土管の正しい使い方

北海道、いや全国のゲストハウス界広しといえども、土管を置いているゲストハウスは旭川公園だけはなず。まさに旭川公園の象徴。記念写真スポットとしても定着している土管について簡単に紹介させてください!

ゲストハウスのある場所はもともと町内会が手作りした公園で、その後空き地となっていて寂しい感じでありました。最初にこの土地に出会った時、「なんかドラえもんに出てくる空き地みたい」って思ったのがすべてのきっかけ。近くには里山部こと清水省吾さんの森があって「裏山」として使わせてもらうことになっていたので、じゃあ土管があれば、あの世界が表現できると直感。

建物以外のスペースに何を置くかは悩みに悩んだけれど、いろいろな古材や小道具をいただいている、旭川市内の取り壊される納屋があった場所に、なんと幸運にも土管がいくつも転がっていて、頂戴することに!

土管を吊り上げる、大工のカールさん

ユニック車を借りて一つずつ吊り上げ、ゲストハウスに運び、穴を開けて固定する。


旭川公園で土管を設置する大工の田中優作さん(左)と松本憲ちゃん。浜松からありがとう!

はたから見たら奇妙な光景だっただろうけど、今ではすっかり地域の景色として馴染んでる(?)!

イベントの時、土管は「ドカウンター」になって、大学生による「ドッカンcoffee」として使われたことも。宿泊した方は、多くの方が土管の前で記念写真を撮っていかれる。

旭川公園にはでっかい看板もサインもないので、道に迷われたら土管を目印にしてくださいませ。

オープンして一ヵ月がたってしまい・・・

すっかり更新が滞り、身体が小さく縮こまってますけれども、ここでお伝えできなかった事をいくつか、振り返っていきたいところです。

9月19日のグランドオープンに先立ち、9月7、8日に遊具づくりのイベントを開きました。これは本当にやってよかった、心を揺さぶられました。「旭川公園ゲストハウス」で叶えたい光景が早くも生まれ、家族や関係者にとって、たぶん後々に、原点とも言える場面がいくつもありました!

地域の不要物や廃材を使って、即興でものづくりをする本州の大工さんたちが来てくれ、ここにしかない遊具を子どもたちと作ろう、という試み。最初は関係者だけでひっそりと始めましたが、お昼前後から近所の親子連れや小学生が少しずつ集まりはじめ、お昼ごはんを一緒に食べて、一緒に作業しました。インパクトや鋸を持ち、現場の廃材を切ったり、やぐら型の遊具に張り付けたりして楽しんでくれました。 

驚いたのは、大工さんたちが雪捨てダンプで作った椅子に子どもたちが触発され、自分たちで椅子を作りはじめたこと。廃材は文字通り、山のようにあります。そこから好きな木を選んで、ビスを打ち込み、自分だけの椅子を黙々と仕上げていきました。「おばあちゃん家に行く約束をしてたでしょ」とお母さんに促されたのに「ここにいる」と夜まで没頭した子、普段は自宅でゲームをすることが多いのに「ごみってなんにでもできるんだね」と一心不乱に連日来てくれた子。親御さんでも驚くほど、子どもたちは目を輝かせていました。与えられた物ではなく、自分で素材をみつけて手を動かし、作りたいものを作る。その独創性と集中力に驚かされっぱなしでした。

そして子供たちはそれからしばらく、毎日のように旭川公園に来てくれています。

一週間後の十五日は「公園びらき」を記念したオープニングイベントを挙行! 本当に多くの方にお越しいただきました。お向かいさんから、市外では富良野、三笠、沼田の方まで。遠くは東京からも。四時間ほど、ひっきりなしに人が訪れ、来園者と出店者、そして来園者同士が楽しく談笑していました。

とびきりの美味しいものや楽しい体験を用意しましたが、本当の目的は、物の売り買いではなく、人と人がつながること。暮らしを楽しんだり、思いをもってものづくりをしたりしている人を知り、なんとなく共感して、幸せな雰囲気に浸る。いろんな人が交差する「公園」を感じてもらいたかったんです。

「自分がいてもいいんだ」と思える居場所って、なかなか近くにないような気がしていて、旭川公園は私設の公園(的なところ)なので、過度な迷惑をかけなければ、なんでもありだから、いろんな人の居場所になっていきたいなーと感じるイベントになりました!

また一周年記念とかやりたい!