三週連続の旭川へ⑥ とまらないポップコーン

北海道は夜の7時を過ぎてもまだまだ明るいけど、6時には旭川を出なきゃ。5時前後に行けるところといえば・・・。

わがままじぃじぃでしょう。

味のあるフォント

ゲストハウスの今の予定地にたどり着く前に調べていた、JR宗谷本線の北永山駅。そこからすぐの交差点に面していて、ご自宅の敷地内に畑とプレハブの店舗を構えている。同じ永山地区でも、デザインセンターとか旭川木工センターとは別世界のような雰囲気がまたいい!

安心でおいしい素材にこだわった〝3時のおやつ〟がそろう。人気はおやき(あん、クリーム)、濃厚なソフトクリーム、農薬を使わず育てたトウモロコシでつくるポップコーン。

お店に来るのは4回目になるかなー。おいしいのはもちろん、近所の駄菓子屋さんのような存在感が好き。

しかも、ご主人は全くワガママじゃなく超絶フレンドリー。小学生の見守り活動している紳士がおやきを焼いてる感じ。「わがまま」=「こだわり」、って解釈なんだろなー。

今回の旅でお供をしてくれている長女が好きなのは断然ポップコーン。ご主人にはお孫さんがいらっしゃり、「子どもさんも安心して食べれます!」と太鼓判を押す逸品。変な味付けはお断り。長女も最初はソフトクリームをペロペロしてたのに、詰め放題のポップコーンが目に入った瞬間「ポップコーン、食べるの」と言い出した。一度食べ始めると、まさにエンドレス。

わがままじぃじぃのポップコーンは止まらない

敷地内に自作の五右衛門風呂があるのもワクワクする。今は稼働してないけど、ちゃんと自分で動かせれば入れてもらえるチャンスがでてくるんで、実は前々から夢見ている。晴れた日は、ここから線路を望む絵が絶景で。すごすぎる。

井戸水を使えるようになっている。この辺では浅く掘っただけで大雪山の伏流水が取れるといい、ここでは6m掘ったら出てきたらしい。ゲストハウスでも井戸は作る予定。

庭にはいろんな野菜や色とりどりの花が植えられていて、お客さんが眺めていったりしてる。プレハブの中でテレビ見ながら世間話したり、庭の周りをうろちょろしたり。こんなローカル感のあるお店って、なかなかない。ローカルを求めている旅行者は楽しんでくれるはず!!

一番上の写真と反対側(旭川市中心部寄り)にあるお庭

移住してゲストハウスやることも「じぃじぃ」に報告。またあらためて、しっかり取材させてもらお。

インターに向かう前に、ちょっとだけ予定地を見ることに。近所の方にご挨拶がてら、線路や周辺でパシャパシャ。

ラッピングされたキハ40「北海道の恵み」シリーズ。「道北 流氷の恵み」に幸運にも遭遇したので、流し撮り!

やっぱりいいなぁ。落ち着く。今週くらいに、地権者さんから良い返事が来たらいいなぁ・・・。 なんて考えながらレンタカーに戻ったら、娘はポップコーンの袋を抱えながら沈没。

新千歳空港で意識がはっきり戻ったら、すぐにポップコーンを要求。いつもは寝てる時間だけど、ポップコーンが欲しいあまりに活動的になる。そのまま袋を持って保安検査場を通過し、ゲート前でもひたすら食べておりました。

新千歳空港でスカイマーク最終便を待つ。ポップコーン、止まらない

自宅には25時半に到着。娘よ、申し訳ない(ずっと寝てたけど)                          (おわり)

三週連続の旭川へ② 土地とラーメンをめぐる旅

スカイマークは定刻より早く新千歳に着き、トイレで長女のおむつを替えてレンタカーを待つ。周りを見渡しても半袖一枚は我々のほかになし。みんなウインドブレーカーとか着てる。気温は13~14度くらい。寒いけど、地元気取りでやせ我慢!

おなじみのカーレンタル北海道。2週連続です。9時から20時までスイフトを借りて、4000円也。免責をちゃんとオプションで手当てしないと合計20万円取られるので、そこだけ注意。

長女は千歳インターに乗るとすぐ熟睡。そのまま2時間ほど走って、道央道の旭川鷹栖ICで下りる。地権者さん宅へまたお邪魔してお話。2週続けてすみません。

先方は「数年スパンで考えていらっしゃると思ってました」「売ることは問題ないとは思いますが」と言われる一方で、ごきょうだいで相談し、不動産屋さんに相場を聞いてみるとおっしゃった。土地を3筆も買って大丈夫か、冬に来たことはあるか、など心配してくださる。長男・大滋(たいし)を通わせようと思っている東川養護学校(東川町)の評判の良さなどはご存じだった。「ご無理なさらず」とも。はい、熟考いたします。。。こちらからは、なぜこの土地に惹かれているかを重ねて申し上げた。

この後は、3筆のうち2筆が売りに出されているので、訪問や電話で不動産屋さんに連絡。今後の協力をお願いした。初めて深くお話した業者では、計画をすごく面白がってくれた。

ひと仕事終えると急にお腹が空いたので、行ったことのない、旭川市永山地区の「らーめん村」へ。でっかい商業施設の一角を占めていて、中華系の観光客のバスを4台くらい発見。ラーメンはすごいコンテンツだとあらためて驚く。

入ったのは「工房 加藤らーめん」。加藤系列のところは気になっていたので初挑戦です。訪日客が多く、自分も店員さんに「アチラ、OK?」と指を差されて案内されたので、きっと間違われているんだろうー

「熟成醤正油らーめん」(720円)を注文。あんま詳しくないけど、正統派の旭川らーめんという感じ。HPによると、すべて道産食材にこだわり、日本で初めて縮れ麺を開発した加藤ラーメンの麺を使っている。醤油は旭川の有名なキッコーさん。

ラーメンなら黙々と食べられる娘

一口目は「うん、おいしい」。コクが程よくあって、ネギやチャーシューと麺の相性はいいけど、強い個性がある感じではない。自分の一番好きなラーメンのタイプh、最初の印象と感動が最後まで持続するラーメン。サイドメニューで頼んだチャーマヨ丼(300円)の方が印象に残った。マヨのジャンキー感がたまらない。

しかししかし、この加藤一族から、まだ行けてない「蜂屋」も生まれていたとは。加藤ラーメンは昔ながらの旭川醤油というイメージがあるけど、どんどん開拓して違いも知っていかねば。

チーズといったら、別の「チー」のポーズを。。。ちょっと教育間違えたかも

(つづく)

真っさらな目で旭川を感じる強行軍③ 半端ない充実感

地権者さん方の近くに到着。全国民の心のふるさと・セイコーマートで買い物や一服をしてもらって、自分と次男がご自宅に向かい、深呼吸して呼び鈴を鳴らす。お留守っぽい。

いったんみんなの元へ戻り、お昼ご飯をとることに。地元の青年農家さんが始めた石蔵ダイニング「米蔵(マイハウス)」へ。車で10分ほど。ここは自分と家族にとって3回目の訪問。自家製ベーコンがめちゃウマ。蔵を活用した空間もいいし、イタリアンベースで地元の野菜がたくさん取れるのがいい。気取らない雰囲気と味で、いつもにぎわう。家族連れ、ご婦人の集まり、カップルと客層はさまざま。

料理を待つ間、ゲストハウスのある〝公園〟での物販についてみんなであーでもない、こーでもないと。妻の茜はパンとか焼き菓子とかも勉強しているけど、発酵も楽しいし。松島さんは「燻製いいですよ。始めやすい」「ビールとかどうですか」と。元パン職人の鈴木さんは、作りやすさ、販売のしやすさから菓子の可能性を熱く語る。 ビールつくりたくなった。石川県にいるとき、有名な小規模農家さんが自家製ビールをつくっていて、すごいおいしかったのを思い出した。

松島さんと松本(憲)さんはサッポロクラシックの生をジョッキでクイッと。このお店はクラシックの何か(すみません)に認定されていて、泡立ち、のど越しに二人とも満足してくれた。

食後は、もう一度地権者さんのもとへ。先ほどお尋ねしたお宅から少し目を転じると、あら、その離れのようなお宅に表札が。こんなこともあるのねー。いつだって見落としはあるし、見直し・再チャレンジって大事だな。「もう1回おたずねしてみましょう」と言ってくれたチームの皆さん、ありがとう。

玄関ドアの前で、深呼吸する。いつだって突撃訪問するときは心臓がバクバク。「新聞記者だから慣れてるんだねー」と言われるけど、いやいや確かにピンポンすること自体はそうだけど、なんてったってこれからの人生かかってますから。普段の仕事と違って「じゃあ次」とはいきませんから。わけのわからない若造が「土地欲しい」って来るなんて、もし自分がその立場だったら腰抜かしちゃうかも。

地権者さんのご家族がいらっしゃって、用件をお伝えする。すると、なんと他のご家族に電話でつないでくれ、お話しする機会をいただいた。感激・・・。帰り際、長女のためにお茶やお菓子もいただいてしまった。恐悦至極に存じます。あらためて書面で、こちらの思いをお伝えすることになった。

この後はひたすら道央自動車道を走り、空港方面へ。時計とにらめっこしながら、「yomogiya」さんこと中村さん宅にお邪魔しようと目論んでいた。ギリギリ行けそうだったので、岩見沢ICを下りて、下道で長沼町へ。田畑の景色が素晴らしく、周辺にスタイリッシュな宿やベーカリーがあるのも納得。

流しでは絶対に分からない、道から一歩入ったところに中村さんのお宅が見えた。となりのトトロのサツキたちの家のように、奥まったところ。

あった。うおーーーーーお、かわいい!

撮影:松本憲
なにか作っている途中なのかしら。中村さんは旭川のイベントに行っていなかったので、また聞いてみよ

たまりません。

お腹いっぱいになって新千歳空港に急行。帰りのエア・ドゥ便は出発が40分遅れで助かった。全国的に悪天候で、新千歳も霧が立ちこめ、欠航が相次いでたので、飛んだだけでもラッキーと思わねば。

羽田からは京急で品川。自由席しかないのでダッシュしてホームに向かうも、長蛇の列。通勤電車だと「次の列車をご利用ください」というレベルの混みようで、デッキに人があふれて入れない。心の中で土下座して人垣を押しのけて無理矢理8人、入れてもらった。子どもたちは疲れ果て、抱っこして眠りこけてしまった。静岡ってこんな遠かったっけ・・・。午後10時48分に浜松駅に到着。本州ってこんな湿度高かったっけ・・・。

これまでで一番、収穫のあった旅だった気がする。自信をもって進んでいけると確信できた! (おわり)

人とつながる旭川一泊の旅⑦ 一平のライバル出現

ゲストハウス予定地の土地を所有している女性が、杖をついてわざわざ道路まで出てきてくださり、次男に「また遊びにきてね〜!」と見送ってくれた。

心がポカポカして満たされたけど、もうお昼の2時。1時間もお邪魔しちゃってたんだなあ。緊張が解けたせいか腹が減り、早くお昼ご飯を食べようと、永山の予定地の方面にエクストレイルを走らせる。

予定地周辺で、もうちょっと地取り(聞き込み)をやろうと思ったいたんだけども、頑張ってくれた次男にお礼をしないといけないと思い、「動物園行く?」と提案。大喜びで、ラーメンを食べてから旭川動物園に行くことになった。

道すがら、永山地区が発祥で本店のある、三葉製菓の「北かり」へ。昭和6年創業、道産食材にこだわった、かりんとう専門店。しこたま、かりんとうを土産に買い込んだ。

お昼は、予定地近くにある味噌ラーメンの「よし乃」。自分はみそバター、次男は醤油のお子さまラーメンを注文。チェーン店なので、すごい期待していたわけじゃなかったけど、みそが濃厚だけどほんのり優しく、麺とよく合い、バターとの相性も抜群。ゴールデンウイークに行った千歳市の「味の一平」のうまさにもびっくりしたけど、ここもめちゃ美味。2日にいっぺんは食べたい。すごいボリュームだったけど。ご主人やお母さんがたもめちゃ優しい雰囲気で、再訪必至。

みそバターラーメン 800円

食べ終わり、屯田兵の時代からの自給的な作り方が引き継がれているミソや醤油の店「屯田の里」に寄ったけど、あいにく日曜の午後はお休み。ゲストハウス予定地から自転車ですぐの距離だし、また来ればいいか。この時すでに午後3時40分。動物園は最終入園が4時なので、急いで向かう。

人とつながる旭川一泊の旅④ 公園と図書館で準備体操

客室からの眺め。かわいい

次男は朝6時に起きてきたので、4時間しか寝れなかった。。。そのまま大浴場に入って朝食を食べることに。

お風呂はきれいで、お湯は温泉みたいな風情はないにしても、すっきりしてて◎。

朝ごはんは、イオンの4階の一部を間借りした感じのレストランで、地物にこだわったビュッフェ。ゲストハウス予定地でもある、旭川市永山地区のお米(ななつぼし)をはじめ、一通り地元産を網羅した感じで、予想以上だった。

一番気に入ったのは旭川ラーメンで、朝からスープまで飲み干してしまった。お椀に入れていただくので、そんなに罪悪感はなく。具はチャーシューとメンマ、ネギ。必要にして十分。周りを見回したら、ラーメン率がけっこう高くてびっくり。中華系の訪日客の皆さんのお盆を覗いたけど、和の人もいるし洋の人もいるし。いろいろ。そりゃそうか。

ホテルは全体的に、スタイリッシュな印象にまとまっているけど、木目調の壁紙がめくれて木じゃないことがモロ見えだったり、中途半端にモダンなアイテム(電話とか机とかイス)が多いのが残念。イオンっぽい軽さのある、どこでもあるホテル。木製のティッシュケースは、なぜか越前漆器だったし。なんでJR北海道のホテルで。。。?

でもフロントそばにあるラウンジや図書コーナーは良かった。本はJRだけあって鉄道関連や旅、スポーツ、酒といろいろで、ちょっと古めかしたハードカバーが揃っているのがそそられる。館内至る所にあるサインも併せて参考にしよう。

部屋に置いてあった利用の手引き。参考にしよう

ただ部屋に戻ってもテンションは高まらず、「きょう調べて、土地所有者が不明のままだったらどうしよう」という不安が先に立ってしまう。とはいっても部屋にいても仕方ないので、8時半前にはチェックアウト。中央図書館に向かう。

図書館は9時半からなので、旭川のセントラルパークたる「常盤公園」を散策。この公園の中に、図書館や公会堂、道立美術館が備わっている。上川神社も。

池の周りを歩いていると、カワウソみたいな動物がひょっこり水中から現れて、次男の好奇心を刺激してくれる。小径は気分が良く、市民が思い思いに時間を過ごしているのがいい。空気もいっそう美味しい。次男は久々に解き放たれて楽しそうで、だんだんとこちらもやる気がわいてきた。

その土地の空気を吸って、その土地にいる気分になってくる。ほんとに朝は大事だなあと思う。地元の人の生活感も分かるしね。公園は最適なメディアである。

突然、歌と踊りが始まった。旭川がきっと肌に合うんだろう

図書館では、第1候補地の登記事項証明書に書いてある所有者の住所と、候補地周辺のゼンリン住宅地図を閲覧して、親切で気持ちいい職員さんにコピーしてもらう。念のため電話帳(緑色、個人版)もチェックする。絵本コーナーには感謝してもしきれないわ、ほんと。助かった。

さあこれで道具はそろった。現地取材に向かおう! ここで決めなきゃもう勇気ある撤退も視野に入れないと。(つづく)

人とつながる旭川一泊の旅③ ありがたい助言

誰もが、北海道に住みたいと思うようなグリーンアスパラのナントカ

今宵の宿は、JR系の「JR inn」。旭川駅直結で、なぜかイオンと合体してる。土曜の夜7時前。駐車場に入るのにけっこう時間を取られて、時計を気にする。旭川もいくつかイオンがあるけど、〝イオン渋滞〟はどこの地方都市にも共通するんだろうなー。うーん、なんだかな〜、だけど。

やっと駐車場の空きを見つけてフロントを目指すも、一度5階に上がらないといけないらしい。フロントは中華系の訪日客でごった返している。やっぱ勢いすごい。当然、チェックイン後のエレベーターもなかなか乗れず。

部屋に荷物を置いて、次男を抱っこして傘をさし、急いで徒歩7分ほどの喫茶店へ。地元の名士に違いない、事情通で人脈も広い税理士の先生とのお約束。

何をしようとしているか、なぜこの場所か、資金計画と時期は・・・などなど一通りお話しして、真摯に耳を傾けてくださること90分。これまで、勢いよく起業したはいいものの、夢破れて消えた人をたくさん見てきたというだけあって、すべての言葉に重みがあった。ずしんと響く。

◆立地は中途半端なもので妥協するのは絶対ダメ。

◆やっつけで進めて秋オープンにするより、冬を越して3月にした方がいい。

◆やろうとしていることがダメになっても食べていけるような副業は絶対に必要。この安心感があるかないかが、大きな違いになって現れてくる。

ありがたい・・・・!

うすうす、自分の中で都合の悪いことを「まあいいか、なんとかなるか」と過小評価していたけど、戒めてもらえた。副業も、時期も、土地の代替案も、いちおう考えてはいるけど、見えにくいリスクや長い目でみた時の取るべき選択について、冷徹に考え抜こうと思った。

この方はすでに予定地の登記情報も取り寄せて、お知り合いの不動産屋さんにも、いろいろと取材してくださっていた。紹介されて初めてお電話したのが4日前の19日だったので、すごいスピード感。 脱帽するしかない。

この90分間、退屈した次男のSOSを振り切って熱中した。頑張ってお利口にしてくれた次男へのご褒美に(?)、繁華街で道内の海産物を食べられる地元資本の居酒屋へ。

疲れ果て、乾杯にもやらされ感が漂う次男

いくらこぼれ飯、時鮭といくらの長芋和え、干しコマイ、厚岸(釧路方面、最近はウイスキーで注目)の生牡蠣、襟裳のタコ塩炙り…。襟裳のたこわさびは、今まで食べてきた中で最高にうまかった(これまでは明石・魚の棚のだった)。

ちょっと食べてぐちゃぐちゃになったけど、厚岸の生牡蠣。あしたお腹痛くなりませんように。。。自転車で北海道回った時も、厚岸で牡蠣を大人買いして関西に送ったなあ
いくらこぼれ飯。美味しいけど、改善の余地あり。北海道で食べなくてもいいレベル。よくあることだけども
あんまり美味しそうに見えない写真だけど、まあまあウマイ。時鮭といくらの長芋和え。でもルイベにしたほうが鮭は喜ぶだろうなー

グリーンアスパラはゲストハウスの予定地から近い東鷹栖の「中谷農場」さんのもの。ご飯は同じく東鷹栖の「高見農場」さんの特Aななつぼし。食べてないけど、鷹栖町「新田ファーム」の牛肉もメニューにあった。日本酒は、予定地近くの「男山」のものがなかったので、駅近くの高砂酒造さんの「国土無双」でクイッと。

北海道は食料自給率が200%を優に超える。旭川は稚内、網走、釧路、十勝の各方面からうまいものが集まる「食の交差点」でもある。地物だけみてもすごいとこなんだけど、やっぱ旭川の総合力はおそるべし。

いい感じに流れが来てると勝手に思ってるので、明日は猛取材をかけていこう。明日が今後の全てを決める気がする。                                                                      (つづく)

 

一平と三平の、ちょっと味なラーメンの話

ゴールデンウィークに北海道にいったとき、毎日ラーメンを食べることを自分に課した。

味の一平の特製(確か)みそラーメン

旭川、札幌、函館。それぞれ醤油、味噌、塩が有名だけど、なんでそうなったかはいろんな歴史があるし、文化としてまちに根づいている。だからそれを知っておこうと。

というのはうそで、旅行中は大所帯(7人)だったのもあって、嫌いな人がいなくて簡単にお店を選べて、食費もおさえられるから。

新潟から乗った行きのフェリーでは海老味噌ラーメンと塩ラーメン、旭川で飲んだ後には旭川ラーメン(しょうゆだと思うけど酔いすぎて覚えてない)、帰りに苫小牧東港に行く途中には千歳市で味噌ラーメンをいただいた。

いちばんよかったのは、千歳市の「味の三平」。

大学生のころ、高校時代の同級生を連れて卒業旅行を第2弾をやった時、貸し切りでお世話になったバスガイドさんがいま千歳市に住んでいて、その方に教えてもらった。いつも並んでいて、仕事のない日にしかいけないくらいの人気だそうな。ガイドブックとかに載っているのかは知らないけど、地元の人に愛されているのは間違いない雰囲気がプンプンしていた。

スタッフは全員が女性。6~7人くらいはいたはず。

けっこう熱いスープはほどよく濃厚で、ふんだんに盛られた、香ばしい野菜とバツグンに相性がいい。しかも変にくどくない。油がいいんだろうなー。縮れ麺は適度な太さでコシがあり、一口一口、噛みしめるように喉を通すことができる。コシはあっても麺がスープに負けていない。なかなか冷めないのもあるけど、時間をかけて食べたい気持ちにさせてくれる。今まで食べた味噌ラーメンで最高の好みだった。

静岡に帰ってから、毎日新聞の「麺食い 列島味便り」という記事を読んで、札幌味噌ラーメンが紹介されていた。「あっ、ここ行った行った!」と喜んだのもの束の間、よく見たら味噌ラーメンの元祖として書かれていてのは「味の三平」だった。

紛らわしい。。。姉妹店かとおもいきや、そうでもなさそうだし。

「一平」はホームページをさっと探しても見つからず、ストーリーとか女性だけでオペレーションする理由とかは謎のまま。

一方の「三平」はといえば、毎日新聞によると、旧満州で満鉄の乗務員をしていた大宮守人さんが創業。2代目のご長男によると「おなかがいっぱいになって栄養が取れて元気になるラーメンを」という思いがあった。戦地では東北や北陸の出身者が、保存食として焼き味噌を持ち込んでいたらしく、守人さんは「味噌を食べると健康になる」とスープに使うことを思いついたんだって。有名な西山製麺さんと一緒に、濃厚なスープにあう麺を一から開発して、讃岐うどんの本場も訪ねて研究したんだとか。

終戦後ならではのストーリーが泣かせるし、コンセプトが明快。

三平の店内はカウンター13席しかなく、目が届く範囲の対面にこだわっているそう。2代目の〆のコメントが秀一。「客との交流を通じて少しずつ変化している。今のみそラーメンを守るのではなく、時代に合ったものにしていかなければ」

かっこいい!これだけで即食べたくなる。

「一平」はどんなストーリーがあるんだろう。美味しくいただきながら、時間をかけて掘り起こしていうのも、また楽しからずや。旭川にもそんな店が待っているきがする。