森ビルつながりで森いっぱいの下川町ざんまい

浜松にいたころのはなし。東京の森ビルで六本木ヒルズのタウンマネジメントをされて浜松へUターンし、「丸八不動産」に入ってまちづくりの面白い仕掛けをされている高林健太さん(34)と知り合った。いろいろ話すうちに、北海道・下川町で頑張っている同期がいると聞いて、さっそく紹介してもらうことに。それが、下川町産業活性化支援機構のプロジェクト統括部長、長田拓さん(34)。自分と同い年で、しかも大阪出身。これは間違いない‼️

下川のすべてを教えてくれた長田さん

下川町は森林が町域の9割を占め、林業・経済・エネルギーの「地域内循環」を時間をかけて進め、移住者が増えてきているまちであります。近年は転入超過(2017年は32人のプラス)で、人口減少は緩和されてる。地域づくりの分野では全国的に有名で、しかも旭川からは80キロしか離れていない。北海道の感覚では、ちょっとそこのコンビニに行くくらい、すぐ近く。

自分の旭川のゲストハウス予定地からすぐの里山で木こりをやっている清水省吾さんたちも、伐った木を乾燥させるときは下川町まで持って行ってるし、この辺の林業集積地といえば下川は外せないので、旭川でそれっぽいことに首を突っ込むなら、下川を見ずして暮らせないのです。

なので10月25日にさっそく下川へ。この2日前に納車されるはずだった軽トラ(スズキ・キャリイ)が車検を通らず、この日はやむなく列車で行くことに。それはそれでもちろん楽しいけど、時間のロスは大きく、名寄駅からは長田さんに迎えに来てもらうことに。

最寄りの永山駅(旭川)から普通列車に乗って、和寒(わっさむ)という駅で一回おりて、後から来る特急「宗谷」に乗り換え。新婚旅行以来、5年ぶりくらいだなぁ、あの時はまだ「スーパー宗谷」で本数ももっとあった。 力強く唸るディーゼルエンジン音、軽快で小気味よいジョイント音、適度な揺れ。そのどれもが生命力にあふれていて、楽しいことこの上ない。旭川〜札幌の速達特急電車「カムイ」「ライラック」にはない楽しさがあるわ。

和寒駅にて。かっこいい。4両編成で、ぱっと見で5割くらいの乗車率。観光や都市間輸送が多いイメージ
名寄駅にて。かわいい!

「宗谷」を降りた名寄駅は、売店も旅行会社も撤退してしまった寂しい雰囲気で、駅前から続く商店街もなかなかにひっそりとしていた。道路が広い分、その辛さをより感じてしまう。名寄はスノボで来たことあるくらいだけど、下川を含めこの辺りの拠点都市なので、もうちょっとガヤガヤしてるかと思った。郊外のイオンは違うかもしれないけど。。。

11時45分、長田さんの運転するスイフトが名寄駅に。それから20分しないくらいで下川町の中心部に着いて、そのままランチ。そば屋さんの看板がかかっている「やまと屋」の暖簾をくぐる。ここ、もともと後継者がいなくて店を閉じたけど、商工会長さんが一念発起して自分で店を買い、曜日限定で開くようになったとか。

人口3400人のまち。一つの店がなくなることがまちにもたらすインパクトは大きいし、中心街の「景色」を保ちたいという志はなんともかっこいい! しかもこの日は、この店で移住者の方がチャレンジショップを開いた初日だとか。こんなステキな動きがあるなん、さすが!とさっそく感じ入ってしまった。みんな顔を知ってるんじゃないかと思うくらい、お客さん同士が楽しくワイワイガヤガヤしてて、よそ者のこっちまで嬉しくなる。しかも生姜焼き定食、味がしっかりしていてめちゃ好み。

ランチの後は、長田さんの職場である、まちおこしセンター「コモレビ」へ。NPO法人の観光協会や興業協同組合が入居して、交流スペースがあるところ。かつて駅があった場所で、バスターミナルが目の前だからめちゃ便利。

子どもたちの遊ぶ姿もあった。自分が高校生ならここでダベりたいなーと思っていたら、すでに実践者がいた

 

ちょっと分かりにくいけど、黒っぽい外壁の板には、木炭を作るときにでる煙を燻して防腐・防虫効果を持たせた「燻煙(くんえん)」処理をしている。これも、余すところなく使う精神から。

下川のこれまでとこれからについてレクチャーをいただく。2003年、北海道で初めて、流通や加工のプロセスを国際的に認証する「FSC」を取得するなど、循環型の林業経営をやってきて、2007年に町自治基本条例で「持続可能な地域社会の実現を目指す」とうたい、2008年に環境モデル都市、2011年に環境未来都市に選定。全国で徐々に知られるようになって、ことしはSDGs未来都市にもなった。SDGsは国連で採択された、「持続可能な開発目標」を示す国際的な目標で、町でも代表者がいろんな観点から現状と目標を話し合い、「誰ひとり取り残されず、しなやかに強く、幸せに暮らせるまち」を目指している。

基幹の林業では余すところなく使うことを徹底し、森林バイオマスを活用しての熱自給率は49%にのぼる。バイオマスボイラーを次々と導入し、公共施設の熱供給の68%を再生エネルギーに転換。年間で1900万円の費用を節約して、子育て支援にも回す仕組みを整えているらしい。すご!

コモレビを出た後は、森林組合の加工部門を株式会社化した「下川フォレストファミリー」さんを見学させてもらう。道北トップクラスの加工技術があり、シラカバやカラマツと幅広い樹種を扱っていて、集成材からクラフト用までいろんな製品を生産している。木材工場に入ったのは新聞記者のとき以来。丁寧につくられていて驚きだったし、木くずはボイラーに集めれらていて、やっぱり徹底してるなあとしみじみ。

木くずをボイラーに集めるための大きな配管。乾燥機の熱源になっているそう。
羽目板やフローリング材。広葉樹ならナラやシラカバ、タモ、針葉樹ならトドマツやカラマツなど多様な道産の材を使っている

フォレストファミリーさんの後は、役場で挨拶させてもらい、ボイラーを見せてもらい、チップ工場を見学。

チップに加工される、径の細い丸太が集められる「土場(どば)」
土場に集められたチップ加工用の木材。なかなかにフォトジェニック
このどデカイドイツ製の機械で、チップに加工される。間違っても、巻き込まれたくない
暮れなずむ空と役場庁舎

そしていよいよ、新しい地域づくりの動きが相次いでいるエリア「一の橋」へ。

役場を中心に半径1キロ圏内に8割の世帯が集中するコンパクトなまちだけど、限界集落はあったので、一の橋に「バイオビレッジ」をつくりだした。

お年寄りが集まって暮らせる長屋風のしゃれた「集住化住宅」、カフェ(地域食堂)、地域熱の余熱を使うシイタケ栽培施設、障害がある人の支援施設を一ヶ所に集約して、バイオマスボイラーや太陽光でエネルギーを自給している。地域おこし協力隊の方々が、買い物代行とかで暮らしやすい地域をつくろうと活躍しているのもステキ。ビレッジをつくる前と比べて、この集落の人口はほとんど変わらず、移住者が増えたことで高齢化率が下がってるのだとか!

集住化住宅のエントランス。しゃれてる
冬も暮らしやすそう。お年寄りが除雪しなくてもいいようになってる
カフェはお年寄りが使いやすいイスやテーブル。普段使いしやすいお値段とメニュー。地元のおもしろいものも置かれていた
有機ハーブやコスメを製造販売している」ソーリー工房」さんの小屋。好みドストライクでキュンキュンしてしまったー。営業時間中にまた見に行こう。同世代の地元の大工さんが手がけ、オフグリッドらしい。すご!

この「一の橋」というエリア、まだまだ面白くなりそうで。ライフスタイルに合わせて家具を修理する「家具乃診療所」というのができてくる予定だし、近くの廃校ではベルシステム24が、障害をもつ人が働けるチョコレート製造所をつくるらしい。タッグをくむのはこの分野では有名な久遠チョコレートさん! 愛知県の豊橋市に、よく買いに行ったなぁ。

他にも移住者が新しい構想を温めていて。外からでもかなり感じられるけど、「おもしろいことやってそう」という匂いがプンプンする。SDGsの流れで企業からの注目も高まっているみたい。

もともと、名寄市とくっつくかどうか、平成の大合併のころに町内で熱い議論があり、自分たちの地域を見つめ直し、やっぱり林業だ、じゃあ循環だ、と段階をへてきた。当たり前かもしれないけど、その長い間のプロセスや下地があって、いま下川町はここまで来たんだと痛感。そこを理解しないとうわべだけ真似してもダメだろうし、町民3400人のまちだからこそできた部分も見逃せないと思う。

せっかくここまで来たので、夜もじっくり楽しむことにする。コモレビから歩いて10分くらいのとこに、地域おこし協力隊の立花美咲さんがやっている民泊「アナグラム」に投宿。民家を改装した宿で、周りは普通の住宅街だし、おうちに帰ってきたようですごく落ち着く。センスあふれる空間で、江別(札幌から旭川方面にちょっといった所)のレンガで囲った薪ストーブも最高!  ここで、道内各地の木や森の現場を訪ね歩いている無職の大工さん・深田康介さんと出会い、この後の3日間連続して会う不思議な縁ができた。

日本や道北の未来について語り合う、立花さん(右)と深田さん

夜は焼き鳥屋で長田さん、立花さん、深田さんと一杯やって、アナグラムの共同スペースのソファーで撃沈!

下川町は手延べうどんで有名なので、シメにいただきました。んまい!飲んだあとに合う喉越し
次は、ここ行こ
ふかふかベッド。午前3時に入りました
朝から元気いっぱいの深田氏

朝はバスターミナルから始発バスに乗って名寄駅まで。460円。小学生から高校生、お年寄りまでほぼ満員(小学生は立ってる子もいた)。地元の公共交通に乗るとやっぱり気持ちいいし、子どもたちの元気な声にほっこりする。さすが地元の「名士バス」。

下川町のバスターミナルにて

かなり濃厚に勉強させてもらった下川ツアー。今回お会いできなかった人やお店、行けなかった場所もまだまだあるので、次回を楽しみにしよ。クラウドファンディングの返礼スツールをつくる時も下川町で木材を乾燥させる予定だけど、これからどんな形で絡ませてもらえるか、どんどん具体化してこー。楽しみ。

 

移住後はじめての「突哨山」

ゲストハウス「旭川公園」の予定地の近くには、突哨山(とっしょうざん)という里山があって、今や売れっ子になっている清水省吾さんが一部を所有して、消費者が気軽に入り、興味をもてる「オープンな林業」を展開している。

清水さんが展開する「里山部」入り口
木こりとしての貫禄十分な清水氏

「自伐型」というスタイルで、山主(所有者)が森林組合とかにお願いして終わり、ではなく、自分で所有して管理し、職人さんと連携して川下のお客さんまで届けるスタイル。これから北海道で広がっているだろうし、家具産地としての旭川にとって、森が近くにいて木々のことを知れる環境っていうのは何物にもかえがたい。

予定地から車で10分くらいの場所にこの里山と清水さんがいるっていうのは、場所を決める上ですごく大きなポイントになった。感謝!

10月22日には移住後はじめて、突哨山に来て清水さんと作戦会議。名目は、クラウドファンディングの返礼品にもなっているオリジナルスツールの候補木のセレクトだったけど、森のなかを案内してもらい、今後のことをなんやかんや話しているうちに、時間が過ぎて(笑)おかげで家族みんなで、心ゆくまで堪能させてもらいました。

「里山部」の清水さんのフィールドに唯一あるカラマツ
なんだか北海道っぽいシラカバ

木のスプーンとかを作れる「削り馬」が森の中に置いてあった。子どもたちは夢中になって乗りたがる。これ、ゲストハウスにも起きたいなあと夢想中。

当たり前だけど現行林業のうえに成り立っている家具産業。小規模だけど自分たちで所有し管理して手がける、そんな林業と丁寧なものづくり技術を組み合わせる、そんなオリジナルをつくっていきたい。(その片棒を担ぎたい)

 

キムチホルモンラーメンからの、旭山動物園かじり

10月21日のお昼は、近くにあるそば・ラーメンの「鬼はそと」。地元をよく知る人によると、ここは昔「福は内」というお店だったそうで。おもしろい。

妻はどんぶりからはみ出した巨大なのが乗っている「鬼かき揚げ丼」を頼み、子どもはもりそば、自分は「キムモン」(1000円)をオーダー。文字通り、キムチと、モツ煮込みの入ったラーメンであります。

写真では伝わりづらいけど、すごいボリューム。辛さとモツのバランスが絶妙で、麺とも相性がいい。すくってもすくっても、どんどんモツが溢れてくる。「えっ、まだ?!」とびっくりすること請け合い。こんなにたくさん入ってるの、見たことないわ。妻の鬼かき揚げ丼も三分の一くらい食べたので、お腹はパンパン。この辺、個性的なお店が多いわ。地元の人で店内もずっと混み合ってる。

そのあとは細々と買い物とか要件をすまし、夕方4時前に旭山動物園へ駆け込み。いつでも来れるし、何度も来たいので、1020円の年間パスポートを入手!イラストは市内の清掃車とか旭川大学とか、いろんなところで目にする、あべ弘士さん。マガンがデザインされていて、かわいい。

ちょうどぺんぎん館で「もぐもぐタイム」をやっていたので、ちょうどタイミングよかった。ペンギンのもぐもぐ見るのは初めてかも。

園内はどの館でもそうだけど、飼育・展示してある動物とその暮らしを通してなにを考えてほしいかを徹底的に考えてる。分かりやすいのがほっきょくぐま館で、温暖化とか気候変動でシロクマの餌や生息地がどうなってしまうか。環境の変化は何によって引き起こされているか。爬虫類館なら、マウスのよこにヘビを置いてるし、ヘビのもぐもぐタイムではマウスを餌にする。「残酷」「かわいそう」ではなく、生き物がどうしたってほかの命をいただいて生きているので、それはヘビも人間も同じだということ。子連れできて、そのポップを見るだけでも、生きた教育になるなぁ。

近くにこんな動物園があるって幸せ。時間が空いたら連れてくるようにしたい。

デザインセンターで考える、旭川家具のこと

旭川に遊びに来ていた兵庫県の母を旭川駅で見送って、写真のような感じでブラブラしていると、コンコースにる「旭川家具ラウンジ」が目に入った。(使っている人が多くてブツの写真は撮れず)。

家具は日本五大産地に数えられるほど業界では有名なのに、道外の人や、地元の若い人にあんまり知られていない。自分の感覚では、静岡で「知っている」という人に出会ったことがない。それでも、いやそれだからこそ、まちの玄関口である駅にいろんなメーカーの商品を並べて、実際に使ってもらって親しんでもらおうということなのかなと勝手に思ってる。あんまりコンコースでのんびりした事がないので分からないけど、いつも学生さんが座って勉強したりしゃべったり、ビジネスマンが座ったり、いい感じの光景を何度か見てきた。この日は人が多くて、家具の「稼働率」も高かった。

それを見ていると無性に、住んでいる永山地区にあるデザインセンターに行きたくなって、行こうとなった。妻は行ったことがないし、移住してからは自分も行ってない。

そして、見てきた印象。何度か行ってるけど、商品がいつも同じところに、同じように置かれているとしか思えない。確かに高級そうで北欧風にデザインされたものが多いけど、じゃあ「旭川家具」ってどういうもので、どんなブランドなのよ?っていうのが見えてこない。旭川じゃなきゃダメ、っていうポイントというか。。。

かつて初任地の瀬戸支局で焼き物の取材をしている時に、器を生活の中に置いてどう魅せていくのが大事なのかを考えたことがあったので、このセンターでも同じようなことを感じた。似たようなデザインの高級家具を並べているだけで、どんなライフスタイルに合うのかとか、全然わからない。

そんな中でもすごく気になったのは、gauzy calm works(ガージーカームワークス)さんと、小助川さんという職人が個人でやっておられる「アイスプロジェクト」。

前者は、デザインセンターを運営する旭川家具工業協同組合の中では最年少経営者がいて、30歳台以下をメーンメンバーに擁している。道産材のナラを積極的に使っている。

アイスプロジェクトは、「使い捨てない、長く愛す」をテーマにしたもので、オリジナル・オーダーメイドの家具を制作している。この日の時点では小助川さんにお目にかかってなかったけれど、なんとなくお人柄が顔が分かる気がした。

評論家みたいな偉そうなことを言うつもりはないけど、すごいエネルギーや勢いを感じるし、「新しいことをやってくぜー」という雰囲気が伝わってくる。

これからもっともっと注目させてもらおー。帰りぎわ、ちょうど小助川さんのワークショップがあると職員の方に教えてもらって、幸せな気持ちでお店を後にしたのでした。

 

 

ゆったり落ち着く「層雲峡ホステル」と「緑丘蔵」

(つづき)

さて層雲峡ホステルの紹介であります。

元ユースホステルというだけあって、建物はしっかりと大きい。立派なボイラーもついていて、クラウドファンディングで改修の費用を集めたんだとか。(ちなみに浴場はシャワーだけの利用になります)。

フロントもしっかりしている。共同スペース(下の写真)は広々としていて、暖房がついてあったまる。外国からのお客さんが多くて、自分たち以外に日本人客は見当たらず。翌日の計画を練るのにぴったりの雰囲気。北海道や山にまつわる本もいっぱい置いてあるー。

 

登山客の利用が多いってのがよく分かるフロントの壁!

家族で泊まるので、和室を手配してくださった。6人では窮屈かも・・・と言われていたけど、全然そんなことなく、11時間近く熟睡しました。(途中、咳のしすぎで肋骨が痛くなって何度も目が覚めた以外は)。シーツ類はセルフで敷いて、翌朝に一階へ自分で持っていくスタイル。

朝ごはんは共同スペースで。名前が書かれていて、なんかいい感じ。ここに射し込む朝の光が優しくて、外の冷気が美しく感じられる。ご飯は別料金だけど、これで税込み3000円ちょっと。めちゃコスパ高い。大ぶりな建物っていうのもあるけど、スタッフさんの雰囲気もあいまって、妙にゆったり落ち着ける空間だった。周りは高額なホテルが多いので、ゲストハウスで選択肢が増えていくのって重要だわ。

帰り際、ここ上川町と隣の愛別町でした売っていない緑丘蔵(上川大雪酒造)の日本酒「神川」をセブンイレブンで入手。道産の酒造好適米と、大雪山系の麓でとれる天然水にこだわっていらっしゃる。地元の活性化をしようと三重から移ってきた方が興した酒蔵で、地域で応援しようという機運がある。旭川市内では手に入らないってのがいいわ。自分のゲストハウスでも置いてみたい。雑味がなく、風味が強すぎず、適度にきりっとしていて、めっちゃ好きな味。

大雪森のガーデンの絶景と、「すがわら」の塩はホンモノだった

森のガーデンの周辺からの絶景!

!旭川には、元祖といえるゲストハウスがあって、その名は「宿・レトロハウス銀座」と言う。そこ出身の志水陽平さんが今、層雲峡の旧ユースホステルをリノベーションして今年6月からゲストハウス「層雲峡ホステル」をやっている。旭川では有名な方なんです。

層雲峡は旭川の奥座敷みたいなところで、温泉郷として有名なところ。大きなホテルがひしめいていて、昔から知られている観光地だし黒岳(大雪山系)の登山口としても人気。

で、その層雲峡ホステルの今シーズン営業が10月19日で終わるということで、オーナーの志水さんに連絡して、家族5人と母の6人で急きょ宿泊することにしたのです。この日は移住してきてからダントツで大雪山系がキレイに見えたので、もっと近くにいけると思うと、ドキドキ。

仮住まいアパートの近くからの絶景!(下の写真はアパート裏手)

この日は午前中に旭川市立病院で長男・大滋(たいし)の受診。その間、下の子ども2人を駅近くの子ども施設で母に見てもらい、お昼に合流して塩ラーメンの名店「すがわら」でお食事。やっと来れたー!

日本初の歩行者天国・買物公園通りから一歩入ったところに本店があって、すこし駅からは歩くけど、ビルの中から見た店舗外観はご覧の通り味があっていい感じ。

ぜいたくにも、特上の塩(930円)をいただく。すごく澄んでいて、あっさりながらも、しっかりと余韻を残すスープ。正直、麺は好みではないけど、このスープと味玉はバツグンだった。近くのゲストハウスオーナーさんは「旭川で一番うまい塩」とおっしゃっていて、さもありなん、と。

一度帰宅して身支度して、高速道路(無料区間)をスイスイ通って、上川町というところに入る。もう日が暮れる寸前だったけど、せっかくだからと「大雪 森のガーデン」へ。ここは著名人もお忍びで通うとか噂されるハイクオリティのヴィラとか、ミクニさんのレストランとかが有名で、広大な「北海道ガーデン」も人気。あとカフェも。めちゃ残念なことにカフェのラストオーダーが終わり、ガーデンもシーズンが終わってしまってけど、周囲の眺望は超一級。雑誌とかで見てて憧れていたけど、その期待に違わぬ絶景でありました。

ここに見えるのがヴィラ。宝くじが当たったら泊まってみたい
おシャンティーなヴィラです

こちらがレストランです。懸賞が当たったら食べに来たい

そして暗くなって午後6時前くらいに、層雲峡ホステルに到着。森のガーデンからけっこうな距離があり、上川町の中心部から温泉郷まで20数キロあったので、その広さにびっくりしながら。

夜になるにつれて、体調はどんどん悪くなり、食事も楽しむ余裕がなく、8時台にはバタンキュー。志水さんたちと飲むこともかなわず、大変失礼なことをしてしまった。。。温泉郷にきたのに近くのホテルにある温泉にも入らず、トホホな夜になってしまった。                             (つづく)

 

ゾクゾクと忍び寄る「地に足がついてない」感

10月18日。雪虫が飛んでも、まだ降らない。それでもやっぱり、朝に長男のスクールバス乗り場まで歩くと、冬に近づいていってるんだなと感じる。秋の終わりは近い。

ちなみに、スクールバスは子どもの足で15分の道庁の出先機関にあり、幸運なことにとっても便利。いい運動になるし、なんだか安心。車に乗らなくても行ける幸せは大きい!

夕方には自分の母が遊びに来てくれて、家族全員で旭川駅までお出迎え。自分は前日くらいから、悪寒がしだして、咳き込むは頭痛はするやで、急激に体調が悪化していたので、テンションがぜんぜん上がらず。この症状なんだろうと思いながら、これまで病院に行っても「感染症でしょう」と言われて終わりだったので気持ち悪い。一年に一度は発症して、お酒入ると絶望的にしんどいし、けっこう長引く。

でも今夜はとてーも大事な夜の予定が。これまた前日に、たまたまFacebookのイベント案内で知った、キャンプファイヤーさんのクラウドファンディングのセミナー!なんで旭川で?と思ったけど、こちらの面白い人が集まりそうだす、迷わず「参加」をポチッとしたしだい。

セミナーでは、基本的な心構えから、広く思いを伝えるコツ、期間中のステージ別の仕掛けまで、実践的なことを教えてもらえた。しかも、キャンプファイヤーの北海道担当の方から直接。この場で知ったけど、各エリアには伝道師みたいな存在がいて、旭川と東京の2拠点で活動されている方が、一緒にこのイベントを開いたような格好だった。

中身が参考になったのはもちろんだけど、参加者はこれから起業をしようか考えてる人やすでにやった人、「なにか面白いことをしたい!」と構想を練っている方まで様々で、その皆さんとつながれただけでも最高に刺激的だった。

そして、地元でずっとやってきてそこから生まれた疑問や問題意識、希望なんかを皆さん話してらっしゃったので、「あぁ、自分は地に足がついてない。めちゃんこ薄っぺらい机上の空論にすぎないなー・・・」と妙なネガティブ思想に、脳みそが急速に支配されていった。

なのでこの直後に、自分のやりたいことを紙に書いて発表するワークがあったのに、自分がすごく恥ずかしくなって、スラスラと書けなくなった。あ、これってまだ、自分のやりたいことが身体を通ってない、胸を張ってストレートに人に話せるレベルじゃない、と痛感。撃沈した感じになった。

それでもエイヤ!と気を取り直して、一部の参加者さんと懇親会へ突入。近くの「羊肉酒場」さん。大阪出身の篠原さんが経営されていて、今日のセミナーにも参加されていた。

ジンギスカンは、北海道に来て何度か食べてるけど、「生ラムたたき」なんてものは初めてで、ハマりそうだった。これはツマミとしてもいくらでも食べられる。そしてこのお店の名物は水晶の透明プレートで焼くこと。焼き加減にコツはいるけど、素材の良さを引き出すめずらしい焼き方にびっくり。ビールは生中を一本飲んだだけで、頭がフラフラ。最終の汽車が旭川発22時32分なので、間に合うようにちゃんとお店を後にすることに。タクシーはお金が悲惨だし、バスはまだよく分かっていないので。。。体をゾクゾクさせながら最寄りの永山駅からアパートまで15分、歩くのは堪えたけど、やりきった感はあった(笑)

初めて見たご当地ドリンク。後日、イオンモールの中の地元産品ショップでも見かけた。旭川のだと思ったら、よく見たら芦別だった。

秋の石狩川フォトギャラリー

次男との散歩2日目。三日坊主にならないか・・・。不安。

今日は車で10分弱走って石狩川まで。もっと近くに川にかかる橋はあるんだけど、一番好きな、とっても美しい景色のところへ。地元の人しかわからないような、秘密の場所。

この日、10月17日の朝はなかなかに冷え込んで、車の温度計は3度。空気が冷たくて、キーンとなって、気持ちがいい。肺が浄化されるようだわ。次男と橋を歩いて撮影。一眼レフや望遠レンズも持ってきたのに、メモリーカードを忘れるという大失態。しかたなくiPhone 6sで。

次男はめちゃくちゃ寒がってたけど、寒いからこそこんな風景を享受できるんだよなー。感謝。帰ってきてストーブに当たる、その幸福感といったら・・・。朝ごはんもうまい。

日中の空き時間は、旭川の隣町・東神楽町へ。北海道で一番子どもの割合が多く、人口がずっと増えていて、子育て支援や教育にずっと力を入れている。空港のあるまちで、コンパクトシティーをつくってもいる。この辺はまたあらためて。

お昼は、障害のある人の就労支援施設「ゆい・ゆい本舗」(東神楽町)へ。旭川の買物公園通り(歩行者天国)にあるナチュラルチーズ屋さん「ジャパチーズ」のモッツァレラがふんだんに入ったチーズハンバーグカレーをいただく。とろけるチーズがほどよいアクセントと甘みをだし、カレーもコクがあって、んまい! 後日、マルシェでまた食べたけど変わらぬおいしさ。これはリピートしたくなる味。

夜は東神楽町の行政関係者の方と飲み会。旭川市を中心とする広域圏での課題や可能性について意見交換して、楽しい〜。やっぱり旭川は、道北の雄として、もっともっとリーダーシップを発揮しないとなぁ。。。 当たり前だけど自分の知らない面白いネタや名物がたくさんあって、旭川に限らずどんどんコラボレーションしていきたいと強く思えるステキな会食になった!

二件目は、旭川駅近くの「大雪地ビール」のレストランへ。

飲みくらべして、またまた幸せな気分。旭川周辺ではクラフトビールを新たにつくろう!という動きもるらしく、どんどん面白いことが起きてきそう。クラフト=富良野だけじゃない! コミュニケーションのツールとしてのビールやコーヒーは、多様であればあるほどいいんじゃないかと思う。

 

 

 

 

 

 

かわいい雪虫、芳醇な酒粕ラーメン

道民になって7日目ともなると、ちょっと気持ち的には落ち着いてきた感じがする。ということで、次男との朝の散歩に出かける。がんばるぞー!

ちょっと前から気になっていたのが、この雪虫。これが飛び始めると雪が降るかも〜って言われていた記憶があるけど、なかなか降らない。。。ふわふわふわ〜と家の前でたくさん飛んでいて、ふわっと手でかすめると、気持ちいいくらいに捕まってくれる。かわいい。

昨シーズンは10月23日に雪が降り始め、そのまま根雪になったといろんなところで聞く。でも今年はまだ全くで、大雪山系でも例年にないくらい、雪がないらしい。まだ準備が本格的にできてないのでわが家にとってはいいけど、旭川でこのまま雪がないまま11月に突入するとしたら、ちょっと不思議な感じがしてしまう。早くタイヤもなんとかしなきゃ。早い人はもう、スタッドレスに履き替えてるし。

役所に行ったり、家の片付けをしたり、コインランドリーに行ったり、中古車屋さんに見に行ったりしているうちに、日中の時間はどんどんなくなっていく。

家の中の食器棚がまだないこともあって、まだまだ外食の比率が高い。きょうのお昼はどうしようかな〜と車を走らせ、ふとした瞬間に「そういえば、ここ行かないといけなかった!」と思い出したのがここ、地産食堂「ウルエ」。塩ホルモン「きくちゃん」の並びで、国道39号(大雪通り)からは見えにくいけど、地元の人でにぎわっているお店。

入口のタープに、謎の北野大さんの揮毫が。ここの立地の特徴はなんといっても、この名酒蔵が国道を挟んであるところ。旭川の銘酒といえば、そう「男山」。最近はアジアからの訪日客がバスで押し寄せていて、活気がある。

ということで、「ウルエ」さんの多彩なメニューの中でも今日は、男山の大吟醸酒粕ラーメン!!どおりゃ==!って感じの見てくれ。迫力あるー。

釘付けになるのは、まんなかに鎮座する「酒粕ドーム」。これを少しずつ溶かして、味を段階的に調整していくのは食べ方のミソらしい。かき混ぜるたびに、芳醇さをましていくスープ。葉物との相性もバツグンで、これは旭川に来たならマストな逸品だわ。ちなみにこのお店、地下水(伏流水)を使っているらしい。コーヒーサービスもある。さすが!

比布はおいしい駅においしいものが集まってた

ビジネスコンテストでグランプリを逃して一夜明けた朝は、なんとも神々しい、パワーをもらう日の出だった。仮住まいのアパート裏手から見える大雪山系から顔を見せた太陽は美しいことこの上なく、頭上の雲をこれから晴らしていくような勢いがあった。感謝。

きょうは15日。移住して6日目になるけど、土地勘を養うためにも近隣の町を知るツアーを始めることにする!

第一弾は比布町。町営スキー場や、イチゴが有名なまち。有名じゃないけど、近くにある旭川農業高校さんと連携して素材提供をしていて、町名の響きもあってすごくいいイメージが昔からあるところ。

旭川市永山から比布に向かう道中もいちいちきれいで壮大。いいなあ。北海道の踏切って素敵。

今日の目的地は、比布駅。ピップエレキバンのCM撮影で知られた駅で、亡くなった樹木希林さんがいらしている。昭和54年に旅行中の大学生がこの駅を見つけ、ここでCMを撮影するよう署名活動をして、「大学マガジン」という雑誌で呼びかけたんだって。知らなかったー。おもしろい。

しかも、撮影は翌年6月に敢行! これもすごい。午前中に一本しかない急行列車が通過するシーンを狙い、失敗したら夕方まで待たないといけない、というシチュエーションだったそう。その後は観光客でごった返した。今でも、「ピップエレキバンの駅」と言えば、通じる人には通じる。

駅にはこんな撮影時のエピソードも書かれてあった。しかも2016年9月4日の駅のグランドオープンイベントでは希林さんがメッセージも寄せてくれたみたいで、それも展示してあった。なんかいいなぁ。

このグランドオープンというので、駅がきれいになり、今人気の「ぴぴカフェ」につながっている。線路とホームをのぞむ開放的な空間がカフェスペースになっていて、ご覧のような地元産品を売りにしたメニューがある。

食べたのは、スキー場近くで育っているニジマスのいくら丼、すべて素材は地元産で固めてネギ醤油をかけるTKG(卵かけご飯)、カレー。どれも美味しい。みそ汁が滋味深い。

ワンコインもあるから、旭川から来ても元が取れるし、お土産も充実してるからまた着たくなる。わが家は、前から気になっていたシラカバの樹液を購入。どこで作っているのかは知っていたけど、販売してるのは初めて見た!

ちなみに駐車場でたまたまお話した紳士いわく、ここのキクラゲが絶品で、一度食べて忘れられなかったので旭川から買いに来たという。カフェの中の思い出ノートにも、東京からキクラゲ丼を食べにきたよ〜っていう書き込みがあった。実はまだ食べてないけど、これはイケるコンテンツになりそうだなぁ。町内でハチミツも作っているらしくて、比布は相当面白いところだと分かった。大きな収穫。

東川養護学校に通っている長男・大滋(たいし)のバスお迎えがあるので、2時半くらいに退店。帰り道に、気になっていた軽トラが置いてある中古車屋さんがあるので、品定めして。うーん、どっちにしようかなぁ。

左が、走行距離不明のスバル・サンバー。右が8万キロ弱のスズキ・キャリイ。サンバーはオイル漏れで、いろいろ面倒な感じ。Facebookで皆さんの反応をうかがっていると、圧倒的にキャリイ推しが多い。元・浜松人としても、やっぱキャリイにすべきかなぁ。ちょっとだけ考えよう。

ちなみに中古車屋さんからの眺めがこれ。はあ〜、こんなところで働きたいなー。