ついにやってきた会社の歓送迎会。
9月異動「など」に伴うものとして盛大に催され、会社を辞める身だというのに、主賓の末席を汚すことになった。「温かく送り出してやろう」という温情とお気遣いをいただき、ほんと恐縮しきり。ありがとうございます。
幹部からの挨拶で身に余る言葉をいただいて、背筋が自然と伸びる。
反射的に自分のあいさつの中身もカチコチに固まってしまってオロオロしていると、幹事の後輩(20代)から「堅い!!」と文句が入った。
「そこまで言うなら、じゃあ」ということで、幹部の皆さんが居並ぶ中、砕けた言葉でぺちゃくちゃしゃべらせてもらうことに。
「大変な状況にある業界で、これからみんなで頑張っていこうという時に、こういう形になることに、申し訳ないというか、複雑な気持ちでいます。だからこそ、自分の思いを強く持って、いったい松本はなにをするのか、皆さんにお伝えしないと失礼にあたる。なのでプレゼンさせてください!!」
と、あろうことか皆さんの前で、この日のために用意したパワーポイントの資料3枚を配った。その瞬間、場がややドッカーンとなって、和ませ大成功。
公園をつくってそこにゲストハウスをつくるという、なんだかよく分からない計画を人に話すのっていつも悩ましい。ましてやこの場みたいに、30人くらいの人に同時に、なんてことは経験がない。
ただコンセプトは説明しないわけにはいかないので、「町内会にチェックインするように。生まれ変わった公園で、普段着の暮らしをシェアする宿」と表紙に書いておいた。
これが幹部2人から「これはいただけない」「ダメな原稿だ!」と酷評され、また会場は笑いに包まれることになった。このうち1人からは二次会で、「行きたいな、とはこれ読んでも思えない。旭川まで行く人って、非日常を求めてるんじゃ。外国人ならともかく」とも言われた。
なるほど確かに。旅先の地域の日常を知ることって、すごい楽しいし感動につながることだと信じて疑わなかったけど、字面で伝わらなきゃ意味がない。なんか上手いこと言おうとして、表現が軽くなってるかなと思う。
3次会が終わって家に帰って振り返った。うん、確かによく分からんコピーだし、なんの前提となる情報もない人からすれば、「行きたい」という気分にはならない。それどころか、「町内会」とか「公園」ってまさに普段の日常にあるので、わざわざ北海道まで行く意味が見当たらないよね、と。
ちょっと考えてみた。「自分がこういうものをつくりたい」「これが素晴らしいと自分は思っている」「この良さは来たらみんな分かる」・・・。そんなレベルでしか人に伝える言葉を考えていなかったなー。モノ書きの基本のはずなんだろけど。
読んだ人はどう思うのか、北海道になんで来るのか、北海道旅になにを求めているのか、どこまでこのエリアの事を知っているのか。そういった、情報の受け手のことをまったく考えていなかったわ。「分かってくれるよね、皆さんなら」みたいな驕りもあったね、間違いなく。
思わぬ収穫。無理やりにでも、場違いでも?機会をつくって声にしたからこそ、反応があって、改良ができる。良いことを教わった、8月最後の夜。