久々に、レジでお金を払うのをためらった。
きょうはカメラのキタムラに行って、明らかに使用期限の過ぎたネガフィルムを同時プリントしてもらった。
カメラはキヤノンNewF1、レンズはコシナ20㍉f3.8、フィルムはヴィーナス400の36枚撮り。うん、懐かしい。リバーサルよりももっとご無沙汰してた。
どうせキレイに色はでないだろうと、前に行った「森、道、市場2018」で適当に撮りまくったもの。
支払い時。千数百円くらいかなーと思って恐る恐るだったけど、なんと2130円とのこと!! フィルムいくらか分からないけど、もう3000円コースじゃないですか
とまあ、値段の高さは噴飯ものだったけど、それだけ今や稀少な、けったいなことしてるからこそなわけで。
そういえば、新聞記者として必要に迫られてデジカメを導入して10年以上がたつけど、いまだにデジタル写真は好きになれない。
なんでか。
枚数を気にしないから一枚が軽くなる(プロの方すみません)、すぐ見れる、失敗したら消せる、修正もできる、なんか不自然に色がきれい。。。などなど
それに比べてフィルムは、露出に失敗したら真っ黒か真っ白だし、中高生のときなんて、撮影旅行から帰って開けてみたら、ちゃんと装填されてなかったなんてこともあった。泣きそうになりながらも、一枚一枚ちゃんと撮ろうっていう気持ちになったなー。現像があがってくる時間もまた、今思えばいい、じっくり写真に向き合うのにプロセスだった。
今やフィルムなんてお金がかかるばっかりで、スキャンも面倒だし、実用性は全然ない。でも現像されたフィルムという「モノ」が手元にあって、だからこそ撮った「コト」の実感は強烈なもの。
インバウンドもふくめて観光の分野だと「モノではなくコト消費」とずっと言われるけど、どこからでも取り寄せられたり、どこでも消費できそうなモノは、もうお腹いっぱいなんだろうな。
それより、お金や手間がかかっても、そこでしかない、身体をつかわないと分からない、アナログなことに惹かれるのかも。モノが溢れ過ぎた反動もあるんだろうなー。デジタルフォトの世界だって、カメラの外観とか、フィルムっぽい着色とか、揺り戻しみたいなのはあるし。
やっぱりアナログはやめられない