だーいぶ時間をあけてしまったけど、名著「公共R不動産のプロジェクトスタディー公民連携のしくみとデザインー」で刺さったところのメモ。1回目から1ヶ月ぶり。
本の終盤で、岩手県紫波町のオガールプロジェクトで広場を手がけた、ランドスケープアーキテクトの長谷川浩己さんのインタビューがあった。オガールプロジェクトは、公民連携で収益をあげていく大成功例として知られてて、盛岡市のベッドタウンの紫波町の駅前にある元空き地に、図書館、産直、体育館、エコ住宅、宿泊施設、保育園を集約させていて、デザイン、土地活用、ファシリティとかいろんな分野で賞を受けてる超有名な事例。
長谷川さんはこう言っている。「僕はよく、オープンスペースにおける『空き地性』と『庭性』について考えます。この双方をどういうバランスで確保するか、デザインの大きなポイントの一つ」。開かれた庭にしないと人を呼べないし、空き地性とは多様に展開するための余地、みたいなものだという。この、「開かれた庭」っていう考え方がめちゃくちゃしっくりする。ゲストハウスを〝公園〟と呼んでるけど、開かれた庭、と呼ぶ方が分かりやすいかも。オープンガーデンはたくさんあるし、そこに「遊び」の要素を強くだす、という感じになるし。
しかも特色あるオープンスペースをつくるために大事なのは、誰がオーナーなのか、なんだって。「公園や広場でも、そこに家守みたいな存在がいて、その人のセンスや趣味が反映され、価値観に共感した人がやってくる。デザイナーは、そのセンスや趣味を形にするサポートをする。そうして公共空間がおもてなしの場所としてまちに開かれているのが理想だと思います」
めちゃくちゃ理想。ドンピシャの理想。まさにこんなところを作っていきたいなーとおもってる。
住民向けワークショップでは、「何が欲しいか?」ではなくて「どう過ごしたい?」と訪ねていたそうな。希望を議論すれば揉めるので、できることや予算は限られているし、アクティビティを考える場所にしていたんだって。
ゲストハウスの公園でなにが欲しいかといえば、そりゃなんでもほしい。いまある(必須だと思っている)のは、管理棟を兼ねた住宅、ゲストが宿泊する小屋(中にも遊具あり)、共同棟、キャンプファイヤーみたいな焚き火、井戸、木製ジャングルジム、自転車、落書き看板、イス、テーブル、飲み物やお菓子を出す屋台。
ゆったりしたい人にはそうしてほしいし、遊びたい子どもは動き回る。近くの里山「突哨山」の薪や大雪山の伏流水を汲み上げることで、自給的な暮らしを感じてもらいたい。
お風呂とかまだまだ欲しいなと思うけど、なんでもできるわけじゃないし、やりすぎると何がなんだか分からなくなるので、「何がしたいのか」ちゃんと考えないと。
どうありたいのか、どう過ごしてほしいのか。そして、事業として持続可能なように、どうすべきなのか。考えることが山積み!!