線路と駅が、すぐそこにある価値

旭川公園にお越しになる方は多くがレンタカーですが、JRを利用される方も一定数いらっしゃります。タイミングなどが合えば、そしてご希望があれば最寄りの永山駅か北永山駅に送迎するのですが、「歩くので、歩きたいので大丈夫です」というゲストもいらっしゃいます。

電車、鉄道の画像のようです

お盆過ぎに、カナダから来られた男性もそうでした。30℃超えが普通だった夏の盛りでしたが、車を借りることもなく、お出かけになる時はJRやバスを利用されていました。

チェックアウトをされる時、ある理由からついに永山駅までお送りする機会が訪れました。朝6時17分発の始発列車に乗って稚内を目指すとのことです。旭川から稚内まで直通する、唯一の下り普通列車。永山を通過するときは、だいたい2両編成です。今では長距離を走る鈍行は貴重で、しかも国鉄時代の車両なので、タイムスリップした気分になれる特別な列車です🕰️訪日客の皆さんにとっては特に、鉄道で移動できる価値というのはかけがえのないものだと、あらためて思わされました。

ある日本人のファミリーは、クルマでご来園されたのにクルマを置いて、JRで旭川駅へ。そしてまちを歩いて、旭川市博物館へ。国鉄時代のキハ40に「懐かしい!地元の四国で、通学でずっとキハに乗っていたの!」と感激しておられました。揺れるし、JRじゃないJNRと書かれた扇風機しかないし、音も大きい古い車両です。でもそれが何十年も前の記憶と結びついて、いまだに頑張ってる姿を見せてくれるなんて、とってもステキ。鉄道マニアじゃなくても、こんな公共交通の楽しみ方があるんだなと気づかされました。

また、普段からよくあることですが、お子様連れのゲストは朝ごはんの前後にお散歩をされ、すぐ近くの線路際で列車に手を振る姿が見られます。大都会でせわしなく走っている通勤電車とは違い、トコトコと心地よいスピードとジョイント音で癒されるようです。

歴史ある永山駅や、田んぼの上にあるような北永山駅が最寄りです。普段お住まいの地域とは違う駅、そして駅から目的地までの時間を味わうのも、ローカル旅の醍醐味なんだと思います。

「わがままじぃじぃ」の裏手から、JR宗谷本線のレールが見えます。

宗谷ラッセルに旭川近郊で一番近いゲストハウス!(のはず)

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いよいよ本格的な冬シーズンに突入! たぶん人口の95%くらいの人は関心ないだろうけど、実は雪をかきわけるラッセル車が毎日走るのは、全国広しといえど、北海道のこの辺りだけ! 旭川に宿多しといえど、施設内から20mないくらいのところでラッセル車を撮影できるのは、旭川公園くらいのものでしょう!

動画は12月14日(土)の午後2時37分ごろ、旭川公園ゲストハウスの目の前から撮影。毎日この雄姿を眺められるなんて、鉄道ファンじゃなくても息をのむはず! これから雪がもっと積もれば、より迫力は増していく。

昨シーズンはそんな満足に見れなかったけれど、当麻町に差し掛かった国道30号近くの踏切とか、存続の危機にある南比布駅とかから、何度か撮影しました。特に南比布駅なんか、カメラの放列が20人分くらいあって、びっくりしたわ。ラッセルが通過したら、その後を追いかけていったけれども。途中駅で長時間停車もするから、何度か撮影するチャンスはあるのも嬉しい(でも焦ったり違法駐車したりとかリスクあるのであまりおススメはできない)。ちなみに永山駅は8分停車。




今年はもっと広範囲で狙っていきたいなぁ。

旭川公園ゲストハウスからなら、名寄方面からのラッセル(動画とは逆方向)も早朝の5時35分ごろ通過するのも拝めます。いまどきのデジカメなら撮れちゃうレベル。

ラッセル車や、雪煙の舞うディーゼル列車に興味のある方はぜひお問合せくださいませ★

線路の近くに大根が眠っている、という幸せ

知ってる人は知っている、ゲストハウスそばの自家菜園。稚内につづくJRの線路の脇に、細長~い畑が続いている。

そこで地元の人がいろんな野菜を育てていて、森さんはゲストハウス目の前で耕作をされている。もともとは線路の向こう側の60坪の土地でやっていたけれど、続けられない人がでてきて、声をかけられてここでもするようになったとか。

もう10何年も、農薬を使わず大根やネギ、とうきび(トウモロコシ)なんかを育てていて。管理人としてみれば、「いつかあそこで育てたい」「たべてみたい!」と思うのは当然のことで。

そう思っていたところに、森さんが声をかけてきてくれて、大根やネギをくれるようになった!

次男が森さんの畑に遊びに行って、大根の葉っぱをモシャモシャ食べ始めたのがきっかけけ(笑)それから何度も森さんは来てくれて、お裾分けしてくださる。

葉っぱはそのままでも食べられるし、炒め物にするとご飯が止まらない! 自家製の「牛乳漬け」なるものもいただいたけど、まろやかで甘くてこれまた美味! 酵素ジュースにしてもうまい!

こんな幸せなことはないなぁ~。

そして冬にむけて、ご厚意に甘えて、森さんの畑に大根を10本くらい、寝かせることにしたんです。雪が降ると天然の雪室になるので、お客さんが来たら一緒に掘り起こして、甘味を増した大根をゲストハウスで食す!

楽しみすぎて、本格的な冬が待ち遠しい★ 冬こそ北海道へ一気に向かってほしい~

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デザインセンターで考える、旭川家具のこと

旭川に遊びに来ていた兵庫県の母を旭川駅で見送って、写真のような感じでブラブラしていると、コンコースにる「旭川家具ラウンジ」が目に入った。(使っている人が多くてブツの写真は撮れず)。

家具は日本五大産地に数えられるほど業界では有名なのに、道外の人や、地元の若い人にあんまり知られていない。自分の感覚では、静岡で「知っている」という人に出会ったことがない。それでも、いやそれだからこそ、まちの玄関口である駅にいろんなメーカーの商品を並べて、実際に使ってもらって親しんでもらおうということなのかなと勝手に思ってる。あんまりコンコースでのんびりした事がないので分からないけど、いつも学生さんが座って勉強したりしゃべったり、ビジネスマンが座ったり、いい感じの光景を何度か見てきた。この日は人が多くて、家具の「稼働率」も高かった。

それを見ていると無性に、住んでいる永山地区にあるデザインセンターに行きたくなって、行こうとなった。妻は行ったことがないし、移住してからは自分も行ってない。

そして、見てきた印象。何度か行ってるけど、商品がいつも同じところに、同じように置かれているとしか思えない。確かに高級そうで北欧風にデザインされたものが多いけど、じゃあ「旭川家具」ってどういうもので、どんなブランドなのよ?っていうのが見えてこない。旭川じゃなきゃダメ、っていうポイントというか。。。

かつて初任地の瀬戸支局で焼き物の取材をしている時に、器を生活の中に置いてどう魅せていくのが大事なのかを考えたことがあったので、このセンターでも同じようなことを感じた。似たようなデザインの高級家具を並べているだけで、どんなライフスタイルに合うのかとか、全然わからない。

そんな中でもすごく気になったのは、gauzy calm works(ガージーカームワークス)さんと、小助川さんという職人が個人でやっておられる「アイスプロジェクト」。

前者は、デザインセンターを運営する旭川家具工業協同組合の中では最年少経営者がいて、30歳台以下をメーンメンバーに擁している。道産材のナラを積極的に使っている。

アイスプロジェクトは、「使い捨てない、長く愛す」をテーマにしたもので、オリジナル・オーダーメイドの家具を制作している。この日の時点では小助川さんにお目にかかってなかったけれど、なんとなくお人柄が顔が分かる気がした。

評論家みたいな偉そうなことを言うつもりはないけど、すごいエネルギーや勢いを感じるし、「新しいことをやってくぜー」という雰囲気が伝わってくる。

これからもっともっと注目させてもらおー。帰りぎわ、ちょうど小助川さんのワークショップがあると職員の方に教えてもらって、幸せな気持ちでお店を後にしたのでした。

 

 

比布はおいしい駅においしいものが集まってた

ビジネスコンテストでグランプリを逃して一夜明けた朝は、なんとも神々しい、パワーをもらう日の出だった。仮住まいのアパート裏手から見える大雪山系から顔を見せた太陽は美しいことこの上なく、頭上の雲をこれから晴らしていくような勢いがあった。感謝。

きょうは15日。移住して6日目になるけど、土地勘を養うためにも近隣の町を知るツアーを始めることにする!

第一弾は比布町。町営スキー場や、イチゴが有名なまち。有名じゃないけど、近くにある旭川農業高校さんと連携して素材提供をしていて、町名の響きもあってすごくいいイメージが昔からあるところ。

旭川市永山から比布に向かう道中もいちいちきれいで壮大。いいなあ。北海道の踏切って素敵。

今日の目的地は、比布駅。ピップエレキバンのCM撮影で知られた駅で、亡くなった樹木希林さんがいらしている。昭和54年に旅行中の大学生がこの駅を見つけ、ここでCMを撮影するよう署名活動をして、「大学マガジン」という雑誌で呼びかけたんだって。知らなかったー。おもしろい。

しかも、撮影は翌年6月に敢行! これもすごい。午前中に一本しかない急行列車が通過するシーンを狙い、失敗したら夕方まで待たないといけない、というシチュエーションだったそう。その後は観光客でごった返した。今でも、「ピップエレキバンの駅」と言えば、通じる人には通じる。

駅にはこんな撮影時のエピソードも書かれてあった。しかも2016年9月4日の駅のグランドオープンイベントでは希林さんがメッセージも寄せてくれたみたいで、それも展示してあった。なんかいいなぁ。

このグランドオープンというので、駅がきれいになり、今人気の「ぴぴカフェ」につながっている。線路とホームをのぞむ開放的な空間がカフェスペースになっていて、ご覧のような地元産品を売りにしたメニューがある。

食べたのは、スキー場近くで育っているニジマスのいくら丼、すべて素材は地元産で固めてネギ醤油をかけるTKG(卵かけご飯)、カレー。どれも美味しい。みそ汁が滋味深い。

ワンコインもあるから、旭川から来ても元が取れるし、お土産も充実してるからまた着たくなる。わが家は、前から気になっていたシラカバの樹液を購入。どこで作っているのかは知っていたけど、販売してるのは初めて見た!

ちなみに駐車場でたまたまお話した紳士いわく、ここのキクラゲが絶品で、一度食べて忘れられなかったので旭川から買いに来たという。カフェの中の思い出ノートにも、東京からキクラゲ丼を食べにきたよ〜っていう書き込みがあった。実はまだ食べてないけど、これはイケるコンテンツになりそうだなぁ。町内でハチミツも作っているらしくて、比布は相当面白いところだと分かった。大きな収穫。

東川養護学校に通っている長男・大滋(たいし)のバスお迎えがあるので、2時半くらいに退店。帰り道に、気になっていた軽トラが置いてある中古車屋さんがあるので、品定めして。うーん、どっちにしようかなぁ。

左が、走行距離不明のスバル・サンバー。右が8万キロ弱のスズキ・キャリイ。サンバーはオイル漏れで、いろいろ面倒な感じ。Facebookで皆さんの反応をうかがっていると、圧倒的にキャリイ推しが多い。元・浜松人としても、やっぱキャリイにすべきかなぁ。ちょっとだけ考えよう。

ちなみに中古車屋さんからの眺めがこれ。はあ〜、こんなところで働きたいなー。

旭川の木と家具を考えるシンポジウム

10月13日の午前中は、段ボールの山と格闘がつづく。そんな中でも、仮住まいアパートの裏から見える大雪山系には目と心を奪われる。

細かい買い物とかをするついでに、久々に東鷹栖というところにある、「米蔵(マイハウス)」へ。リゾットやドリアうまい。多分夜のメニューになるんだろうけど、ここは自家製ベーコンが超美味。地元の若手農家さんが始めたお店で、近隣の顔の見える農産物を使っている。そういえば、まだソフトクリーム食べてない…。

夕方は、まちなかで外せないシンポジウムが。静岡大に籍は移られたけど、旭川大で家具産業の研究や木育の実践をしてこられた横田宏樹先生や、自分で山を所有し管理している「自伐型林業」の清水省吾さん、家具職人でお隣・当麻町で森を持っている原弘治さん、旭川市工芸センターの有馬有志さんが登壇! と来ては、行かないわけにはいかない。

横田先生からは、一つの(旭川圏域)の産地の中でのつながりのなさ、山が近くにあって木材やデザインできる人がいることなど、特徴の解説があった。その上で、なぜ農業のように「6次化」が進まないのか、産地の持続性を保つ上でどうやって消費者とつなげていくのかといった問題提起が。「家具」ではなく「家具づくり」を売っていくべきだというサジェスチョンもあった。大興奮!! 有馬さんの報告は聞けなかったけど、パネル討論の中で「誰がどこで作ったのか、家具でも伝えないといけない」「この木はどういう所で育って作られたかわかっていないとけない」というご指摘があった。

力説する清水さん

清水さんからは、道産材=「あ、いいな」というイメージが先行しているだけで、川上=森の現状が知られていない課題を提示。50年で一度リセットするような皆伐や、一代で終わる林業経営が木の価値を結果的に損なっていること、補助金漬けでだましだまし回っている現行林業への批判があった。小規模でオープンな林業家だからこそ、直接消費者とかかわり、産地だからこそ家具職人と林業家がつながっていくことが大事だと訴えていた! いいなー、やっぱり。

25歳で家具工場を持った原さんは「木を選ぶところから家具をつくる世の中になればいい。生えている所から(意識して)作ると、ずっと森のことが頭に残る」「どうやって(顔の見える家具を)消費者に選択してもらうか。それは教育、木育。感性や楽しさを子どもに伝えたい」と力説。

皆さんが近くにいるから、旭川市の永山地区というところでゲストハウスをやろうと思ったと言っても過言じゃない。

夜は一度家に戻り、ご飯を食べて準備して、夜の旭川駅へ。網走からの特急「オホーツク」に乗って、あした道庁主催ビジネスコンテストのある札幌へいざ出陣!

 

 

 

写真の楽しさを思い出す新宿からきりたんぽの四ツ谷まで

開拓の地・北海道へ向かう北上の旅が始まった。

東名の磐田インターから東京方面へ。順調に進んだけど、首都高が大渋滞。自分は11時に新宿で約束があるので、横浜青葉インターで降り、東急田園都市線に乗り換えることに。

待ち合わせ場所は、新宿のリコーイメージングスクエア。

 

1960年代の地方私鉄を撮りためた風間克美さんの写真展の会場になっていて、ここで学生時代にお世話になった名取紀之さんと落ち合い、近くのレストランで近況報告を。名取さんはレイル・マガジン編集部でアルバイトしていた時の編集長で、業界では大変知られた方でいらっしゃる。いまは鉄道図書出版の「OFFICE  NATORI」で仕事をされている。

そこで拝見したのがこの本。名取さんが手がけられた、「C62重連 最後の冬ー「ニセコ」を追った21日間ー」。

国鉄広報部の専属カメラマンだった荒川好夫さんによる記録。1971年の厳冬期、3クール21日間にわたって、函館山線を走った「ニセコ」の勇姿をおさめたもの。

静謐な画面にもSLの生命力が溢れる写真が並び、しばらくページをめくると、時刻とともに「ニセコ」の動きを文章で添える。出庫準備、小樽出発、長万部(おしゃまんべ)到着と要所要所で機関車や機関士、周囲の空気を織り込んでいく。ロードムービーのような仕立てになっていて、生き物かのような蒸機(SL)の鼓動と、それを動かす人たちの動きが、胸に迫ってくる。

この後千葉市に移動。千葉都市モノレールの「千葉公園」からすぐのところにある、「椿森コムナ」(http://tsubakimorikomuna.com/about/)という素敵空間があり、そこを視察するために!

入る時は裏口からになってしまったけど、周りは普通の、けっこう密集した住宅地

面から入ると分かりやすいけど、わが一行は迷ってしまい、裏口から入ることに。所狭しと一軒家やアパート・マンションが建ち並んでいるエリアで、この特殊な空間を見つけたときは、メイがトトロの棲家に迷い込んだ時のようなときめきを覚えるものでありました。

中はとにかくすごいクオリティの構造物がならんでいた。ツリーハウスも登るたびに大きく太い幹に触れるし、建てつけがしっかりしていて、急階段だけ注意すれば安心して子どもを遊ばせられる。ハンモックも上質で、ドリンクスタンドやトイレの小屋もしゃれてる!

コムナとは、エスペラント語で「共有」を意味するらしい。プロデュースしたのは、グッドデザイン賞に何度も輝いている地元の住宅設計会社で、米・ポートランドのまちづくりを参考にして空間をつくったとのこと。住宅街に残った小さな森をいかし、廃屋とか建築現場の残材も組み合わせて、みんなが集えるコミュニティをつくった。すてき!

気持ちが満たされたあとは、東京・四ツ谷の秋田料理屋「太平山酒蔵」で晩ごはん。学生時代からかれこれ15年弱通っていて、社長の高橋ご夫妻に退職と移住のご報告を。今日もおいしいきりたんぽ鍋と、セリのお浸しと、稲庭うどんなどなどでした。

長い1日。文章もダラダラ長く、すみません。。(つづく)

足りなくなると、考えるようになる

こないだ行った旭川では、道路が陥没するとか、何かが倒れるとか、地震による目に見える被害というのは全くなかった。震源地から遠いこともあって、発災後にしばらく停電したくらい。農業とか工業ではひどい影響もあったけど、それもやっぱり電力不足に起因するものだった。列車の運休も甚大になった。

ゲストハウス「旭川公園」最寄りの永山駅で。こんな張り紙を発見。まだまだ大変だ

この電力不足がなかなかに深刻で、札幌駅のコンコースは昼なお暗い感じだったし、旭川のまちなかの店では、至る所で上のローソンの写真みたいな張り紙がしてあった。

でもふと思った。本当にコンビニって24時間営業しないといけないのか。飲み物の自動販売機ってあんなに煌々と存在感を主張しないといけないのか。

「それがお客さんの求めていることだから」と言われたら返しにくいけど、だったら客側も変わった方がいいのかなと。東北の震災で、けっこうみんな痛感したことだけど。

いつ店に行っても営業してるから買うわけで。でも、その営業を支えるために、膨大なロスが生じている。エネルギーも、食べ物も、労働力も。ローソンでは、キンキンに冷えた陳列棚でお弁当やオニギリが客を待っていた。もう、ほとんど平時に戻っているので、この弁当とオニギリの争奪戦が繰り広げられるわけじゃない。きっと売れ残るんだろう。それを消費者は、いまどき良しとするのかしら。

電気が止まったのなら、これまでの「普通」をちょっと角度を変えてみるのも案外楽しい。

いま住んでる浜松でも、台風24号が過ぎ去った10月1日の朝、広範囲に停電して信号が至る所で消えていた。いつも「青」をめがけてセカセカ通りすぎるだけの交差点だけど、みんな徐行して、ドライバー同士がお互いの目を見て、譲り合っていた。わずらわしいし、それどころじゃない人が多い状況ではあるけど、大事なことだなと思う。

 

旭川2回目のゲストハウスは、レトロな宿

(つづき)

ゲストハウス「旭川公園」の予定地から、最寄りの永山駅まで歩いてみた。のんびり、のんびり。線路を伝うように。車の通りは少ないし、道は荒れてないので歩きやすい。

途中にカメムシ(とみられる昆虫)を発見。旭川は、こういうものまで美しいんだなぁ。

いつもよりも、道にいる虫さん達によく目がいく

永山駅には10人以上、列車を待つ人がイスに座っていた。地方部の有人駅ではよくあるけど、列車到着のちょっと前に改札があるので、それまでは乗客が1つの場所に集まる。「あっ、これコミュニティっぽいなー」とほっこり。

永山駅にて

旭川までは快速「なよろ」。これまで普通列車しか乗ったことないからラッキー。停車駅が少ないだけで、旭川駅まで普通なら14分のところ、11分で着く。快適。サイクリストが輪行(タイヤを外してカバーに入れて車内に持ち込むこと)していて、自分も昔そうだったので懐かしくなった。

旭川駅からは市役所まで15分ちょっと歩いて、建築指導課に進め方で相談して、子ども育成課で保育園の入所について教えてもらう。皆さん親切でいつも嬉しい。

そのあとは、今宵のゲストハウス「宿・レトロハウス銀座」へまた20分歩く。今回は絶対、列車と徒歩で移動すると決めているのだー。

名前の通り、銀座商店街という場所のすぐ近くにあって、駅からも歩ける距離にある。いま、旭川では最古のゲストハウスになった。昨晩のアサヒカワライドより1000円ほど安く、相部屋(ドミトリー)で2000円台だった。レトロでシンプルだけど必要な設備はそろっている。フロントとロビーが開放的で明るい。

共同スペース。早朝に撮影

一階からはけっこう急な階段をのぼる。他のお客さんが寝静まった夜は、きしみ音が気になっちゃう


使用中の2段ベッド(同下)

そのフロントで、マレーシアからの女性ひとり客に「どこから来たの?アハ?」と英語で話しかけられ、「シズオカ プリフェクチャー」と答えると、「私たちはプリフェクチャーがどこにあるか分からない。分かると思う?ドンチュー?」となぜかまくし立てられ、「フジヤマのあるところ」ととっさにフォロー(笑) いろんなお客さんがいるゲストハウスあるある。これもちょっとした旅の思い出であります。

食事は商店街で一杯やりたい思いもあるけど、地元の税理士さんが懇親会をセッティングしてくださっているので、繁華街へ。会場は「めいじ家  大舟」。おつまみイクラ、刺し身、焼き物いずれも美味。お客さんが来たら連れて行きたいお店(ラーメン除く)第2号に決定〜。ここで名刺ケースを忘れてしまったけど、その後、丁寧に応対してくださった。

二件目は1人でラーメンへ。繁華街にある「味特」さん。スープは好きだけど、麺が・・・。茹で方の問題かしら。大将の表情をはじめ店の雰囲気は◎。酔ったらまた寄るかも。

醤油700円

酔い覚ましに宿まで30分以上かけて戻る。iPadに向かうも1時間ほどで撃沈。                                  (つづく)

 

キハに乗って仮住まいアパートへ

(つづき)

アサヒカワライドを出たのが遅かったので、ダッシュして旭川駅に飛び込むも、発車時刻と乗り場を案内する電光掲示板に、乗る列車がない。あと1分。自分と同じようにキョロキョロして困っている女性がいたので、代表して改札口の駅員さんに聞くと、「乗りますか?急いでください!」。運転士さんに電話で連絡してくれてそうだったので、またダッシュ。素敵だけどムダに?デカい旭川駅。エスカレーターを乗り継いで、よくないけど駆け込み乗車を成功させた。

涼しい空気が漂っていたのに車内では汗だく。キハ40という形式の気動車に揺られて、しばらくすると無人の南永山駅に到着。

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ここから30分以上歩いて、不動産屋の店舗に行き、仮住まいするアパートに連れていってもらう。

不動産屋の近くのセイコーマートで休憩

アベックの赤とんぼ。頑張れ!

車中、担当者といろんな話をしたのが楽しくて。北海道はチェーンを巻いたことある人が少なく、北見とか酷寒地では条例でスパイクタイヤが禁止されてなくてまだ販売されていること。最近はJR北海道が訪日観光客対策で通訳を雇っていて、その人が短期で住む物件の照会がけっこうあること。線路とお墓のある所は地盤が強いこと。などなど。

アパートは思った以上にきれいで、外側の冷気が入らない一歩奥まったところにトイレがあるとか、寒冷地らしい仕様をはじめて目撃。駐車場はオーナーさんの負担で月に一度、アスファルトが見えるように除雪されることも確認。そのアスファルトは機械が削った痕跡がいくつもあった。

物件探しはなかなか難航して、ゲストハウス予定地の近くでは全然見つからず。アパートやマンション自体はけっこうあるけど、いかんせん、いつ退去するか見通せない立場で、短期契約になるので、歓迎される客でないということで。近距離でタクシーに乗ろうとする感じ。

もともと10月17日付で会社を辞めるので、その日までに今のマンションを退居いないといけない。引っ越しの日程調整で安さから5日の荷出しとなって、「一週間以内に荷物を入れます」とのことで10日にとりあえず現地入りするスケジュールを組んでいるところ(早く荷物の入る日を教えてほしい)。アパートは10月1日からの契約になるし、早く地域を知りたいので、退職より早い入居になってしまった。そして自分たちの住宅が完成次第、そちらに移り住むというややこしい流れになってる。年内か、来春になるか…。

アパートは内覧してめでたく即契約となり、担当者さんにわざわざ送ってもらって旭川大学へ移動。ゲストハウス予定地から国道をはさんですぐ、歩いて4分くらいだけど、構内に入るのは初めて。この日は、先生たちと重要なアポが入っているのでドキドキ。

(つづく)