ジンギスカンの「灯」に不安を覚える理由

このところ、地域で長年親しまれてきた、ジンギスカンが手に入るお肉屋さんが、次々と姿を消している。これまでは、「跡継ぎがいないと大変だなぁ」くらいにしか思っていなかったけれど、こと前坂精肉店が閉店すると聞いて、ただならぬ危機感を覚えるようになった。

ゲストハウスにお泊りになったお客さんや、地域の知り合い、友達・・・。いろんな人に提供したり、一緒に鍋や焼き台を囲んできた。なくてはならない存在が、前坂さんのラム肉だった。あって当たり前、みんな、これを食べて育ってきたというような存在。なくなってしまうなんて、その知らせを耳にして1か月以上がたった今でも、信じられない。

わが家の小学1年生の次男は、「(大変だったら)ほかの人がやればいいんじゃない? そうすれば長くできるでしょ」と簡単に言ってくれる。人手の問題や、設備・機械のこと、体力や商いの環境などなど、閉店する理由はとっても複雑なので、簡単にああだこうだは言えない。

けれど、子どもの考えるようなシンプルな考えこそ、一番響くし、立ち返るべき思いだったりする。それが具体化することをどこかで期待しながら、まだまだ受け止められないでいる。

本当に困ってしまった。。。

居ても立っても居られなくなり、2021年最後の北海道新聞「朝の食卓」で書きました。