初めての冬

旭川に来る前、地元の人に「冬は経験あるの?」「厳しさを知らんっしょー」と散々言われたもんだけど、一度経験してみて(1シーズンしか知らないこそ)、そんなめちゃくちゃなものじゃない、と断言できる(今のところ)。よく言う話だけど、本州の風の強い地域のほうが、震えるほど寒い感じがする。

旭川公園ゲストハウスの予定地の周辺

もちろん、いろんな準備は必要で。子どもの分まで含めた手袋・帽子・スキーウェア・タイツなどなど。あと車も大変。FR(後輪駆動)のミニバンで旭川にやってきたけど、これまで秋口に2回、雪や泥にはまり、周囲の皆さんにレスキューしてもらった。いまどきの高性能チェーンをしていても、まったく歯が立たない局所的な場面はあった。借金を長い間払うのも、自営業を始めるうえで健全ではないので、12月頭に4WDに乗り換えた。これまで仕事用としてはスズキのスイフトに乗っていたけど、ちゃんとした4WDのあるスズキの軽トラ(キャリイトラック)に換えて、事なきを得た。ただ、4WDのミニバン(日産・ラフェスタ)に換えても3回、はまって立ち往生してしまったけども。

除雪道具もリサイクルショップで買って、毎朝雪かきして、車2台の雪や氷を落として、暖房をかけて外出に備えないといけない。暖房のない徹夜構内バイトや、スノーキャンプ、森遊びをするには、それなりのギアもそろえないといけないし。

会社員をやめて、こういう出費はめちゃくちゃ辛かったけど、それくらい。毎朝の労働は慣れてしまえばアパートなのでたいしたことはなし。「冷たい」と思うことはあっても、鼻毛はついに凍った体験はしなかった。外でおしっこをするわけでもないし。あ、二回ほど経験したホワイトアウトは冗談じゃない危険さだったけど。

やっぱり大変なことより、身近に見えるダイヤモンドダストや霧氷、たまにくっきり見える大雪山系なんてのは、辛さを吹っ飛ばすほど、息をのむほど、美しい。移住して良かったと思える。

北海道の人は寒がりで、暖房がんがん効かせて半袖でアイス食べてるみたいによく言うし、あんまり外に出ない人が多いのも確かだろうと感じた。ただ、どう楽しむのかについていろんな機会があれば、もっと身近な魅力に地元の人が気付けるんじゃないかなー。雪は厄介なものだし、雪山が生活道路にせり出して交差点が危ないし、雪下ろしで人命が失われる。でも、雪が降ることはどうにもならない。じゃあ、エイヤで楽しむしかない。

2月10~11日に当麻町でやったスノーキャンプで、参加者が感想として話していたのが「地元の人の中で、冬を楽しさに気づく人をどう増やしていくのかが大事だと思う」と。まさにそれ。外から、冬の魅力を求めてやってくる人に対して、地元の人で楽しんでる人が一人でも多ければ、間違いなくいい作用があると思う。

と偉そうなこと言っておいて、何年かたってここの生活に慣れてしまって、違うこと言ってるかもしれないけど・・・・