人の移動や観光、旅行はどうなるのかなーっていうのは、その業界の人たちにとどまらず、お客さん側だって気になってソワソワしてる。事業者側はすぐさま需要の回復が見込めないことを前提に経営を考えないといけないだろうし、消費者サイドでは「おいしい思いをした出張は激減しそうでヤバい」「緊急事態宣言は解除されても、すぐに行きづらくて。。。いつごろからなのかしら」と、そんな声も聞こえてくる。
例えば、ビジネスの出張需要が多かったビジネスホテルや、インバウンド目当てだったシティホテルは苦境が続くだろうっていう見通しを示す専門家もいるし。旅行形態は、量より質、マスよりパーソナル、アウトバウンドよりドメスティックになるだろうっていう意見も聞く。
個人旅行へのシフト、物見遊山から体験重視(コト消費)、ローカル志向などなど、これまでじんわり、ごく一部で進んでいた流れはどんどん加速していくだろうし、その先には「観光」という境界が溶けていくという事が起きる気がする。
観光は観光だけで固まってやってきた、観光だけでなんとかなってきたことが、そうでなくなるようになる。そんな気がする。(だからこそ、自分としては「ローカル旅」をもっともっとやりたい!)
別の言い方をすれば、観光依存だと、もうもたない。観光以外の地域内のセクターともっとシームレスになって(横文字で言ってみた)、新しい価値を生んでいかないと持続しないと思う。観光依存から地域依存にシフトしていきそうだわ(「観光地域づくり」「観光まちづくり」とよく言われるけど、「観光」が前に来るから、なんとなく違和感がある)。
と、モヤモヤニヤニヤ妄想していたところですね、ベルテンポ・トラベル・アンドコンサルタンツの高萩徳宗さんが、YouTubeLiveでズバッと指摘してくれました。
ベルテンポは、これまで旅を諦めていた人の夢を叶える会社。障害のあるなしや年齢を問わず、誰もが楽しめるオーダーメイドの旅を手づくりしてます。ちょうど中日新聞の記者だった松本が北陸勤務のころ、旅の模様を取材させてもらい、富山駅でお話を伺った。そのご縁が今でも続き、さまざまに刺激をいただいているところです。
Liveでは、身体の内側まで届くような言葉がたくさん放たれててドキドキする。
◉サービスってイーブンです。どっちが上とかはない。観光地の方はもっと、誇りをもってください。つけた値段に自信をもってください
◉おへそに手を当てて45度のおじぎをしているだけでは、いつまでも(お客と)対等にはなれない
◉宿のオーナーとか女将とか、実際の仕事はそうでも、窮屈なカプセルや肩書を一回解放してみる。すると、視野が広がって、柔軟になれる
◉大事なのは損得じゃなくて、(訪れた)先が好きか嫌いか。好きなものはプライスレスで、値段がつけられない。損得のお付き合いをしていれば、クレームは減らない
◉添乗員と案内人の違いは、同じ風景を見ているか、同じものを食べているか
◉日本の旅行者は、旅人としてのトレーニングを受けていない。だから現地へのリスペクトに欠けている。レジで「ありがとう」を言わない
◉旭川の近くだと、美瑛や富良野だと、集客できそうな気がする。競合が激しいのはあるけれど、観光に依存してしまう。そこそこ人が来てしまう。自分たちの力以外で、集客できてしまう。
などなど。そして自分の中の結論めいた金言は、
これからの旅は、H to H。人と人
というもの。ここで見逃せないのは、ホスト(事業者側)の「人」と、ゲスト(お客さん)のそれがイコール、対等ということ。人と人だから、フラットに出会いと関係の深まりを楽しめる。ワクワクできる。お互いがリスペクトして、自信をもってサービスを提供し、それにお金という形で感謝を伝える。
これって、ホテルよりやりやすいのが、ゲストハウスとかユースホステル、民宿、民泊なんじゃないかなーと思う。そして、ちゃんと「現地」(高萩さんの言う)や「観光の方」(同。ホストも含む)をリスペクトしてくれるお客さんに選んでもらうために、安売りしてはいけない。価格競争がなにを生むかは、皆さんご案内の通り。
「人」と「人」をつないでいくには、ホストと「人」とのつながり、つまるところ地域というのが欠かせないわけで。人と人を求める旅では、どうしたって地域とは切り離せない。あぁ、ゲストハウスってやっぱりいいなぁ(笑)
そしてその「旅」は、やがて仕事や遊びと切り離せなくなってくるはず。これまた境界が溶ける、ということ。これまでより、ずっと。
東京ではもう、オフィスを廃止してノマドワークに切り替える会社も出てきたとか。こんだけ、オンラインでできることが可視化されちゃったら、そりゃそうなるよね。
ゴミゴミした所に集まるより、好きな所、環境の良い場所に自由に移動して、仕事の生産性やクオリティも上げるっていうのは避けられない変化だし。
ということで、旅しながら働いたり、ノマドワーカーたち御用達のサブスクリプションサービス「HafH(ハフ)」と提携しました。5月27日の発表です。
https://hafh.com/properties/263
「定額で、世界中住み放題を掲げていて、どんな「人」との出会いがあるか、ワクワクしかない。詳細はまた追ってお知らせします~