管理棟の絵が見えてきた!

10月2日は松本憲さんの事務所で打ち合わせ。コンテナハウスが頓挫して、住宅(兼 管理棟)も憲さんのところでほかの建物と同様にお願いすると決まったのが9月25日、コンテナハウスのメーカーと破談になったのがその2日前だから、なんという、恐ろしいほどのスピード感! 睡眠時間やお子さんとの時間を削って仕上げてくれたであろう、奥さんのしのちゃん、憲ちゃん、所長、ありがとうございます💦

提示されたのは、この図面。

図面のほんの一部

「どうですか?」と言われて、もう「どうもこうもありません」と答えるのがやっと。限られた敷地と予算、「旭川公園」全体の世界観との統一性をぜんぶ満足してくれて、動線やレイアウトも素敵すぎて・・・。

よく、「期待以上、言われた以上のことをしてこそ仕事」みたいに言うけど、それを字でいくようなクオリティの仕事に脱帽&感激!組む相手によって、こうも違うものなのか…。

お気に入りのポイントはいくつかあるけど、一番大きいのはリビングからの景色と、宿泊棟・広場との動線。

景色といっても絶景があるわけじゃないけど、ご近所の家の向こうにそびえる大雪山の方向に、出入り口にもなるリビングの大きな窓があって、それが空き地を向いていて。なおかつ、ウッドデッキを(すぐじゃなくてもいつか)設けることで隣接する宿泊棟からのアクセスがしやすくなるし、デザイン的にもつながりを感じやすい。

それに、ペレットストーブの配置や小上がりの和室も最高の。これが、宿泊棟・広場から(カーテン閉めてない時に見ようと思えば)見えるようになっている。

直前の25日の打ち合わせでは、あくまで平屋にして、2階部分は将来的にロフトのようなものを設けられるような余地を残しておこう、という方向でまとまったけど、所長の方からは「一番大事な予算のことはあるけど、どうせなら最初から入れるプランにしました」と説明をいただいた。2段ベッドを置けて、ゆくゆくは子どもの机を置けるようなスペースや納戸やらを、秘密基地のように控えめに配置する提案をしてもらい、「そりゃあもう、2階はあったほうがいいに決まってますので」と即決。

すごく効率的で機能的なレイアウトで、狭小住宅ならではの「小さな暮らし」ができそう。これなら楽しくモノを減らせるし、減らした甲斐があったなぁ。これは〝間違いない管理棟〟になりそうだわ🤗

コンテナを凌ぐコンテンツの家づくりへ

(つづき)

コンテナハウスは幻に終わったものの、「旭川公園」グループのメンバーから心配の電話をもらい、「これは前向きに考えるしかないですね」「もっと良くなるためのステップでしかない」という感じで一致団結。けっこうすぐに気持ちを切り替えることに大成功。

もともと、木造の宿泊棟(小屋=タイニーハウス)とコモン棟とのデザインの統一感を考えると、コンテナより木造のほうがいいんじゃない?っていう意見もあったし、空間として1つの世界観を出すには、同じ人に設計・施工をお願いしたほうがシンプルで美しい仕事になると確信。

松本憲さんからの提案もあって、施工は住宅以外の建物と同じくyomogi8さん(中村直弘さん@北海道)に頼もう、となって意見が一致。信頼できる、気持ちを一つにしてやってきた仲間たちとの仕事は速いし、なんといっても気持ちいい。「これは間違いないな」っていう安心感が半端ない。

この、いくつかのやり取りがあったのが23日。そんで、25日は憲さんの事務所(浜松市のフォルム建築設計室)で所長さんを交えて打ち合わせ。ものすごいスピード感!

この場で、こんな事態になった背景をおさらいし、法的にやっかいなことがあるとご説明。そしてすぐに、フォルムさんの方で設計を進めてもらうことになった。とけない根雪が積もる前に基礎を打てたら打とう、という、これまでとほぼ同じタイムスケジュールも確認。なんと!!

「寝室」「リビング」と部屋の用途を限定しない間取り、二階建てをやめて平屋にすること、将来的なロフトの増設余地、洗面所と独立したトイレ・・・。こっちの要望はあちらの提案が、スパっ、スパっとはまっていく。楽しい!さっそく図面を描き始めてくれ、そのライブ感に卒倒しかけた。

描いてくれるのは、憲さんの奥さんのしのちゃん。「こんな経験なかなかできない。『まぁこんな感じかな』って済ませたくない。『ここまでやったから!』と思えるくらいやらないと気が済まない」とは本人の弁。うれしいなあ。

そしてそして、たった二日間を挟んだ28日、憲さんから「平面プランができてきて打ち合わせを」「最低限の極小住宅プランで満足してます」とメッセンジャーが入る。これは間違いないものができてるなー。こんなスピード感で住宅ができるなんて、もう感動しかない!

これまでの100倍くらいのスピードで進み始めたので、一気にテンションが上がってきた。住宅をめぐるドタバタも、最良のゴールに向かうための必要なプロセスなんだなー。少なくとも3年後くらいには、心からそう思いたい。

(おわり)

 

 

コンテナハウスは夢のまま幻に

9月23日朝10時すぎ、旅行先の金沢。コインランドリーで洗濯物を放り込もうとしたら、スマホが鳴った。今年春から相談をしていた、八王子にあるコンテナハウスのメーカー社長からだった。

今回のゲストハウス計画は、全体で5つもの建物を1つの敷地に建てるので、建築基準法上、なかなかやっかいなパターンだった。複数のものを同時に同じ敷地に造ることができないので、住宅を管理棟として位置付けて、そのほかと従属関係を持たせないとクリアできない。だから、住宅とそのほかの部分で設計者が違うと、誰か代表を置いて市役所に申請を出さないといけない。誰でも好んでやってくれるわけじゃない。だから一緒に楽しんでくれる人とやらないといけない。

その住宅をコンテナ(海上輸送コンテナではなくて、建築用のコンテナ型重量鉄骨)で建てようと思って、ずっと計画を練ってきた。でも、担当の人ががなかなかこちらの意図や事情を理解・伝達してくれず、数ヶ月単位で時間だけが過ぎていき、設計にも全然話を通しておらず、あまり意味のない打ち合わせをすることもあった。そのたびに、八王子まで片道3時間以上かけてお邪魔していた。

電話をくれたその社長はステキな理念をお持ちで、推進力があり、おもしろがる能力に秀でていて、正直かなり惹かれていた。でもその社長には、土地利用の事情がきちんと伝わっていなかったようで、この時の電話では「こちらは特殊な工法でコンテナハウスを造るので、守秘義務のこともあって、ほかの設計者と組むことはできない。住宅とそのほかの部分とを分けて申請すると思っていたけど、今回のような形なら協力はできない」ということだった。

え?   それ、いま言う?

ここ一週間くらいで担当の方が社長にケツを叩かれてやっと動き出したと思ったら、組織内でぜんぜん認識が共有されていないことがだんだん分かってきた。前日22日も「え?それ今までに言ってますよね?」ということを電話で何度も聞かれ、挙げ句の果てには「いま言ったことをメールでまた送ってほしい」と訳の分からないことをおっしゃる。そのたびに、長い、長いメールを送らないといけない。

思わず乾燥機を蹴飛ばしたくなって、関係各所に「コンテナハウスがダメになった」と連絡。

間違いなく、これまでで最大のピンチであります。

住宅が建てられなければ、開業はできない。これまで、雪が降る前に基礎を打つというスケジュールでやってきて、それを信頼し、見越して退職時期を決め、いろんなことを調整してきた。それが全部、振り出しに戻ったかたち。

担当の方は、こちらが金沢や名古屋にいる間、二度浜松に足を運び、詫びを言いたかったみたいだけど、一からやり直さすために動かないといけないので、当然そんな時間もなく。メールでいろいろと苦言を言っても、「お優しい言葉、有難うございます」と来て、あーほんとに伝わらないことってあるんだなぁ、としみじみ。これまでのモヤモヤが妙に納得できたし、「多分この方は、一応こっちの人生もかかっていたプロジェクトなんだと理解されることはないんだろうな」と確信。こちらに甘さがあったし、「なんかおかしい」と感じた時に、方針転換しておくべきだった。

まぁなんかやろうと思えば、予想外にいろんなことがある。そのたびに自分も試される。いい勉強にはなった。

そしてこの話がおもしろいのは、これで気分が沈んだままにならなかったこと。すぐに信頼できる仲間と前を向いて、新しく最良の道を見つけることができた。(つづく)

 

 

 

公園ざんまいの東京さんぽ

ビジネスコンテストでのプレゼンに先立ち、18日には東京・八王子でコンテナハウスの打ち合わせ。日程すり合わせに1ヶ月かかり、やっとの思いで行ったのに、あちらからの提案という意味での進展はなにもなく。さすがに社長さんが「せっかく来ていただいたのに、今日は設計を交えて詰めるべきだった。ちゃんと報告しろ」と指導してくれたので、若干スッキリしたけど、打ち合わせを何のためにやるのか、どこまで進めるのかがはっきりしてなくて、これまで時間だけが流れていく感じだった。ずっとモヤモヤ。こっちの考えもきちんと共有されていないようで、「今さら」の事ばかり聞かれる。こういうのってやっぱりあるんだなあ。とにかく住宅の遅れを取り戻さないと、もうちょっとで雪が降り始めるし、春まで仮住まいのアパートにいなくちゃなんない。

こんな状況なので、社長さんの指示で今回は高尾駅まで送ってくれ、次回は一週間後の25日に、浜松まで来てくれることになった。異例の対応。また東京まで無駄足を運ぶことはなくなったけど、月単位の遅れはキツい。

午後は気を取り直して都心部に向かった。高尾から初めて京王線で。JRより200円弱安くて360円で新宿まで行けた。これはデカい。学生時代に行った立ち食い寿司(600円のランチ+コハダ)を食べて、中古カメラ市場っていうディープなカメラ屋を覗いて、池袋。慶応大の鉄研(鉄道研究会)OBの方々が、「冬の北海道」をテーマに写真展をされていたので、拝見。

1970年代にやった写真展をもう一度開いたとか。かっこいいな、そういうの。単なる回顧とかじゃなくて、今の北海道の鉄道と当時のを比べてみることはできて楽しい。蒸機(SL)って生き物なんだよなーって再認識したり。比布とか旭川とか、ゲストハウス 予定地の近くで撮られた写真もあった。ひさしぶりに写欲をそそられる。あっちに引っ越したら、できるだけ毎日写真を撮ろう。

そこから、歩いてすぐの「南池袋公園」に急ぎ足で。公民連携の分野ではめちゃくちゃ有名な公園で、ビルに囲まれた場所で、エアポケットのような空気感があった。 よく本とかで紹介されているまんまの、心地よい光景。無料で貸し出されてるゴザを敷いて、ゴロゴロ、おしゃべりや昼寝やら。いいなぁ。親子連れは滑り台みたいなエリアでも遊んでるし、カフェでシードル飲んでるお兄さんもハマってる。

ここには絶景があるわけじゃないし、特段緑が多いわけではない。みんな何を求めてきてるんだろと考えたら、この場の空気に他ならないんだろなーと。弱い、緩やかにつながってる感じなのかもしれないし。 そんでもって、他の人が楽しそうに寛いでるのを見るのって、すごく幸せな気分になれるなーと再認識。「旭川公園」でも生かしてこ。

次の目的地は、池袋からメトロ丸の内線で向かった銀座。9番出口直結の「銀座ソニーパーク」を見学。改札を降りてすぐの所からパークエリアで、ローラースケートのリンクがあった。地上フロアに上がると、そこは数寄屋橋交差点に面した空間が。いろんな大きい植物が、デザインされるように配置されていて、スマホを向ける人多数。公園らしく、足を伸ばしてくつろぐおじさんも。企業や個人が、公園を開く時代の象徴のような場所だった。どんだけ金かかってんだろ。ソニーも再建ができてきたってことなのかなー。

続いて表参道。電通のコピーライター・阿部広太郎氏とお茶。博報堂のインターンで一緒になり、今や雲の上のような存在だけど、ずっと刺激になっている。近況報告や、いま世の中がどんな感じになっているのか、これからどうなるんやろーとか。知的興奮! こんごのコミュニティーづくりですっごくいいヒントをもらえたわ。超多忙なとこありがと!

夜は大学の広告の講義でお世話になった、博報堂出身で今は大学で教えている池田諸苗さん、その講義で知り合った栗田宏美さんと、代々木上原で焼き鳥会。楽しすぎて、別れぎわに改札口で通りがかりの人に無理やり記念写真を頼んでしまった。気持ちよすぎて目をつぶっちゃった。

宿は馬喰町(東日本橋)だけど、寝過ごして戻るための終電を逃し、タクシーで2300円もかかってしまった。宿代と同額じゃん。東京ってこわい。ウカウカ寝てられない。

(つづく)

アヒルと時々、ソフトクリーム

日曜日はお茶を買いに行く用事があって、久しぶりに掛川市へ。キッズプレートが179円で人数分食べられるクーポンがあったのでガストでお昼ご飯を食べた後、「しばちゃんランチマーケット」という、田園地帯にある、牧場がやってるお店を目指した。目的は雰囲気、牛乳、ヨーグルト、ソフトクリーム。

 

掛川城の辺りから車で20分くらいかかるし、すれ違いがやっとの暗いトンネルとか狭い山道があるのに、ごった返してた。みんな、大汗かいて行列に並ばれておりました。いつも人気。

 

インスタ映えする大樹の下には、こんな感じでウサギがケージに入れられて、子どもたちがまぁ間違いなく周りに群がる。

目の前の川ではアヒルが泳いで草をついばんでいて、ときどき店横の陸にあがってきて、エサを食べてる。「おいかけないでね!」と看板に書いてあるけど、そりゃまぁ、小さい子どもたちは反射的に追いかけていくわけですよ。

次男は、他のお友達に「おいかけちゃダメ」と言っていた(笑)

近くにいたお客さんが「川、サイコーだなあ」「ミストがあるだけで涼しく感じるなあ。暑いけど」「友達きたら、ここかイオンモール連れていくわ」と、木の下でぽつり。

濃厚な乳製品の味だけじゃなくて、ロケーションとか風景、ここで食べるっていう体験を含めて楽しんでみえる様子。まちなかで「暑い、暑い」と言ってるよりは気持ちいいし、涼しい〝感じ〟が大切なんだろうな、と妙に納得した。

コンテナハウスでできている!きっちり車輪ついてる

土曜日の打ち合わせで、ジンギスカンをイメージして、「ヒツジ飼うのどうっすか」っていう話が冗談半分で出てたけど、このお店に来て、「けっこういいかも」と思えてきた。 10年弱前に取材でお邪魔した佐賀県のお宅(テーブルコーディネーター)のお庭には、ヤギが飼われてて、聞けば「除草するのより安いのよ、おほほほ」と。そんな実利的な面もあんのかいなと驚いたけど、やっぱり風景って大事よね。 いただいたコーヒーはとびきり美味しく感じたし、リラックスできたもんなぁ。

掛川を出たあとは、浜松市西区にあるコンテハウスの会社事務所に移動。ネットのイベント情報をかじって、ここでイベントやってると勘違いして行ってから、場所違いが発覚。それでも担当者さんが、常時公開はされてない展示場に案内してくれた。タープの使い方、内装の工夫、いろんな用途にできる奥深さ、断熱性、ロケットストーブとの相性・・・。めちゃくちゃ勉強になった。建築確認がいらないような建物だったら、中古の海上輸送コンテナを使いたいのになー。

図らずもコンテハウス三昧な日曜日になった。