声を枯らしてお願いする、旭川の夏

できたてホヤホヤのプレゼン資料を抱えて走った一日

学生時代から、手帳がびっしり埋まることに幸せの絶頂を見いだしていたタイプ。最近は手帳がなくても仕事できちゃうほどにダメダメだったけど、だからこそ今日は嬉しい。2日目は、予定詰め込みのスケジュールなので。

朝8時半に「旭川ふるさと旅行」の喜久野さんがホテルに来られるので、7時からちゃちゃっとご飯。健康を意識した食事らしいけど、どこの食材か分からないし、定番の朝ラーメンも、うーん。駅直結のJR INNのが上だった。

妻子は喜久野さんと一緒に9時アパート見学→手作り醸造店で買い物→東川養護学校で相談&見学→東川でランチ→トウモロコシ収穫体験→保育園見学のコースへ。なかなかにハードスケジュール。

自分は9時15分に旭川市役所に行き、建築指導課→保健所の保健衛生係→保健所の食品検査係→消防本部→永山にある商工会→金融機関→煙突店へと。

何をみてもらうのか。

建築当局では、建築基準法に照らして、まず▼一つの敷地に複数の建物があるけど大丈夫か(従属関係があれば特例的にOK)▼どこまで詳細な審査が必要か、とかをチェック。

保健衛生では、▼旅館業法上の「簡易宿所」(ペンションや下宿もこれ。)に該当するか=一人当たり3.3平方㍍を確保してるか、離れの共同スペースにあるトイレは使いやすいか、ちゃんとフロントを経由しているか、などを。

食品検査では食品衛生法の観点から、▼何を作ってお客さんに提供するのか、▼お菓子を販売したりしないか、衛生基準を満たした設備にするかなど。

消防では▼火災報知機や誘導灯はどうするか―とか。

これまでも相談はしてきたけど、図面ができたことであらためてチェック。大枠としては問題なさそうで、共同スペースの厨房の大きさやシンクの数とかは、微調整で済みそうな気配かな。

ここで引っかかったら計画が大きく崩れかねないので、かなり緊張がほぐれた。一通り終わると、急いでレンタカーを駆って、永山の「あさひかわ商工会」へ。

はじめましてから、計画の概要、支援してほしいことをマシンガントークで説明してしまった。無理に時間を取っていただいて恐縮だったけど、熱量は伝わったかな。ほぼ徹で資料作った甲斐があったーーー

商工会を出ると、現地でお世話になっている税理士の先生から電話。金融機関を紹介してくれるというので、急きょ調整に入り、民間の金融機関のアポが終わってかた、場を設けていただくことになった。すごいタイミング!

午後2時にまず民間の金融機関に行って、計画が当初より大きく変わったので一通り説明。途中から声がガラガラになってっしまった。終わると、初めてお会いした方から「夏はこのコンテンツでもいいと思うけど、冬は本当に人が出ない。稼働率40%は厳しいのでは」「電気や薪とか固定費の算出が甘い。もっと精査を」「このままでは厳しい。収支が取れるのかなと思う」と指摘が。

当初から事業費が倍近くになっているから見方が厳しくなったのか、まだ数字に現実感が足りないからか、あるいはその両方か。とにかく、今までで一番、ガツン!とやられて、フラフラ~っとなった。そりゃ甘くないとは頭では分かってるけど。ただ人に支援を求める以上は、伝わる、理解してもらう努力ができなきゃ話にならん。逆に、なにがなんでも80%くらいまで持っていったろ!と気持ちを奮わせたのであります。

10分後には、すぐそばの別の金融機関へ。大御所の税理士の先生を伴っての突然のアポ。こちらも変に緊張しちゃったけど、こんな大きい後ろ盾はない。協調融資の可能性、住宅部分の融資の扱いとか、いろんなやり方を検討していくことでまとまった。いい雰囲気で、前向きな1時間になった。感謝。

急いでホテルに戻って妻子を拾い、まちなかから15分くらいの「煙突の横山」へ。薪やペレットのストーブの販売、メンテナンス、煙突の設計・施工をやってみえる。川上の森のことを考えていらっしゃるし、煙突こそが大事だと信念を持ってる。図面をもとに相談し、住宅は日常の負担を考えてペレットに、お客さんの来る共同スペースは薪ストーブでいこう、という方向性が固まった。社長の言葉が心に刺さった。「思いだけではうまくいかない。毎日の実際の生活で、誰がどうやってやるのかとかまで考えないと続かない」。不便なことも楽しめるか、すぐに暖まらなくても大丈夫か、薪管理方法は・・・。考えること多いわ、ほんと。

夜7時すぎ、ドタバタと煙突屋さんを出て旭川駅前のレンタカー事務所に返し、居酒屋探しの旅に。カキで有名な道東の厚岸の「漁業部」なる番屋っぽい雰囲気の店に入った。ちょっと期待値を下回り、途中で意識を失いそうにもなり、子どもたちも撃沈したので、そそくさと退散。

厚岸の生カキ!

ホテルの部屋に入れば、もう、全員がベッドに倒れ込んだ。十分すぎるくらい動き回った。何かいいことがあったわけじゃないし、けっこう気落もしたけど、すべて必要なプロセスを踏んだな、っていう変な充実感があった。

 

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