハウスをやろうと思ったと言っても過言じゃない。

夜は一度家に戻り、ご飯を食べて準備して、夜の旭川駅へ。網走からの特急「オホーツク」に乗って、あした道庁主催ビジネスコンテストのある札幌へいざ出陣!