移住後はじめての「突哨山」

ゲストハウス「旭川公園」の予定地の近くには、突哨山(とっしょうざん)という里山があって、今や売れっ子になっている清水省吾さんが一部を所有して、消費者が気軽に入り、興味をもてる「オープンな林業」を展開している。

清水さんが展開する「里山部」入り口
木こりとしての貫禄十分な清水氏

「自伐型」というスタイルで、山主(所有者)が森林組合とかにお願いして終わり、ではなく、自分で所有して管理し、職人さんと連携して川下のお客さんまで届けるスタイル。これから北海道で広がっているだろうし、家具産地としての旭川にとって、森が近くにいて木々のことを知れる環境っていうのは何物にもかえがたい。

予定地から車で10分くらいの場所にこの里山と清水さんがいるっていうのは、場所を決める上ですごく大きなポイントになった。感謝!

10月22日には移住後はじめて、突哨山に来て清水さんと作戦会議。名目は、クラウドファンディングの返礼品にもなっているオリジナルスツールの候補木のセレクトだったけど、森のなかを案内してもらい、今後のことをなんやかんや話しているうちに、時間が過ぎて(笑)おかげで家族みんなで、心ゆくまで堪能させてもらいました。

「里山部」の清水さんのフィールドに唯一あるカラマツ
なんだか北海道っぽいシラカバ

木のスプーンとかを作れる「削り馬」が森の中に置いてあった。子どもたちは夢中になって乗りたがる。これ、ゲストハウスにも起きたいなあと夢想中。

当たり前だけど現行林業のうえに成り立っている家具産業。小規模だけど自分たちで所有し管理して手がける、そんな林業と丁寧なものづくり技術を組み合わせる、そんなオリジナルをつくっていきたい。(その片棒を担ぎたい)

 

キムチホルモンラーメンからの、旭山動物園かじり

10月21日のお昼は、近くにあるそば・ラーメンの「鬼はそと」。地元をよく知る人によると、ここは昔「福は内」というお店だったそうで。おもしろい。

妻はどんぶりからはみ出した巨大なのが乗っている「鬼かき揚げ丼」を頼み、子どもはもりそば、自分は「キムモン」(1000円)をオーダー。文字通り、キムチと、モツ煮込みの入ったラーメンであります。

写真では伝わりづらいけど、すごいボリューム。辛さとモツのバランスが絶妙で、麺とも相性がいい。すくってもすくっても、どんどんモツが溢れてくる。「えっ、まだ?!」とびっくりすること請け合い。こんなにたくさん入ってるの、見たことないわ。妻の鬼かき揚げ丼も三分の一くらい食べたので、お腹はパンパン。この辺、個性的なお店が多いわ。地元の人で店内もずっと混み合ってる。

そのあとは細々と買い物とか要件をすまし、夕方4時前に旭山動物園へ駆け込み。いつでも来れるし、何度も来たいので、1020円の年間パスポートを入手!イラストは市内の清掃車とか旭川大学とか、いろんなところで目にする、あべ弘士さん。マガンがデザインされていて、かわいい。

ちょうどぺんぎん館で「もぐもぐタイム」をやっていたので、ちょうどタイミングよかった。ペンギンのもぐもぐ見るのは初めてかも。

園内はどの館でもそうだけど、飼育・展示してある動物とその暮らしを通してなにを考えてほしいかを徹底的に考えてる。分かりやすいのがほっきょくぐま館で、温暖化とか気候変動でシロクマの餌や生息地がどうなってしまうか。環境の変化は何によって引き起こされているか。爬虫類館なら、マウスのよこにヘビを置いてるし、ヘビのもぐもぐタイムではマウスを餌にする。「残酷」「かわいそう」ではなく、生き物がどうしたってほかの命をいただいて生きているので、それはヘビも人間も同じだということ。子連れできて、そのポップを見るだけでも、生きた教育になるなぁ。

近くにこんな動物園があるって幸せ。時間が空いたら連れてくるようにしたい。

デザインセンターで考える、旭川家具のこと

旭川に遊びに来ていた兵庫県の母を旭川駅で見送って、写真のような感じでブラブラしていると、コンコースにる「旭川家具ラウンジ」が目に入った。(使っている人が多くてブツの写真は撮れず)。

家具は日本五大産地に数えられるほど業界では有名なのに、道外の人や、地元の若い人にあんまり知られていない。自分の感覚では、静岡で「知っている」という人に出会ったことがない。それでも、いやそれだからこそ、まちの玄関口である駅にいろんなメーカーの商品を並べて、実際に使ってもらって親しんでもらおうということなのかなと勝手に思ってる。あんまりコンコースでのんびりした事がないので分からないけど、いつも学生さんが座って勉強したりしゃべったり、ビジネスマンが座ったり、いい感じの光景を何度か見てきた。この日は人が多くて、家具の「稼働率」も高かった。

それを見ていると無性に、住んでいる永山地区にあるデザインセンターに行きたくなって、行こうとなった。妻は行ったことがないし、移住してからは自分も行ってない。

そして、見てきた印象。何度か行ってるけど、商品がいつも同じところに、同じように置かれているとしか思えない。確かに高級そうで北欧風にデザインされたものが多いけど、じゃあ「旭川家具」ってどういうもので、どんなブランドなのよ?っていうのが見えてこない。旭川じゃなきゃダメ、っていうポイントというか。。。

かつて初任地の瀬戸支局で焼き物の取材をしている時に、器を生活の中に置いてどう魅せていくのが大事なのかを考えたことがあったので、このセンターでも同じようなことを感じた。似たようなデザインの高級家具を並べているだけで、どんなライフスタイルに合うのかとか、全然わからない。

そんな中でもすごく気になったのは、gauzy calm works(ガージーカームワークス)さんと、小助川さんという職人が個人でやっておられる「アイスプロジェクト」。

前者は、デザインセンターを運営する旭川家具工業協同組合の中では最年少経営者がいて、30歳台以下をメーンメンバーに擁している。道産材のナラを積極的に使っている。

アイスプロジェクトは、「使い捨てない、長く愛す」をテーマにしたもので、オリジナル・オーダーメイドの家具を制作している。この日の時点では小助川さんにお目にかかってなかったけれど、なんとなくお人柄が顔が分かる気がした。

評論家みたいな偉そうなことを言うつもりはないけど、すごいエネルギーや勢いを感じるし、「新しいことをやってくぜー」という雰囲気が伝わってくる。

これからもっともっと注目させてもらおー。帰りぎわ、ちょうど小助川さんのワークショップがあると職員の方に教えてもらって、幸せな気持ちでお店を後にしたのでした。

 

 

ゆったり落ち着く「層雲峡ホステル」と「緑丘蔵」

(つづき)

さて層雲峡ホステルの紹介であります。

元ユースホステルというだけあって、建物はしっかりと大きい。立派なボイラーもついていて、クラウドファンディングで改修の費用を集めたんだとか。(ちなみに浴場はシャワーだけの利用になります)。

フロントもしっかりしている。共同スペース(下の写真)は広々としていて、暖房がついてあったまる。外国からのお客さんが多くて、自分たち以外に日本人客は見当たらず。翌日の計画を練るのにぴったりの雰囲気。北海道や山にまつわる本もいっぱい置いてあるー。

 

登山客の利用が多いってのがよく分かるフロントの壁!

家族で泊まるので、和室を手配してくださった。6人では窮屈かも・・・と言われていたけど、全然そんなことなく、11時間近く熟睡しました。(途中、咳のしすぎで肋骨が痛くなって何度も目が覚めた以外は)。シーツ類はセルフで敷いて、翌朝に一階へ自分で持っていくスタイル。

朝ごはんは共同スペースで。名前が書かれていて、なんかいい感じ。ここに射し込む朝の光が優しくて、外の冷気が美しく感じられる。ご飯は別料金だけど、これで税込み3000円ちょっと。めちゃコスパ高い。大ぶりな建物っていうのもあるけど、スタッフさんの雰囲気もあいまって、妙にゆったり落ち着ける空間だった。周りは高額なホテルが多いので、ゲストハウスで選択肢が増えていくのって重要だわ。

帰り際、ここ上川町と隣の愛別町でした売っていない緑丘蔵(上川大雪酒造)の日本酒「神川」をセブンイレブンで入手。道産の酒造好適米と、大雪山系の麓でとれる天然水にこだわっていらっしゃる。地元の活性化をしようと三重から移ってきた方が興した酒蔵で、地域で応援しようという機運がある。旭川市内では手に入らないってのがいいわ。自分のゲストハウスでも置いてみたい。雑味がなく、風味が強すぎず、適度にきりっとしていて、めっちゃ好きな味。

大雪森のガーデンの絶景と、「すがわら」の塩はホンモノだった

森のガーデンの周辺からの絶景!

!旭川には、元祖といえるゲストハウスがあって、その名は「宿・レトロハウス銀座」と言う。そこ出身の志水陽平さんが今、層雲峡の旧ユースホステルをリノベーションして今年6月からゲストハウス「層雲峡ホステル」をやっている。旭川では有名な方なんです。

層雲峡は旭川の奥座敷みたいなところで、温泉郷として有名なところ。大きなホテルがひしめいていて、昔から知られている観光地だし黒岳(大雪山系)の登山口としても人気。

で、その層雲峡ホステルの今シーズン営業が10月19日で終わるということで、オーナーの志水さんに連絡して、家族5人と母の6人で急きょ宿泊することにしたのです。この日は移住してきてからダントツで大雪山系がキレイに見えたので、もっと近くにいけると思うと、ドキドキ。

仮住まいアパートの近くからの絶景!(下の写真はアパート裏手)

この日は午前中に旭川市立病院で長男・大滋(たいし)の受診。その間、下の子ども2人を駅近くの子ども施設で母に見てもらい、お昼に合流して塩ラーメンの名店「すがわら」でお食事。やっと来れたー!

日本初の歩行者天国・買物公園通りから一歩入ったところに本店があって、すこし駅からは歩くけど、ビルの中から見た店舗外観はご覧の通り味があっていい感じ。

ぜいたくにも、特上の塩(930円)をいただく。すごく澄んでいて、あっさりながらも、しっかりと余韻を残すスープ。正直、麺は好みではないけど、このスープと味玉はバツグンだった。近くのゲストハウスオーナーさんは「旭川で一番うまい塩」とおっしゃっていて、さもありなん、と。

一度帰宅して身支度して、高速道路(無料区間)をスイスイ通って、上川町というところに入る。もう日が暮れる寸前だったけど、せっかくだからと「大雪 森のガーデン」へ。ここは著名人もお忍びで通うとか噂されるハイクオリティのヴィラとか、ミクニさんのレストランとかが有名で、広大な「北海道ガーデン」も人気。あとカフェも。めちゃ残念なことにカフェのラストオーダーが終わり、ガーデンもシーズンが終わってしまってけど、周囲の眺望は超一級。雑誌とかで見てて憧れていたけど、その期待に違わぬ絶景でありました。

ここに見えるのがヴィラ。宝くじが当たったら泊まってみたい
おシャンティーなヴィラです

こちらがレストランです。懸賞が当たったら食べに来たい

そして暗くなって午後6時前くらいに、層雲峡ホステルに到着。森のガーデンからけっこうな距離があり、上川町の中心部から温泉郷まで20数キロあったので、その広さにびっくりしながら。

夜になるにつれて、体調はどんどん悪くなり、食事も楽しむ余裕がなく、8時台にはバタンキュー。志水さんたちと飲むこともかなわず、大変失礼なことをしてしまった。。。温泉郷にきたのに近くのホテルにある温泉にも入らず、トホホな夜になってしまった。                             (つづく)

 

ゾクゾクと忍び寄る「地に足がついてない」感

10月18日。雪虫が飛んでも、まだ降らない。それでもやっぱり、朝に長男のスクールバス乗り場まで歩くと、冬に近づいていってるんだなと感じる。秋の終わりは近い。

ちなみに、スクールバスは子どもの足で15分の道庁の出先機関にあり、幸運なことにとっても便利。いい運動になるし、なんだか安心。車に乗らなくても行ける幸せは大きい!

夕方には自分の母が遊びに来てくれて、家族全員で旭川駅までお出迎え。自分は前日くらいから、悪寒がしだして、咳き込むは頭痛はするやで、急激に体調が悪化していたので、テンションがぜんぜん上がらず。この症状なんだろうと思いながら、これまで病院に行っても「感染症でしょう」と言われて終わりだったので気持ち悪い。一年に一度は発症して、お酒入ると絶望的にしんどいし、けっこう長引く。

でも今夜はとてーも大事な夜の予定が。これまた前日に、たまたまFacebookのイベント案内で知った、キャンプファイヤーさんのクラウドファンディングのセミナー!なんで旭川で?と思ったけど、こちらの面白い人が集まりそうだす、迷わず「参加」をポチッとしたしだい。

セミナーでは、基本的な心構えから、広く思いを伝えるコツ、期間中のステージ別の仕掛けまで、実践的なことを教えてもらえた。しかも、キャンプファイヤーの北海道担当の方から直接。この場で知ったけど、各エリアには伝道師みたいな存在がいて、旭川と東京の2拠点で活動されている方が、一緒にこのイベントを開いたような格好だった。

中身が参考になったのはもちろんだけど、参加者はこれから起業をしようか考えてる人やすでにやった人、「なにか面白いことをしたい!」と構想を練っている方まで様々で、その皆さんとつながれただけでも最高に刺激的だった。

そして、地元でずっとやってきてそこから生まれた疑問や問題意識、希望なんかを皆さん話してらっしゃったので、「あぁ、自分は地に足がついてない。めちゃんこ薄っぺらい机上の空論にすぎないなー・・・」と妙なネガティブ思想に、脳みそが急速に支配されていった。

なのでこの直後に、自分のやりたいことを紙に書いて発表するワークがあったのに、自分がすごく恥ずかしくなって、スラスラと書けなくなった。あ、これってまだ、自分のやりたいことが身体を通ってない、胸を張ってストレートに人に話せるレベルじゃない、と痛感。撃沈した感じになった。

それでもエイヤ!と気を取り直して、一部の参加者さんと懇親会へ突入。近くの「羊肉酒場」さん。大阪出身の篠原さんが経営されていて、今日のセミナーにも参加されていた。

ジンギスカンは、北海道に来て何度か食べてるけど、「生ラムたたき」なんてものは初めてで、ハマりそうだった。これはツマミとしてもいくらでも食べられる。そしてこのお店の名物は水晶の透明プレートで焼くこと。焼き加減にコツはいるけど、素材の良さを引き出すめずらしい焼き方にびっくり。ビールは生中を一本飲んだだけで、頭がフラフラ。最終の汽車が旭川発22時32分なので、間に合うようにちゃんとお店を後にすることに。タクシーはお金が悲惨だし、バスはまだよく分かっていないので。。。体をゾクゾクさせながら最寄りの永山駅からアパートまで15分、歩くのは堪えたけど、やりきった感はあった(笑)

初めて見たご当地ドリンク。後日、イオンモールの中の地元産品ショップでも見かけた。旭川のだと思ったら、よく見たら芦別だった。