(つづき)
宿泊した「箱根山テラス」は、宿泊滞在施設を通じて「木と人をいかす」「木と人の健やかな循環」がコンセプト。代表の建設会社社長が、木質バイオマスでの地域熱供給を進めていて、震災をきっかけに「地域内循環」の必要性を感じられ、新しい暮らしのあり方を創っていこうというもの。
めっっちゃ共感できる、これ。被災地だからこその要素もあるけど、民間でこんな動きがいろんなところで出てくると、日本はもっと面白くなるだろうなー。西粟倉村もそうだったけど、地域内循環は避けては通れないテーマ。
箱根山テラスのロビーにあるストーブはペレット。パンフレットによると、ペレットは薪割りが難しい暮らしの中でも安定的に使える木質資源。たしかに。そういう見方ができるなぁ。あと、屋根に雨水を貯めて、手押しポンプで汲み出せるようにしているらしい。
テラスから、カキで有名な広田湾のほうを望むと、スギが伐採されてるのが分かる。地元の方が間伐したらしく、森で過ごせる場づくりを進めてるんだそう。いいなぁ。めちゃんこ参考になる。
そして朝ごはんがめちゃくちゃおいしい。高いお店で食べるようなおいしさではなく、長年の経験に裏打ちされた、丁寧に丁寧に手作りされたってのが分かる、優しい味。何度も噛みたくなる、おかわりしたくなる味。朝ごはんにこそふさわしい。「旭川公園」も、こういうの目指したい。
広大で高低差のある、名物ウッドデッキでコーヒーを飲むのもいいし、中のサンルームでゆっくり本を読むのもよし。もう本当に居心地がいい。たまらない。
二階はワークショップルームになっていて、地域の集まりにも使われるのだそう。コミュニティにもなっているのかも。いいなぁ。このブックシェアリングというか、まちなか文庫というか、本を持ち寄ったり開放したりする取り組み、「いいな」と思った地域や場ではけっこうな頻度で見かける。やっぱりコミュニケーションツールとして本は欠かせない。
スタッフの方もめちゃ温かくて、ぜひリピートしたくなった。これから山をおりて、津波被害を受けたまちなかへ。
(つづく)