ゾクゾクと忍び寄る「地に足がついてない」感

10月18日。雪虫が飛んでも、まだ降らない。それでもやっぱり、朝に長男のスクールバス乗り場まで歩くと、冬に近づいていってるんだなと感じる。秋の終わりは近い。

ちなみに、スクールバスは子どもの足で15分の道庁の出先機関にあり、幸運なことにとっても便利。いい運動になるし、なんだか安心。車に乗らなくても行ける幸せは大きい!

夕方には自分の母が遊びに来てくれて、家族全員で旭川駅までお出迎え。自分は前日くらいから、悪寒がしだして、咳き込むは頭痛はするやで、急激に体調が悪化していたので、テンションがぜんぜん上がらず。この症状なんだろうと思いながら、これまで病院に行っても「感染症でしょう」と言われて終わりだったので気持ち悪い。一年に一度は発症して、お酒入ると絶望的にしんどいし、けっこう長引く。

でも今夜はとてーも大事な夜の予定が。これまた前日に、たまたまFacebookのイベント案内で知った、キャンプファイヤーさんのクラウドファンディングのセミナー!なんで旭川で?と思ったけど、こちらの面白い人が集まりそうだす、迷わず「参加」をポチッとしたしだい。

セミナーでは、基本的な心構えから、広く思いを伝えるコツ、期間中のステージ別の仕掛けまで、実践的なことを教えてもらえた。しかも、キャンプファイヤーの北海道担当の方から直接。この場で知ったけど、各エリアには伝道師みたいな存在がいて、旭川と東京の2拠点で活動されている方が、一緒にこのイベントを開いたような格好だった。

中身が参考になったのはもちろんだけど、参加者はこれから起業をしようか考えてる人やすでにやった人、「なにか面白いことをしたい!」と構想を練っている方まで様々で、その皆さんとつながれただけでも最高に刺激的だった。

そして、地元でずっとやってきてそこから生まれた疑問や問題意識、希望なんかを皆さん話してらっしゃったので、「あぁ、自分は地に足がついてない。めちゃんこ薄っぺらい机上の空論にすぎないなー・・・」と妙なネガティブ思想に、脳みそが急速に支配されていった。

なのでこの直後に、自分のやりたいことを紙に書いて発表するワークがあったのに、自分がすごく恥ずかしくなって、スラスラと書けなくなった。あ、これってまだ、自分のやりたいことが身体を通ってない、胸を張ってストレートに人に話せるレベルじゃない、と痛感。撃沈した感じになった。

それでもエイヤ!と気を取り直して、一部の参加者さんと懇親会へ突入。近くの「羊肉酒場」さん。大阪出身の篠原さんが経営されていて、今日のセミナーにも参加されていた。

ジンギスカンは、北海道に来て何度か食べてるけど、「生ラムたたき」なんてものは初めてで、ハマりそうだった。これはツマミとしてもいくらでも食べられる。そしてこのお店の名物は水晶の透明プレートで焼くこと。焼き加減にコツはいるけど、素材の良さを引き出すめずらしい焼き方にびっくり。ビールは生中を一本飲んだだけで、頭がフラフラ。最終の汽車が旭川発22時32分なので、間に合うようにちゃんとお店を後にすることに。タクシーはお金が悲惨だし、バスはまだよく分かっていないので。。。体をゾクゾクさせながら最寄りの永山駅からアパートまで15分、歩くのは堪えたけど、やりきった感はあった(笑)

初めて見たご当地ドリンク。後日、イオンモールの中の地元産品ショップでも見かけた。旭川のだと思ったら、よく見たら芦別だった。

秋の石狩川フォトギャラリー

次男との散歩2日目。三日坊主にならないか・・・。不安。

今日は車で10分弱走って石狩川まで。もっと近くに川にかかる橋はあるんだけど、一番好きな、とっても美しい景色のところへ。地元の人しかわからないような、秘密の場所。

この日、10月17日の朝はなかなかに冷え込んで、車の温度計は3度。空気が冷たくて、キーンとなって、気持ちがいい。肺が浄化されるようだわ。次男と橋を歩いて撮影。一眼レフや望遠レンズも持ってきたのに、メモリーカードを忘れるという大失態。しかたなくiPhone 6sで。

次男はめちゃくちゃ寒がってたけど、寒いからこそこんな風景を享受できるんだよなー。感謝。帰ってきてストーブに当たる、その幸福感といったら・・・。朝ごはんもうまい。

日中の空き時間は、旭川の隣町・東神楽町へ。北海道で一番子どもの割合が多く、人口がずっと増えていて、子育て支援や教育にずっと力を入れている。空港のあるまちで、コンパクトシティーをつくってもいる。この辺はまたあらためて。

お昼は、障害のある人の就労支援施設「ゆい・ゆい本舗」(東神楽町)へ。旭川の買物公園通り(歩行者天国)にあるナチュラルチーズ屋さん「ジャパチーズ」のモッツァレラがふんだんに入ったチーズハンバーグカレーをいただく。とろけるチーズがほどよいアクセントと甘みをだし、カレーもコクがあって、んまい! 後日、マルシェでまた食べたけど変わらぬおいしさ。これはリピートしたくなる味。

夜は東神楽町の行政関係者の方と飲み会。旭川市を中心とする広域圏での課題や可能性について意見交換して、楽しい〜。やっぱり旭川は、道北の雄として、もっともっとリーダーシップを発揮しないとなぁ。。。 当たり前だけど自分の知らない面白いネタや名物がたくさんあって、旭川に限らずどんどんコラボレーションしていきたいと強く思えるステキな会食になった!

二件目は、旭川駅近くの「大雪地ビール」のレストランへ。

飲みくらべして、またまた幸せな気分。旭川周辺ではクラフトビールを新たにつくろう!という動きもるらしく、どんどん面白いことが起きてきそう。クラフト=富良野だけじゃない! コミュニケーションのツールとしてのビールやコーヒーは、多様であればあるほどいいんじゃないかと思う。

 

 

 

 

 

 

比布はおいしい駅においしいものが集まってた

ビジネスコンテストでグランプリを逃して一夜明けた朝は、なんとも神々しい、パワーをもらう日の出だった。仮住まいのアパート裏手から見える大雪山系から顔を見せた太陽は美しいことこの上なく、頭上の雲をこれから晴らしていくような勢いがあった。感謝。

きょうは15日。移住して6日目になるけど、土地勘を養うためにも近隣の町を知るツアーを始めることにする!

第一弾は比布町。町営スキー場や、イチゴが有名なまち。有名じゃないけど、近くにある旭川農業高校さんと連携して素材提供をしていて、町名の響きもあってすごくいいイメージが昔からあるところ。

旭川市永山から比布に向かう道中もいちいちきれいで壮大。いいなあ。北海道の踏切って素敵。

今日の目的地は、比布駅。ピップエレキバンのCM撮影で知られた駅で、亡くなった樹木希林さんがいらしている。昭和54年に旅行中の大学生がこの駅を見つけ、ここでCMを撮影するよう署名活動をして、「大学マガジン」という雑誌で呼びかけたんだって。知らなかったー。おもしろい。

しかも、撮影は翌年6月に敢行! これもすごい。午前中に一本しかない急行列車が通過するシーンを狙い、失敗したら夕方まで待たないといけない、というシチュエーションだったそう。その後は観光客でごった返した。今でも、「ピップエレキバンの駅」と言えば、通じる人には通じる。

駅にはこんな撮影時のエピソードも書かれてあった。しかも2016年9月4日の駅のグランドオープンイベントでは希林さんがメッセージも寄せてくれたみたいで、それも展示してあった。なんかいいなぁ。

このグランドオープンというので、駅がきれいになり、今人気の「ぴぴカフェ」につながっている。線路とホームをのぞむ開放的な空間がカフェスペースになっていて、ご覧のような地元産品を売りにしたメニューがある。

食べたのは、スキー場近くで育っているニジマスのいくら丼、すべて素材は地元産で固めてネギ醤油をかけるTKG(卵かけご飯)、カレー。どれも美味しい。みそ汁が滋味深い。

ワンコインもあるから、旭川から来ても元が取れるし、お土産も充実してるからまた着たくなる。わが家は、前から気になっていたシラカバの樹液を購入。どこで作っているのかは知っていたけど、販売してるのは初めて見た!

ちなみに駐車場でたまたまお話した紳士いわく、ここのキクラゲが絶品で、一度食べて忘れられなかったので旭川から買いに来たという。カフェの中の思い出ノートにも、東京からキクラゲ丼を食べにきたよ〜っていう書き込みがあった。実はまだ食べてないけど、これはイケるコンテンツになりそうだなぁ。町内でハチミツも作っているらしくて、比布は相当面白いところだと分かった。大きな収穫。

東川養護学校に通っている長男・大滋(たいし)のバスお迎えがあるので、2時半くらいに退店。帰り道に、気になっていた軽トラが置いてある中古車屋さんがあるので、品定めして。うーん、どっちにしようかなぁ。

左が、走行距離不明のスバル・サンバー。右が8万キロ弱のスズキ・キャリイ。サンバーはオイル漏れで、いろいろ面倒な感じ。Facebookで皆さんの反応をうかがっていると、圧倒的にキャリイ推しが多い。元・浜松人としても、やっぱキャリイにすべきかなぁ。ちょっとだけ考えよう。

ちなみに中古車屋さんからの眺めがこれ。はあ〜、こんなところで働きたいなー。

旭川の木と家具を考えるシンポジウム

10月13日の午前中は、段ボールの山と格闘がつづく。そんな中でも、仮住まいアパートの裏から見える大雪山系には目と心を奪われる。

細かい買い物とかをするついでに、久々に東鷹栖というところにある、「米蔵(マイハウス)」へ。リゾットやドリアうまい。多分夜のメニューになるんだろうけど、ここは自家製ベーコンが超美味。地元の若手農家さんが始めたお店で、近隣の顔の見える農産物を使っている。そういえば、まだソフトクリーム食べてない…。

夕方は、まちなかで外せないシンポジウムが。静岡大に籍は移られたけど、旭川大で家具産業の研究や木育の実践をしてこられた横田宏樹先生や、自分で山を所有し管理している「自伐型林業」の清水省吾さん、家具職人でお隣・当麻町で森を持っている原弘治さん、旭川市工芸センターの有馬有志さんが登壇! と来ては、行かないわけにはいかない。

横田先生からは、一つの(旭川圏域)の産地の中でのつながりのなさ、山が近くにあって木材やデザインできる人がいることなど、特徴の解説があった。その上で、なぜ農業のように「6次化」が進まないのか、産地の持続性を保つ上でどうやって消費者とつなげていくのかといった問題提起が。「家具」ではなく「家具づくり」を売っていくべきだというサジェスチョンもあった。大興奮!! 有馬さんの報告は聞けなかったけど、パネル討論の中で「誰がどこで作ったのか、家具でも伝えないといけない」「この木はどういう所で育って作られたかわかっていないとけない」というご指摘があった。

力説する清水さん

清水さんからは、道産材=「あ、いいな」というイメージが先行しているだけで、川上=森の現状が知られていない課題を提示。50年で一度リセットするような皆伐や、一代で終わる林業経営が木の価値を結果的に損なっていること、補助金漬けでだましだまし回っている現行林業への批判があった。小規模でオープンな林業家だからこそ、直接消費者とかかわり、産地だからこそ家具職人と林業家がつながっていくことが大事だと訴えていた! いいなー、やっぱり。

25歳で家具工場を持った原さんは「木を選ぶところから家具をつくる世の中になればいい。生えている所から(意識して)作ると、ずっと森のことが頭に残る」「どうやって(顔の見える家具を)消費者に選択してもらうか。それは教育、木育。感性や楽しさを子どもに伝えたい」と力説。

皆さんが近くにいるから、旭川市の永山地区というところでゲストハウスをやろうと思ったと言っても過言じゃない。

夜は一度家に戻り、ご飯を食べて準備して、夜の旭川駅へ。網走からの特急「オホーツク」に乗って、あした道庁主催ビジネスコンテストのある札幌へいざ出陣!

 

 

 

ニセウコロコロで東川町に暮らす

旭川の周辺では珍しい、ヴィラタイプの「ニセウコロコロ」というお宿にチェックイン。北海道に来て、初めての外泊というだけでもめでたいけど、こんなハイグレードな所だなんて、さらにめでたい。独立した3棟があります。北海道の農機具小屋をイメージさせるデザインの棟もあって、「北の住まい設計社」が手がけたかわいい建物です。

場所は、旭川市の隣にあって、移住者や開業者がどんどん集まっている(少なくともそのイメージのある)東川町。役場や、モンベルの入っている道の駅があるメーンストリートをちょっと北に行って、クイっと細い道を左に入ったところ。周囲は畑や農家さんのおうちに囲まれている。

「ニセウ」とはアイヌの言葉で「ドングリ」の意味。いろんなところにドングリがあしらわれている。かわいい。

入ってまず目を引くのは、立派な薪ストーブ。オーナーさんが説明もしれくれたけど、宿泊ガイドの分厚いファイルにも懇切丁寧にコツが書いてあって、初心者でもくべることができて、何度かやるとコツも分かってきた。 火を見ていると、たまらなくなって、部屋の冷蔵庫備え付けのサッポロクラシックを開けてしまった。

次に、ダイニングテーブルの上に用意されていた、ウェルカムバスケット。翌日の朝食に使う野菜やパン、地元の米。冷蔵庫にはベーコンとか卵とか入っている。それとは別に、コーヒー豆とか紅茶の茶葉がふんだんに盛られている。気分がどんどん上がっていく!  わくわく。

寝室も、浴室も、すべてが上質な感じ。「暮らすように泊まる」っていうのが宿泊業界でも流行っている感じがするけど、それをまさに形にしたようなお宿! アメニティもすべて、分かる人には分かる系の、「いいもの」で揃えられている。環境や人にいいもの、丁寧でサステナブルなもの。。

子供たちはあったかい薪ストーブの前のソファーで沈没し、自分は北海道庁のプレゼン資料づくりで「ほぼ徹」。そしてとても爽やかな朝を迎えた。北海道の秋らしい空気。

朝ごはんは、スイスチャードとベーコンの炒め物、鍋で炊いたご飯(卵かけにも)、パン、みんなでミル引きからやったコーヒー。。。

あんたにはやらせないわよ

幸せを感じる〜!   チェックアウトが11時なので、ゆっくり、ゆっくりと滞在させていただく。

 

オーナー夫妻は移住組で、お子さんもたくさんいらっしゃってにぎやかなご家庭。生活と仕事がすぐ隣り合っていて、それはそれで苦労されることもあるだろうけど、すごく羨ましい生き方だなあと心酔しきり。いい宿を見つけた。少なくとも2日感、暮らしのクオリティが一段上がる場所。また行きたいなぁ。泊まっていない2棟が楽しみで。

箱根山から感じる心地よさといったら

(つづき)

至福の朝食

宿泊した「箱根山テラス」は、宿泊滞在施設を通じて「木と人をいかす」「木と人の健やかな循環」がコンセプト。代表の建設会社社長が、木質バイオマスでの地域熱供給を進めていて、震災をきっかけに「地域内循環」の必要性を感じられ、新しい暮らしのあり方を創っていこうというもの。

めっっちゃ共感できる、これ。被災地だからこその要素もあるけど、民間でこんな動きがいろんなところで出てくると、日本はもっと面白くなるだろうなー。西粟倉村もそうだったけど、地域内循環は避けては通れないテーマ。

箱根山テラスのロビーにあるストーブはペレット。パンフレットによると、ペレットは薪割りが難しい暮らしの中でも安定的に使える木質資源。たしかに。そういう見方ができるなぁ。あと、屋根に雨水を貯めて、手押しポンプで汲み出せるようにしているらしい。

テラスから、カキで有名な広田湾のほうを望むと、スギが伐採されてるのが分かる。地元の方が間伐したらしく、森で過ごせる場づくりを進めてるんだそう。いいなぁ。めちゃんこ参考になる。

馬みたいな形のオブジェ(乗り物?)も見える

そして朝ごはんがめちゃくちゃおいしい。高いお店で食べるようなおいしさではなく、長年の経験に裏打ちされた、丁寧に丁寧に手作りされたってのが分かる、優しい味。何度も噛みたくなる、おかわりしたくなる味。朝ごはんにこそふさわしい。「旭川公園」も、こういうの目指したい。

朝食のメニュー

広大で高低差のある、名物ウッドデッキでコーヒーを飲むのもいいし、中のサンルームでゆっくり本を読むのもよし。もう本当に居心地がいい。たまらない。

二階はワークショップルームになっていて、地域の集まりにも使われるのだそう。コミュニティにもなっているのかも。いいなぁ。このブックシェアリングというか、まちなか文庫というか、本を持ち寄ったり開放したりする取り組み、「いいな」と思った地域や場ではけっこうな頻度で見かける。やっぱりコミュニケーションツールとして本は欠かせない。

スタッフの方もめちゃ温かくて、ぜひリピートしたくなった。これから山をおりて、津波被害を受けたまちなかへ。

(つづく)

那須から仙台経由、陸前高田ゆき

(つづき)

Chus(チャウス)で眼が覚めると、あたりは真っ暗だった昨夜とはまったく違う光景に驚いた。こんなにたくさんのショップが張り付いているなんて! しかもどれも、「丁寧な暮らし」が好きそうなお店ばかり。パッと見る限り11時開店のとこばかりだったので行けそうにはないけど、首都圏からわざわざ足を運ぶお客さんがいるのも頷ける。

憧れの上げ床式の花壇。ゲストハウス「旭川公園」でもいつかやりたい!ハーブとか植えたい!

昨晩も見た、小さな古本屋やさん。夜もいいけど、昼もいい。景色になっている

チャウスだけではない、人気のスコーンショップ「SHOZO」とか秀逸なショップがいくつもあわさって、一つの「景色」になってる。ここの場合はお店だけど、「ここに行けばなんか面白いできそう」と思わせる仕掛けとしては最高なクオリティだなぁと思った。

チェックアウトして、また東北道で仙台へ。ちょうど息継ぎするのに良かったのと、ぜひ見たい公園があったので。

あまりにも当たり前すぎて恐縮しちゃうくらいだけど、東北随一の繁華街・国分町に車を停めて、にぎわっている商店街の一角にある牛タン「利休」でランチ。なんか普通の旅行みたいになってきた。でも安定してうまい。

たくさん頼んで子どもが食べきれず、けっきょく自分がご飯を3杯くらいいただくことになってパンパンにお腹が膨らんだので、小走りで「肴町公園」を目指す。

肴町って、浜松にもあってよく行ったから懐かしいなぁ。ほどなくして到着。観光名所でもなんでもないけど、センス良さげな若い男子2人組や、若い子連れ数組が憩っていた。

実はここ、2016年に コーヒーやお菓子の屋台を並べて、ハンモックも置いて、ブランコのペンキ塗りワークショップもするイベントが開かれまして。代表の本郷さんという有名な方たちが、公園のような自然に人が集まる、セミパブリックな場所をつくろうとコーヒースタンドを作り、その流れでイベントも企画された。ひと気の少ない公共空間を活用しようという、公民連携の分野では知られた取り組み。

百葉箱をつかったライブラリー。子ども向けの本が手に取れる。これはやっぱ楽しい
SENDAI COFFEE STAND さんでコーヒーをいただく。チャイとかお菓子もある

 

で、コーヒーを飲みながら自分たちも一服してみた。百葉箱を使った文庫「フリーライブラリー」で次男が本を読みたがって泣きじゃくって、憩いどころじゃなかったけど。どんどん北上しないといけないので、許しておくれ。

後ろ髪を引かれながら一気に一関市まで東北道でいき、そこから延々と下道を通って、陸前高田に到着。峠を越えて、なかなか疲れる道中だったけど、真っ暗な中にも、この一帯が津波で更地になったことを感じさせるのには十分だった。工事中だと分かる自発光式のコーンに導かれる道路ばかりで、大きな大きな空き地が道の両側に広がっていた。

震災の爪痕は翌日見ることにして、とりあえず今宵の宿「箱根山テラス」へ。暗闇の中、急な山道をのぼってたどり着く、静謐な空間。貸切で、よけいに静かに感じられたのかも。チェックインしてまた車にのってご飯を食べ、きょうは早く寝て疲れを取ることにしようー。

このゲストハウス、この空間で一泊7000円ほど。地元の建設会社社長が、震災の後にエネルギーの循環の大切さを痛感して、「木と人を生かす」をコンセプトに始められた、すごいところ。詳細はまた次回に。                          (つづく)

 

ただのゲストハウスとちゃうChus(チャウス)

(つづき)

今回の旅は、全国的に有名なゲストハウスや施設をちょっとでもたくさん見てみようというのがテーマの一つ。一晩めの東京のゲストハウスはキャンセルになってしまったので、那須・黒磯のChus(チャウス)が実質的に第一号。

那須のごちそうを中心に地域の魅力を凝縮したことプラットホームという位置付けで、一階の直販コーナーでは地元産の野菜やら加工品、乳製品がこれでもかと並ぶ。泊まらなくても、地元の人がぶらりとデイリーユースできる感じ。雑貨や化粧品は地元に限らず、全国のいいものを揃えてるので、地元の人にとっていい場所に違いない! 日用品店の役割も兼ねているらしいから、なるほどそうか!と。クッキーのようなお菓子で人気の「バターのいとこ」も置いてあって、すごい人気ぶりだった。いいものに包まれてる感が尋常じゃない。

どっちかというと、物販スペースやレストランを楽しんで、その上にゲストハウスがくっついてる、っていうのが近いかもしれない。受付(レセプション)も物販・レストランのレジでスタッフにお願いする形になってる。

生産者と始めたマルシェに端を発しただけあって、直売コーナーの充実ぶりには目を見張る。しかもおしゃれ。

外観からおしゃれ。周囲に似たようなショップが多く、駐車場も一目では分からないので、日が暮れてから到着するときは調べておいた方がよいかも。

物販スペースの横からのびる階段を上がると、宿泊者専用のフロアになる。この動線だと、絶対に一階で売っているものをなんかしら欲しくなってくるのが不思議。「この上で寝るんだ!」というマインドに無意識になっているのかも。

階段をあがると、ミニラウンジのようなスペースが現れる。ここも当然おしゃれ。思い出ノートが置かれているけど、これも当然しゃれている。食事や空間を絶賛するコメントがあふれておりました。

ドミトリーだと思い込んでいたけど、案内されたのは個室。やったー。当然おしゃれで、子どもは当然のように大はしゃぎで階段をのぼって「おーい!」とやる。案内してくれた方は「ロフトつくったらお子さんが喜ぶかなーと、思いつきでつくりました」と控えめに言っていたけど、この部屋だけじゃなくて、ちゃんと子連れ家族のことも考え抜かれた空間になってた。アメニティも安心できる、上質なものばかり。

 

3階が共同スペースとしてのラウンジになっていて、ゆったりとしたソファでうたたねするのもよし、作業するのもよし。カウンターには小さな冷蔵庫があって、ビール(ハートランド)やジュースが置いてある。野菜の無人販売所みらいに、ざるの中に小銭を投じるスタイル。これはいい!真似させてもらおうかなー。

朝は、前の晩にご飯を食べたレストランと同じ場所。ちょっと雰囲気を変えて、二階のイスに陣取ることに。

二階からの眺めも良い良い

グラノーラ、旭川公園の参考にしよー

(つづく)

写真の楽しさを思い出す新宿からきりたんぽの四ツ谷まで

開拓の地・北海道へ向かう北上の旅が始まった。

東名の磐田インターから東京方面へ。順調に進んだけど、首都高が大渋滞。自分は11時に新宿で約束があるので、横浜青葉インターで降り、東急田園都市線に乗り換えることに。

待ち合わせ場所は、新宿のリコーイメージングスクエア。

 

1960年代の地方私鉄を撮りためた風間克美さんの写真展の会場になっていて、ここで学生時代にお世話になった名取紀之さんと落ち合い、近くのレストランで近況報告を。名取さんはレイル・マガジン編集部でアルバイトしていた時の編集長で、業界では大変知られた方でいらっしゃる。いまは鉄道図書出版の「OFFICE  NATORI」で仕事をされている。

そこで拝見したのがこの本。名取さんが手がけられた、「C62重連 最後の冬ー「ニセコ」を追った21日間ー」。

国鉄広報部の専属カメラマンだった荒川好夫さんによる記録。1971年の厳冬期、3クール21日間にわたって、函館山線を走った「ニセコ」の勇姿をおさめたもの。

静謐な画面にもSLの生命力が溢れる写真が並び、しばらくページをめくると、時刻とともに「ニセコ」の動きを文章で添える。出庫準備、小樽出発、長万部(おしゃまんべ)到着と要所要所で機関車や機関士、周囲の空気を織り込んでいく。ロードムービーのような仕立てになっていて、生き物かのような蒸機(SL)の鼓動と、それを動かす人たちの動きが、胸に迫ってくる。

この後千葉市に移動。千葉都市モノレールの「千葉公園」からすぐのところにある、「椿森コムナ」(http://tsubakimorikomuna.com/about/)という素敵空間があり、そこを視察するために!

入る時は裏口からになってしまったけど、周りは普通の、けっこう密集した住宅地

面から入ると分かりやすいけど、わが一行は迷ってしまい、裏口から入ることに。所狭しと一軒家やアパート・マンションが建ち並んでいるエリアで、この特殊な空間を見つけたときは、メイがトトロの棲家に迷い込んだ時のようなときめきを覚えるものでありました。

中はとにかくすごいクオリティの構造物がならんでいた。ツリーハウスも登るたびに大きく太い幹に触れるし、建てつけがしっかりしていて、急階段だけ注意すれば安心して子どもを遊ばせられる。ハンモックも上質で、ドリンクスタンドやトイレの小屋もしゃれてる!

コムナとは、エスペラント語で「共有」を意味するらしい。プロデュースしたのは、グッドデザイン賞に何度も輝いている地元の住宅設計会社で、米・ポートランドのまちづくりを参考にして空間をつくったとのこと。住宅街に残った小さな森をいかし、廃屋とか建築現場の残材も組み合わせて、みんなが集えるコミュニティをつくった。すてき!

気持ちが満たされたあとは、東京・四ツ谷の秋田料理屋「太平山酒蔵」で晩ごはん。学生時代からかれこれ15年弱通っていて、社長の高橋ご夫妻に退職と移住のご報告を。今日もおいしいきりたんぽ鍋と、セリのお浸しと、稲庭うどんなどなどでした。

長い1日。文章もダラダラ長く、すみません。。(つづく)

旭川2回目のゲストハウスは、レトロな宿

(つづき)

ゲストハウス「旭川公園」の予定地から、最寄りの永山駅まで歩いてみた。のんびり、のんびり。線路を伝うように。車の通りは少ないし、道は荒れてないので歩きやすい。

途中にカメムシ(とみられる昆虫)を発見。旭川は、こういうものまで美しいんだなぁ。

いつもよりも、道にいる虫さん達によく目がいく

永山駅には10人以上、列車を待つ人がイスに座っていた。地方部の有人駅ではよくあるけど、列車到着のちょっと前に改札があるので、それまでは乗客が1つの場所に集まる。「あっ、これコミュニティっぽいなー」とほっこり。

永山駅にて

旭川までは快速「なよろ」。これまで普通列車しか乗ったことないからラッキー。停車駅が少ないだけで、旭川駅まで普通なら14分のところ、11分で着く。快適。サイクリストが輪行(タイヤを外してカバーに入れて車内に持ち込むこと)していて、自分も昔そうだったので懐かしくなった。

旭川駅からは市役所まで15分ちょっと歩いて、建築指導課に進め方で相談して、子ども育成課で保育園の入所について教えてもらう。皆さん親切でいつも嬉しい。

そのあとは、今宵のゲストハウス「宿・レトロハウス銀座」へまた20分歩く。今回は絶対、列車と徒歩で移動すると決めているのだー。

名前の通り、銀座商店街という場所のすぐ近くにあって、駅からも歩ける距離にある。いま、旭川では最古のゲストハウスになった。昨晩のアサヒカワライドより1000円ほど安く、相部屋(ドミトリー)で2000円台だった。レトロでシンプルだけど必要な設備はそろっている。フロントとロビーが開放的で明るい。

共同スペース。早朝に撮影
一階からはけっこう急な階段をのぼる。他のお客さんが寝静まった夜は、きしみ音が気になっちゃう


使用中の2段ベッド(同下)

そのフロントで、マレーシアからの女性ひとり客に「どこから来たの?アハ?」と英語で話しかけられ、「シズオカ プリフェクチャー」と答えると、「私たちはプリフェクチャーがどこにあるか分からない。分かると思う?ドンチュー?」となぜかまくし立てられ、「フジヤマのあるところ」ととっさにフォロー(笑) いろんなお客さんがいるゲストハウスあるある。これもちょっとした旅の思い出であります。

食事は商店街で一杯やりたい思いもあるけど、地元の税理士さんが懇親会をセッティングしてくださっているので、繁華街へ。会場は「めいじ家  大舟」。おつまみイクラ、刺し身、焼き物いずれも美味。お客さんが来たら連れて行きたいお店(ラーメン除く)第2号に決定〜。ここで名刺ケースを忘れてしまったけど、その後、丁寧に応対してくださった。

二件目は1人でラーメンへ。繁華街にある「味特」さん。スープは好きだけど、麺が・・・。茹で方の問題かしら。大将の表情をはじめ店の雰囲気は◎。酔ったらまた寄るかも。

醤油700円

酔い覚ましに宿まで30分以上かけて戻る。iPadに向かうも1時間ほどで撃沈。                                  (つづく)